九州北部の20名弱の専門工事会社が、初めて高校新卒採用に動き出した状況
九州北部で専門工事を手がける、20名弱の建設会社の話です。現場は一定数あります。外国籍人材も含めて現場体制を組みながら、次の世代をどう増やしていくかを考えていました。
これまでは中途採用を中心に、求人媒体や採用サービスを試してきました。問い合わせは来る。入社もゼロではない。ただ、短期間で辞めてしまうこともある。求人サイト上では同じ地域の建設会社が並び、どの会社も似たような募集文に見えてしまう。
そんな中で出てきたのが、高校新卒採用です。
「新卒者の募集ってしたことないよね、ってところから始めて、今年やってみようかって動いているんです」
この言葉には、同じような会社が感じている現実が詰まっています。高校新卒採用は、求人票を出せば自然に応募が来る取り組みではありません。学校訪問の前に、自社をどう伝えるかを準備しておくことが入口になります。
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- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
周りの会社も募集を出しているのに応募が来ない中で、自社だけを覚えてもらう難しさ
高校新卒採用で最初にぶつかるのは、学校に求人票を出すこと自体ではありません。先生、生徒、保護者に「この会社はどんな会社か」が伝わらないことです。
相談の中でも、近隣企業の状況についてこうした話がありました。
「周りに行っても、自分のところで募集を出しているけど全然来ないよ、と言われるんです」
これは珍しい話ではありません。高校側には、地元企業から多くの求人が届きます。建設業、製造業、運送業、設備関係など、地域の受け皿になる会社は複数あります。その中で、先生が生徒に紹介しやすい会社と、紹介しにくい会社が分かれます。
差が出るのは、会社の規模や知名度だけではありません。
学校訪問で、次のようなことを具体的に伝えられるかです。
- 入社後、最初の半年で何をするのか
- どんな先輩が教えるのか
- 現場はどの範囲まで行くのか
- 朝は何時に集まり、どんな一日になるのか
- 資格はいつ、どの順番で取っていくのか
- 危険な仕事に対して、どう安全教育をしているのか
- 保護者が心配しそうな点にどう答えるのか
高校新卒採用では、「若い子が欲しい」では足りません。学校側が安心して紹介できる材料を、会社側が先に用意しておく必要があります。
求人媒体で伝わらなかった現場の仕事ほど、学校訪問では言語化が必要になる
中途採用でうまくいきにくい会社ほど、高校採用に可能性があります。ただし、そのまま学校に行っても成果にはつながりにくいです。
この会社も、求人媒体や採用サービスを試してきました。問い合わせは数件あり、採用にも至りました。しかし、短期離職もありました。別の媒体では、最初は反応があったものの、長続きしない人や協力業者としての問い合わせが中心になった時期もあります。
社長の感覚としても、媒体頼みの限界がありました。
「みんな同じようなサイトを使うわけよ。同じようなサイトで、いろんな業者が被ってもいいの?って話で」
この違和感は、高校採用でも同じです。求人票の条件欄だけでは、会社ごとの差は出しにくいです。給与、休日、勤務地、職種名だけが並ぶと、専門工事会社の魅力はかなり薄まります。
一方で、現場の仕事には本来、伝えられる材料があります。
たとえば、少人数の会社なら、社長や職長との距離が近い。外国籍人材も一緒に働いている現場なら、多様な人と働く環境がある。専門工事なら、身につけた技術がそのまま自分の武器になる。地域のインフラや建物を支える実感もあります。
ただ、これらは社内にいると当たり前になりがちです。自社では普通のことでも、先生・生徒・保護者にとっては判断材料になります。学校訪問前に、その「普通」を言葉にしておくことが大切です。
学校訪問前に、先生が紹介しやすい会社情報と訪問スクリプトを用意する
高校新卒採用を始めるなら、最初にやるべきことは求人票の作成だけではありません。学校訪問で何を伝えるかを、担当者任せにせず会社として揃えることです。
担当の方が一緒に学校を回ってくれる場合でも、会社の中身を一番知っているのは自社です。外部の担当者が話しやすいように、社長や現場側が材料を渡しておく必要があります。
準備は、次の順番で進めると整理しやすくなります。
1. まず「どんな高校生に来てほしいか」を決める
いきなり「元気な子」「真面目な子」と置くと、学校側には伝わりにくくなります。
たとえば、次のように少し具体化します。
- 体を動かす仕事に抵抗がない
- チームで動くことが苦手ではない
- 最初から器用でなくても、挨拶と時間を守れる
- 地元で手に職をつけたい
- すぐ現場管理ではなく、まず現場を覚える意思がある
高校生採用では、完成された人材を探すより、育てられる入口を明確にする方が現実的です。
2. 仕事内容を「高校生が想像できる言葉」に変える
専門工事の職種名は、学校の先生には通じても、生徒には伝わりにくいことがあります。
「現場作業」だけでは、何をする仕事か見えません。「施工管理を目指せる」と言っても、入社直後の姿が見えません。
学校訪問では、次のように分解して伝えると理解されやすくなります。
- 入社直後は、道具の名前と現場の流れを覚える
- 最初は先輩と一緒に動き、一人で危ない作業はさせない
- 朝礼、安全確認、材料準備、片付けまでが仕事の一部
- 慣れてきたら資格取得や技能習得の段階に進む
- 将来的には職長や現場をまとめる立場も目指せる
「何年後にどうなれるか」だけでなく、「入社1日目から何をするか」を伝えると、高校生も保護者も安心しやすくなります。
3. 先生・生徒・保護者それぞれの不安を分けて整理する
学校訪問では、先生がまず窓口になります。ただ、先生の向こう側には生徒と保護者がいます。見るポイントは少しずつ違います。
先生は、紹介してよい会社かを見ています。定着するか。安全面は大丈夫か。卒業生を預けられるか。
生徒は、自分がやっていけるかを見ています。怖い先輩はいないか。未経験でも大丈夫か。仕事がきつすぎないか。友人に説明できる仕事か。
保護者は、生活面を見ています。収入は安定するか。ケガのリスクにどう向き合っているか。通勤や勤務時間は無理がないか。長く働ける会社か。
この3者に対して、同じ説明だけで通そうとすると足りなくなります。学校訪問用の資料や話す内容は、「先生向け」「生徒向け」「保護者向け」の不安に分けて準備するのが効果的です。
4. 訪問スクリプトを作り、毎回同じ品質で伝える
学校訪問は、場当たり的に話すと会社の印象がぶれます。担当者が同行してくれる場合も、社長が行く場合も、基本の流れを決めておくと強くなります。
たとえば、訪問時の流れは次のように組めます。
- 地域でどんな工事をしている会社か
- なぜ今年から高校新卒採用に取り組むのか
- 入社後の育て方
- 仕事の大変な点と、それに対するフォロー
- どんな生徒に合いそうか
- 職場見学や次回接点の案内
ここで大切なのは、良いことだけを並べないことです。建設業の現場には、暑さ、寒さ、体力面、安全面など、向き合うべき現実があります。そこを隠すより、どう支えているかを話した方が信頼されます。
高校採用の学校訪問は、会社を売り込む場である前に、先生が安心して生徒に説明できる情報を渡す場です。
5. 一度の訪問で終わらせず、継続接点を作る
高校採用は、1回挨拶に行ってすぐ応募が来るとは限りません。特に初年度は、学校側も会社を見ています。
そのため、訪問後の接点も設計しておきたいところです。
- 求人票提出後に、改めて補足資料を送る
- 職場見学の受け入れ日を先に決めておく
- 現場写真や若手社員の声を学校向けにまとめる
- 先生から質問が来たときの回答担当を決めておく
- 翌年も訪問できるよう、記録を残す
初年度は応募がゼロでも、学校との関係が残れば次年度につながります。高校新卒採用は、単年の募集活動ではなく、地域の学校に会社を覚えてもらう活動として考える方が続けやすくなります。
まとめ
高校新卒採用は、中途採用とはまったく違う動き方になります。求人媒体で待つ採用ではなく、学校、先生、生徒、保護者に向けて、自社の仕事と育て方を伝える採用です。
今回のように、これまで新卒採用をしたことがない会社でも、始めることはできます。ただし、学校訪問の前に準備しておきたいことがあります。
どんな高校生に来てほしいのか。入社後に何を任せるのか。誰がどう教えるのか。仕事の大変さをどう伝えるのか。先生が紹介しやすい会社情報になっているか。
ここを整理しないまま訪問すると、せっかく学校に行っても印象に残りにくくなります。
逆に、会社の実態を丁寧に言葉にできれば、大きな会社でなくても伝わる可能性はあります。少人数だからこそ近い距離で育てられる。専門工事だからこそ技術が身につく。地域の現場を支える仕事だからこそ、地元で働く意味がある。
高校新卒採用の第一歩は、採用ツールを増やすことではなく、自社の仕事を高校生にも伝わる言葉に直すことです。
高校新卒採用を始める前に、自社の伝え方を一緒に整理する
高校新卒採用は、「学校に行けば何とかなる」ものではありません。一方で、最初から完璧な採用体制が必要なわけでもありません。
まずは、自社の仕事内容、育成の流れ、学校訪問で話す内容、先生・生徒・保護者に伝える情報を整理するところから始められます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。高校新卒採用についても、「うちの場合は何を伝えればよいか」「学校訪問前に何を準備すべきか」という段階から一緒に考えることができます。
無理に決めていただく必要はありません。状況を伺ったうえで、今の会社に合う進め方を整理します。
高校新卒採用の準備を進めたい方は、お問い合わせはこちらからご相談ください。



































