40名規模を維持しながら、今後5年の定年退職を若手採用で補いたい専門工事会社
ある通信インフラ系の専門工事会社は、年商4億円弱、従業員40名ほど。複数地域に拠点を持ち、社員の年齢は20代前半から60代前半まで広がっています。
会社を急拡大するより、現在の規模を保ちながら世代交代を進めたい考えです。今後5年ほどで定年を迎える社員は4〜5名程度。そこで、中途採用に加えて高校新卒の採用にも取り組み始めました。
求人媒体の有料掲載は約4カ月続け、実際に入社者を確保できています。一定数を受け入れた後は無料掲載へ切り替えました。高校採用についても、学校のリストを整理し、アプローチ先を絞りながら毎年継続する方針です。
一方、仕事を増やそうと思えば、既存の取引先から受注を増やせる余地があります。教育面でも、定年後の社員が技術指導を担うなど、社内に技術をつなぐ土台があります。
それでも採用を一気に増やさないのは、人手不足と、受け入れ可能人数は別の問題だからです。
1週間で 16件の相談 がありました
- 7月28日総合建築北海道高卒採用の相談
- 7月28日工務店神奈川県業務効率化システムの相談
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
- 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
- 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
- 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
- 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
- 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
- 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
- 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
- 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
- 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
- 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
- 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
- 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
- 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
- 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
採用人数が現場数と指導者数を超えると、新人に仕事も教育も行き渡らない状態
この会社で採用人数を増やしすぎた場合、起こり得る問題は明確でした。新人に任せられる現場が足りなくなることと、新人を見られる先輩が足りなくなることです。
「人が入りすぎたら、現場が足りないのか。それとも、見られる先輩がいないのか」という問いに対する答えは、端的でした。
「両方ですね。一時期にどんどん来ても、すぐ育つわけじゃないです」
建設会社では、採用した人数がそのまま施工能力になるわけではありません。入社直後は、安全、施工手順、道具の扱い、取引先ごとのルールなどを覚える期間が必要です。その間は、先輩社員が自分の仕事と並行して新人を指導します。
そのため、採用人数が教育力を超えると、人数は増えているのに現場の生産性が上がらないということが起こります。指導する側の負担が増え、新人にも十分な経験を積ませにくくなります。
受注を先に増やしすぎても同じです。新人だけでは担当できない現場が増えれば、結局は既存社員へ負担が集中します。
採用の成果は「何人入社したか」だけでは測れません。安全に仕事を任せられる人材として、何人が育ったかまで見て初めて成果になります。
受注余力があっても、独り立ちまでの人件費と指導負担を無制限には増やせない事情
人を採れば受注を増やせる会社でも、採用数を決める際には収支とのバランスが欠かせません。
この会社も、主要取引先から仕事を増やしてほしいという声を受けています。ただし、仕事があることだけを理由に採用を最大化する考えではありませんでした。
「教育の関係もありますし、収支のところもあります。無制限にお金をかけられる状況ではないので、バランスを見ながらです」
新人が独り立ちするまでは、給与や社会保険料だけでなく、求人費、採用対応、研修、資格取得、指導者の時間などが必要です。入社からしばらくは、売上への貢献より育成コストが先に発生します。
また、高卒採用は入社時期が決まっています。学校との関係づくりも一年単位です。欠員が出てから急いで採用しても、すぐに補充できるとは限りません。
だからこそ、欠員が出た年にまとめて採るのではなく、退職予定を見ながら毎年少人数を採用するほうが、教育負荷を平準化しやすくなります。
定年後の社員が技術指導員として残る仕組みも有効です。ただし、指導できる社員がいることと、何人でも受け入れられることは同じではありません。指導者が通常業務を抱えているなら、同時に見られる新人の人数には限りがあります。
退職予定、受注枠、教育枠、収支枠のうち最も小さい数字を年間採用数の基準にする設計
年間採用数は、求人媒体の反応だけで決めず、次の5項目を同じ表に置いて考えると整理しやすくなります。
確認項目 | 整理する内容 |
|---|---|
定年退職者数 | 今後3〜5年で、いつ、何人が退職する予定か |
確保できる仕事量 | 新人を配置できる現場が年間でいくつあるか |
収支 | 独り立ちまでの人件費と教育費を何人分負担できるか |
指導担当者数 | 新人を継続して見られる社員が何人いるか |
独り立ちまでの期間 | 職種や担当業務ごとに、単独で任せられるまで何カ月かかるか |
最初に、今後3〜5年の退職予定を年別に並べます。5年間で5名ほど退職する見込みなら、単純平均では年1名が補充の目安です。ただし、退職時期が特定の年に集中する場合は、育成期間を逆算して前倒しで採る必要があります。
次に、教育枠を確認します。指導担当者ごとに、通常業務を続けながら同時に何人まで見られるかを決めます。現場単位で指導するなら、新人を配置できる現場数も確認します。
さらに、独り立ちまでの期間中に必要な人件費と教育費を置きます。ここでは採用費だけでなく、指導する社員の時間も含めて考えることが大切です。
年間採用数の上限は、次の考え方で決められます。
- 退職予定から見た必要人数
- 新人を配置できる現場数
- 指導担当者が受け持てる人数
- 独り立ちまでの費用を負担できる人数
このうち最も小さい数字が、その年に無理なく受け入れられる採用人数の目安です。
例えば、退職予定から2名採りたい年でも、指導できるのが1名分なら、採用目標をそのまま2名にするのは慎重に考えたほうがよいでしょう。先に指導担当者を増やす、配置する現場を確保する、入社時期をずらすといった準備が必要です。
求人媒体も、常に最大出稿する必要はありません。今回の会社のように、採用枠がある期間は有料掲載を使い、入社者が決まって受け入れ枠が埋まったら無料掲載へ切り替える方法があります。
切り替えの判断基準は、次のように置けます。
- 年間採用目標に達しておらず、現場と指導担当者を確保できているなら有料募集
- 採用目標に達した、または教育枠が埋まったなら無料募集
- 次の受け入れ時期が決まったら、その時期から逆算して有料募集を再開
- 高校新卒は、単年度の結果にかかわらず学校へのアプローチを毎年継続
有料募集と無料募集を切り替える目的は、求人費を抑えることだけではありません。採用の速度を、会社の育成速度に合わせることです。
高校採用も、一度に多くの学校へ広げるより、自社の商圏や受け入れ人数に合う学校を絞り、毎年関係を積み上げるほうが続けやすくなります。毎年1〜2名でも継続できれば、年齢構成の偏りを抑えながら技術を引き継げます。
まとめ
人手不足の会社ほど、採用人数を増やしたくなります。ただ、建設会社では採用数と戦力化する人数の間に時間差があります。
採用計画を立てるときは、求人媒体の応募数ではなく、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
- 今後3〜5年の定年退職者数を年別に出す
- 新人を配置できる現場数を確認する
- 指導担当者と、一人あたりの受け持ち人数を決める
- 独り立ちまでの期間と費用を整理する
- 受け入れ可能人数に合わせて有料募集と無料募集を切り替える
採用を止めるか、一気に増やすかの二択ではありません。毎年少人数を採り、無理なく育て続けることが、世代交代を安定させます。
受注量を増やせる会社であっても、先に見るべきなのは教育と収支です。仕事、指導者、費用の準備がそろった分だけ採用する。この順番なら、現場に負担を集中させずに人員を循環させやすくなります。
自社に合う採用人数と教育体制を一緒に整理するために
「退職予定者は見えているが、毎年何人採ればよいかわからない」「応募は来るものの、現場で何人まで育てられるか判断しにくい」という場合は、採用だけでなく、受注量、指導体制、収支を一度同じ表に並べるところから始められます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用、人材育成、組織、原価、現場運営を横断して整理し、実行まで支援しています。求人媒体を増やす前に、自社が毎年何人を受け入れ、どう育てるかを明確にしたい段階でもご相談いただけます。
状況を伺ったうえで必要な整理先をご案内します。無理にサービスをおすすめすることはありませんので、自社の場合を考えるきっかけとしてお声がけください。






























