前提

大分県の内装仕上げ会社で、社長が打ち合わせから材料手配まで握っている状態

大分県で内装仕上げ工事を手がける、職人6名ほどの専門工事会社の話です。社長自身も現場に出ながら、若手や技能実習生、ベテラン職人と一緒に仕事を回しています。

現場の仕事は一定量あります。むしろ、見積もりや声がかかる案件はあり、時期によっては「やりきれなくなるんじゃないか」という感覚もあります。

ただ、受けられる仕事量は社長の稼働に強く縛られています。

社長の言葉で印象的だったのは、次の一言です。

「番頭が足らないんですよね。私が半分でいいんですけどね」

ここで言う番頭とは、単なる職人のリーダーではありません。現場の打ち合わせに同行し、内容を持ち帰り、職人に伝え、材料を手配し、必要な段取りを前に進める人です。

現場で手を動かす人はいても、現場を回す人が足りない。これは中小の専門工事会社ではよく起きる壁です。

社長自身も、こう話していました。

「一緒に打ち合わせに行って、それを持って帰ってきて、職人に伝えて、材料を手配してくれる。それだけでもしてもらうと楽です。全部私がしなきゃいけないです」

仕事がないから伸びないのではなく、社長が現場管理のハブになりすぎているために、仕事を増やせない状態です。

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  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
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課題

現場を見られる安心感と、社長が外れられない限界が同時に起きている

社長が現場管理まで抱えている会社には、良い面もあります。社長がすべて見ているので、判断が早く、品質のズレにも気づきやすい。元請けや一次会社との関係も、社長が直接動くことで保たれていることが多いです。

一方で、社長が現場の打ち合わせ、指示、材料手配、雑務まで担っている限り、受注量は社長の時間以上には増えません。

この会社でも、若手に免許を取らせたり、技能実習生を現場に出したりと、人を育てる動きは始まっていました。21歳、23歳前後の若手もいて、「この子たちが上手になってくれれば」という期待もあります。

ただし、若手が手を動かせるようになることと、番頭として現場を回せるようになることは別物です。

番頭に求められる仕事は、たとえば次のようなものです。

  • 現場の打ち合わせ内容を理解する
  • 社長や元請けの意図をくみ取る
  • 職人に分かる言葉で指示を出す
  • 材料や道具の段取りをする
  • 現場で起きる細かなズレを先回りして拾う
  • 社長に確認すべきことと、自分で判断できることを分ける

これは、経験だけで自然に身につく部分もありますが、放っておけば育つとは限りません。

特に内装仕上げのように、工程の前後関係や納まり、材料、他業種との絡みが多い仕事では、現場の段取りが遅れると全体に影響が出ます。別の話の中でも、「監督の段取りが悪く、天井ボックスや仕様の発注が遅れたことで、後から追われる」という現場感が出ていました。

こうした状況では、社長が全部拾うほど短期的には安全です。しかし、社長が拾い続けるほど、次の番頭が育つ余白はなくなります。

ここが難しいところです。

背景

一次請けを目指すのか、二次請けで強くなるのかで必要な人材が変わる

番頭や右腕を考えるとき、いきなり「誰を採るか」「誰を育てるか」から入ると、少し遠回りになります。

先に整理したいのは、会社として3年後、5年後にどの形で仕事を受けたいのかです。

たとえば、方向性は大きく分けるといくつかあります。

1つ目は、一次請けや直請けに近づいていく形です。この場合は、自社で職人を抱え、現場を管理できる人を厚くしていく必要があります。打ち合わせ、工程調整、品質管理、材料段取り、協力会社対応まで、自社側で持つ範囲が広がります。

2つ目は、二次請け・三次請けを中心に、強い施工部隊として選ばれ続ける形です。この場合も番頭は必要ですが、一次請けほど広い管理機能を持つというより、現場内での段取り力や職人のまとめ役が重要になります。

3つ目は、自社職人を大きく増やすより、協力会社をうまく使いながら管理側を厚くする形です。自社に少数の職人と管理者を置き、協力会社を束ねて現場を回す考え方です。

どれが良い、悪いではありません。

社長自身も「下請けから、会社を使ってやっていけたらいい」という思いを持ちながらも、地域の職人が限られ、大きい会社に人がついている現実も見ていました。

「狭い地域なので、職人も限られるんです。大きいところにみんなついていく」

この感覚は地方の専門工事会社ではかなり現実的です。

だからこそ、一次請けを目指すのか、二次請け中心で安定して強くなるのか、協力会社を活用するのかによって、採るべき人・育てるべき人が変わります。

経験者の現場管理者が必要なのか。若手を番頭候補に育てるのか。職人を増やすのか。管理側を増やすのか。

この順番を間違えると、「人を採ったけれど任せる仕事が曖昧」「若手を入れたけれど育てる人がいない」「協力会社を増やしたけれど社長の管理負担だけ増えた」という状態になりやすいです。

解決

即戦力採用と中長期育成を分けて考え、社長の仕事を少しずつ移す

番頭・右腕づくりは、短期と中長期を分けて考えるのが現実的です。

短期では、社長が抱えている仕事を棚卸しし、誰にどこまで移せるかを決めること。中長期では、番頭候補が育つ仕組みをつくること。

大きな選択肢は2つあります。

1つは、即戦力の現場管理者を採用する方法です。

経験者が入れば、社長の負担は早く下がる可能性があります。打ち合わせ同行、材料手配、現場指示、協力会社とのやり取りなどを任せやすくなります。

ただし、難易度は高いです。地域によっては、経験者・資格者・現場を見られる人はすでにどこかの会社で重宝されています。採用するには、給与だけでなく「なぜこの会社で働くのか」を言語化しなければなりません。

特に中小の専門工事会社では、社長や社員が当たり前だと思っていることが、外から見ると強みになることがあります。

たとえば、この会社では「若い子が増えれば楽しくなる」「2人1組くらいで仕事をしている」という話がありました。社長はそれを「甘いのかもしれない」と表現していましたが、未経験者や若手から見れば、いきなり一人で放り込まれない安心感かもしれません。

即戦力を採るなら、他社と比べて勝つ発想よりも、100人中1人に刺さる自社の良さを明確にすることが大切です。

もう1つは、既存社員・若手・未経験者を中長期で番頭候補に育てる方法です。

こちらは時間がかかりますが、会社のやり方を身につけた人材を育てられる可能性があります。技能実習生や若手職人が、将来的に後輩を教えたり、現場の一部を見たりする流れもつくれます。

ただし、「見て覚えろ」だけでは難しくなっています。現場では臨機応変が必要ですが、基本動作や判断基準は見える形にしておかないと、教える人によって内容が変わります。

たとえば、ボード張りであれば、ビスのピッチ、出してはいけない部分、揃えるべきライン、材料の扱い方など、社長にとっては当たり前のことがあります。

社長も、作業内容が分かるようになることについてこう話していました。

「基本的なやつを、いつも現場で言うだけじゃなくて、やって覚えろじゃなくて、知ろうとすれば見られる。それはいいのかなと思いました」

この感覚はとても大事です。

ただ、マニュアルや動画を作れば終わりではありません。社長が教えたいことと、若手が分からずにつまずくことは違うため、作る前に項目を洗い出す必要があります。

進め方としては、次の順番が合います。

  1. 社長が今やっている現場管理業務を書き出す
  2. その中で「すぐ任せられること」「同行なら任せられること」「まだ社長判断が必要なこと」に分ける
  3. 番頭に求める役割を、打ち合わせ・指示・材料・品質・報告に分解する
  4. 既存社員や若手の中で、どの役割から渡せるかを決める
  5. 基本作業や判断基準を、動画・紙・チェック表などで見える化する
  6. できるようになった項目と給与・役割を少しずつつなげる

ここで重要なのは、最初から完璧な番頭を作ろうとしないことです。

たとえば、いきなり現場を丸ごと任せるのではなく、まずは「打ち合わせに同行してメモを取る」「材料の拾い出しを一緒に確認する」「職人への伝達を社長の前でやってみる」といった段階をつくります。

番頭育成は、社長の頭の中にある段取りを、少しずつ他の人が使える形に移す作業です。

そのうえで、短期的にどうしても社長の負担を下げたいなら、経験者採用を検討する。中長期で会社の土台をつくるなら、若手・未経験者の育成設計を進める。両方を同時に進める場合も、役割を分ける必要があります。

経験者には現場管理の一部を任せる。若手には基本作業と報連相、材料段取りの補助から覚えてもらう。既存の中堅には、後輩を見る役割を少しずつ持ってもらう。

こうして、社長しかできない仕事を減らしていきます。

まとめ

社長が現場管理まで抱えている会社は、決して珍しくありません。むしろ、社長が現場をよく分かっているからこそ、品質も関係性も守られている面があります。

ただ、仕事を増やしたい、若手を育てたい、協力会社も活用したいと考えるなら、どこかで社長の仕事を分けていく必要があります。

最初に整理すべきなのは、番頭を採るか育てるかではなく、会社としてどんな受け方・回し方を目指すのかです。

一次請けを目指すのか。二次請け中心で強い施工会社になるのか。自社職人を増やすのか。協力会社を活用して管理側を厚くするのか。

その方向が見えると、必要な人材像が見えてきます。

即戦力の現場管理者を採るなら、自社の強みを外に伝える準備が必要です。若手や未経験者を育てるなら、社長の頭の中にある作業・段取り・判断基準を見える形にしていく必要があります。

番頭づくりは、社長の負担を減らすだけでなく、会社が次の仕事を受けられる体制をつくる取り組みです。

いきなり大きく変える必要はありません。まずは、社長が毎日やっている現場管理の中から「これは誰かに渡せるかもしれない」という仕事を1つ見つけるところから始めるのが、現実的な一歩です。

うちの番頭づくりをどこから整理するか考えたい方へ

番頭・右腕づくりは、採用だけでも、教育だけでも完結しにくいテーマです。会社の将来像、今いる職人の年齢や経験、協力会社との関係、社長が抱えている業務、若手に任せられる範囲を一緒に整理していく必要があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「一次請けを目指すべきか迷っている」「若手を番頭候補にしたいが育て方が分からない」「即戦力を採るべきか、今いる社員に任せるべきか整理したい」といった段階でも大丈夫です。

無理に何かを進める前提ではなく、うちの場合は何から考えるとよさそうかを一緒に確認できます。無理な営業はいたしませんので、必要なタイミングでご相談ください。

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