施工管理や技能職の採用は取り合いになり、求人を出すだけでは埋まりにくい状況
建設業では、施工管理や技能職の採用がますます難しくなっています。求人を出すと応募よりも人材会社からの営業電話が増える、という声も珍しくありません。
一方で、ある建設関連会社では「ここ数人は従業員の紹介で入ってくれた」と話していました。派手な採用広告ではなく、現場を知っている社員からの紹介で人が入る。これは中小建設会社にとって、かなり現実的な採用ルートです。
求人媒体や紹介会社だけに頼ると、自社の魅力が求職者に届きにくいこと
大手企業では新卒初任給を引き上げる動きもあり、中小企業が給与だけで勝負するのは簡単ではありません。加えて、建設業は仕事内容が外から見えにくく、求職者にとっては「きつそう」「休めなさそう」といったイメージが先に立つこともあります。
求人媒体に掲載しても、同じような条件の会社が並ぶなかで、自社らしさが埋もれてしまう。紹介会社を使っても、採用単価が重くなりやすい。そんな悩みがあります。
「採用したいけれど、何から手を打てばいいのか分からない」という感覚は、多くの会社に共通しています。
社員紹介が効く会社には、現場の空気を伝えられる人が社内にいること
社員紹介がうまくいく理由は、紹介者が会社の実態を知っているからです。仕事内容の大変さも、社長や先輩の人柄も、現場の雰囲気も、きれいごとではなく伝えられます。
求職者にとっても、知らない会社に応募するより、「知り合いが働いている会社」の方が安心感があります。特に建設業では、現場で誰と働くかが重要です。条件表だけでは分からない部分を、社員が補ってくれます。
ただし、社員紹介は「紹介して」と言うだけでは広がりません。紹介した社員が気まずくならない仕組みや、入社後に紹介された人が定着する環境が必要です。
社員紹介は採用手法というより、社内の信頼関係が外ににじみ出る仕組みです。
紹介したくなる会社の言語化と、紹介後の受け皿づくりを進めること
まず取り組みたいのは、社員が友人や知人に説明しやすい言葉を用意することです。「うちはいい会社だから」だけでは伝わりません。
たとえば、次のように具体化します。
- 未経験者に最初に任せる仕事
- 資格取得や技能習得の支援
- 休み方や残業の実態
- 社長や職長が大事にしていること
- 入社後に合う人、合わない人
ここまで整理すると、社員も紹介しやすくなります。無理に美化せず、「大変なところもあるけれど、こういう人には合う」と言える方が、入社後のミスマッチも減ります。
また、紹介があった後の対応も重要です。連絡が遅い、面談で会社の説明がバラバラ、入社後の受け入れが現場任せ、という状態では紹介は続きません。紹介者の顔を立てる意味でも、候補者への対応は丁寧に整えたいところです。
まとめ
採用難のなかで、求人媒体や紹介会社を使うこと自体は悪くありません。ただ、それだけに頼ると、資本力のある会社との競争に巻き込まれやすくなります。
中小建設会社にとって、社員紹介は強い採用ルートです。現場を知る社員が、自分の言葉で会社を伝えてくれるからです。
そのためには、紹介したくなる会社の状態をつくること、社員が説明しやすい言葉を用意すること、紹介後の受け皿を整えることが欠かせません。採用は外に出す前に、まず社内の信頼を整えるところから始まります。



























































































