前提

15名規模の専門工事会社でも、採用できる会社とできない会社の差がはっきり出ている現在地

関東近郊で15名ほどの電気工事会社、足場工事会社、内装工事会社のような専門工事会社では、採用の状況がかなり分かれています。

ある会社には、毎年のように若手が2〜3人入ってきます。別の会社では、求人を出しても応募がほとんど来ません。

現場では「人がいない」という言葉で一括りにされがちです。けれど、実際には少し違います。

取れている会社は、とことん毎年2、3人入ってくる。取れていない会社は、とことん取れていない」という声がありました。

この差は、求人媒体の良し悪しだけでは説明しきれません。高校訪問のような接点づくり。会社の見せ方。若手が続けられる労務環境。利益を採用や育成に戻す姿勢。そうした積み重ねが、採用結果に出始めています。

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課題

求人難ではなく、若手が入る理由を会社側がつくれているかどうか

10〜20名規模の工事会社では、社長自身が現場にも出ます。見積もりも見ます。元請けとのやり取りもします。採用だけに時間を割くのは簡単ではありません。

そのため、採用が「必要になったら求人を出す」になりやすいです。

しかし、若手から見ると、工事会社は外から違いが見えにくい業界です。仕事内容も、給与も、休みも、将来像も、会社ごとの差が伝わりにくいです。

「うちは真面目にやっている」「技術はある」「仕事は切れない」。これは経営側からすると大きな強みです。ただ、求職者にはそのままでは届きません。

採用で差が出ている会社は、若手が入社前に安心できる情報を出しています。高校の先生との関係をつくっています。職場の雰囲気や先輩の顔を見せています。入社後にどんな仕事を覚え、何年後にどうなれるかも伝えています。

一方で、採用できない会社は、実力がないわけではありません。ただ、外から見たときに「ここで働く理由」が見えにくいままになっています。

背景

現場を支える人が減るなかで、元請けも協力会社の採用力を見始めている

人手不足は、専門工事会社だけの問題ではありません。元請けや大手企業側も、協力会社が弱ると自社の工事を回せなくなります。

以前は、仕事を出す側が協力会社を選ぶという色合いが強くありました。階層も深く、下へ下へと仕事が流れる構造もありました。

けれど今は変わりつつあります。

ある大手の発注側では、協力会社に対して「年間でこれくらい仕事を出す」という話をしながら、採用や体制づくりを求める動きが出ています。採用動画やアプリ導入などに補助を出し、協力会社に「人を集めてほしい」と働きかける例もあります。

これは、協力会社の立場が弱くなったという話ではありません。むしろ、作業に近い会社の存在感が高まっているということです。

一方で、現場側ではこういう切実な声もあります。

仕事を取ったって、今度は誰にやってもらうのか

案件はある。声もかかる。でも人がいない。人が離れる。だから受けきれない。

この状態になると、採用は単なる人員補充ではなくなります。会社の継続、職長の育成、次の営業、次の経営人材まで含めたテーマになります。

外国人材の活用も選択肢です。作業力を補ううえでは重要です。実際に現場でも、外国人だけで動いているチームを見る機会は増えています。

ただ、多くの工事会社が感じているのは、そこにも役割の違いがあるということです。

作業は外国人材で補える。でも、次の職長や営業、会社を任せる人材は別に考えないといけない

ここを混ぜてしまうと、採用の打ち手がぼやけます。作業員の確保と、次世代人材の採用・育成は、分けて設計する必要があります。

解決

小規模工事会社は、採用活動をイベントではなく経営の仕組みにしていく

10〜20名規模の会社が、いきなり大きな人事部をつくる必要はありません。まずは、採用を「求人を出す作業」から「若手が入り続ける仕組み」に変えていくことが大切です。

最初に整理したいのは、どんな人を、何のために採るのかです。

たとえば、次のように分けて考えます。

  • すぐに現場の作業力を補う人材
  • 3〜5年後に班を任せる職長候補
  • 元請けや協力会社と話せる営業・管理候補
  • 将来、会社の中核を担う後継人材

この整理がないまま採用すると、「とにかく若い人がほしい」になります。すると、入社後の育て方も曖昧になります。

次に、接点づくりです。

採用できている会社は、求人を出す前から動いています。高校訪問に行きます。先生と関係をつくります。地元で会社の名前を知ってもらいます。1回で成果が出なくても、翌年、翌々年につながる前提で続けています。

ここで大事なのは、きれいな採用パンフレットだけではありません。むしろ、会社の普段の姿を見せることです。

どんな先輩がいるのか。朝は何時に集まるのか。現場では何をするのか。資格はどう取るのか。休みはどうなっているのか。怒鳴られる職場なのか、教えてもらえる職場なのか。

若手は、そこを見ています。

そして、労務環境です。

昔のように「やればやるだけ稼げる」「徹夜も当たり前」という感覚だけでは、若手は続きにくくなっています。もちろん、建設業の現場には繁忙期があります。急な対応もあります。

それでも、休み、移動、残業、道具、教育、相談相手を少しずつ整えることで、定着率は変わります。

リアルな労務環境をきちっと保証してあげる時代になりつつある」という言葉がありました。

採用は入口です。定着は中身です。入口だけ広げても、中で若手が続かなければ、また採用に追われます。

最後に、利益の使い方です。

原価を見て、利益を残す。お客さんをつくる。残った利益を採用、育成、道具、労務環境に戻す。

当たり前に聞こえます。けれど、ここができている会社は強いです。

原価を計算できれば利益が残る。ちゃんと企業に投資すれば人も集まってくる」という話がありました。

採用はお金がかかります。高校訪問も、動画も、求人票の改善も、教育も、すぐに売上になるわけではありません。

だからこそ、採用を費用ではなく、会社を続けるための再投資として見られるかどうかが差になります。

まとめ

専門工事会社の採用は、単なる求人難ではなくなっています。

採用できる会社とできない会社の差は、求人媒体の選び方だけではありません。高校や地域との接点づくり。会社の見せ方。若手が続けられる労務環境。利益を採用と育成に戻す経営姿勢。そこに差が出ています。

外国人材の活用も大切です。ただし、作業力の補完と、次世代の職長・営業・経営人材づくりは別の課題です。

小さな会社ほど、採用の一手が会社の未来に直結します。だからこそ、まずは「誰を採るのか」「どう見せるのか」「どう育てるのか」「そのための利益をどう残すのか」を、無理のない順番で整えていくことが大切です。

自社の採用体制を、次の一手から整理したいときは

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用、人材定着、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで、現場の実情に合わせて整理し、実行まで支援しています。

「高校訪問を始めたいが、何を話せばよいかわからない」「求人票を出しても反応がない」「若手が入っても続かない」「外国人材と日本人の若手採用をどう分けて考えるべきか」といった段階でも大丈夫です。

まずは、今の採用活動と定着状況を一緒に整理するところから始められます。無理な営業はいたしませんので、うちの場合は何から考えるべきかという温度感でご相談ください。

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