九州西部で5名弱の自社職人を抱える電気工事会社は、採用には動けているが増員ペースを慎重に見ている
九州西部で電気工事を手がける、売上約1億円規模の専門工事会社の話です。自社の職人は5名弱、外部の応援も数名入ることはありますが、基本的には外注へ丸投げするよりも、自社の職人が現場を動かす体制です。
工場、ホテル、商業施設、オフィスビルなど、案件の種類は幅広く、取引先からは「現場がガチャガチャになった時に来てくれる緊急部隊」のような頼られ方もしています。人数は多くありませんが、若い職人が多く、新しい機材や現場対応にも強い会社です。
採用についても、何もしていないわけではありません。求人媒体も使い、SNSも動かし、応募や面接もあります。最近も1名採用し、面接も入っていました。社長自身も「採用関係は多分めちゃくちゃしてますよ」と話していました。
ただし、ここで止まっているのは採用活動そのものではありません。応募が来ているからといって、そのまま人数を増やせる状態ではないという判断です。
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- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
応募は来るのに採用を加速できない理由は、未経験者を育てる現場の余力に限界があること
この会社の悩みは、よくある「応募が来ない」ではありません。むしろ、応募も面接もあり、採用に向けた動きはできています。
それでも社長は、採用を一気に走らせることには慎重でした。
「入れて、入れてとしても、教育が追いつくかという問題があるんですよね」
この言葉に、建設業の採用の難しさが詰まっています。人手不足だから採る。応募が来たから採る。ここまでは自然です。しかし、建設業の現場では、採った人がすぐに戦力になるわけではありません。
特に電気工事のように、資格・安全・段取り・現場ごとの納まりが絡む仕事では、未経験者を入れた直後ほど先輩職人の手が取られます。未経験者を増やすほど、短期的には現場の生産性が下がることがあるのです。
社長も、こう話していました。
「入れればいいっていう仕事では、どうしてもないけんが」
これは採用に消極的という意味ではありません。むしろ将来を見ているからこそ、無理に増やして現場を崩したくないという判断です。
技能習得に時間がかかり、現場の波もあるため、先輩職人が教え続けられる人数には限りがある
建設業で「採れば解決」になりにくい理由は、大きく3つあります。
1つ目は、技能習得に時間がかかることです。未経験者を採用すると、最初は工具、材料、現場の動き方、安全面、図面の見方、職長や他業者との関係など、覚えることが多くあります。社長も「覚えのいい子、悪い子もあるし、俺たちの教育できる出来もある」と話していました。
2つ目は、現場ごとに仕事量の波があることです。大型案件が終われば一度仕事が切れ、次の現場が始まるまで間が空くこともあります。逆に、終盤と次の乗り込みが重なると一気にきつくなります。社長は「建設業の悪いところってそれなんですよ。終わったら一旦終わる。次が始まるまで時間がかかる」と表現していました。
この波がある中で未経験者を増やすと、忙しい時は教える余裕がなく、暇な時は任せる仕事が少ない、という状態になりがちです。
3つ目は、教育する側も職人であることです。現場で手を動かし、段取りを見て、納まりを判断しながら、同時に新人を見る必要があります。教育担当を専任で置ける大きな会社なら別ですが、5名前後の専門工事会社では、先輩職人の時間そのものが生産力です。
新人を1人入れるということは、単に人件費が増えるだけでなく、教える側の時間をどれだけ確保するかという経営判断になります。
採用人数を決める前に、教育できる人数・任せる作業・資格取得・現場配置を先に設計する
採用を止める必要はありません。むしろ、応募が来ている会社は大きな強みを持っています。ただ、次に考えるべきは「何人採るか」より先に、何人までなら育て切れるかです。
まず整理したいのは、教育できる人数です。たとえば、先輩職人1人が同時に見られる未経験者は何人までか。社長が直接見るのか、若手の先輩に一部任せるのか。現場が繁忙期の時にも同じ人数を見られるのか。このあたりを曖昧にしたまま採用すると、せっかく入った人も放置されやすくなります。
次に、未経験者に任せられる作業範囲を分けておくことです。社長は「荷物を運ぶだけみたいな仕事とは違う」と話していました。だからこそ、最初から電気工事全体を覚えさせるのではなく、段階を切る必要があります。
たとえば、次のように分けると現場でも扱いやすくなります。
- 入社直後に任せる補助作業
- 1〜3か月で覚えてほしい道具・材料・安全動作
- 半年以内に一人で任せたい軽作業
- 資格取得前でも経験させる現場作業
- 第一種・第二種電気工事士などの資格取得後に任せる作業
ここで大切なのは、完璧な教育マニュアルを作ることではありません。現場ごとに先輩が毎回ゼロから説明しなくていい状態を作ることです。
資格取得までのステップも、採用前に見ておきたいところです。未経験者を採るなら、いつまでに第二種を目指すのか、試験勉強の時間をどう確保するのか、現場経験と座学をどうつなげるのかを決めておくと、本人も成長の見通しを持ちやすくなります。
さらに、現場配置の考え方も重要です。教育に向く現場と、教育に向かない現場があります。工期が詰まっている現場、緊急対応の現場、他業者との調整が多い現場に未経験者を多く入れると、教える側にも新人にも負荷がかかります。
一方で、比較的工程が読みやすい現場や、同じ作業を繰り返し経験できる現場は育成に向いています。採用計画は、求人媒体の運用だけでなく、半年先の現場配置計画とセットで考える必要があります。
実務上は、次の順番で整理すると進めやすくなります。
- 今いる先輩職人が教育に使える時間を確認する
- 未経験者に任せる作業を段階別に分ける
- 資格取得までの目安時期を決める
- 教育に向く現場へ優先的に配置する
- 1人が少し戦力化してから次の採用を進める
この流れなら、採用を止めずに、現場を崩さずに、人を増やしていく判断がしやすくなります。
まとめ
応募が来ているのに人を増やせない会社は、採用力が弱いわけではありません。むしろ、採用活動ができているからこそ、次は教育体制がボトルネックになります。
建設業では、未経験者を採るほど短期的に現場の負荷が増えることがあります。技能習得には時間がかかり、現場には波があり、先輩職人にも教育できる限界があります。
だからこそ、採用人数を決める前に、教育できる人数、任せられる作業範囲、資格取得までのステップ、現場配置計画を先に決めることが大切です。
人を増やすこと自体は、将来の受注力や会社の選択肢を広げます。ただし、増やし方を間違えると、現場の生産性も定着率も落ちてしまいます。応募が来ている会社ほど、「採る力」から一歩進んで、「育てて戦力化する力」を整えるタイミングに来ています。
採用人数の前に、教育できる体制を一緒に整理する
「応募は来るが、何人まで採っていいか分からない」「未経験者を育てたいが、現場に余裕がない」「資格取得までの流れをどう作るべきか悩んでいる」という段階でも、整理できることはあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用だけを切り出すのではなく、今の現場体制で何人まで育てられるか、どの作業から任せるか、どのタイミングで次の採用に進むかまで、一緒に考えることができます。
うちの場合はどう考えるべきか、まだ何から整理すべきか分からないという段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況の整理先として気軽にご相談ください。
































