6名規模の設備工事会社で、通常5,000万〜6,000万円の売上が大型案件で1億円を超える状態
宮城県内を中心に、工場・公共施設・病院などの非住宅向けに衛生設備工事を手がける、6名規模の設備工事会社の話です。一般住宅は頼まれれば対応する程度で、主軸は水道・下水・トイレ・ユニットバスまわりの衛生工事。空調も合わせて依頼されれば対応する、という事業の組み立てです。
普段の売上は5,000万〜6,000万円ほど。一方で、大手ゼネコンや地域性のある大型案件が入ると、1件で3,000万〜4,000万円規模になることもあり、年間売上が1億円を超える年もあります。
ただ、社長の言葉は非常に率直でした。
「売上が良くても、結局利益が出なかったら意味ないですよね」
売上が伸びているように見えても、自社の施工能力を超えた分を下請けに出しているだけなら、会社に残る利益は増えません。 ここが、少人数の専門工事会社にとってかなり大事な分岐点になります。
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- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
大型案件を受けるほど外注費が膨らみ、利益と自社ブランドが残りにくくなる構造
この会社では、社員数に対して仕事量が大きくなったとき、どうしても協力会社に頼る必要が出ていました。社長も「自分の従業員の数以上に仕事を取ってきたら、下請けに頼むしかなくなっちゃう」と話していました。
問題は、外注そのものではありません。問題は、外注した分がほぼ利益にならず、売上だけが大きく見えてしまうことです。
たとえば、年間売上が1億円になったとしても、自社で実際にこなせる仕事量が5,000万円分で、残りの5,000万円を下請けに出している状態であれば、その5,000万円は会社の実力としての利益にはなりにくい。社長の言葉を借りれば、「ただ売上が良かったっていうだけ」になってしまいます。
さらに、利益面だけでなく、元請けからの見え方も問題になります。
「うちらが忙しいと、下請けに丸投げみたいな形になっちゃう時があるんです。そうなると、『お宅に頼んだのに、下請けにほとんどやってもらうのか』って言われちゃう」
元請けからすると、工事品質が問題なくても、「それなら直接その下請けに頼めばよいのでは」と見えてしまうことがあります。下請け依存が進みすぎると、利益だけでなく、自社に頼む理由まで薄くなってしまうのです。
同規模4社で助け合う関係は強みだが、受注判断が曖昧だと赤字を招きやすい状態
この会社には、同じくらいの規模の設備工事会社が4社ほどあり、困ったときに互いに応援し合う関係があります。上下関係というより、横並びの提携に近い関係です。
これは非常に大きな強みです。少人数の会社にとって、急な現場対応や繁忙期を乗り切るために、信頼できる協力先があることは重要です。
ただ、その関係の中で決めている応援単価は、「お互いに痛み分けしよう」という性格が強く、社長の感覚では「ほぼゼロ」に近い内容でした。
「その金額でやるとはいえ、儲かるのか儲からないのかといったら、ほぼゼロ。ズルズルいったら赤字になる」
この言葉に、少人数の建設会社が抱えやすい構造が出ています。
協力会社との関係を大事にするほど、強く利益を乗せにくい。けれど、外注を前提に大型案件を受け続けると、会社としては忙しいのに利益が残らない。しかも現場によっては、元請けから「丸投げ」と見られてしまう。
また、資材高騰や設備機器の不足も影響しています。衛生設備やユニットバスまわりは、材料の確保や価格変動の影響を受けやすい領域です。見積もり時点と着工時点で条件が変われば、もともと薄い利益はさらに削られます。
外注費、材料費、現場管理の手間を入れた利益シミュレーションがないまま大型案件を受けると、売上は増えても経営は楽になりません。
自社で利益を出す工事と外注でつなぐ工事を分け、売上ではなく粗利で受注を判断すること
最初に整理したいのは、下請けを使うか使わないかの二択ではありません。どの工事は自社で取りに行き、どの工事は外注を使ってもよいのかを、事前に線引きすることです。
今回のような設備工事会社であれば、まず次の3つを分けて考えると整理しやすくなります。
- 自社職人で施工したときに、利益も品質も管理しやすい工事
- 協力会社を使っても、元請けからの評価を落としにくい工事
- 売上は大きいが、外注費と管理負担で利益が残りにくい工事
たとえば、衛生工事の中でも、工場・公共施設・病院などの非住宅案件は自社の経験値が高い領域です。ここは自社ブランドとして伸ばす候補になります。一方で、空調など「合わせて頼まれるから対応する」領域は、案件ごとに自社施工するのか、協力会社と組むのかを判断してよい部分です。
受注前には、最低限でも次のような見方を持っておきたいところです。
- 受注金額のうち、自社施工分はいくらか
- 外注に出す金額はいくらか
- 材料費の変動リスクをどこまで見ているか
- 現場管理に社長や社員がどれだけ時間を取られるか
- 元請けから見て、自社が担っている価値が明確か
特に大事なのは、売上1億円を目指すのではなく、自社施工で利益が残る1億円を目指すことです。同じ1億円でも、自社で7,000万円分を施工して粗利が残る1億円と、半分を外注に出して手元に残らない1億円では、経営の意味がまったく違います。
協力会社との付き合い方も、見直しの余地があります。今のような横並びの助け合い関係は残しつつ、案件ごとに役割を明確にすることが大切です。
たとえば、元請けに対しては「この範囲は自社で責任施工します」「この範囲は協力会社と組みますが、当社が品質・工程を管理します」と説明できる状態を作る。これだけでも、単なる丸投げとは見え方が変わります。
外注を使うこと自体が悪いのではなく、自社が何に責任を持ち、どこで利益を生むのかが曖昧なまま受けることが問題です。
そして、人を増やす判断も、ここにつながります。仕事量が一時的に増えたから採用するのではなく、安定的に自社施工で利益が出る案件が見えてきた段階で、社員を増やす。これなら、仕事が途切れたときの固定費リスクも抑えやすくなります。
まとめ
少人数の建設会社にとって、大型案件は魅力があります。1件で数千万円の売上が立ち、年間売上が大きく伸びることもあります。ただし、売上が伸びた理由が「自社の施工力が伸びたから」なのか、「外注に出す金額が増えたから」なのかは、必ず分けて見たほうがよいです。
今回の設備工事会社のように、通常は5,000万〜6,000万円規模で回している会社が、1億円規模の売上になるとき、その差額の多くが外注に流れているのであれば、経営として見るべき数字は売上ではなく粗利です。
また、元請けからの信頼を守る意味でも、自社施工の範囲を明確にすることは重要です。「全部自社でやりたい」という思いは自然ですが、現実には協力会社の力が必要な場面もあります。だからこそ、外注を否定するのではなく、自社で利益と信頼をつくる工事、協力会社と組んで対応する工事、受けないほうがよい工事を分けることが次の一手になります。
売上を追うより、残る利益を見にいく。大型案件を取るより、自社に頼まれる理由を守る。その整理ができると、無理に人を増やすかどうか、どの元請けと付き合うか、どの工事を伸ばすかも判断しやすくなります。
自社施工と外注の線引きを整理したいときに考えること
「うちの場合、どこまで自社でやるべきか」「外注を使っても利益が残る案件の見方がわからない」という段階では、まず今の案件別の売上・外注費・材料費・管理負担を並べてみるだけでも、見えるものが変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、販路拡大、原価管理、人材確保、組織づくり、デジタル活用まで横断して整理し、建設企業の持続的成長を支援しています。売上を増やす話だけでなく、「利益が残る受け方に変えたい」「協力会社との関係を崩さずに整理したい」といった段階から一緒に考えられます。
無理な営業はいたしませんので、まずは自社の状況を整理する場として活用してください。































