前提

職人十数名を抱え、既存案件だけでも忙しいガラス・サッシ系専門工事会社の現在地

兵庫県に本社を置く、ガラス・サッシ系の専門工事会社があります。関西一円を中心に、一部の遠方案件にも対応しています。社内には職人が十数名おり、材料の手配から施工まで自社で完結できることが強みです。

取引先は、大手ゼネコンだけではありません。地域の工務店や中規模の建設会社、同業の工事会社など複数の受注経路があります。5階から10階建てほどのマンションをはじめ、新築や改修の施工を手がけています。

経営は安定しており、目先の仕事に困っているわけではありません。それでも、将来の事業承継を考えると、利益を残しやすい取引先を増やしておきたい。その一方で、現場はすでに忙しく、採用も簡単ではありません。

社長の言葉には、その迷いが率直に表れていました。

「今でもけっこう忙しいんです。新しい仕事が来たときに、ほんまにやり切れるんかなという不安があります」

この会社に必要なのは、売上を一気に増やす営業ではありません。限られた施工体制の中で、既存案件より条件のよい仕事へ少しずつ入れ替える営業です。

1週間で 14件の相談 がありました

  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
  • 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
  • 7月16日内装工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 7月16日総合建築岐阜県原価管理の相談
建設業界のプロ人材による360度経営支援 資料ダウンロード
課題

新規受注が増えても施工できる人をすぐには増やせないという迷い

新規開拓を止める必要はありません。ただし、受注件数や売上高だけを営業目標にすると、現場の負荷が先に限界へ近づきます。

建設業では、仕事が増えてから採用を始めても、必要な時期に経験者を確保できるとは限りません。入社しても、すぐに既存の職人と同じ生産性で動けるわけではありません。

相談企業でも、「仕事があふれたから、すぐ人を集めようというのは無理やろう」という認識がありました。しかも、すでに大きな工事依頼が入り、その合間に材料と施工を一式で請ける案件を回しています。

ここで新規案件を無条件に積み上げれば、次のような状態になりかねません。

  • 高利益の既存案件に人を割けなくなる
  • 遠方案件による移動時間が増える
  • 工程が重なり、急な依頼へ対応できなくなる
  • 現場を納めるために外注が増え、自社施工の利益が薄くなる
  • 採用を急ぎ、育成する側の職人まで現場から外れる

一方で、営業を止めたままでは、将来の取引先構成を変えられません。

問題は「人手不足だから営業するか、しないか」ではなく、「どの案件なら現在の施工体制で受けられ、何と入れ替える価値があるか」を判断できていないことです。

背景

大きな売上よりも利益率と工程の読みやすさが経営を支えている取引構造

この会社では、大手の案件ほど魅力的とは限りませんでした。大手ゼネコンの仕事は契約金額が大きくても、価格競争が強く、利益が薄くなりやすいからです。

社長は、その状態を「会社の外からの見栄えはよくなっても、中身はよくならない」と表現していました。

対して、地域の工務店や中規模の建設会社から受ける案件は、利益率が2割を下回りにくく、条件によっては3割近くを確保できます。マンション案件は工程も比較的読みやすく、施工の難易度も把握しやすいという特徴がありました。

さらに、この会社はメーカーから材料を比較的安く仕入れられます。自社職人による施工まで一式で請けられるため、外注費を抑えながら、材料と工事の両方で利益を残せます。

急な依頼への対応力も強みです。一般的なガラスは在庫を持ち、職人も社内にいるため、「エントランスのガラスを手配し忘れた」といった相談にも動けます。大型ガラスを扱う設備もあり、人数を持つ会社でなければ難しい現場にも対応できます。

ただし、この対応力は無限ではありません。関西圏の近距離案件と、出張を伴う遠方案件では、同じ売上でも必要な移動時間や拘束日数が違います。細かな工事を複数回こなす場合と、工程の決まったマンションをまとまって施工する場合でも、職人一人当たりの生産性は変わります。

売上高では見えない「利益」「必要人数」「拘束日数」「移動時間」「工程の読みやすさ」が、実際の受注余力を決めています。

解決

案件を増やす前に採算と施工負荷を並べ、低採算案件との入れ替えから始める進め方

新規開拓は、受注総量を増やすことではなく、仕事の中身を変えるところから始めると進めやすくなります。

まず、直近の代表的な案件を取引先別ではなく、案件単位で並べます。確認したいのは、次の6項目です。

  1. 粗利益額と粗利益率
  2. 必要な職人数と施工日数
  3. 移動を含めた一人当たりの拘束時間
  4. 対応エリアと配送・出張の負担
  5. 着工時期や工程変更の読みやすさ
  6. 既存案件と入れ替えられる可能性

利益率が高くても、遠方で何日も職人を拘束するなら、近距離案件より生産性が低い場合があります。反対に、単価がそれほど大きくなくても、工程が読みやすく、同じ仕様を繰り返し施工できるマンション案件なら、安定して利益を残せる可能性があります。

次に、「取りたい取引先」を売上規模だけで決めないことが大切です。この会社の場合、大手一社との大型契約より、既存の優良取引先に似た地域の工務店や中規模建設会社を増やすほうが合っています。

候補先を選ぶ際は、以下の条件が参考になります。

  • 自社の近隣で継続的に施工している
  • 5階から10階建て程度のマンションなど、得意な建物を扱っている
  • 業績や案件数が伸び、協力会社を必要としている
  • 材料と施工をまとめて任せる意向がある
  • 単発ではなく、複数案件を継続して相談してもらえる
  • 自社職人と在庫による急な対応力を評価してくれる

営業後も、すぐに受注を最大化する必要はありません。最初は対応可能な範囲の案件を一つ受け、見積もり時の想定と実績を比べます。利益、投入人数、施工日数、移動時間、工程変更の回数を確認し、次の受注量を決めます。

また、新規案件は既存案件への「上乗せ」ではなく、「入れ替え候補」として扱います。たとえば、利益が薄く、人数を長く拘束する工事を減らし、近距離で材工一式を任せてもらえる案件へ置き換えます。同じ売上でも、利益と施工余力を改善できます。

採用も営業と別々に考えないほうが進めやすくなります。受注見込みを次の3段階に分け、その段階に応じて採用・育成を動かします。

  • 見積もりや面談の段階
  • 小規模な試験受注の段階
  • 継続案件として見込める段階

見込みだけで先に大人数を採用するのは負担があります。一方、継続案件が決まってから動き始めると間に合わないこともあります。そこで、試験受注の実績から「毎月何人分の仕事が増えるか」を見立て、採用時期と育成担当を決めます。

営業計画と施工計画、採用計画を一枚につなげ、案件を一つずつ検証しながら受注量を増やすことが、現場を守りながら販路を広げる進め方です。

まとめ

現場が忙しく、人の採用も難しい会社ほど、新規開拓を売上目標だけで進めないことが重要です。

確認したいのは、案件ごとの利益、必要人数、施工日数、対応エリア、工程の読みやすさです。そのうえで、既存の低採算案件から、近距離で利益を残しやすい案件へ入れ替えられるかを判断します。

今回の会社では、職人を社内に抱え、材料調達から施工まで完結できることが強みでした。この強みを必要とする地域の工務店や中規模建設会社を狙えば、大手案件を増やさなくても会社の中身を厚くできます。

人手不足の中で目指すべきなのは、仕事量の単純な拡大ではなく、同じ施工体制でより利益を残せる受注構成への転換です。

自社に合う受注量と施工体制を整理するために

「営業を強化したいが、現場がどこまで受けられるかわからない」「採用を先に進めるべきか、受注の見込みをつくるべきか迷っている」という段階では、営業と施工体制を分けずに整理する必要があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大だけでなく、人材確保、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行を支援しています。案件別の採算や施工余力を確認しながら、自社に合う取引先と受注ペースを一緒に考えることも可能です。

まだ方針が固まっていなくても問題ありません。無理に営業を進めることはありませんので、「うちの場合は何から整理すればよいか」という段階から気軽にお声がけください。

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