栃木県で40名弱の社員職人を抱え、新築内装が売上の8割を占める専門工事会社の現在地
栃木県を中心に、内装工事と一部の型枠工事を手がける専門工事会社があります。年商は十数億円規模。売上の約8割が内装工事で、その多くは大手ハウスメーカーやゼネコンから受注する新築案件です。
取引構成は、最大手の取引先が売上の4分の1程度、次に大きな取引先が2割弱。残りを複数の地場企業などから受注しています。
一見すると、取引先はある程度分散されています。ただし、主要2社から受注する工事はほぼ新築です。元請け側の現場数が減ると、自社へ回ってくる案件数もそのまま減ります。
「いつもなら黙っていても仕事が流れてきました。でも今期は、全体的に仕事が薄いんです」
元請けの経営状態が悪いわけではありません。売上を確保していても、工事単価の上昇などにより、施工する物件数が減ることがあります。専門工事会社にとって重要なのは元請けの売上規模だけではなく、自社に発注される現場数が継続的にあるかどうかです。
この会社には、若い社員職人による機動力があります。現場に自社社員を常駐させやすく、内装工事であれば一式対応も検討できます。受注が一時的に施工能力を上回っても、長年築いてきた協力会社とのつながりで補える体制があります。
販路を広げる目的は、既存取引を手放すことではありません。保有する施工力を生かせる発注元を増やし、特定の元請けの着工数に左右されにくい受注構造へ変えることです。
1週間で 14件の相談 がありました
- 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
- 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
- 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
- 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
- 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
- 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
- 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
- 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
- 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
- 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
- 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
- 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
- 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
- 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
- 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
- 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
- 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
- 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
- 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
- 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
- 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
- 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
- 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
- 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
- 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
- 7月16日内装工事会社群馬県案件獲得の相談
- 7月16日総合建築岐阜県原価管理の相談
新しい取引先ならどこでもよいわけではなく、単価・与信・継続発注を同時に見なければならない難しさ
新築案件が減ったとき、営業先を広げること自体は難しくありません。難しいのは、限られた営業時間をどの開拓先に使うかです。
候補には、別の大手ゼネコン、ハウスメーカー、デベロッパー、地場元請け、既存建物の改修を扱う会社などがあります。ところが、会社の知名度や案件規模だけでは優先順位を決められません。
相談者の言葉にも、その難しさが表れていました。
「単価がいいと与信が悪かったり、与信がいいと単価が厳しかったりします」
支払面で安心できる大手だからといって、十分な利益を確保できるとは限りません。反対に、提示単価がよくても、支払条件や継続性に不安が残る場合があります。
さらに、初回案件を受注できても、その後の発注につながるとは限りません。
「紹介で最初の一件までは早くても、その後は仕事をもらえなくなることが結構あります」
建設業の継続発注は、上層部との接点だけでは決まりません。購買・調達部門、現場責任者、既存の協力会社との関係、協力会社登録後の評価なども影響します。
新規開拓の成果は、面談件数や初回受注だけでは測れません。利益を残しながら、二件目、三件目へ続く取引ルートをつくれるかが重要です。
主要元請けの売上ではなく物件数が減り、社員職人を抱える施工体制とのずれが生じた構造
今回の受注減は、自社の施工品質や営業力が急に落ちた結果ではありません。主要元請けが確保する物件数が減り、その影響が専門工事会社まで流れてきたものです。
この会社では、前年末の時点で翌期の受注が薄くなる見通しを持ち、徐々に新規開拓を始めていました。実際に、デベロッパーへの直接営業にも動いています。
一方、社員職人を多く抱える会社では、案件が減ったからといって施工体制を簡単に縮小できません。社員職人が現場に常駐できることは、外注中心の会社との差別化になります。その強みを守るには、一定の仕事量が必要です。
「仕事を取ってしまえば、横のつながりもあるので何とかできます。少し能力を超えるくらいの受注量のほうが安心感はあります」
この発言からも、課題が施工力不足ではなく、施工力を安定的に稼働させる受注先の不足にあることが分かります。
ただし、改修案件なら何でも受ければよいわけでもありません。発注元ごとに独自仕様があり、仕様を理解するまで利益を出しにくい取引もあります。慣れるまで継続的に仕事を出してもらえる保証がなければ、先行して負担する習熟コストを回収できません。
また、二次・三次下請けでは、工事量が減ったときに発注が止まりやすいという認識もありました。そのため、目指しているのは単なる取引社数の増加ではなく、一次下請けやデベロッパー直など、発注元に近い立場での取引です。
受注の分散では「何社と取引するか」より、「どの発注段階に入り、どれだけ継続的に案件情報を得られるか」を見る必要があります。
発注量・利益率・与信・継続性・施工適合性の5項目で開拓先を絞る進め方
新しい販路は、営業しやすそうな会社から順番に回るより、先に選定基準をそろえたほうが動きやすくなります。今回のような専門工事会社であれば、候補先を次の5項目で比較します。
- 発注量:年間で何件程度の対象工事があり、自社の商圏にどれだけ現場があるか
- 利益率:提示単価だけでなく、独自仕様への対応、移動、待機、手直しまで含めて利益が残るか
- 与信:支払能力、支払条件、契約変更への対応に無理がないか
- 継続発注の可能性:初回案件の後に、購買・調達や別現場へ取引を広げられるか
- 自社の施工体制との適合性:社員職人の技術、常駐体制、対応エリア、協力会社網を生かせるか
優先すべき開拓先は、単価が最も高い会社ではなく、5項目のバランスがよく、継続的に施工力を稼働させられる会社です。
進め方としては、まず既存の主要取引先について、今後の物件数と発注見通しを確認します。既存取引は与信や施工ルールが分かっており、簡単に代替できない大切な基盤です。関係を維持しながら、不足する案件量を新規販路で補います。
次に、新規候補を三つの方向に分けます。
- 既存と同じ新築領域を持つ、新たなゼネコンやハウスメーカー
- 一次下請けや直接発注を狙えるデベロッパー
- 内装一式の経験を生かせる、マンション・オフィス・商業施設などの改修案件
この会社には、公共施設、病院、マンション、オフィスビル、商業施設などで専門工事を担ってきた実績があります。戸建て新築にこだわらず、既存の施工実績と社員職人の機動力を説明できる発注元から優先すると、無理に新しい技術領域へ踏み込まずに販路を広げられます。
候補先との初回面談では、会社案内だけで終わらせず、継続発注の条件まで確認しておきたいところです。
- 協力会社登録後、どの部署や現場が発注を判断するのか
- 最初に想定される工事の規模と件数はどの程度か
- 独自仕様や安全・品質基準への習熟期間はどれくらいか
- 初回施工の評価が、次の現場へどう引き継がれるのか
- 既存協力会社との役割分担はどうなるのか
初回案件を受けた後は、売上だけでなく、見積もりとの差異、追加対応、現場評価、次回案件の有無を振り返ります。採算や継続性が合わなければ、深追いしない判断も必要です。
開拓先を増やすことと、取引先を選ぶことはセットです。合わない販路を早めに外すことも、営業時間と施工力を守るための成果になります。
まとめ
主要元請けの案件数が減ると、その影響は専門工事会社の受注に直接表れます。取引先の経営が安定していても、物件数まで安定しているとは限りません。
そのため、既存取引を守りながら、新たな元請け、デベロッパー、改修案件へ販路を分散する必要があります。ただし、知名度や単価だけで開拓先を決めると、利益や継続性が合わない可能性があります。
販路分散の軸は、発注量、利益率、与信、継続発注の可能性、自社の施工体制との適合性です。
社員職人の機動力、内装一式への対応力、協力会社とのネットワークは、営業先を選ぶうえでも強い材料になります。自社の施工力が最も生きる発注元を絞り、初回受注ではなく継続取引まで見据えて動くことが、安定した受注構造につながります。
自社に合う次の発注元を整理したいときは
元請け開拓では、「大手を狙うべきか」「デベロッパー直が合うのか」「改修案件へ広げるべきか」といった選択肢が同時に出てきます。自社だけで比較していると、どこから手をつけるべきか見えにくいこともあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大を、既存取引、施工体制、利益、将来の事業方針まで含めて整理し、開拓先の選定から実行まで支援しています。
「うちの場合は、どの発注元を優先すべきか」「まだ狙い先を決めきれていない」という段階でも構いません。状況を伺ったうえで一緒に整理します。無理に契約や営業を進めることはありませんので、次の整理先として気軽にお声がけください。




























