千葉県北西部の防水工事会社が年商2億円台で安定しながら次の伸びしろを探している状況
入札案件や紹介案件で一定の売上が立っている会社ほど、新規営業の必要性を感じながらも、何から始めるべきかが見えにくくなります。
千葉県北西部を拠点にする、ある防水工事会社の状況がまさにそうでした。年商は2億円台で、仕事がまったくないわけではありません。むしろ、既存の入札関連案件や紹介経由の案件で、売上は比較的安定しています。
一方で、社内の感覚としては「このままでは大きく伸びない」という見立てもありました。既存の仕事は、入札情報を見て落札先や落札しそうな会社を追いかける流れが中心です。相談者の言葉を借りると、「その案件って、すごく宝くじみたいな感じで、取れたら儲かる仕事なんです」というものです。
ただし、その裏側には重たい実務があります。「書類とかがめちゃくちゃ大変で、社員の人が誰もやらないような仕事なんです」という声もありました。書類対応や段取りを外部の営業機能に任せることで、自社は防水工事に集中できる。これは合理的な形です。
ただ、ここで大事なのは、既存の仕組みは売上を安定させる力はあっても、自社が狙った先から案件をつくる力とは別物だという点です。
1週間で 19件ダウンロード されました
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
- 6月8日内装工事会社大阪府
- 6月5日リフォーム会社愛知県
- 6月5日プラント工事会社香川県
- 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
- 6月5日内装工事会社長崎県
- 6月4日防水工事会社東京都
- 6月4日内装工事会社東京都
- 6月3日総合建築埼玉県
- 6月3日空調設備工事会社香川県
入札と紹介に頼る構造では自社で案件発生のタイミングをつくれない
この会社の課題は、営業先がないことではなく、自社で案件を発生させる営業機能がまだ設計されていないことです。
既存の入札案件は、出てきた案件に対して動く形です。案件が発生してから追いかけるため、売上の見通しはある程度立つものの、こちらから市場を開拓していく動きにはなりにくい構造です。
実際、現在の売上について確認すると、既存の入札関連の流れがかなり大きな割合を占めていました。売上は「わりと安定している」。しかし、「これ以上それで増えるか」という問いに対しては、増えにくいという認識でした。
ここでありがちな誤解は、「営業を強化する=知り合いに紹介してもらう」「顧問や人脈で大手に入る」と考えてしまうことです。もちろん、狙う先によっては人脈が効く場面もあります。しかし、防水工事のように、建物の状態や修繕周期によって案件が発生する仕事では、1社2社にピンポイントで入っても、すぐ案件になるとは限りません。
修繕工事は、困りごとが顕在化するタイミングと、予算が動くタイミングが合わないと案件化しません。 だからこそ、単発の紹介ではなく、対象企業を一定数リスト化し、接点を持ち、追いかける仕組みが必要になります。
現場に人が出ている会社ほど営業活動を継続する時間が取れない
新規営業が進まない背景には、営業意欲の不足ではなく、現場優先の会社に営業を継続する余白がないという現実があります。
この防水工事会社でも、社員は基本的に現場に出ています。リストを作り、電話をかけ、担当者につながらなければ再度かけ、反応があった先を追いかけ、日程を調整し、初回面談で必要情報を聞き出す。こうした活動を日常業務の中で回すのは、簡単ではありません。
さらに、狙うべき市場も一枚岩ではありませんでした。
たとえば、工場は候補には入るものの、優先順位は高くありません。理由は、工場には金属屋根が多く、防水工事としては大きな改修よりも雨漏り補修のような小口対応になりやすいからです。相談者も「優先順位は低いですね」と話していました。
一方で、倉庫は可能性があります。陸屋根の大きな倉庫であれば、防水工事の対象になりやすいからです。「倉庫の方がいいかもしれないです。陸屋根でどかっとした倉庫があると、すごくいい感じですね」という感覚は、ターゲット設計にそのまま活きます。
不動産管理会社も有力です。特に、地域で賃貸物件や収益物件を管理している会社は、雨漏りや外壁補修、防水改修の相談が発生しやすい先です。実際に過去には、ホームページ経由で地場の管理会社から「雨漏りしているから見てほしい」と連絡があり、そこから複数の見積もりや外壁補修工事につながった経験もありました。
一方、大手マンション管理会社や大規模修繕の領域は、簡単ではありません。防水単体で発注されず、一式工事会社にまとめて投げられることが多いからです。相談者も「防水屋が行っても、別にって感じだと思うんです」と話していました。
つまり、営業機能を作る前に、まず『どこに当たるべきか』を施工内容と発注構造から分ける必要があるのです。
リスト作成から追客と歩留まり管理までを営業機能として設計する
新規営業は、電話をかける作業ではなく、ターゲット選定から追客までを一つの機能として設計することが重要です。
このケースで最初に整理すべきは、誰に売るかです。防水工事会社だからといって、建物を持っている会社すべてが同じ優先順位にはなりません。
たとえば、優先順位は次のように分けられます。
- 優先度が高い先:地場の不動産管理会社、賃貸アパートや収益物件を多く扱う会社、陸屋根の倉庫を持つ物流系企業
- 様子を見ながら当たる先:工場、製造業、寮や社宅など複数建物を持つ企業
- 狙い方に注意が必要な先:大手マンション管理会社、大規模修繕会社、一式工事で発注が固まっている先
この分類ができたら、次は企業リストを作ります。エリア、業種、売上規模、拠点、管理物件の性質などを見ながら、まず当たるべきリストを絞ります。関東一円に広げるとしても、距離や現場対応力を考えると、最初から広げすぎる必要はありません。
次に、電話や問い合わせフォームで接点を作ります。ただし、「防水で困っていませんか」と聞くだけでは弱いです。自社がどんな建物に強く、どんな症状に対応でき、過去にどんな相談から工事につながったのかを言語化してから接点を持つ必要があります。
たとえば、不動産管理会社向けであれば、「雨漏り調査から外壁補修、防水改修まで対応できる」「賃貸物件の入居者対応が絡む工事でも動き方を合わせられる」といった伝え方になります。倉庫系であれば、「陸屋根の防水改修」「漏水の原因確認」「操業への影響を抑えた工程相談」など、相手の建物に合わせた切り口が必要です。
アポイントが取れた後も、営業機能は終わりません。初回の面談では、すぐ工事にならない先も多く出ます。むしろ、修繕工事では「今すぐではないが、次に雨漏りしたら相談したい」「来期予算で考える」「管理物件のどこかで出るかもしれない」という先をどう管理するかが大切です。
相談者も、テレアプローチについて「うまくいったら一見さんになっちゃう気がするんですよね」と話していました。これは非常に大事な視点です。新規接点を一度の訪問で終わらせず、次の点検時期、予算時期、雨漏り発生時、外壁補修の検討時期に合わせて追いかける仕組みが必要です。
そのため、営業活動では最低限、次の数字を見ます。
- 何社にアプローチしたか
- 担当者につながった数
- 資料送付や再連絡になった数
- アポイント化した数
- 見積もりになった数
- 受注になった数
- まだ時期ではないが追客すべき先の数
この歩留まりが見えると、営業採用の判断もしやすくなります。いきなり営業社員を採用しても、「本当にこのやり方で受注につながるのか」が見えないと、採用後の評価も育成も曖昧になります。
そこで、最初は外部を使って短期間で検証する考え方もあります。一定期間、リスト作成、電話、フォーム送信、アポイント設定、初回商談の同席や整理までを外部に任せ、どのターゲットで反応が出るかを見る。数字が見えてきた段階で、内製化するのか、営業担当を採用するのか、外部活用を続けるのかを判断します。
営業機能づくりの目的は、外部に任せ続けることではなく、自社に合う案件獲得の型を見つけることです。
まとめ
入札や紹介で売上が安定している会社ほど、次の成長には『案件が出てから動く営業』から『案件が出る前に接点を作る営業』への切り替えが必要になります。
防水工事のような専門工事では、やみくもに大手へ営業しても成果は出にくいです。防水単体で発注されるのか、一式工事にまとめられるのか、建物の種類として防水改修が発生しやすいのか。ここを見誤ると、営業量を増やしても効率が悪くなります。
一方で、地場の不動産管理会社、賃貸・収益物件を扱う会社、陸屋根の倉庫を持つ物流系企業など、発注構造と施工ニーズが合う先を整理できれば、新規営業は十分に設計できます。
大切なのは、電話をかけることそのものではありません。ターゲットを決め、リストを作り、接点を持ち、初回面談につなげ、時期が来るまで追いかけ、歩留まりを見ながら改善する一連の仕組みを持つことです。
その数字が見えてくると、「営業を1人採用するべきか」「社長が初回だけ同行すれば回るのか」「外部に任せる範囲はどこまでか」も判断しやすくなります。
売上が安定している今だからこそ、無理に大きな勝負をするのではなく、小さく検証しながら営業機能を作る。専門工事会社にとって、現実的で取り組みやすい次の一手です。
自社に合う新規営業の作り方を整理したい方へ
入札・紹介・既存取引で一定の売上がある会社ほど、「新規営業を始めたいが、どこを狙うべきか」「営業を採用する前に検証したい」「現場に負担をかけずに案件化の流れを作りたい」といった悩みが出てきます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、販路拡大、人材確保、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。新規営業についても、ターゲット整理、営業リスト作成、接点づくり、追客管理、内製化の判断まで、会社の現場事情に合わせて一緒に考えます。
「うちの場合は、不動産管理会社を狙うべきか」「倉庫や工場に行くならどう分けるべきか」「営業社員を採る前に何を見ればよいか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは次の整理先としてお使いください。





























