首都圏で販路を広げたい専門工事会社が、顧問の人脈に期待している状態
首都圏にも営業範囲を広げている、関西発のある専門工事会社の話です。売上は20億円台後半まで伸び、解体周辺工事や調査・対策工事などを扱いながら、既存取引だけでなく新しい取引先の開拓を進めていました。
その会社では、人脈を持つ顧問に入ってもらい、自社だけではつながりにくい建設会社、解体会社、デベロッパー系の先への紹介を期待していました。
相談者の言葉を借りると、こうです。
「自分ではつながらないところをつなげてくれるのは大きい。ただ、それに伴った成果を上げないと、建設的な形で続けるのは難しいと思うんです」
この感覚は、多くの建設会社に共通します。紹介営業は、うまくいけば一気に関係が開けます。一方で、紹介営業は“いい人を紹介してもらった”だけでは成果として説明しにくく、件数・進捗・見込みを数字で見えるようにしておく必要があります。
特に顧問や紹介者を入れている場合、経営判断としては「継続するのか」「やり方を変えるのか」「別の営業施策も併用するのか」をどこかで判断しなければなりません。そのときに、感覚だけでは説明が難しくなります。
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- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
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- 6月16日配管工事会社青森県
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- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
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- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
- 6月11日空調設備工事会社茨城県
- 6月11日総合土木長野県
- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
紹介件数と受注見込みが曖昧なままだと、継続判断の時期に成果を説明できなくなる
顧問や紹介者に期待する営業で起きやすい課題は、“誰につながったか”は見えていても、“どれだけ売上につながりそうか”が見えていないことです。
今回の会社でも、顧問を通じていくつかの接点は生まれていました。特定の建設会社とは連絡を取り合っている。相手企業は売上も伸びている。デベロッパー案件も多い。工法や対応領域の相性も悪くなさそう。そうした前向きな材料はありました。
ただし、経営側が気にしていたのは、その先です。
「取引を始めて何ヶ月か経って、1年後の更新の時に、これからも付き合えるのかどうかという話になると思うんです」
「どれぐらいの件数を回って、1件あたりどれぐらいの熱量をかけるべきか。半年に1件なら、そこからどうにか成約を取らないといけない熱量になると思うんです」
ここで見えている論点は、紹介者の良し悪しではありません。紹介営業を“成果が出るまで待つもの”にせず、“途中経過で判断できる営業活動”に変える必要があるということです。
たとえば、次のような状態だと判断が難しくなります。
- 何件紹介してもらえる予定なのかが決まっていない
- つながった先が、決裁者なのか担当者なのか分からない
- 初回面談後の次アクションが曖昧になっている
- 見積依頼、試し案件、協力業者登録などの進捗が追えていない
- 期末や更新時期に、売上見込みとして説明できる材料がない
紹介営業は、通常のテレアポやリスト営業よりも入口の信頼が高い反面、進捗管理が甘くなりがちです。紹介者への遠慮もあり、「今どうなっていますか」と聞きづらいこともあります。
しかし、経営としては、紹介者との関係を大事にすることと、営業成果を数字で確認することは両立させるべきです。
人脈の強い顧問ほど、動き方の順番とスピードが外から見えにくい
顧問や紹介者を活用する営業が難しいのは、相手の頭の中にある人脈地図が、社内から見えにくいからです。
今回の会社でも、顧問について「つながりがたくさんあるのは間違いない」という認識がありました。一方で、どの会社に、どの順番で、どのスピードで当たっていくのかは見えづらい状態でした。
「どういう順番で、どういうスピード感で進むのか。そこが今ひとつ見えにくいんです」
これは顧問が悪いという話ではありません。むしろ、大手企業や業界団体、元請け側に長くいた人ほど、関係を壊さない動き方を重視します。若い営業担当のように、数を打ってすぐに結果を取りにいく動きとは違います。
そのため、顧問営業では“人脈の質”と“営業活動の量”を分けて考えることが大切です。
人脈の質は、たしかに価値があります。自社だけでは会えない相手に会える。現場や購買の手前にいる人に話を通してもらえる。紹介者の信用で初回の壁を越えられる。これは大きなメリットです。
一方で、営業活動の量が足りなければ、受注確率は上がりません。半年で1件しか有効な紹介がないなら、その1件にかなりの熱量をかける必要があります。逆に、月に複数件の紹介が出るなら、すべてに同じ深さで追うのではなく、確度を見ながら優先順位をつける必要があります。
今回の会社では、顧問の紹介と並行して、リストを作って営業機会を取りにいく話も出ていました。建設会社や解体会社、デベロッパー系の候補を抽出し、売上規模や成長率、取引構造を見ながら優先順位をつける進め方です。
ここで重要なのは、顧問営業を否定してリスト営業に切り替えることではありません。顧問の人脈で“深く入る営業”と、リストで“分母を増やす営業”を併用すると、紹介営業の成果も判断しやすくなります。
分母が少ないまま顧問紹介だけを待つと、成果が出ない理由が分かりません。
- 顧問の紹介先が少ないのか
- 紹介先の選定がズレているのか
- 初回面談後の追い方が弱いのか
- そもそも市場のニーズが薄いのか
- 提案内容や実績の見せ方が合っていないのか
この切り分けができないまま時間だけが過ぎると、紹介者との関係も営業判断も曖昧になります。
紹介営業は件数・確度・次アクションを月次で見える化する
顧問や紹介者を活用するなら、最初に見るべき数字は売上だけではありません。受注までに時間がかかる建設業では、紹介件数、商談化率、見積化率、受注見込み額、次アクション日をセットで管理することが現実的です。
まず、紹介営業のKPIは大きく3段階に分けると整理しやすくなります。
1. 入口のKPI|何件つながるのか
最初に見るのは、紹介や接点づくりの量です。
- 紹介候補先数
- 実際に紹介依頼した件数
- 紹介が実現した件数
- 初回面談が設定された件数
- 決裁者・責任者につながった件数
ここで大事なのは、「紹介してもらえそう」ではなく、実際に面談日や接点が発生した件数で見ることです。
建設業の紹介営業では、「今度つないでおきます」が長く続くことがあります。もちろん相手の都合もありますが、経営判断としては、紹介予定と紹介実績を分けて見た方がよいです。
たとえば月次で、次のように確認します。
- 今月、新しく紹介候補に上がった会社は何社か
- そのうち、実際に紹介依頼まで進んだのは何社か
- 初回面談が決まったのは何社か
- 面談相手は、購買・工事・営業・経営層のどこか
この粒度で見れば、紹介者に対しても「もっと動いてください」ではなく、「次はこの3社のうち、どこから進めるのがよさそうですか」と話しやすくなります。
2. 中間のKPI|商談として前に進んでいるか
次に見るのは、初回面談後の進捗です。
紹介営業では、会えたこと自体に満足しがちです。しかし、会えた後に次の一歩が決まっていなければ、受注には近づきません。
見るべき数字は、たとえば次の通りです。
- 初回面談後に再訪・再面談が決まった件数
- 現場条件や案件情報を聞けた件数
- 協力業者登録や必要書類の話に進んだ件数
- 見積依頼を受けた件数
- 小口案件や試し案件の相談が出た件数
特に専門工事会社の場合、いきなり大型案件を受注するよりも、まずは小さな案件、調査、スポット対応、既存業者の補完枠から入る方が現実的なことがあります。
今回の会社でも、ターゲットとして「大手の大型再開発」だけでなく、「中小規模のデベロッパー」「直接解体を扱う会社」「既存協力業者だけでは足りなくなっている成長企業」といった軸が話題になっていました。
このような場合、初回面談後のKPIは“すぐ受注したか”だけでなく、“相手の困りごとを聞けたか”“入り口案件を作れたか”で見るべきです。
3. 出口のKPI|受注見込みとして説明できるか
最後に見るのが、受注見込みです。
期末や契約更新の時期には、最終的に「どれくらい売上につながるのか」を説明する必要があります。ここで重要なのは、確定売上だけでなく、見込みの段階を分けることです。
たとえば、紹介先ごとに次のように分類します。
- A:見積提出済み、受注時期・金額の見込みがある
- B:案件相談あり、条件確認中
- C:関係構築中、案件発生待ち
- D:初回接点のみ、次アクション未定
この分類をしておくと、「半年で1件しか紹介がない」場合でも、その1件がAなのかDなのかで判断が変わります。
半年で1件でも、Aに近いなら深く追う価値があります。逆に、10件紹介があってもDばかりなら、紹介先の選び方や初回面談後の進め方を見直す必要があります。
紹介営業の継続判断は、紹介件数だけでも、売上だけでもなく、“件数 × 確度 × 次アクション”で見るのが基本です。
顧問・紹介者との進捗確認は、責める場ではなく作戦会議にする
数字を見える化するときに注意したいのは、紹介者を詰める形にしないことです。特に顧問型の営業では、相手の人脈や信用を借りています。関係を壊す進め方は避けるべきです。
そのため、月次の確認では、次のような問いにすると進めやすくなります。
- 今月動かせそうな紹介先はどこか
- 先方の温度感が高い順に並べるとどうか
- 自社から直接追うべき先と、紹介者から一押ししてもらうべき先はどこか
- 初回面談後に止まっている先は、何が理由か
- 次の1ヶ月で、どの会社をどこまで進めるか
ポイントは、紹介者の活動量を管理するのではなく、紹介者の人脈を成果につなげるための作戦を一緒に組むことです。
「何件紹介してくれるんですか」と聞くだけでは、関係が硬くなります。一方で、「更新時期に向けて、紹介先ごとの進捗を整理したいです。次に動かすならどこがよさそうですか」と話せば、前向きな作戦会議になります。
リスト営業を併用すると、紹介営業の弱点を補える
紹介営業だけに頼ると、分母が限られます。そこで有効なのが、リスト営業との併用です。
今回の会社でも、対象先をリスト化し、まずは首都圏で回してみる。その反応が良ければ深掘りし、渋ければ地域や業種軸を広げる、という進め方が検討されていました。
このときの判断軸は、単に会社規模だけではありません。
- 売上が伸びているか
- 協力業者が不足していそうか
- 既存業者だけでは回しきれない可能性があるか
- 自社が一次に近い形で入れる余地があるか
- 管理・安全・登録対応などの負荷が、自社体制に合うか
- 大手すぎず、現実的に入り込める規模か
リスト営業の役割は、顧問紹介の代替ではありません。顧問が深く入れる先は紹介で進め、未開拓の分母はリストで拾うことで、営業全体の再現性が上がります。
また、リスト営業で得た反応は、顧問営業にも活かせます。
たとえば、「売上100億円前後で伸びている会社は、協力業者の選択肢を増やしたがっている」「中小デベロッパーは既存解体業者との関係が固定化しているが、タイミング次第で話を聞く余地がある」といった肌感が得られれば、顧問に依頼する紹介先の精度も上がります。
成果が出ない場合は、紹介者ではなく設計を見直す
一定期間動いても成果が出ない場合、すぐに「紹介者が悪い」と考えるのは早いです。見直すべきは、営業設計です。
具体的には、次の順番で確認します。
- ターゲットは合っているか
大手すぎる、管理負荷が重すぎる、既存業者が強すぎるなど、自社の現在地とズレていないかを見ます。
- 紹介先の部署・相手は合っているか
経営層につながっても現場が動かない場合もあります。逆に、現場や購買から入った方が進む場合もあります。
- 初回面談後の次アクションが明確か
「また何かあれば」で終わっていないか。登録、見積、現場確認、既存業者の補完など、次の入口を作れているかを見ます。
- 提案内容が相手の困りごとに合っているか
自社の強みを話すだけでなく、相手の協力業者不足、工期対応、調査対応、エリア対応などに合わせて話せているかを確認します。
- 顧問紹介とリスト営業の役割分担ができているか
紹介者にすべてを任せるのではなく、リスト化、初回接点づくり、追客、資料整備を社内外で分担できているかを見ます。
この順番で整理すると、営業の詰まりが見えやすくなります。
紹介営業の成果が出ないときに必要なのは、紹介者を変えることではなく、ターゲット・接点・追客・提案のどこで止まっているかを分解することです。
まとめ
顧問や紹介者に頼る営業は、建設業では今でも強い武器になります。特に専門工事会社にとって、自社だけでは会えない元請け、デベロッパー、解体会社、購買部門につながれることは大きな価値です。
ただし、紹介営業は感覚で進めると、成果の説明が難しくなります。
見るべき数字は、紹介件数、初回面談件数、商談化件数、見積化件数、受注見込み額、次アクション日です。
そして、継続判断では、売上だけをいきなり見るのではなく、次の3つを確認することが大切です。
- どれだけの分母に当たれているか
- どの紹介先が、どの確度まで進んでいるか
- 次の1ヶ月で、誰が何を動かすのか
紹介営業は、人間関係を大事にする営業です。だからこそ、数字で管理することに抵抗を感じる会社もあります。
しかし、数字で見ることは、紹介者を責めるためではありません。大事な人脈を成果につなげるために、動き方をそろえるための共通言語です。
半年で1件なら、その1件をどう受注に近づけるか。月に複数件つながるなら、どの先に熱量をかけるか。紹介だけで足りないなら、どのリストに当たって分母を増やすか。
この整理ができると、顧問や紹介者との関係を保ちながら、営業活動を前に進めやすくなります。
紹介営業の数字と進め方を整理したいときに
顧問や紹介者を活用した営業は、会社ごとの商圏、施工領域、既存取引、社内体制によって見るべき数字が変わります。
「うちの場合は何件を目安にすべきか」「紹介先ごとの確度をどう判断すればよいか」「リスト営業も併用すべきか」といった段階でも、整理するだけで次の打ち手が見えやすくなります。
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