東北で5名規模の設備工事会社が、通常5,000万〜6,000万円の売上から1億円台に跳ねる年もある現在地
東北地方で衛生設備工事を中心に手がける、5名規模の専門工事会社の話です。主な仕事は、水道・下水に関わる衛生工事、トイレやユニットバスの設置、必要に応じた空調工事など。一般住宅よりも、工場、公共施設、病院、非住宅の建物が多く、地元や隣県の現場を中心に動いています。
社内の人数は大きく変わっていません。70歳前後の職人が引退し、20代が2名入ったことで、会社としては少し若返っています。ただ、採用ルートは求人媒体というより、身内やその友人に近い形です。
社長の言葉が、かなり率直でした。
「普通にこの業界に入ってくる人なんて、なかなかいないんですよ」
一方で、仕事がない会社ではありません。大型案件の声もかかります。大手元請けや地域性のある案件では、1件あたり3,000万〜4,000万円規模になることもあります。通常の案件が500万〜600万円規模だと考えると、売上への影響は大きいです。
ただし、ここに小規模建設会社ならではの難しさがあります。売上が1億円台に乗った年でも、自社でこなせる力を超えた分は外注に出すため、見た目ほど利益が残らないのです。
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- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
人を増やさないと大型案件を取り切れないが、仕事の波があるため雇用に踏み切れない
この会社の悩みは、採用だけの問題ではありません。人が足りないから仕事を取り切れない一方で、仕事量が安定しないから人を増やせないという構造です。
社長は、こう話していました。
「今すぐ従業員を3人、4人雇ったとして、仕事がなかったらどうするのかっていう不安があるんです」
これは多くの小規模建設会社に共通する感覚です。人を抱えれば、毎月の固定費が増えます。社会保険、給与、車両、道具、教育にかかる時間も出てきます。仕事が読める状態なら投資になりますが、読めない状態では重荷になりかねません。
一方で、人がいなければ大型案件を受けても外注に頼るしかありません。この会社も、同じくらいの規模の協力会社4社ほどと横並びで助け合う関係を持っています。困ったときに応援し合える関係は貴重です。
ただ、その応援単価は「お互い痛み分け」のような水準になりやすく、利益はほぼ残らないこともあります。
「人を借りた場合は、ほぼゼロで考えています。人が足りなかったから使う、という感じです」
ここで大事なのは、外注が悪いという話ではないことです。外注は繁忙期を乗り切る手段として有効ですが、恒常的に利益をつくる前提にすると、売上だけが膨らみやすいという点です。
大型案件はありがたいが、丸投げに見えると自社の価値が伝わりにくくなる
仕事量の波は、単に「忙しい年と暇な年がある」というだけではありません。自社の信用や利益構造にも関わります。
社長は、自社施工へのこだわりをこう表現していました。
「お宅に頼んだのに、ほとんど下請けにやってもらっていると言われると、元請けから見ても面白くないですよね」
たとえ協力会社が優秀でも、現場の大部分を外へ出すと、元請けからは「それなら直接その会社に頼めばよいのでは」と見られる可能性があります。小規模な専門工事会社にとって、これは大きな問題です。
なぜなら、元請けが見ているのは単価だけではないからです。現場を任せたときの品質、段取り、責任の所在、職人の顔が見える安心感。そうしたものを含めて「この会社に頼む意味」が決まります。
加えて、設備工事では外部環境の影響も受けます。材料不足、ユニットバスなど住宅設備機器の納期遅れ、建設費高騰による発注者側の計画保留。見積もりの前提が2〜3年前のままで、現在の材料費や労務費と合わない案件もあります。
「やるものだと思って動いていたのに、建設費が高いから保留と言われたら困りますよね」
このような状況では、単純に「仕事を増やせばよい」「人を採ればよい」とは言いにくくなります。採用判断の前に、受注の継続性と利益の残り方を見なければ、会社の体力を読み違えるからです。
採用を先に決めるのではなく、継続案件・稼働率・外注費・売上水準を並べて判断する
このケースでは、先に考えるべきは採用人数ではなく、どの売上水準なら自社職人を増やしても耐えられるかです。
目安になるのは、社長自身が話していた「1億円くらいで安定して運営できるのが理想」という感覚です。ただし、ここで見るべきは売上総額ではありません。1億円のうち半分を外注に出して、利益がほとんど残らないなら、採用原資にはなりにくいからです。
まず整理したいのは、次の4つです。
- 既存取引先から、半年〜1年先まで継続して見込める案件がどれだけあるか
- 現在の5名体制で、繁忙期と閑散期の稼働率がどの程度違うか
- 外注に出している工事のうち、自社施工に戻せば利益改善する部分はどこか
- 社員を1名増やした場合、年間でどれだけの粗利増が必要か
特に重要なのは、外注費との比較です。大型案件が来たときに外注へ5,000万円出しているなら、そのうちどの部分を自社化できると利益が変わるのかを見ます。すべてを自社で抱える必要はありません。むしろ、いきなり3〜4名を採るより、まずは1名増やした場合の稼働を試算するほうが現実的です。
判断の順番としては、次の流れが取りやすいです。
- 通常時の売上5,000万〜6,000万円で、今の5名がどれくらい稼働しているかを見る
- 大型案件が入った年に、外注へ出した金額と利益率を確認する
- 自社で取り込みたい工種を、衛生設備・工場案件・公共施設など得意領域に絞る
- その得意領域で、継続的に声がかかる取引先を増やす
- 半年〜1年の仕事量が見えた段階で、1名ずつ採用を検討する
この順番で考えると、採用は「勘」ではなくなります。仕事の波をならす受注の軸をつくり、そのうえで外注から自社施工へ戻せる部分に人を入れるという考え方になります。
協力会社との関係も、なくす必要はありません。横並びで助け合える4社の関係は、繁忙期の安全弁として残しつつ、自社で持つべき仕事と応援で回す仕事を分けることが大切です。
たとえば、品質や元請け評価に直結する中核工事は自社施工を増やす。一方で、突発的な山や遠方案件、利益が薄いが関係上対応したい仕事は協力会社と組む。こう分けるだけでも、採用判断はかなりしやすくなります。
まとめ
小規模な建設会社にとって、人を増やす判断は簡単ではありません。特に、通常は5,000万〜6,000万円、案件次第で1億円台に跳ねるような会社では、売上だけを見て採用に踏み切ると危うさがあります。
大切なのは、売上の大きさではなく、継続して見込める仕事量と、自社に残る利益を見ることです。
仕事が多い年に外注費が膨らみ、利益が残らないのであれば、まずは受注の安定軸をつくることが先です。既存取引先からの継続案件、得意な工種、繁忙期と閑散期の稼働差、外注に出している工事の中身を整理することで、「今は現状維持でよいのか」「1名だけ増やす段階なのか」「先に取引先開拓をすべきなのか」が見えやすくなります。
採用か受注かの二択ではなく、受注の見通しをつくりながら、外注依存を少しずつ自社施工へ戻す順番を設計することが、無理のない成長につながります。
うちの仕事量なら人を増やせるのかを整理したいときは
「人を増やしたい気持ちはあるが、仕事が読めない」「大型案件は来るが、外注費で利益が残らない」「どの取引先を増やせば安定するのか分からない」。この段階では、採用だけ、営業だけを切り離して考えるより、会社全体の稼働と利益の流れを一度並べてみるのが有効です。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、販路拡大、人材確保、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。仕事量の波がある中で、採用・協力会社活用・取引先開拓をどう組み立てるかも、一緒に整理できます。
「うちの場合は、まず何から見るべきか」という段階でも問題ありません。無理な営業はいたしませんので、状況整理の入口としてご活用ください。































