売上10億円台前半を維持しながら営業利益率を高めたい、施工管理中心の建設会社
兵庫県を中心に事業を展開する、12名規模の建設会社があります。社員のうち8名ほどが施工管理を担い、実際の施工は90社を超える協力会社へ依頼しています。
主力は戸建て新築です。不動産会社が設計と案件を持ち込み、施工一式を請け負う形が中心です。一方で、リフォームや工場・倉庫などにも対応しています。工種ごとに複数の協力会社を確保し、新築とリフォームでは別の業者群を使い分けています。
売上は10億円台前半まで伸びています。ただし、経営上の関心は売上規模ではありません。
「売上は全く見ていないです。利益をどれだけ残せるかなので」
今後も売上を倍にする考えはなく、現在の規模を大きく変えずに、2割前後の営業利益率をまず25%、将来的には30%へ近づけたいという方針です。
売上を増やさず利益を伸ばすなら、受注量ではなく“どの顧客から、どの案件を、どの立場で受けるか”を見直す必要があります。
1週間で 15件の相談 がありました
- 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
- 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
- 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
- 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
- 8月23日外構工事会社栃木県人材育成の相談
- 8月22日解体工事会社山形県原価管理の相談
- 8月22日防水工事会社沖縄県人材育成の相談
- 8月22日総合土木神奈川県利益率向上の相談
- 8月21日リフォーム会社熊本県利益率向上の相談
- 8月21日プラント工事会社群馬県人材育成の相談
- 8月21日空調設備工事会社神奈川県案件獲得の相談
- 8月21日工務店山口県高卒採用の相談
- 8月19日塗装工事会社兵庫県人材確保の相談
- 8月19日プラント工事会社千葉県協力会社探しの相談
- 8月19日解体工事会社福岡県業務効率化システムの相談
- 8月18日総合土木愛知県業務効率化システムの相談
- 8月18日電気設備工事会社京都府原価管理の相談
- 8月18日工務店東京都業務効率化システムの相談
- 8月17日塗装工事会社岐阜県利益率向上の相談
- 8月17日電気設備工事会社神奈川県人材育成の相談
- 8月17日外構工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
- 8月17日総合建築大阪府案件獲得の相談
- 8月16日内装工事会社京都府案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社熊本県高卒採用の相談
- 8月15日工務店宮城県案件獲得の相談
- 8月15日リフォーム会社群馬県協力会社探しの相談
- 8月14日電気設備工事会社愛媛県業務効率化システムの相談
- 8月13日防水工事会社三重県協力会社探しの相談
- 8月12日総合土木広島県人材育成の相談
- 8月12日プラント工事会社大阪府協力会社探しの相談
仕入れを下げる余地が少なく、利益の残る案件へ受注構成を変えきれていない状態
利益を増やす方法は、大きく分ければ原価を下げるか、利益の残る案件を増やすかです。しかし、この会社ではすでに協力会社への発注額を案件ごとに厳しく見ています。
「仕入れを下げるのは、もうできへん。下がっても1%ぐらいのものかなと思う」
90社を超える協力会社がいても、会社数を増やすだけで利益率が大きく改善するわけではありません。すでに各工種で依頼先を比較できる体制があり、仕入れ側の改善余地は限られています。
そこで重要になるのが、受注案件の中身です。
現在、売上の半分以上を占める戸建て新築は案件数が安定しています。地域の小規模工務店が減り、不動産会社から頼れる施工先として選ばれる機会も増えています。ただし、案件を受けやすいことと、十分な利益が残ることは別です。
過去には大手住宅会社の仕事も経験しましたが、価格が合わず、赤字に近い条件で施工せざるを得ない状況になったため、継続しませんでした。売上や知名度がある発注者でも、自社に利益が残るとは限らないことが分かります。
一方、リフォームは戸建て新築より利益を取りやすいものの、管理の手間がかかります。小規模な工事を数多く回すと、粗利率が高く見えても、施工管理者の時間が細かく分断されます。
工場・倉庫は、設備投資のできる法人が発注者となるため、20〜30%程度の案件利益を見込める場合があります。とくに元請けとして直接受注できれば、目指す利益率に近づきやすくなります。ただし、現状の獲得方法は知人への声掛けが中心で、受注を増やす仕組みまでは整っていません。
課題は案件不足ではなく、利益率と管理工数の両面で優れた案件を意図的に増やせていないことです。
「何でもする」対応力が売上を支える一方、案件選別の基準を曖昧にしている構造
この会社の強みは、相談があれば施工領域を限定せずに対応できることです。必要な業者をその都度探し、協力会社とのつながりを広げてきました。
「うちは何でもするんです。仕事が入ってきたら、その場から業者を探して付き合っていくので」
この柔軟性が、戸建て、リフォーム、工場、倉庫といった幅広い受注につながっています。管理会社に近い事業形態だからこそ、協力会社を組み替えながら多様な建物に対応できます。
ただし、「話があれば何でも受ける」という姿勢は、利益を伸ばす段階では整理が必要です。初めて取り組む工事であれば、利益率が低くても経験を得るために受けることがあります。それ自体は、工場や倉庫を新しい柱にするうえで合理的な判断です。
一方で、試験的に低い利益率で受けた案件と、今後も継続して受けたい案件を分けて管理しなければ、低採算の条件がそのまま定着します。
案件を見る際には、表面的な粗利率だけでは足りません。少なくとも、次の観点をそろえて比較する必要があります。
- 案件単体でどの程度の粗利率を確保できたか
- 施工管理者がどれだけの時間を使ったか
- 同じ発注者から継続受注を見込めるか
- 発注者に適正な工事予算があるか
- 下請けではなく元請けとして受注できるか
たとえば、リフォームは粗利率が高くても管理工数が多くなりやすい案件です。工場・倉庫は発注者の予算が比較的確保され、元請けで受けられれば利益を残しやすい可能性があります。戸建ては利益率に課題があっても、受注量と継続性があり、既存の売上を支えています。
「粗利率が高い案件」ではなく、「管理者の時間まで含めて利益が残り、継続できる案件」を見極めることが受注選別の基準になります。
戸建てを急に減らさず、案件別採算を基に工場・倉庫の元請け比率を段階的に高める進め方
受注構成は、一気に入れ替えるものではありません。現在の売上を支える戸建てを維持しながら、工場・倉庫など利益を確保しやすい案件を増やし、段階的に比率を変えていく進め方が現実的です。
この会社でも、最終的には戸建てと法人向け案件を「5対5」程度にする方向を考えています。戸建てがすぐに減っているわけではないからこそ、既存事業で売上を確保できる間に次の柱を育てられます。
1.過去案件を顧客と工事種別で分ける
最初に行いたいのは、戸建て、リフォーム、工場、倉庫などの工事種別だけでなく、発注者ごとに実績を分けることです。同じ戸建てでも、不動産会社によって価格、追加対応、継続性は異なります。
確認項目は増やしすぎず、次の5点に絞ると比較しやすくなります。
- 受注金額と案件粗利率
- 施工管理にかかった工数
- 元請けか下請けか
- 継続受注の有無
- 発注者の予算と価格交渉の傾向
この整理により、「戸建ては利益が低い」「工場は利益が高い」という大きなくくりではなく、利益の残る顧客と残りにくい顧客が見えてきます。
2.案件を「維持・拡大・試行・縮小」に分ける
過去案件を確認したら、顧客と案件を4つに分けます。
- 維持:利益率は突出していなくても、継続性があり、管理しやすい案件
- 拡大:利益率、管理工数、発注者の予算、元請け受注の条件がそろう案件
- 試行:新しい施工領域に入るため、一定期間は低い利益率でも受ける案件
- 縮小:管理負担が大きく、価格の改善も見込みにくい案件
大切なのは、低利益率の案件をすべて断ることではありません。工場や倉庫、商業施設など、今後の柱になり得る仕事では、最初の実績づくりとして利益率を抑える判断もあり得ます。
ただし、試行案件には「次回からどの利益率で受けるか」「何件まで試すか」という区切りが必要です。
低採算でも受ける案件は、将来の受注につながる“試行”なのか、条件を変えられない“常態”なのかを分ける必要があります。
3.「工場なら何でも」ではなく、理想の発注条件を言葉にする
工場・倉庫という建物用途だけで案件を選ぶと、期待した利益が残らないことがあります。営業先を考える前に、狙う案件の条件を具体化します。
この会社の場合は、次の条件が軸になります。
- 設備投資を継続できる法人が発注者である
- 工場や倉庫の新築・改修需要がある
- 元請けとして直接受注できる
- 既存の協力会社網を活用できる
- 施工管理者の負担に対して十分な利益が残る
現在行っている知人への「工場や倉庫を増やしたい」という声掛けも、条件まで伝えると紹介の精度が上がります。単に工場案件を探すのではなく、「元請けで相談できる法人案件」「予算を確保した新築・改修案件」と伝える形です。
4.売上比率ではなく、利益と管理工数の変化を追う
受注構成を変える際、工場・倉庫の売上比率だけを追うと判断を誤る可能性があります。工場案件が増えても、管理者が長期間拘束され、他の現場を見られなくなれば、会社全体の利益が伸びないこともあります。
そのため、確認したいのは次の変化です。
- 会社全体の営業利益率が上がったか
- 管理者1人あたりで残せる利益が増えたか
- 元請け案件の比率が上がったか
- 同じ発注者からの継続案件が増えたか
- 低採算案件を条件改善または縮小できたか
目標は工場・倉庫の売上を増やすことではなく、現在の売上規模でも営業利益が増える受注構成をつくることです。
まとめ
仕入れ先や協力会社への値下げ要請には限界があります。すでに発注額を厳しく管理している会社ほど、次に見直すべきなのは受注する案件の中身です。
戸建て、リフォーム、工場・倉庫には、それぞれ異なる特徴があります。
- 戸建ては受注量と継続性がある一方、利益率を確保しにくい
- リフォームは利益を取りやすい一方、管理の手間がかかる
- 工場・倉庫は予算のある法人から元請け受注できれば、利益を残しやすい
ただし、工事種別だけで良し悪しを決めることはできません。粗利率、管理工数、継続性、発注者の予算、元請け受注の可否をそろえて比較する必要があります。
売上を増やさず利益を伸ばす第一歩は、案件数を増やすことではなく、自社にとって利益の残る顧客と受注条件を明確にすることです。
既存の戸建てを急に減らす必要はありません。売上を支える案件を維持しながら、工場・倉庫など次の柱となる案件を試し、利益と管理工数を確認しながら比率を変えていくことが、無理のない進め方です。
自社に利益が残る案件条件を整理するところから
「案件別の利益をどう比べればよいか」「どの顧客を残し、どの分野を伸ばすべきか」といった整理は、社内だけでは判断しにくいことがあります。売上、案件粗利、管理工数、顧客構成を並べてみると、次に狙うべき受注条件が見えやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、組織、原価、販路、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「うちの場合は何から見ればよいか」という段階でも構いません。状況を伺ったうえで整理し、無理な営業を行うことはありません。

































