職人5名前後の電気工事会社でも、経験者採用だけでは人を増やしにくい現在地
首都圏近郊のある電気工事会社では、会社全体で6名ほど、経理を家族が担い、現場は実質5名ほどという体制でした。社内には40代、50代の人材もいますが、後継や定着の見通しは読み切れません。
これは特殊な話ではありません。電気工事会社の多くは、家族経営に近い形で、1階が事務所、2階が自宅、朝に職人が集まって現場へ向かうような運営を長く続けてきました。
一方で、案件はなくならず、むしろ電気設備の重要性は高まっています。問題は仕事がないことではなく、仕事を任せられる人をどう増やすかに移っています。
経験者を採れれば一番早い。これは間違いありません。ただ、経験者だけを待っていると、採用の選択肢が狭くなります。これからは、未経験者や異業種人材を受け入れ、3か月、半年単位で育てる前提を持てる会社が強くなっていきます。
1週間で 12件ダウンロード されました
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
- 6月8日内装工事会社大阪府
- 6月5日リフォーム会社愛知県
- 6月5日プラント工事会社香川県
若い人が減る中で、無資格の未経験者を受け入れる仕組みが社内にない
電気工事会社が未経験者採用に踏み出しにくい理由は、応募がないからだけではありません。むしろ大きいのは、採った後の不安です。
「無資格の人を入れても、どう資格を取らせればいいか分からない」
この悩みは、多くの会社に共通します。現場は日々動いています。社長や職長がつきっきりで教える余裕は限られます。図面の見方、材料の名前、工具の扱い、現場での安全、資格試験の勉強。どれも大事ですが、体系立てて教える仕組みがない会社も少なくありません。
その結果、未経験者を採っても「現場で見て覚えて」という形になりがちです。本人も何を覚えればよいか分からない。教える側も忙しい。結果として、早期離職につながることがあります。
採用の入口だけを広げても、育成の受け皿がなければ定着しません。未経験者採用の本質は、求人票を出すことではなく、入社後3〜6か月の育成設計を持つことです。
工業高校の採用環境は細る一方で、職業訓練校や異業種からの関心は出始めている
若年人口が減る中で、電気工事会社がこれまで頼ってきた採用ルートにも変化が出ています。
関東圏の工業高校では、電気科のクラスが以前の2クラスから1クラスになり、その1クラスも定員に届きにくいという声があります。高校新卒を安定的に採る難しさは、今後さらに増していく可能性があります。
一方で、別の動きもあります。都内の職業訓練校では、電気系コースの応募が戻りつつあります。ある校では30名定員に対して26名ほどが在籍し、別の校では一時3名ほどまで落ち込んだところから、直近では十数名まで増えているという話もあります。女性受講生も少しずつ見られます。
若い人の中にも、職人仕事への関心は出始めています。実際に、首都圏の電気工事会社で採用を進める中、ある大学生が面接に来て「職人ができないなら辞退します」と話した例もありました。施工管理ではなく、手を動かす仕事をやりたいという希望です。
背景には、生成AIの広がりもあります。事務作業や管理業務の一部は、今後さらにデジタル化されます。一方で、現場で施工する技能、納まりを見て判断する力、安全に作業を進める身体感覚は、簡単には置き換わりません。
電気工事は、生成AIに代替されにくい技能職として、若い人や異業種人材に伝え直せる余地があります。
ただし、関心がある人がいても、会社側に育てる仕組みがなければ受け止めきれません。ここに、今の採用課題の核心があります。
未経験者採用は、資格取得・基礎教育・現場配属を3〜6か月で設計する
未経験者を戦力化するには、「良い人が来たら育てる」ではなく、先に育成の型を作ることが大切です。大きな制度でなくても構いません。最初は簡単な設計で十分です。
まず整理したいのは、入社後3〜6か月で何をできるようにするかです。
- 1か月目:安全ルール、工具・材料の名前、現場での動き方を覚える
- 2〜3か月目:先輩同行で作業補助をしながら、第二種電気工事士などの資格学習を進める
- 4〜6か月目:簡単な作業の担当範囲を持ち、図面の読み方や段取りを学ぶ
このように、期間ごとの到達点を決めるだけでも、教える側と教わる側のズレは減ります。未経験者に必要なのは、根性論ではなく「次に何を覚えればよいか」が見える道筋です。
資格取得支援も、採用時の魅力になります。受験費用の補助、講習参加の時間調整、社内での過去問勉強会など、できることは多くあります。特に異業種から来る人にとって、資格は「この業界でやっていける」という手応えになります。
あわせて、基礎教育コンテンツを社内に持つことも有効です。たとえば、図面の読み方、積算の考え方、現場写真の見方、材料拾いの基礎などです。内装工事の領域では、取引先企業向けに積算セミナーや図面の読み方、新人教育の動画コンテンツを整える取り組みも始まっています。
電気工事でも同じ考え方は使えます。すべてを社長や職長が口頭で教える必要はありません。繰り返し教える内容は動画や資料にし、現場では確認と実践に時間を使う。この分担ができると、育成の負担は軽くなります。
さらに、1社だけで抱え込まない発想も重要です。地域の組合や業界団体が、未経験者向けの資格取得講座、基礎研修、合同勉強会を持てば、小規模な会社でも人を受け入れやすくなります。
たとえば、異業種から採用した人を一定期間、組合や外部研修で学ばせ、3か月から半年後に現場へ戻す。会社は現場実務を教え、共通基礎は外部の仕組みを使う。こうした分担ができれば、採用のハードルは下がります。
判断軸はシンプルです。
自社だけで教える内容と、外部や組合で共通化できる内容を分けること。
ここが整理できると、未経験者採用はかなり現実的になります。
まとめ
電気工事会社の人手不足は、経験者採用だけで解決するには難しくなっています。若い人は減り、工業高校からの採用環境も変わっています。
一方で、職業訓練校の動きや、職人仕事に関心を持つ若者の存在を見ると、可能性がなくなったわけではありません。生成AIの時代だからこそ、現場で手を動かす技能職の価値は伝えやすくなっています。
大切なのは、未経験者を「来てから考える」のではなく、受け入れる前に育成の流れを決めておくことです。
資格取得支援、3〜6か月の教育設計、図面や積算などの基礎教育、組合・業界団体との連携。
この4つを整えていくことで、小規模な電気工事会社でも、未経験者や異業種人材を戦力にしていく道が見えてきます。
未経験者を採って育てる体制を、自社の規模に合わせて整理する
未経験者採用は、求人票だけを変えてもうまくいきません。自社でどこまで教えるのか、資格取得をどう支えるのか、現場配属までに何を覚えてもらうのか。まずはその整理から始めるのが現実的です。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、採用・育成・組織づくり・原価管理・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合、未経験者を採っても育てられるのか」「何から整えればよいか分からない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、考えを整理する場としてお使いください。


































