三重県の20名弱の専門工事会社が、初めて2027年卒の高卒求人を出そうとしていた状況
三重県で足場・仮設工事を中心に手がける20名弱の専門工事会社が、初めて高卒新卒採用に取り組もうとしていました。
これまでの採用は、どちらかというと中途採用が中心です。経験者や未経験の中途を、ハローワークや求人媒体で募集してきた会社です。
一方で、高卒新卒は勝手が違います。ハローワーク上でも、通常の中途求人とは入口から違います。求人区分で「新卒」を選び、対象を「高卒」にし、年度も翌年度入社の生徒向けに設定します。
実際に画面を見ながら、社長からは「この画面、見たことないです」という反応がありました。
ここが最初のつまずきです。高卒新卒求人は、中途採用の求人票を少し直せば出せるものではなく、学校・生徒・保護者が見る前提で、項目の意味から確認し直す必要があります。
しかも、建設業の場合は仕事内容が伝わりにくいです。足場、資材運び、現場入場、安全、資格、先輩の指導。大人同士なら通じる言葉でも、18歳の高校生にはそのままでは伝わりません。
初めて高卒採用を始める会社ほど、求人票は「条件を入力する作業」ではなく、「未経験の高校生に安心してもらうための説明資料」として整えることが大切です。
1週間で 12件ダウンロード されました
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
- 6月8日内装工事会社大阪府
- 6月5日リフォーム会社愛知県
- 6月5日プラント工事会社香川県
中途採用の感覚で入力すると、高校生に必要な安心材料が求人票に出てこない
高卒求人票で起きやすい課題は、入力項目を埋めているつもりでも、高校生側が知りたいことに答えきれていないことです。
中途採用では、応募者がある程度働くイメージを持っています。現場仕事の厳しさも、日給・月給の違いも、試用期間の意味も、なんとなく理解している人が多いです。
しかし高卒新卒は違います。多くの場合、建設現場で働いた経験はありません。本人だけでなく、先生や保護者も求人票を見ます。
そのため、求人票上では次のような項目が不安材料にも、安心材料にもなります。
- 仕事内容が高校生に分かる言葉になっているか
- 雇用形態が正社員になっているか
- 雇用期間の定めがないか
- 試用期間中の条件が変わらないか
- 応募前見学を受け入れるか
- 休日や残業が実態に沿って書かれているか
- 資格取得支援やメンター制度があるか
- 誰が相談に乗るのかが伝わるか
今回の会社でも、仕事の内容については「初心者向け、高卒の未経験者対象ですから、うちの会社はこんなことをやっていますよ、という形で書きましょう」という確認がありました。
足場の組み立て、階段の設置、最初は資材運びから始めること、先輩が一緒について教えること。建設業では当たり前に思える内容でも、高校生には一つずつ説明が必要です。
高卒求人票では、会社側の“当たり前”を、18歳に伝わる言葉へ翻訳できているかが大きな分かれ目です。
高卒求人票は、本人だけでなく学校と保護者にも読まれる前提で見られる
高卒採用が中途採用と違うのは、求人票を見る人が本人だけではないことです。
高校生本人はもちろん、進路指導の先生、場合によっては保護者も確認します。そこで見られるのは、給与の高さだけではありません。
むしろ、次のような「この会社に預けても大丈夫か」という観点が強くなります。
正社員として迎えるのか。試用期間で条件が変わらないのか。休日はどれくらいあるのか。残業は多くないのか。入社後に誰が教えるのか。資格はどう取っていくのか。
今回の会社では、雇用形態を正社員、雇用期間を定めなし、試用期間を3ヶ月、試用期間中も同条件として整理していました。
中途採用では契約社員やトライアル的な採用を検討することもあります。ただ、高卒新卒の場合は、学校や保護者から見た安心感を考えると、正社員採用であることを明確にする意味は大きいです。
給与面では、18歳未経験の新卒に対して月給21万円台、通勤手当は月額上限1万円という形で確認していました。就業時間は8時から17時、休憩120分。残業時間についても、実態として「10時間もやったことない」という感覚があり、月平均5時間程度として整理する方向になりました。
休日も大事です。日曜休みに加えて、月平均で交代休みがあること、ゴールデンウィーク・お盆・年末年始休みがあること、会社カレンダーに基づくことを補足する形です。
ここで重要なのは、条件を良く見せることではありません。
求人票に書く内容は、学校から聞かれたときに社長や担当者が説明できる実態であることが大前提です。
たとえば36協定や残業の扱いも同じです。制度があるなら、その内容を確認して正しく書く。曖昧なら、無理に書かず、実態と書類を確認してから判断する。高校生本人には難しい言葉でも、学校や保護者、ハローワークの担当者は見ています。
また、応募前見学も高卒採用では重要です。
今回の会社でも「応募前見学は非常に大きな要素」という話がありました。一方で、建設業では現場に高校生を簡単に入れられない場合があります。安全上の制約、元請けのルール、現場のタイミングもあります。
社長からも「現場に入場できるかどうかですね」「見学しようがないですよね。現場行く以外」といった言葉が出ていました。
この場合、無理に現場見学を受け入れる必要はありません。ただ、会社で仕事内容を説明する、写真や道具を見せる、先輩社員が話す、といった代替策は考えられます。
応募前見学は“現場に入れるかどうか”だけで判断せず、生徒が働く姿を想像できる接点をどう作るかで考えるのが現実的です。
求人票は入力順ではなく、高校生の不安を消す順番で確認する
高卒求人票を整えるときは、ハローワークの画面順に入力するだけでは抜け漏れが出やすくなります。
おすすめは、先に「高校生が不安に思う順番」で確認することです。そのうえで求人票の各項目へ落とし込むと、説明に一貫性が出ます。
まず確認したいのは、仕事内容です。
建設業の求人票では、職種名だけでは伝わりません。「とび工」「足場工」「解体工」と書いても、高校生には作業のイメージが湧きにくいです。
次のように、最初の数ヶ月の姿が見える表現にすると伝わりやすくなります。
- 最初は資材の名前を覚える
- 先輩と一緒に現場に入り、道具や材料の運び方を覚える
- いきなり高所作業を任せるのではなく、安全確認から教える
- 慣れてきたら足場の組み立て補助や解体補助に関わる
- 必要な資格は入社後に会社が支援する
仕事内容は、完成した職人の姿ではなく、入社初日から半年後までの成長イメージで書くと、高校生に届きやすくなります。
次に、雇用条件です。
高卒新卒では、正社員採用かどうか、雇用期間の定めがあるか、試用期間中の条件が変わるかが見られます。
今回の会社では、正社員、雇用期間の定めなし、試用期間3ヶ月、試用期間中も同条件という形で整理しました。これは学校側から見ても分かりやすいです。
試用期間を3ヶ月にするか6ヶ月にするかは、会社によって判断が分かれます。大事なのは、期間の長さそのものよりも、何を見る期間なのかを社内で決めておくことです。
たとえば、次のような観点です。
- 毎日出勤できるか
- 挨拶や報告ができるか
- 安全ルールを守れるか
- 先輩の指示を聞いて動けるか
- 体力面で無理が出ていないか
試用期間は“辞めさせるための期間”ではなく、会社と本人が現場に慣れるための確認期間として設計するほうが、高卒採用には合います。
次に、休日・残業です。
建設業では、現場によって休日が動くことがあります。だからこそ、求人票では曖昧にしすぎないことが大切です。
日曜休み、月平均の交代休み、長期休暇、会社カレンダー。これらを補足欄に入れておくと、先生や保護者も確認しやすくなります。
残業も同じです。実態として少ないなら、月平均5時間など、実態に近い数字で書く。36協定や特別条項を書く場合は、手元の書類と整合しているかを確認する。
休日と残業は、良く見せる項目ではなく、入社後のズレを減らす項目です。
次に、応募前見学です。
高卒採用では、応募前見学を希望する生徒が多くなります。ただし、建設業では現場にそのまま連れていくことが難しい場合もあります。
その場合は、次のように受け入れ方を整理しておくと動きやすくなります。
- 現場入場が可能な場合だけ見学する
- 難しい場合は会社で仕事内容を説明する
- 写真や動画、道具、保護具を使って説明する
- 先輩社員が入社後の流れを話す
- 保護者や先生からの質問に答えられる資料を用意する
求人票上では「応募前見学可」とするかどうかだけでなく、実際に来たときに誰が何を話すかまで決めておくと安心です。
最後に、育成体制です。
今回の会社では、外部講習は現状ないものの、社内で教える体制、資格取得の声かけ、先輩が一人ひとりを見るメンター的な関わり、随時面談によるキャリア形成の助言を整理していました。
社長からも、メンター制度について「それは大丈夫だと思います。つかないとやれないですからね」という言葉がありました。
建設業では、制度名として整っていなくても、実態としてやっていることがあります。先輩が横について教える。資格を取りに行くタイミングを伝える。技能の習得状況を見て、次に覚えることを話す。
これらは、高卒求人票では大きな安心材料になります。
ただし、書きすぎには注意が必要です。外部講習がないのに「外部講習あり」と書くと、後で説明が苦しくなります。
育成体制は、背伸びした制度名ではなく、実際に新人へできる関わりを具体的に書くことが大切です。
まとめ
高卒新卒採用のハローワーク求人票は、中途採用の延長で考えるとつまずきやすいです。
特に建設業では、仕事内容、現場の安全、休日、残業、資格、先輩の指導が、高校生にとって分かりにくいまま残りがちです。
初めて取り組む場合は、次の順番で整理すると進めやすくなります。
- 18歳未経験に伝わる仕事内容へ書き直す
- 正社員採用・雇用期間・試用期間の条件を確認する
- 休日・残業・通勤手当を実態に合わせて整える
- 応募前見学の受け入れ方を決める
- 資格取得支援、メンター、面談など育成体制を書く
- 学校や保護者に聞かれても説明できる内容にする
高卒求人票は、採用条件の一覧ではなく、会社が若い人をどう迎えるかを示す約束に近いものです。
きれいな言葉を並べるより、実態に合った安心材料を一つずつ出すほうが、結果的に会社らしさが伝わります。
高卒採用は、最初の求人票づくりが少し大変です。けれど、一度整理しておくと、翌年以降の採用にも使えます。学校とのやり取り、応募前見学、入社後の育成にもつながります。
最初の一人を迎える準備として、求人票を整えることは、会社の採用体制そのものを整える良い機会になります。
高卒採用の求人票づくりを、自社の育成体制から整理したいときは
高卒新卒採用は、求人票の入力だけで完結しません。
仕事内容をどう伝えるか。応募前見学をどう受けるか。資格取得や先輩のフォローをどう見せるか。学校や保護者に安心してもらうには、採用条件と現場の育成体制を一緒に整理する必要があります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用、人材確保、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで、建設業の経営課題を横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合、高卒求人票に何を書けばいいのか」「応募前見学を受けたいけれど現場に入れにくい」「資格支援やメンター制度をどう表現すればよいか」といった段階でも大丈夫です。
無理な営業はいたしませんので、まずは自社の状況を整理する場としてご活用ください。


































