前提

売上の6割を一社経由の商業施設工事が占める、千葉県の電気工事会社

千葉県にある6名ほどの電気工事会社では、長年、特定の取引先との関係を大切にし、紹介される仕事を着実に施工してきました。営業活動をしなくても案件が入っていたため、自社から新しい発注者を探す必要がなかった会社です。

主力は、アミューズメント施設をはじめとする商業施設の電気・空調工事です。新築と改修の両方に対応し、営業終了後の夜間工事にも入ります。数百万円規模の工事を10日前後の夜勤で納める案件もあり、売上の半分以上をこの分野が占めていました。

一方、自社の職人は60代から70代が中心です。協力会社は複数ありますが、自社職人だけで対応できる現場には限りがあります。

新たに経営へ加わった担当者は、次のように話していました。

「今まで仕事を取りに行ったことがないので、仕事の取り方が分からないんです」

すでに建設会社同士をつなぐ外部サービスから何件か受注できており、案件そのものが市場にないわけではありません。ただ、既存取引先からの発注量は減少し、今後大きく増える見込みも薄い状況でした。

案件不足というより、一社以外から同じような仕事を受け取る経路がつくられていないことが、この会社の現在地です。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
  • 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
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課題

仕事を増やしたくても、どの発注者へ何を売ればよいか決まっていない状態

営業経験のない工事会社が最初につまずきやすいのは、営業の話し方ではありません。自社に合う案件と、その案件を持つ発注者が定義されていないことです。

この会社でも、「入れる現場なら基本的には受けたい」という考えがありました。しかし、実際にはどの現場でもよいわけではありません。

公共性の高い現場や大手に近い現場では、安全管理や入場条件が厳しくなります。年齢によって高所作業を任せにくい場合もあり、現在の職人構成では対応できない可能性があります。一方で、重層下請けの下層へ入れば、施工はできても利益を確保しにくくなります。

また、案件が大きすぎると協力会社を含めた施工体制の確保が難しくなり、小さすぎる案件ばかりでは移動や段取りが増えて収益が安定しません。

「一回の金額が低すぎず、高すぎない現場がいいですね」

この言葉からも、必要なのは単純な受注件数の増加ではなく、既存職人が無理なく入り、協力会社も使いながら利益を残せる案件の増加だと分かります。

背景

営業先を広げる前に、自社が繰り返せる得意案件を整理できていないこと

一社依存が続いた会社では、「自社は何が得意か」が社内で言語化されていないことがあります。長年の取引先が案件を選び、段取りを組んでくれていたため、自社で市場や発注者を分類する必要がなかったからです。

この会社にも、すでに明確な施工資産がありました。

  • 商業施設の電気工事と空調工事に対応できる
  • 新築だけでなく、既存店舗の改修にも入れる
  • 営業終了後の夜間工事に対応できる
  • アミューズメント施設の施工経験が蓄積されている
  • 必要に応じて協力会社を組み込める
  • 同種の現場であれば、ベテラン職人の経験を生かしやすい

ところが、こうした実績を持ちながら、同じ種類の案件を扱う別の発注者には営業していませんでした。そもそも、どの会社が類似案件を持っているのか把握できていなかったためです。

ホームページもなく、外部から見たときに施工実績や対応範囲を確認しにくい状態でした。案件紹介サービスから反応は得られていたものの、待っているだけでは、狙った案件が継続的に入るとは限りません。

ここで未知の工種や管理条件の厳しい大型現場へ広げると、受注できても施工体制が追いつかない可能性があります。新しい仕事を取るほど、現場に入れる人が足りなくなる状態にもなりかねません。

新規開拓の起点は新しい工種ではなく、すでに施工実績とノウハウがある得意案件の横展開です。

解決

得意案件の条件を決め、同種案件を持つ発注者へ横展開する進め方

最初に行いたいのは、営業先を広く集めることではなく、「どの案件なら繰り返し受けられるか」を先に決めることです。

この会社であれば、商業施設やアミューズメント施設における電気・空調の新築、改修、更新工事が候補になります。特に、夜間対応が必要で、過去の施工手順や段取りを生かせる案件は、自社との相性が比較的高いと考えられます。

受注候補を選ぶ際は、利益率だけでなく、次の条件を確認します。

  1. 安全・年齢条件

現在の職人が現場へ入れるか、高所作業や入場に年齢上の制限がないかを確認します。

  1. 案件規模

自社職人と協力会社で無理なく施工できる規模かを見ます。売上が大きくても、必要人数や立替負担が過大なら慎重な判断が必要です。

  1. 継続性

単発の一件だけでなく、店舗改修や設備更新など、同種案件が一定の間隔で発生する発注者かを確認します。

  1. 協力会社で補える範囲

自社職人だけでは足りない部分を、既存の協力会社で補えるかを整理します。受注後に施工先を探し始める形は避けたいところです。

  1. 若手教育への活用可能性

将来若手が入ったとき、ベテランが経験を生かして教えられる現場かを見ます。慣れた工種の案件が継続すれば、現場自体を教育の場として使いやすくなります。

利益率が高いかだけでなく、今の職人が施工でき、協力会社で補完でき、将来の教育にも使えるかまで含めて受注先を選ぶことが重要です。

案件像が固まったら、現在の取引先と同じように、商業施設やアミューズメント施設の設計・施工、改修、設備更新を扱う会社を洗い出します。施設の運営会社だけでなく、案件を取りまとめて専門工事会社へ発注する立場の会社も候補です。

営業先を探す際は、次の順番で整理すると進めやすくなります。

  • 過去に利益を残せた工事を並べる
  • 施設用途、工事内容、工期、夜間対応の有無を整理する
  • 現在の発注者がどの立場で案件を受けているかを確認する
  • 同じ立場で類似施設を扱う会社を探す
  • 自社職人と協力会社で対応できる案件条件を伝える

営業時には、「電気工事なら何でもできます」と広げすぎないことも大切です。商業施設の新築・改修、空調更新、夜間工事など、実績のある範囲を具体的に示した方が、発注者も任せられる案件を判断しやすくなります。

初めから月間受注件数を大きく増やす必要はありません。まずは既存案件に近い仕事を別の発注者から一件受け、工期、必要人数、協力会社の手配、残った利益を確認します。その結果をもとに、継続受注できる相手かを判断していきます。

「得意案件の定義、類似発注者の特定、小さな受注での検証」という順番なら、営業経験がない会社でも横展開を進めやすくなります。

まとめ

一社依存から抜け出すために、必ずしも新しい工種へ挑戦する必要はありません。すでに経験のある案件を分解すると、自社が営業先へ伝えるべき強みが見えてきます。

今回の会社であれば、商業施設の電気・空調工事、夜間対応、新築と改修の経験が土台です。同種案件を扱う別の発注者を特定し、現在の職人構成でも入れる現場を選ぶ方が、再現性のある新規開拓につながります。

受注先を選ぶ基準は、利益率だけではありません。安全・年齢条件、案件規模、継続性、協力会社による補完、若手教育への活用可能性まで含めて判断する必要があります。

営業経験がない工事会社ほど、手当たり次第に売るのではなく、得意な仕事を誰が持っているかを探すところから始めるのが現実的です。

自社に合う受注先と営業の進め方を整理したい方へ

「既存取引先に近い発注者が分からない」「案件はあるが、今の職人体制でどこまで受けてよいか判断できない」という段階でも、整理できることはあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大を、施工実績、現場体制、利益、協力会社の活用まで横断して整理し、発注者候補の検討から実行まで支援しています。建設業界の経営者の懐刀として、ものづくりに集中できる環境づくりを目指しています。

まだ営業方針が固まっていない段階でも問題ありません。状況を伺ったうえで次の整理先を一緒に考えます。無理にサービスを勧めることはありませんので、気軽にお声がけください。

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