前提

千葉県北西部の住宅系専門工事会社が、今年から高卒採用に踏み出す段階

千葉県北西部で住宅系の専門工事を手がける、20名台規模の建設会社がありました。これまでは中途採用や紹介を中心に人を増やしてきましたが、今後は未経験の若手を育てていく必要があり、高卒採用にも取り組み始めようとしていました。

求人票の準備は進んでいるものの、社内ではまだ「高校にどう回ればいいのか」「先生に何を話せばいいのか」「今年から動いて意味があるのか」という迷いがありました。

ここで大事なのは、高卒採用は求人票を出して終わりではなく、学校との関係を少しずつ積み上げる採用活動だという前提です。

高校生本人が会社を検索して応募する中途採用とは違い、高卒採用では先生の存在が大きくなります。先生が安心して生徒に紹介できる会社かどうか。卒業生が入社後に無理なく続けられそうか。建設業に対する保護者や生徒の不安を、会社側がどこまで説明できるか。

このあたりを求人票だけで伝え切るのは、かなり難しいです。

「今年からではあるんですが、8月ぐらいまで高校訪問をしたいんです。まずは会社の存在を認知してもらうところからですね」

そういう話が出ていたように、初年度の高校訪問は、すぐに応募を獲得するためだけの動きではありません。今年の訪問が、翌年以降に先生が思い出してくれる会社になるための土台になります。

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  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

求人票を出しても、先生と生徒に会社の安心材料が伝わりにくい

高卒採用で起きやすい課題は、求人票には条件は載せられても、会社の空気や育て方までは伝わりにくいことです。

求人票には、職種、給与、休日、福利厚生、仕事内容などを記載できます。もちろんこれらは大切です。最低賃金や休日数、固定残業の扱いなど、条件面を正しく整えることは前提になります。

ただ、高校側が気にしているのは条件だけではありません。

特に建設業の場合、先生は次のような点を見ています。

  • 入社後に誰が教えるのか
  • 未経験の高校生を現場に出して大丈夫なのか
  • きつい、怖い、続かないという建設業のイメージをどう払拭できるのか
  • 卒業生が早期離職しないように、会社としてどんなフォローをしているのか
  • 地元で長く働ける会社なのか

実際、高校訪問で聞かれやすいポイントとして、真っ先に「教育体制」が挙がっていました。

「先生に聞かれるのは、多分、教育体制ですよ。そこは先生も気になるところです」

これはかなり本質的です。先生からすれば、生徒を送り出す以上、入社後に放りっぱなしにならない会社かどうかを見ています。求人票上の条件がよくても、育て方が見えなければ紹介しづらいのです。

さらに、建設業にはどうしても先入観があります。暑い、危ない、休めない、上下関係が厳しい。実態は会社によって違っていても、外から見れば一括りに見られやすい業界です。

そのため高校訪問では、「うちは大丈夫です」と言うだけでは弱く、何をどう整えているから安心なのかを具体的に伝える必要があります

背景

地元志向の強い高校では、前年の訪問履歴やOBとのつながりが信頼になる

高卒採用では、どの学校を回るかも重要です。やみくもに高校を訪問しても、採用につながりにくいことがあります。

今回の会社でも、近隣の工業高校や商業高校を中心に、就職者数が多く、地元志向が強い学校を回る方針が話されていました。これは高卒採用ではかなり現実的な考え方です。

地元で働きたい生徒が多い学校ほど、地域の建設会社との相性がよくなります

中途採用でも「家から近いから選んだ」という理由はよくありますが、高校生の場合はさらにその傾向が強くなります。本人だけでなく保護者も、通いやすさや地元での安心感を重視します。先生も、まったく接点のない遠方企業より、地域で顔が見える会社のほうが紹介しやすくなります。

また、高校採用では前年の履歴が効いてきます。

「昨年度出した求人票が、次年度のベースになります。昨年度来ている会社、先輩が行っている会社を見ながら醸成していくんです」

この感覚は、中途採用とは少し違います。高校では、求人票や訪問履歴が学校側に残ります。1年目は応募につながらなくても、2年目に「去年も来てくれた会社ですね」となる。さらにOB・OGが入社していれば、「先輩が行っている会社」として見られるようになります。

つまり、高卒採用は短期勝負というより、地域の学校内で会社の存在を育てていく活動です。

そのときに使える接点は、求人票だけではありません。

  • OB・OGが在籍している
  • 部活動や地域行事でつながりがある
  • 社員や役員がその学校の出身である
  • 地元の現場や取引先で学校関係者との接点がある
  • 先生が知っている地域企業と関係がある

こうしたつながりは、採用活動では立派な資産です。大げさなPRよりも、「この地域で長く仕事をしている会社です」「卒業生も頑張っています」と言えるほうが、先生には伝わりやすい場面があります。

一方で、会社側に「売り」が整理されていないこともよくあります。

「建設会社ってこんなイメージでしょ、というのを覆したいわけです。売りがないので、作りましょう」

ここでいう「売り」は、派手な福利厚生や大きな制度だけではありません。未経験者への声かけ、若手への面談、道具や作業服の支給、現場で困ったときの相談先、先輩との距離感なども、先生にとっては安心材料になります。

会社の中では当たり前になっていることが、高校側から見ると大事な判断材料になるということです。

解決

高校訪問では、学校選び・伝える内容・来年自社で回す型を同時に整える

高校訪問は、ただ挨拶に行くだけでは効果が薄くなります。限られた時間で先生に安心してもらうには、訪問前に話す内容を整理しておく必要があります。

まず取り組みたいのは、訪問先の学校を絞ることです。

候補として見たいのは、次のような学校です。

  • 会社から通える範囲にある高校
  • 工業系、商業系、総合系など就職者が一定数いる高校
  • 地元就職の志向が強い高校
  • 建設、設備、ものづくり系の進路と接点がある高校
  • OB・OG、部活、地域活動など何らかの縁がある高校

最初から広く回りすぎる必要はありません。むしろ、翌年以降も継続して訪問できる学校を選ぶことが大切です。

次に、先生に伝える内容を決めます。高校訪問では、会社紹介を長々と話すより、先生が気にする順番で伝えたほうが通りやすくなります。

たとえば、次の流れです。

  1. 地元でどんな仕事をしている会社か
  2. 高卒で入る人に任せる仕事は何か
  3. 最初の数ヶ月は誰がどう教えるのか
  4. 危険な作業や現場対応をどう管理しているか
  5. 若手が困ったときに誰へ相談できるか
  6. 休日、道具、作業服、資格取得などの支援はどうなっているか
  7. どんな生徒と相性がよいか

ここで大切なのは、良く見せようとしすぎないことです。まだ教育制度が完璧でない会社も多いはずです。その場合は、制度名を無理に作るより、実際にやっていることを整理して伝えるほうが自然です。

たとえば、若手に対して定期的に声をかけている。現場で一人で抱え込まないように上長が見ている。未経験者にはいきなり任せず、先輩と一緒に覚えてもらう。こうした運用も、言語化すれば教育体制の一部になります。

先生が知りたいのは、立派な制度名ではなく、生徒が入社した後に放置されない根拠です。

また、訪問する人選も意外と大切です。社長だけでなく、採用担当、事務方、社員の家族的な距離感を伝えられる人など、学校側が話しやすい人が行く選択肢もあります。

今回の会社でも、柔らかく説明できる女性担当者や、社内の雰囲気を落ち着いて話せる人が高校訪問に向いているのではないか、という話が出ていました。

高校の先生とのコミュニケーションでは、押し込み感よりも安心感が大切です。「採りたいです」より先に、「どういう会社で、どう育てるつもりか」を伝えることが信頼につながります。

さらに、初年度の高校訪問は、来年以降に自社で回せるようにする機会でもあります。

「今回の高校訪問で、どういう流れでやっていくか、先生とのコミュニケーションで何が大事かを押さえていただいて、次回以降は自社で回せるのが一番のゴールです」

この考え方は、中小建設会社にとって実務的です。外部の力を借りるとしても、毎年誰かに頼らないと高校訪問ができない状態では続きません。

自社で回せるようにするには、訪問後に記録を残すことが必要です。

  • どの高校を訪問したか
  • 対応してくれた先生は誰か
  • 学校の就職傾向はどうか
  • 建設業への反応はどうだったか
  • 何を質問されたか
  • 次回いつ頃訪問すべきか
  • OB・OGや部活など使えそうな接点はあるか

この記録があると、翌年の動きがかなり楽になります。4月以降の早い段階で学校に接点を持ち、求人票提出後に改めて訪問し、夏までに関係を温める。そうした年間の型が見えてきます。

高卒採用は、1回の訪問で応募が来るかどうかだけを見ると、手応えが分かりにくい活動です。ただ、学校ごとの反応を記録し、翌年も同じ先生に会いに行ける状態を作ると、採用活動としての資産になります

まとめ

高卒採用を始める建設会社にとって、求人票の整備はもちろん重要です。ただし、求人票だけで高校側の認知や信頼を得るのは簡単ではありません。

先生は、条件だけでなく、教育体制、定着支援、現場での安全性、会社の雰囲気、卒業生を安心して送り出せるかを見ています。特に建設業では、業界イメージをそのまま受け取られないように、会社側から丁寧に説明する必要があります。

高校訪問で大切なのは、次の3つです。

  • 地元志向が強く、就職者数の多い学校を優先して回ること
  • 先生が気にする教育体制や定着支援を、具体的な言葉で伝えること
  • 初年度の訪問を、翌年以降に自社で回せる型づくりにつなげること

すぐに応募につながらなくても、訪問履歴は残ります。先生との接点も残ります。翌年に「去年も来てくれた会社」として見てもらえること自体が、地元採用では大きな一歩になります。

高卒採用は、求人票を出す作業ではなく、地域の学校に会社を知ってもらい、安心して生徒を送り出してもらうための関係づくりです。

高校訪問を自社で回せる採用活動に整えたいときは

高卒採用を始めるときは、「求人票をどう書くか」だけでなく、「どの高校に行くか」「先生に何を伝えるか」「来年以降も自社で続けられるか」まで整理しておくと動きやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用、人材確保、組織づくり、現場運営、原価管理、デジタル活用まで、建設業の経営課題を横断して整理し、実行まで支援しています。

高卒採用についても、学校選び、求人票の見直し、高校訪問で伝える内容の整理、社内で採用活動を回す体制づくりまで、会社の状況に合わせて一緒に考えることができます。

「うちの場合は、どの高校から回ればいいのか」「先生に何を話せばいいのか分からない」という段階でも問題ありません。無理な営業はいたしませんので、まずは現状の整理先としてご活用ください。

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