創業2期目の足場工事会社が中堅ゼネコンの二次受け開拓を考えている段階
関西圏で足場・とび工事を手がける、創業間もない専門工事会社の話です。
現在は2期目の決算前。銀行との取引も始まり、追加融資の可能性も見ながら、次の成長に向けて新しい取引先を増やしたい局面にありました。
狙いたいのは、いきなり大手ゼネコンの一次受けに入る形ではありません。現実的には、中堅ゼネコンや準大手ゼネコンの仕事に、既存一次会社の下で二次受けとして入る入口をつくるという考え方です。
社長の感覚としても、現在の人員体制やこれから採用する人数を踏まえると、「スーパーゼネコンの大きな現場を直接取りに行く」というより、もう少し規模を絞ったほうが合っている、という見立てでした。
「雇う予定の人数からして、それぐらいの規模感なんじゃないかな」
この言葉には、建設会社らしい現実感があります。案件を取りたい気持ちはある。けれど、取った後に回せるかどうかを先に考えないといけません。
その中で、外部の営業支援や顧問活用によって販路開拓を進める選択肢が出てきました。月額で数十万円規模の投資です。社長の反応は、とても率直でした。
「まだ出ない段階でこれは高いよね」
ただし、単に高いと言っているわけではありませんでした。論点は金額そのものではなく、その投資でどの規模の工事が、月に何件取れれば成り立つのかでした。
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- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
外部営業費が高いか安いかではなく回収できる案件量が見えていないこと
販路開拓への投資で一番判断しづらいのは、費用の高低ではありません。
問題は、投資回収の前提となる案件単価・粗利率・受注件数が見えていないことです。
社長は、こんな趣旨のことを話していました。
「たとえば、1件の利益が少なくて、外部費用を払ったらほとんど残らないなら、やる意味がない。でも月にまとまった利益が出るなら、高いとは思わない」
これは販路開拓を考えるうえで、とても大事な見方です。
営業代行や顧問活用は、どうしても月額費用だけが目に入ります。月数十万円。初期費用もある。創業期や拡大期の会社にとっては、軽い金額ではありません。
けれど、建設業では1件の工事規模によって回収の見え方が大きく変わります。
たとえば、同じ月額費用でも、
- 小さな工事が月1件だけ増える
- 3,000㎡前後の足場工事が月2〜3件増える
- 口座開設後に継続的な見積依頼が来る
- 一度の受注ではなく、年間で複数現場につながる
このどれに近いかで、投資判断はまったく変わります。
今回の会社では、社長の中にひとつの目安がありました。
「ざっくり、3,000㎡ぐらいの現場が月に2、3件あったら。金額にもよるけど、そこまで取れたら外部費用も高くはないと思う」
ここが判断の出発点です。
販路開拓に投資する前に必要なのは、“月額費用が高いか安いか”の議論ではなく、“何㎡の工事を月何件取れれば納得できるか”の試算です。
人員増と社会保険料の負担がある中で先行投資の馬力を読み切れない状態
この会社が慎重だった理由は、成長意欲がないからではありません。
むしろ、取引先を広げたい気持ちはありました。中堅ゼネコンにつながる一次会社との接点を増やし、足場工事の受注口を増やすことにも前向きでした。
ただ、タイミングの問題がありました。
2期目の決算前。従業員も増える予定。人件費が増え、社会保険料の負担も重くなります。
「社会保険で倒れそうなくらいです」
少し冗談めいた言い方でしたが、創業期から人を増やしている建設会社にはかなり実感のある話だと思います。
建設業は、人を増やせば売上を伸ばせる可能性が広がります。一方で、固定費も一気に増えます。
特に足場やとび工事のように、現場対応力が受注量に直結する業種では、販路開拓と人員体制は切り離せません。
受注を増やしたい。
でも、増えた受注を回す職人・番頭・管理体制が必要です。
さらに、採用した人の給与、社会保険料、車両、道具、教育の時間もかかります。
そのため、外部営業費を払うかどうかは、営業だけの判断ではありません。
販路開拓費は、採用費・人件費・社会保険料・現場稼働の余力とセットで見る必要があります。
社長も、今すぐの投資には慎重でした。
「資金に余力が出たら、他にもお金を回せるかもしれない。でも今チャレンジするのは難しい」
これは後ろ向きな判断ではありません。
むしろ、良い案件が来たときに無理なく受けられる状態をつくるための、かなり健全な見方です。
月額費用から逆算して必要な粗利と受注件数を先に決めておく
販路開拓への投資を検討するときは、先に簡単な損益分岐をつくっておくと判断しやすくなります。
細かい会計資料を作り込む前に、まずは次の5つを並べます。
- 外部営業費として毎月いくら出るか
- 狙う工事の平均請負金額はいくらか
- その工事の粗利率は何%か
- 月に何件まで現場として回せるか
- 追加で必要になる人件費・外注費・管理工数はいくらか
この5つが見えると、話が一気に現実的になります。
たとえば、外部支援に月額で数十万円かかるとします。
このとき見るべきなのは、売上ではありません。投資回収は売上ではなく粗利で判断します。
仮に、足場工事1件あたりの粗利が十分に残るなら、月1件でも回収できるかもしれません。逆に、売上は大きくても粗利が薄い現場ばかりなら、月に複数件取っても苦しくなります。
整理の仕方は、シンプルで構いません。
- 月間の外部営業費:A円
- 1件あたりの平均粗利:B円
- 回収に必要な最低受注件数:A ÷ B件
ここに、現場ごとの追加負担を足します。
たとえば、新しい取引先の現場で、
- 乗り込み前の打ち合わせが増える
- 安全書類や施工体制の確認が増える
- 現場代理人や職長の移動時間が増える
- 慣れるまで段取り替えが多くなる
- 支払いサイトが既存取引先より長くなる
こうした負担があるなら、単純な粗利だけではなく、実際に手元に残る利益と資金繰りで見る必要があります。
今回の会社で言えば、社長が口にした「3,000㎡ぐらいの工事が月2〜3件」という目安は、とても良い叩き台です。
次にやるべきは、その3,000㎡の工事について、ざっくりでも数字を置くことです。
- 3,000㎡規模だと、平均請負金額はいくらか
- 材料・外注・人件費を引いた粗利はいくらか
- 現在の体制で月2件なら回せるのか
- 月3件になると、誰が現場を見るのか
- 既存案件にしわ寄せが出ないか
- 入金までの期間に耐えられるか
ここまで見えると、外部支援の判断はかなり変わります。
“月2〜3件取れれば払える”ではなく、“月2〜3件取るために必要な人・資金・管理体制まで含めて払えるか”を見ることが大切です。
また、投資を始めるタイミングにも判断軸があります。
すぐ始めてよい状態は、次のような場合です。
- 既存現場に加えて新規案件を受ける余力がある
- 狙う工事規模と粗利率の目安がある
- 月に必要な最低受注件数が見えている
- 3〜6か月程度の先行投資に耐えられる資金余力がある
- 新規取引先の現場を任せられる人がいる
一方で、見送ったほうがよい状態もあります。
- 1件あたりの粗利がまだ読めない
- 月何件まで回せるか決まっていない
- 人員増による固定費増が先に来ている
- 社会保険料や給与の負担で資金繰りが薄い
- 受注しても管理できる人が足りない
この場合は、外部支援を否定する必要はありません。順番を変えればよいだけです。
まずは、既存案件の粗利を整理する。次に、狙いたい規模の工事を決める。そのうえで、受注可能件数と資金余力を確認する。
その後に、顧問活用や営業代行を検討すると、投資判断がかなり落ち着きます。
販路開拓は勢いで始めるものではなく、受け切れる現場量と残る粗利から逆算して始めるものです。
まとめ
外部営業支援や顧問活用を検討するとき、月額費用だけを見ると判断が難しくなります。
大事なのは、その費用を払った先に、どの規模の工事を月何件取れれば回収できるのかを先に置くことです。
今回の足場工事会社では、「3,000㎡ぐらいの工事が月2〜3件」という具体的な目安が出ていました。
このような目安があると、次の整理ができます。
- 必要な月間粗利はいくらか
- 1件あたりの粗利はいくらか
- 何件取れば外部費用を回収できるか
- その件数を現場が回せるか
- 人件費や社会保険料を含めても資金が持つか
創業期や拡大期は、良い話ほど迷います。
取引先を広げたい。けれど、今の馬力でいけるのか。人も増える。社会保険料も重い。銀行との付き合いもある。
その迷いは自然です。
販路開拓の投資判断は、“やるかやらないか”の前に、“どの条件ならやるか”を決めておくと前に進みやすくなります。
うちの場合の損益分岐を整理したいときに
新しい元請け・一次会社の開拓、営業代行、顧問活用は、会社の成長につながる選択肢です。
ただし、始める前に見るべき数字があります。
案件単価、粗利率、月間の受注可能件数、人員の稼働余力、固定費、資金繰り。このあたりを一度並べるだけでも、判断はかなりしやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、原価管理、人材確保、組織づくり、デジタル活用まで、現場の実態に合わせて整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合、月何件取れれば投資してよいのか」「今は見送るべきか、準備だけ進めるべきか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の相手として気軽に使ってください。

































