前提

冷却塔の洗浄・水質管理を主力とし、12月から3月に売上が3分の1まで落ちる5名規模の会社

神奈川県東部を拠点とする、5名規模の設備メンテナンス会社があります。主な仕事は、工場やオフィスビルに設置された冷却塔の洗浄と水質管理です。

冷却塔は、大型空調や生産設備から出る熱を冷やす装置です。内部には水道水に含まれる成分が固着し、石のような塊になることがあります。水温が上がることで雑菌も繁殖しやすくなるため、洗浄と水質管理が欠かせません。

同社はこの分野で長く経験を積んだ代表が独立して立ち上げました。現在の売上は月260万〜310万円ほどです。年間では3,000万円前後が見えてきました。

ただし、このペースが一年中続くわけではありません。

「冷やす設備なので、冬になると問題が起きにくくなります。定期案件以外は、ほとんど来なくなるんです」

12月から3月までの売上は、月80万円前後まで落ちます。平常月の3分の1ほどです。単月赤字になる月もあります。

夏場の受注が伸びていても、冬場の固定費を賄えなければ、年間を通じた経営の安定にはつながりません。

1週間で 15件の相談 がありました

  • 9月3日外構工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 9月3日総合土木広島県協力会社探しの相談
  • 9月3日外構工事会社新潟県人材確保の相談
  • 9月3日電気設備工事会社福島県協力会社探しの相談
  • 9月2日内装工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 9月2日プラント工事会社群馬県人材確保の相談
  • 8月31日内装工事会社茨城県利益率向上の相談
  • 8月31日総合建築大分県業務効率化システムの相談
  • 8月31日空調設備工事会社埼玉県高卒採用の相談
  • 8月31日総合土木広島県業務効率化システムの相談
  • 8月30日内装工事会社東京都高卒採用の相談
  • 8月30日工務店福岡県利益率向上の相談
  • 8月30日電気設備工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 8月29日内装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 8月29日総合建築宮崎県業務効率化システムの相談
  • 8月28日防水工事会社静岡県業務効率化システムの相談
  • 8月28日配管工事会社茨城県原価管理の相談
  • 8月28日塗装工事会社茨城県案件獲得の相談
  • 8月28日内装工事会社長野県協力会社探しの相談
  • 8月27日配管工事会社東京都人材確保の相談
  • 8月27日配管工事会社埼玉県業務効率化システムの相談
  • 8月27日外構工事会社大阪府人材確保の相談
  • 8月27日外構工事会社熊本県業務効率化システムの相談
  • 8月26日総合建築神奈川県業務効率化システムの相談
  • 8月26日配管工事会社福岡県業務効率化システムの相談
  • 8月26日電気設備工事会社兵庫県案件獲得の相談
  • 8月24日総合建築京都府高卒採用の相談
  • 8月24日電気設備工事会社岐阜県人材育成の相談
  • 8月24日塗装工事会社福岡県人材確保の相談
  • 8月24日空調設備工事会社兵庫県利益率向上の相談
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課題

月80万円まで落ちる冬場を、売上高ではなく不足粗利から捉え直す必要性

最初に整理したいのは、「冬も月300万円を売らなければならない」とは限らないことです。

平常月が260万〜310万円、冬場が80万円なら、売上差は月180万〜230万円です。4カ月では720万〜920万円になります。ただし、この差額をすべて埋める必要があるかは、固定費と案件ごとの粗利率によって変わります。

見るべき数字は、次の5つです。

  • 12月から3月までの月次売上
  • 案件ごとの材料費・外注費・移動費
  • 案件ごとの粗利額
  • 給与や車両費など、毎月発生する固定費
  • すでに決まっている定期案件の粗利額

たとえば、冬場に必要な固定費が月160万円で、既存の定期案件から得られる粗利が月70万円なら、埋めるべき不足粗利は月90万円です。売上目標は、その90万円をどの案件でつくるかによって決まります。

粗利率50%の仕事なら180万円の売上が必要です。粗利率70%の仕事なら約129万円で足ります。

閑散期対策の目標は、繁忙期と同じ売上をつくることではなく、冬場の固定費に対する不足粗利を埋めることです。

この会社の場合、売上の6割強が以前からつながりのある1社に集中していました。残りは、冷却塔内部の部材交換や大型ファンの交換などです。ただし、交換工事は単発で、まだ定期案件にはなっていません。

「できれば年1回、あるいは月1回の定期案件にしたい。冬場をどう乗り切るかが、いま一番の課題です」

受注額だけでなく、発生時期と継続性まで見なければ、冬場の不足は埋まりません。

背景

緊急修理が減る冬場と、既存業者が押さえる法定・定期管理の狭間

冬場に売上が落ちる主因は、営業量の不足だけではありません。冷却設備という事業そのものに季節性があります。

外気温が下がると、冷却塔への負荷も下がります。不具合や詰まりが表面化しにくくなり、緊急の洗浄・修理案件が減ります。結果として、冬場に残るのは水質管理などの定期案件が中心です。

一方、オフィスビルなどでは、建物の用途や規模、設備の種類に応じて、法令や管理基準に基づく清掃・水質管理が必要になります。こうした案件には通年性がありますが、すでに既存業者が入っていることが少なくありません。

「義務になっているところには、もう業者が入っています。義務ではない工場に話しても、『特に必要ないのでは』と言われてしまいます」

ここに、季節型設備会社の難しさがあります。

  • 必要性が明確な施設は、既存業者との取引が固まっている
  • 法的義務が明確でない施設は、予防保全への関心が低い
  • 単発の交換工事を受注しても、翌年の売上までは約束されない
  • 冬場に既存顧客へ別業務を尋ねても、すぐに案件が出るとは限らない

同社も既存顧客に対して、「冷却塔以外で冬にできる仕事はないか」と声をかけていました。しかし、「いまのところ特にない」という反応が続いています。

そこで、家庭用エアコンの洗浄・交換や給湯器交換など、新しい仕事も選択肢に上がりました。市場は大きく、技術的にも近いと考えられたためです。

ただし、仕事が少ないからといって、すぐにBtoCへ広げればよいわけではありません。家庭用室外機の洗浄はニーズや単価への懸念もあり、同社も慎重でした。

季節需要への対策は、仕事の種類をやみくもに増やすことではなく、通年で発生する案件を既存技術の近くで増やすことが基本になります。

解決

定期案件の積み上げ、既存顧客への具体提案、隣接業務の検証を順番に進める方法

冬場の赤字対策は、定期案件を土台にしながら、既存顧客への追加提案と隣接業務を重ねる進め方が現実的です。

1.冬場の不足粗利を月別に出す

まず、12月から3月を一括りにせず、月別に数字を置きます。

確定売上

確定粗利

固定費

不足粗利

12月

1月

2月

3月

案件も、次のように分けます。

  • 月次の水質管理
  • 年次の冷却塔洗浄
  • 冷却塔内部の部材交換
  • ファンなどの設備交換
  • チラー洗浄

これにより、「定期案件を何件増やせばよいか」「交換工事を何件確保すべきか」が見えやすくなります。

冬場の営業目標は、売上件数ではなく、案件別の粗利と実施月を組み合わせて設計します。

2.法定・定期管理は、元請け直販だけに絞らない

定期案件を増やす場合、施設への直販だけを狙うと、既存業者との競争になりやすくなります。

同社が考えていたのは、二つの受注経路です。

一つ目は、ビルメンテナンス会社やビル管理会社から、冷却塔の洗浄・水質管理を外注してもらう流れです。管理会社が受注した案件に、二次・三次の立場で入ります。

二つ目は、工場へ出入りしている設備会社や工事会社から、冷却塔関連の部分だけを任せてもらう流れです。元請け側には一定の管理費を残し、施工は自社で担います。

ビルメンテナンス会社では、人件費の上昇などを背景に、専門業務をすべて内製することが難しくなる場合があります。ニッチな設備に対応できる会社は、その外注先になれる可能性があります。

狙う先は、単に「冷却塔がありそうな建物」ではありません。次の条件で絞ると、冬場の平準化につながりやすくなります。

  • 複数のビルや工場を管理している
  • 月次の水質管理が発生する
  • 冷却塔業務を外注している、または外注を検討できる
  • 自社の対応エリアに複数施設がある
  • 冬場にも点検・保守予算が動く

定期案件では、1施設を直接取りに行くより、褗数施設を管理する会社との接点をつくるほうが、受注の平準化につながる場合があります。

3.既存顧客には「何かありませんか」ではなく、業務名を示す

既存顧客への追加提案も続けたいところです。ただし、「冬場に何か仕事はありませんか」だけでは、相手も案件を思い出しにくくなります。

すでに対応実績や検討実績がある業務を、具体的に並べて確認します。

  • 冷却塔内部の部材交換
  • 大型ファンの交換
  • チラー洗浄
  • 冷却設備周辺の保守
  • 年間の水質管理

「洗浄以外に、部材やファンの交換予定はありませんか」「年間管理の一部をまとめられませんか」と聞けば、相手も社内の保全計画と照らし合わせやすくなります。

単発工事を受けた顧客には、次回の洗浄時期や水質管理の有無まで確認します。交換して終わりにせず、年1回または月1回の接点へつなげる考え方です。

4.新しい仕事は、5つの判断軸で小さく検証する

既存案件だけで不足粗利を埋められない場合は、隣接業務を検討します。同社では、チラー洗浄、エアコン交換、給湯器交換などが候補に上がっていました。

判断軸は次の5つです。

  1. 既存技術との親和性:現在の工具、知識、施工経験をどこまで活用できるか
  2. 必要資格:新たな資格や登録が必要か、取得までにどれほどかかるか
  3. 施工体制:現在の5名体制で完結できるか、協力会社が必要か
  4. 通年需要:12月から3月の不足を本当に埋められるか
  5. 利益率:移動費や材料費を引いても、必要な粗利が残るか

市場規模が大きくても、繁忙期が既存事業と重なれば、冬場対策にはなりません。受注単価が高くても、資格取得や外注費の負担が大きければ、利益が残らないこともあります。

候補業務ごとに5項目を並べ、既存顧客へ提案できるものから試すと、営業先を一から探す負担も抑えられます。

新規事業は市場規模だけで決めず、既存技術、資格、施工体制、通年需要、利益率の5点で判断することが大切です。

まとめ

季節需要の影響を受ける設備工事会社では、繁忙期の売上を増やすだけでは冬場の赤字を防げません。

先に確認したいのは、12月から3月までの不足粗利です。そのうえで、月次の水質管理や年次洗浄などの定期案件を積み上げます。直販だけでなく、ビル管理会社や設備会社から専門業務を受ける経路も検討できます。

既存顧客には、冷却塔以外の仕事を漠然と尋ねるのではなく、部材交換、ファン交換、チラー洗浄など、対応可能な業務を具体的に示します。

それでも不足する場合に、エアコン交換や給湯器交換などの隣接業務を検証します。

冬場の赤字を防ぐ順番は、不足粗利の把握、定期案件の確保、既存顧客への具体提案、隣接業務の検証です。

売上の平準化は、一度に大口案件を取ることだけが答えではありません。月次の定期案件を少しずつ増やし、冬場に残る粗利を厚くすることで、次の採用や設備投資も考えやすくなります。

冬場の不足額と、増やすべき案件を一緒に整理するために

「自社の場合、冬場にいくら不足しているのか」「定期案件と新しい業務のどちらを優先すべきか」がまだ見えていない段階でも、整理は始められます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、案件構成、原価、営業、施工体制、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。季節変動の大きい会社では、月次収支と既存技術を確認しながら、通年案件を増やす道筋を一緒に考えます。

ご相談後に無理な営業をすることはありません。「うちの場合は何から整理すべきか」という段階でも、気軽にお声がけください。

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