協業会では懇親会で接点を作れる一方、参加企業が発注側とは限らないこと
ある専門工事会社は、協業を目的にした会に参加していました。会の前半では各社の発表や取り組み紹介があり、その後、懇親会で周囲の会社と話す流れです。
「直接周りの人と話すのは、そこからですかね」という感覚で、仕事の話は名刺交換や食事の場から始まります。こうした場は、関係づくりには向いています。
ただ、参加している会社を見ると、工事会社は多くありませんでした。IT系、ソフトウェア開発、コンサル、販売営業、サーバー構築などの会社が中心。工事会社から見ると、遠くもなく近くもない接点です。
この距離感をどう見るかで、参加の意味は変わります。
顔は広がっても、発注や協業に近い相手がいないと仕事化しにくいこと
交流会や協業会は、参加するだけで何かが起こる場ではありません。
その場で知り合いが増えることはあります。顔を覚えてもらうこともあります。ただ、発注側や具体的な協業先に近い会社がいなければ、すぐに工事の相談へつながるとは限りません。
実際、参加後の感触としても、「現時点ですぐ様は、というところですね」という状態でした。つまり、会自体が悪いわけではないものの、すぐ仕事になる相手は見えていないということです。
ここで無理に参加回数だけを増やすと、移動時間や準備時間に対して、得られる商談が少なくなります。特に地域をまたいで参加する場合は、時間の負担も小さくありません。
工事会社にとって有効な接点は、発注者か近い協業先に限られやすいこと
専門工事会社が交流会で見るべき相手は、大きく分けると2つです。
1つは、工事を発注する可能性がある会社です。設備更新、拠点展開、現場施工を外部に出す会社などです。
もう1つは、工事に近い領域を持つ協業先です。たとえばネットワークやサーバー構築を扱っていて、現場工事部分を任せる先を探す可能性がある会社です。
今回のように、サーバーやネットワーク領域の会社がいる場合、完全に遠いわけではありません。ただし、相手が本当に工事パートナーを探しているのかは、話してみないとわかりません。
つまり、参加価値は「人数」ではなく、会うべき会社がいるかで決まります。
参加前に会社リストを確認し、当日は次回面談につながる相手に絞って話すこと
交流会に参加するかどうかは、気合いではなく判断軸で決めるのが現実的です。
まず、事前に参加企業を確認します。主催側や紹介者に、「どんな会社が来そうですか」と聞いておくだけでも判断しやすくなります。
見るポイントは次の通りです。
- 工事を発注する可能性がある会社がいるか
- 自社の工事範囲に近い協業先がいるか
- 当日、話すべき相手を事前に決められるか
- 移動や拘束時間に見合う接点が得られそうか
ここで発注側や近い協業先が1社でも明確にいるなら、参加する価値はあります。逆に、営業会社やコンサル会社が中心で、工事に近い接点が見えない場合は、無理のない範囲で参加するくらいがちょうどよいです。
当日は、全員と浅く話すより、次につながりそうな相手を絞ります。
「当社ではICT関連の現場工事まで対応しています。御社の案件で、現場側の施工パートナーが必要になることはありますか」
このように聞くと、相手が発注側なのか、紹介者になり得るのか、単なる情報交換で終わるのかが見えやすくなります。
話が合いそうなら、その場で次回の面談候補を押さえます。懇親会で盛り上がって終わりではなく、次に話す日時まで決めることが仕事化への一歩です。
参加後は、名刺を整理するだけでなく、相手ごとに「発注可能性」「協業可能性」「紹介可能性」を分けておくと、後追いの優先順位がつけやすくなります。
まとめ
交流会や協業会は、顔を売る場としては有効です。ただし、工事会社にとっては、参加企業の中に発注側や近い協業先がいるかどうかで成果が変わります。
大事なのは、参加前に相手を確認し、当日は話す相手を絞り、終わった後に次回面談へつなげることです。
「近くで開催されるから参加する」「特定の会社に会えるから参加する」なら意味があります。反対に、接点が見えないまま遠方まで出向くなら、一度立ち止まってもよいです。交流会は、出席回数ではなく、次の商談につながる接点の質で判断するのがよさそうです。


































