前提

40名台の設備系専門工事会社で、面接が形式的になり、現場に出てから人間関係の負荷が見えている状態

首都圏で照明・設備まわりの専門工事を手がける、40名台の会社での話です。社員の一部は客先や案件先に常駐し、繁忙期には一気に現場が動き、閑散期には仕事量が落ち着く。会社としては大きく人数を増やすというより、一定の規模を維持しながら、定着と育成を整えていきたいという状況でした。

その中で見えていたのが、採用した社員本人がすぐ辞めるのではなく、その社員の言動が周囲のストレスになり、本来残ってほしい社員が辞めてしまうという問題です。

社長の言葉を借りると、「面接はしているけれど、正直、形式的になっているところがある」という状態です。人が採りにくい時代なので、来てくれた人を簡単には断りにくい。履歴書を見て、面接で話して、その場で採用を決めることもある。建設業では珍しくない判断です。

ただ、現場に入ってから「技術以前のところ」で違和感が出ることがあります。たとえば、身だしなみ、話し方、指摘の受け止め方、周囲への配慮、案件先でのふるまいです。

技術は入社後に教えられます。最初からできないのは当然です。問題はその前段階で、会社としての“普通”や、現場で一緒に働くうえでの最低限のふるまいが揃っていないまま現場に出てしまうことです。

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  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

本人に悪意がなくても、周囲が疲弊し、残ってほしい社員から離れていく構造

この課題の厄介なところは、問題を起こしている本人に悪意がないことです。

社長も「悪意があるわけではないので、こうした方がいいよ、こうしなさいとは言う」と話していました。けれど、本人の中でなぜ直す必要があるのかを噛み砕けない。すると、同じような言動が続きます。

その結果、周囲の社員が少しずつ疲れていきます。案件ごとに一緒になる先輩、チーフ、同じ現場で動く社員が、技術指導だけでなく、社会人としてのふるまいまで何度も注意しなければならなくなるからです。

ここで起きているのは、単なる「相性が悪い」という話ではありません。構造としては、次のようになっています。

  • 人手不足で、採用時に見極めの基準が緩くなる
  • 面接が1回中心になり、人物面を深く見きれない
  • 入社後、基本的な規律やふるまいを教える場がない
  • 案件ごとに現場へ入り、指導は現場の先輩任せになる
  • 本人に悪意がないため、注意しても改善が続きにくい
  • 周囲の社員がストレスを抱え、退職につながる

特に大きいのは、辞めていくのが問題を起こした本人ではなく、会社として残ってほしい社員であるという点です。

これは経営上、かなり痛いです。技術がある社員、現場を任せられる社員、周囲との関係をつくれる社員ほど、無理を飲み込んでしまうことがあります。そして限界を超えると、静かに離れていきます。

採用数だけを見ると人は増えているのに、現場の実感としては楽にならない。むしろ、教える側・受け止める側の負担が増えている。そういう状態になりやすいのです。

背景

人手不足と案件単位の配置が、採用判断と初期教育を薄くしている

背景には、建設業全体の人手不足があります。

「人がなかなかいない」という前提があると、面接に来てくれた人を厳しく見極めることが難しくなります。本当は少し気になるところがあっても、「でも採らないと人が足りない」と考えて採用する。現場を回すためには、ある程度やむを得ない判断でもあります。

ただ、ここで採用の入口が弱くなると、入社後の教育で取り返す必要が出ます。しかし、今回の会社では、入社後に数週間まとまった研修を行うというより、案件に入ったタイミングでチーフや先輩が教える形が中心でした。

つまり、採用で見きれなかった部分を、現場の先輩が案件を回しながら背負っている状態です。

以前はチームを組んで育成や配置を考えたこともあったようですが、小さいチームだからこそ関係がこじれる、チーム間で人の貸し借りがしづらくなる、といった難しさもありました。建設業ではよくある話です。組織をきれいに分ければ解決する、という単純なものではありません。

だからこそ、チーム制にするかどうか以前に、まず整えたいのは次の3つです。

  1. 採用時に見るべき人物像を言語化すること
  2. 入社直後に教える“会社の普通”を揃えること
  3. 現場で指摘しやすい規律と相談先をつくること

ここがないまま採用だけを増やすと、同じことが繰り返されます。

人を採ること自体は大切です。ただ、採用の目的は人数を埋めることではなく、今いる良い社員が安心して働ける現場を増やすことです。この順番を間違えると、せっかく採用しても、組織全体の定着率は上がりません。

解決

採用基準・初期教育・現場の指摘ルールを、同じ人物像でつなぐ

最初に見直すべきは、面接のうまさではなく、「うちではどんな人と一緒に働きたいのか」を言葉にすることです。

建設業の採用では、経験者か未経験者か、資格があるか、年齢はどうか、現場に出られるか、といった条件に目が向きやすいです。もちろん大切です。ただ、今回のような問題では、技術条件よりも先に「周囲と働く力」を見なければなりません。

たとえば、求める人物像は次のように整理できます。

  • 指摘されたときに、まず受け止められる
  • わからないことを放置せず、早めに聞ける
  • 客先・案件先のルールに合わせようとする
  • 自分の都合だけで動かず、周囲の段取りを考えられる
  • 身だしなみ、言葉遣い、連絡などの基本を軽く見ない
  • 技術が未熟でも、学ぶ姿勢を継続できる

ここで重要なのは、完璧な人を探すことではありません。未経験でも育てられる人と、現場に入れると周囲を消耗させやすい人を分ける基準を持つことです。

面接では、その基準に沿って見る項目を決めます。1回の面接だけで全てを見抜くのは難しいですが、見る観点を決めるだけでも判断は変わります。

たとえば、次のような質問は有効です。

  • これまで人から注意されたとき、どう受け止めてきたか
  • 苦手な人と一緒に仕事をした経験があるか
  • 自分のミスで周囲に迷惑をかけたとき、どう動いたか
  • ルールに納得できないとき、どう対応するタイプか
  • 初めての現場でわからないことがあったら、どう確認するか

答えのきれいさだけを見る必要はありません。むしろ、自分の非や未熟さをどの程度言葉にできるかを見ます。建設現場では、素直に聞けること、指摘を受けて修正できることが、技術習得の土台になります。

採用後は、いきなり案件に入れる前に、短くてもよいので初期教育の時間をつくります。内容は難しいものでなくて構いません。

  • この会社で大事にしている働き方
  • 客先や案件先で避けたい言動
  • 身だしなみ・挨拶・報連相の基準
  • 遅刻、欠勤、連絡漏れが現場に与える影響
  • 注意を受けたときの受け止め方
  • 困ったときに誰へ相談するか

これらを口頭だけで伝えると、人によって解釈がズレます。簡単なチェックリストや入社時資料にしておくと、先輩も指摘しやすくなります。

現場での指摘ルールも大切です。本人に悪意がない場合、「性格が悪い」と責めても改善にはつながりません。見るべきは人格ではなく行動です。

たとえば、現場では次のような言い方に揃えると、指摘がしやすくなります。

  • 「その言い方だと相手が動きづらいので、次からこう言おう」
  • 「連絡が遅れると段取りが崩れるので、わかった時点で共有しよう」
  • 「客先ではこの見え方になるから、ここは直そう」

ポイントは、悪意の有無ではなく、周囲に与えている影響を伝えることです。

また、案件のチーフや先輩だけに教育を背負わせないことも必要です。案件を回す人と、本人の相談役を分けるだけでも負担は減ります。

メンターという名前にこだわる必要はありません。入社後1〜3か月だけでも、別の先輩や管理側の人が定期的に話を聞く形で十分です。本人の困りごとを拾うだけでなく、周囲が抱えている違和感も早めに集められます。

進め方としては、大きな制度を一気につくるより、まずは次の順番が現実的です。

  1. 過去に周囲の負担になった言動を、個人名を出さずに整理する
  2. 採用時に見る人物像を5項目程度に絞る
  3. 面接質問と見送り基準を決める
  4. 入社初日に伝える規律チェックリストをつくる
  5. 入社後1か月の相談役を決める
  6. 現場側から早期に違和感を共有できる場をつくる

判断軸はシンプルです。その採用によって、今いる良い社員の負担が増えすぎないか。ここを採用判断の中心に置くと、採るべき人・見送るべき人の線引きがしやすくなります。

まとめ

人手不足の中で、面接が形式的になってしまうのは自然なことです。来てくれる人が少ない中で、採用を厳しくしすぎるのは簡単ではありません。

ただ、採用の入口が弱いまま現場に出すと、教育の負担は先輩社員に乗ります。そして本人に悪意がなくても、周囲が疲れ、本来残ってほしい社員が辞めてしまうことがあります。

見直す順番は、採用手法を増やすことだけではありません。

まず、求める人物像を言語化する。次に、面接で見る観点を揃える。入社後は“会社の普通”を初期教育で伝え、現場で指摘しやすい規律と相談役を置く。

この流れがあると、未経験者を受け入れながらも、現場の負担を抑えやすくなります。

採用は人数を増やすためだけのものではありません。今いる社員が「この会社で続けられる」と思える環境を守るための入口管理でもあります。

うちの採用基準と初期教育を一度整理したいときは

「面接で何を見ればよいかわからない」「採用後に現場任せになっている」「辞めてほしくない社員の負担が増えている気がする」という段階でも、整理できることはあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、採用・定着・組織づくり・現場運営まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用基準の言語化、面接設計、初期教育、現場で指摘しやすい仕組みづくりなども、会社の規模や現場の動き方に合わせて一緒に考えられます。

まだ具体策が固まっていなくても、「うちの場合は何から見直すべきか」を整理するところからで大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要なタイミングでお気軽にご相談ください。

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