前提

大手案件も受けられる一方、利益率20%台の中小工務店との取引を増やしたいガラス工事会社

兵庫県に本社を置く、ガラス工事を手がける建設会社の事例です。関西一円を中心に、新築マンションやホテル、改修工事などに対応しています。社内には十数名の職人がおり、一般的なガラスであれば在庫も持っています。

大きなガラスを扱える機械も保有しており、材料の手配から施工まで自社で完結できる点が強みです。取引先から急な依頼が入ったときも、職人と在庫を動かして対応できます。

経営は安定しており、足元の仕事に困っているわけではありません。経営者が考えていたのは、次の世代へどのような状態で会社を渡すかでした。

「売上のある会社と付き合うというより、利益が残る取引先を増やしたい。次の代が少しでも経営しやすくなればと思っています」

一方、すでに現場は忙しく、仕事を増やせばよいわけでもありません。目指しているのは売上規模の拡大ではなく、同じ売上でも利益が厚く、無理なく続けられる取引先構成への転換です。

1週間で 14件の相談 がありました

  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
  • 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
  • 7月16日内装工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 7月16日総合建築岐阜県原価管理の相談
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課題

金額の大きなゼネコン案件ほど価格競争と施工負荷が重くなる収益構造

この会社では、ゼネコン案件について「金額は大きくなるが、利益は薄い」と感じていました。

「会社の外から見れば売上が増えて立派に見えます。でも、中身が良くなるとは限りません」

大型案件は一件あたりの受注額が大きく、売上をつくりやすいのが魅力です。ただし、価格競争が激しく、粗利率が一桁台まで下がれば、現場を回しても利益が残りにくくなります。施工範囲が広くなれば、移動や人員配置の負担も増えます。

これに対して、長く付き合っている中小規模の工務店は、一件あたりの売上こそ大型案件ほど大きくありません。しかし、粗利率は20%を下回らず、条件が合えば30%近くになる案件もありました。5階から10階程度のマンションを継続して手がけ、ガラス工事をまとめて任せてもらえる取引先もあります。

大型案件を低い粗利率で一件受けるより、利益の残る中小案件を複数受けたほうが、同じ施工能力でも最終的な利益は厚くなることがあります。

取引先を売上高や知名度だけで選ぶと、この違いが見えにくくなります。大手との取引実績を増やすことと、自社の収益を改善することは、分けて考える必要があります。

背景

自社職人と在庫を生かせる顧客ほど、競争を避けながら継続受注につながる関係

中小規模の工務店との取引で利益を確保できていた背景には、自社の強みと顧客側の困りごとがかみ合っていることがありました。

この会社には、大きく三つの特徴があります。

  • メーカーから材料を比較的有利な条件で仕入れられる
  • 自社職人を抱えており、施工を外注だけに頼らない
  • 一般的なガラスの在庫があり、急な依頼にも対応できる

取引先から見れば、価格だけでなく、材料と施工をまとめて頼める利便性があります。たとえば、マンションのエントランスでガラスの手配漏れが分かった場合でも、在庫と職人の予定が合えば早く動けます。この対応力が、次の発注につながっていました。

また、大手案件では競争相手が多く、価格を下げなければ受注しにくい場面があります。一方、地域の中小工務店では、対応できる会社が限られているため、適正な価格を提示しやすくなります。

一度取引が始まると、ガラス工事だけでなく、関連する施工まで任されることもあります。実際に、最初はガラスだけだった取引先から、後にサッシを含めて依頼されるようになった例もありました。

高収益の理由は、顧客規模の小ささそのものではありません。競争相手が少なく、自社施工で完結でき、継続して一式を任せてもらえることにあります。

そのため、単に「中小企業を狙う」と決めるだけでは不十分です。既存の高収益顧客に共通する条件まで掘り下げることが、次の取引先選びにつながります。

解決

粗利率・継続発注・施工負荷・競争環境・自社完結度による取引先の再評価

取引先構成を見直すときは、まず既存顧客を売上額以外の基準で並べ直します。見るべきなのは、次の五つです。

  1. 粗利率を確保できているか

売上額ではなく、材料費や外注費を差し引いた後にどれだけ残るかを確認します。

  1. 継続発注を見込めるか

単発の大型案件よりも、年間を通じて相談や見積もり依頼が来る取引先を評価します。

  1. 施工負荷が自社に合っているか

施工地域、建物の規模、工程の難しさ、必要人数を見ます。この会社では、工程を読みやすい中層マンションが比較的進めやすい案件でした。

  1. 価格競争が激しくないか

毎回相見積もりで最低価格を求められる先と、対応力を含めて評価してくれる先を分けます。

  1. 自社施工で完結できる範囲が広いか

材料調達、在庫、自社職人、保有機械を生かせるほど、外注費を抑えながら品質と対応速度を保ちやすくなります。

五つの基準で既存顧客を評価すると、「売上は大きいが残らない先」と「売上は中規模でも利益と継続性がある先」を分けて考えられます。

次に、高評価だった顧客の共通項を営業先の条件へ置き換えます。この事例であれば、候補は次のような会社です。

  • 関西圏で中層マンションなどを継続施工している
  • 売上が伸び、協力会社の不足が起きやすい
  • ガラス工事を一式で任せられる会社を探している
  • 近年、受注できる工事規模を広げている
  • 大手ほど価格競争が激しくない中小・中堅の工務店や地場建設会社

既存の優良顧客と似た会社を探す際は、所在地や売上規模だけでなく、業績の伸び、施工物件、許可の取得状況、主要取引先などを組み合わせます。条件を重ねるほど、自社の強みを必要としている会社へ近づけます。

ただし、候補を一度に広げすぎる必要はありません。すでに現場が忙しい会社ほど、営業と施工能力をセットで考えることが大切です。まず少数の候補へ接触し、案件の規模、粗利率、発注頻度、必要人数を確かめます。その結果をもとに、次に狙う会社の条件を修正します。

取引先開拓は、一社の大手を取りにいく活動ではなく、高収益顧客の条件を仮説化し、少数の接触と受注結果から精度を上げる活動として進めるのが現実的です。

大手案件をすべてやめる必要もありません。大型施工の経験を積める、職人の技術を広げられる、施工実績として営業に生かせるといった目的があるなら、受ける意味があります。ただし、その場合も収益目的の案件とは分けて評価します。

「利益をつくる案件」「施工経験を積む案件」と役割を整理できれば、大型案件に売上と利益の両方を求めずに済みます。

まとめ

売上を増やしても利益が残らないとき、最初に見直したいのは案件数ではなく取引先の構成です。

この会社では、大手ゼネコンの大型案件よりも、ガラス工事を継続して一式発注してくれる中小規模の工務店のほうが、粗利率と施工の進めやすさで優れていました。自社職人、在庫、仕入れ条件、急な対応力という強みも、こうした取引先でより生きています。

取引先は売上規模ではなく、粗利率、継続発注、施工負荷、競争環境、自社施工で完結できる範囲で評価することが重要です。

売上を何倍にも増やさなくても、高収益な顧客を複数持てれば、利益と経営の安定性は高められます。次の世代へ会社を渡す場面でも、手元資金と経営上の選択肢を残しやすくなります。

自社に合う高収益な取引先の条件から整理したい方へ

「大手を開拓するべきか、地域の中小顧客を増やすべきか」「売上はあるのに、どの取引先が本当に利益へ貢献しているのか分からない」といった段階でも、整理できることがあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の取引先構成や案件別の収益性、自社の施工力を踏まえ、狙うべき顧客像の整理から販路開拓の実行まで支援しています。現場や原価、人員の状況も横断して考え、ものづくりに集中できる経営体制を一緒につくります。

無理に営業施策を勧めることはありません。まずは自社の場合、何を基準に取引先を見直すべきかを整理するところからご相談いただけます。

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