採用・組織活性化の相談が増えるなかで、顧問紹介だけでは成果が見えにくい状況
建設業の中小企業では、採用や組織づくりの相談がかなり増えています。
ある関東圏の建設業向け支援会社でも、受ける相談テーマのうち採用、組織活性化、社内体制づくりに関するものが半分近くを占めているという話がありました。
背景には、人手不足だけでは片づけられない事情があります。
若手が入っても定着しない。現場代理人や職長候補が育たない。評価や給与の考え方が曖昧なまま、社長や専務が個別に見ている。採用媒体や紹介会社を使っても、入社後の受け皿が整っていない。
こうした状況で「採用に強い顧問を紹介してほしい」「組織づくりに詳しい人を入れたい」と考えるのは自然です。
ただ、外部人材の力を借りるときに大事なのは、顧問を入れること自体ではありません。先に自社の課題を言葉にし、誰に何を任せるのかを決めておくことです。
「うちは採用が課題です」と言っても、その中身は会社によって違います。
- 応募が集まらないのか
- 面接で見極められないのか
- 内定後に辞退されるのか
- 入社後に辞めてしまうのか
- 現場側の受け入れ体制が弱いのか
- 評価・給与・教育の仕組みが未整備なのか
同じ採用課題でも、必要な外部人材は変わります。ここを曖昧にしたまま顧問を入れると、良い人を紹介してもらっても「結局、何が進んだのか」が見えにくくなります。
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- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
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- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
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- 6月16日電気設備工事会社東京都
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- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
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外部顧問に期待するほど、社内の役割が曖昧だと実行が止まる
顧問紹介が成果につながりにくい会社では、顧問に期待する役割と、社内で動かす役割が混ざっていることが多いです。
たとえば採用であれば、顧問に任せたいことは何でしょうか。
採用戦略を立ててほしいのか。求人票を見直してほしいのか。面接設計をしてほしいのか。社員定着の制度を整えてほしいのか。あるいは、現場責任者を巻き込んだ教育体制まで見てほしいのか。
ここが曖昧なまま始めると、月に数回の打ち合わせで意見は出ます。良い話も出ます。ただ、実務が動きません。
建設業の現場は、日々の工期、材料手配、職人の段取り、元請け対応で動いています。採用や組織づくりの話は重要でも、緊急度の高い現場対応に押されがちです。
そのため、外部顧問を入れるなら、最初に次のような分担を決めておく必要があります。
- 顧問:方針づくり、判断材料の提示、壁打ち、専門知見の提供
- 実務支援者:求人票作成、面接フロー整備、評価制度のたたき台作成、会議運営
- 社内担当者:現場ヒアリング、社員への説明、意思決定、実行の旗振り
- 経営者:優先順位の決定、制度変更の判断、現場責任者の巻き込み
顧問は万能な実行部隊ではなく、会社の意思決定と実行を前に進めるための外部知見です。
もちろん、実務まで担える人材もいます。ただ、その場合でも「助言者として入るのか」「実務担当として入るのか」「社内担当者を育てる役割なのか」は分けて考えたほうが進みやすくなります。
建設業の採用・組織課題は、求人の問題だけでなく社内体制の問題でもある
採用や組織づくりが難しい理由は、求人広告や人材紹介だけの問題ではありません。建設業では、採用した後に誰が育て、何を評価し、どの状態を一人前とするかが会社ごとに違うからです。
ある支援会社では、建設業向けのプロジェクトを進める際、顧問紹介だけでなく、自社の担当者が実務支援者として入るケースもあると話していました。
「単純に顧問というソリューションだけではなく、実務提供者として入ることで、ある程度トータルに支援できる形にしている」という趣旨の話です。
これは、建設会社側にもそのまま当てはまります。
外部顧問が良い助言をしても、社内で動かす人がいなければ止まります。逆に、社内に動く人がいても、採用市場や組織設計の知見がなければ、打ち手が自己流になりやすいです。
建設会社の採用・組織づくりでは、たとえば次のような論点がつながっています。
- どんな人材を採るべきか
- 未経験者を採るのか、経験者に絞るのか
- 現場で教える余力があるのか
- 入社後、誰が何か月見るのか
- 現場職、施工管理、営業、事務で評価基準を分けるのか
- 給与テーブルや昇給の考え方をどう説明するのか
- 社長依存の面談や判断をどこまで仕組みにするのか
採用の入口だけを変えても、組織の受け皿が弱いと定着しません。反対に、組織制度だけを整えても、現場に合う人材像が定まっていなければ採用は進みません。
だからこそ、外部人材を入れる前に、まずは採用課題なのか、定着課題なのか、育成課題なのか、評価制度の課題なのかを切り分けることが重要になります。
顧問を入れる前に、課題・専門性・運用サイクルを先に決める
外部顧問を成果につなげるには、紹介を受ける前の設計が大切です。特に建設業の中小企業では、「誰を入れるか」より先に「何を進めるために入れるか」を決めるほうが失敗しにくくなります。
進め方は、大きく4つです。
1. まず課題を一段具体化する
「採用を強化したい」だけでは、必要な人材を選べません。
たとえば、次のように分けて考えます。
- 応募数を増やしたい
- 現場に合う人材像を定義したい
- 面接の見極め精度を上げたい
- 入社後3か月の離職を減らしたい
- 若手職人や施工管理を育てる仕組みを作りたい
- 評価制度や給与制度を整えたい
- 幹部候補を育てたい
ここまで分けると、必要な外部人材が見えます。
応募数を増やしたいなら、採用広報や求人媒体に強い人が合います。定着を改善したいなら、オンボーディングや現場教育に強い人が合います。評価制度を整えたいなら、人事制度設計の経験が必要です。
課題が具体的になるほど、顧問に求める専門性も具体的になります。
2. 顧問・実務支援者・社内担当者の役割を分ける
顧問を入れるときは、最初に役割表を作るのがおすすめです。
難しい資料でなくて構いません。A4一枚で十分です。
- 顧問に相談するテーマ
- 顧問に作ってもらうもの
- 社内で決めること
- 社内で実行すること
- 現場責任者に協力してもらうこと
- 経営者が判断すること
ここが決まっていないと、外部顧問との打ち合わせが「良い話を聞く場」になってしまいます。
採用・組織づくりは、話を聞くだけでは変わりません。求人票を直す。面接質問を変える。入社初日の動きを決める。現場教育の担当を置く。評価面談の頻度を決める。こうした小さな実行が必要です。
そのため、助言を受ける人と、実務を進める人と、意思決定する人を分けておくことが大切です。
3. 定例ミーティングは「相談」ではなく「実行管理」にする
建設業向け支援の現場では、2週間に1回の定例ミーティングを1つのサイクルにしてプロジェクトを進めるケースが多いという話がありました。
このリズムは、中小建設会社にも合いやすいです。
月1回だと、次の会議までに現場が忙しくなり、やることが流れやすいです。毎週だと、社内の準備が追いつかないこともあります。2週間に1回くらいの頻度で、決めたことの進捗を確認すると、無理なく前に進めやすくなります。
定例では、次の順番で見ると実務に落ちます。
- 前回決めたことは実行されたか
- 実行して何が分かったか
- 現場や社員からどんな反応があったか
- 次の2週間で何をやるか
- 誰が担当するか
採用であれば、応募数、面接数、通過率、辞退理由、入社後の面談状況などを見ます。
組織づくりであれば、評価面談の実施状況、現場責任者とのすり合わせ、若手の育成状況、離職理由の傾向などを見ます。
大事なのは、資料をきれいに作ることではありません。次の2週間で動くことを決め、次回に確認することです。
4. 成果指標を「最終結果」と「途中経過」に分ける
採用や組織づくりは、すぐに結果が出るものばかりではありません。
採用人数や離職率だけを見ていると、途中の改善が見えにくくなります。そこで、最終結果と途中経過を分けて見ます。
採用なら、最終結果は入社人数や定着人数です。一方で、途中経過は応募数、面接設定率、面接通過率、内定承諾率、入社前フォローの実施率などです。
組織づくりなら、最終結果は離職率の改善、幹部候補の育成、現場の生産性向上などです。一方で、途中経過は評価面談の実施、教育担当の設定、1on1の実施、現場責任者との会議頻度などです。
途中経過を見えるようにすると、顧問の助言が実行に変わっているかを確認できます。
「良い人を紹介してもらった」で終わらせず、「その人の知見によって、何が決まり、何が動き、どの数字が変わったか」を見ることが大切です。
まとめ
建設会社の採用・組織づくりで外部顧問を活用することは、有効な選択肢です。
ただし、顧問を入れれば自動的に採用が進み、組織が変わるわけではありません。成果につながるかどうかは、導入前の課題整理と、導入後の実行管理で大きく変わります。
押さえておきたいポイントは、次の4つです。
- 採用課題を、応募・面接・定着・育成・評価に分けて考える
- 顧問、実務支援者、社内担当者、経営者の役割を分ける
- 2週間に1回程度の定例で、決めたことの実行状況を確認する
- 採用人数や離職率だけでなく、途中経過の指標も見る
外部人材は、社内にない知見や経験を持ち込んでくれます。だからこそ、会社側が「何を前に進めたいのか」を持っておくと、力を借りやすくなります。
採用や組織づくりは、現場の仕事と切り離せません。現場に合う形で、小さく決めて、小さく動かし、振り返る。その積み重ねが、外部顧問の活用を成果に近づけていきます。
自社の採用・組織課題を、外部人材に任せる前に整理したいときは
採用や組織活性化は、「求人を出す」「顧問を入れる」だけでは整理しきれないことがあります。
自社の場合は応募数が問題なのか、面接の見極めなのか、入社後の育成なのか。あるいは評価や給与、現場責任者の巻き込み方なのか。ここを一度整理すると、必要な外部人材や支援の形が見えやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合は何から考えるべきか」「顧問に頼むべきか、まず社内体制を整えるべきか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の相談先としてご活用ください。
































