前提

戸建てリフォームは今も手一杯だが、金利上昇で住宅需要の先細りが見え始めている会社の現在地

中国地方で戸建てリフォームや内装工事を手がける、10名弱の専門工事会社の話です。

今の仕事は決して暇ではありません。むしろ、現場は詰まっています。

「トイレだけとか、エアコンまわりだけとか、小さいのがいっぱいあるんです」

そんな言葉が出るくらい、住宅系の小口リフォームが日々積み重なっています。ひとつひとつの工事は大きくなくても、現調、段取り、職人手配、材料、立ち会い、確認まで手間はかかります。

しかも、社長自身が現場を見ています。

「僕の代わりもいないですし、いっぱいっぱいで仕事を回している感じなんです」

ここが大事です。今すぐ仕事がないわけではなく、今は忙しい。けれど、先々の住宅需要が減る感覚がある。

その不安の背景には、金利上昇があります。

住宅価格が5,000万円、6,000万円となり、住宅ローン金利が2%、3%に近づくと、購入をためらう人は増えます。新築が減れば、その後ろにある住宅リフォームの市場にも影響が出ます。

相談者も、こう話していました。

「住宅はもう確実に減っていくのは分かっていて、商業店舗とかにシフトしていかないといけない気持ちもあるんですけど、なかなか切り替えができないんです」

住宅リフォームの会社が非住宅へ動くべきかは、単に“伸びる市場かどうか”では決められません。今の小口リフォームを続けながら、別の柱を作れるかを見る必要があります。

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  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
  • 6月8日防水工事会社兵庫県
  • 6月8日電気設備工事会社神奈川県
  • 6月8日内装工事会社大阪府
  • 6月5日リフォーム会社愛知県
  • 6月5日プラント工事会社香川県
  • 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
  • 6月5日内装工事会社長崎県
  • 6月4日防水工事会社東京都
  • 6月4日内装工事会社東京都
  • 6月3日総合建築埼玉県
  • 6月3日空調設備工事会社香川県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

住宅の小口工事をやめられないまま、店舗・商業施設に入る余力をどう作るか

課題は、非住宅に魅力があるかどうかだけではありません。

本当の悩みは、住宅リフォームを抱えたまま、店舗・商業施設・介護施設などの非住宅案件を受けられる体制があるかです。

住宅系の仕事は、小口でも手間がかかります。

トイレだけ。建具だけ。エアコンまわりだけ。細かな修繕や交換が日々入ります。顧客との関係もあります。元請けや紹介元とのつながりもあります。

だから、簡単にはやめられません。

「これをやめるというわけにもいかないんで、難しいですよね」

この感覚は、多くのリフォーム会社に近いはずです。

一方で、非住宅は案件単価が上がる可能性があります。店舗、商業施設、介護施設、幼稚園などは、住宅よりも工事規模が大きくなることがあります。継続的に取引できれば、会社の柱になる可能性もあります。

ただし、住宅の延長でそのまま入れるわけではありません。

非住宅では、次のような違いが出ます。

  • 元請け・商流が変わる
  • 現場管理の水準が上がる
  • 安全書類や入場管理への対応が必要になる
  • グリーンサイトや建設キャリアアップシステムへの対応が求められる
  • 工期・品質・報告の粒度が住宅小口工事と変わる

相談者も、職人についてこう話していました。

「非住宅に入れる人間って限られてくるんです。書類関係が厳しくなるんで、それに対応できる人が少ないんですよね」

さらに、こう続きます。

「100人おって20人もおらんのんじゃないかなと思うんです」

つまり、非住宅に行くなら、仕事を取るだけでは足りません。“その現場に入れる人”“その現場を回せる人”を先に見極める必要があります。

背景

住宅市場は伸びにくく、非住宅へ向かう会社が増える一方で施工側の条件は厳しくなっている

背景には、住宅市場そのものの変化があります。

大手ハウスメーカーの周辺でも、戸建てリフォームが大きく伸びている感覚は強くありません。むしろ、非住宅の新築や施設系に力を入れる動きが見られます。

戸建て住宅は、人口動態や金利の影響を受けます。新築戸建てが減れば、将来のメンテナンス・リフォームの母数も変わります。

もちろん、既存住宅の修繕需要がなくなるわけではありません。水回り、外装、設備更新、間取り変更などは残ります。

ただ、住宅だけで会社を伸ばし続ける難易度は上がっていると見たほうが自然です。

相談者の地域でも、建築会社やリフォーム会社は多く、競争はあります。

「今までは住宅だけで十分、いくらでも建っていたんですけど、流れが変わってきますよね」

この一言に、今の住宅系工事会社の実感が詰まっています。

一方で、非住宅へ行けば必ず楽になるわけでもありません。

店舗や商業施設は、景気や出店計画に左右されます。介護施設や幼稚園なども、地域の人口構成や事業者の投資判断に影響を受けます。

また、商流も変わります。

住宅リフォームでは、個人客、住宅会社、紹介、OB顧客などが中心になりやすいです。非住宅では、設計会社、内装会社、元請け、施設運営会社、不動産会社、店舗開発会社などとの接点が必要になります。

さらに、現場側の負荷も変わります。

相談者はこう話していました。

「できないことはないけど、いたほうが楽ですよね」

ここで言う“いたほうが楽”とは、非住宅を分かっている現場管理者や、書類対応に慣れた職人のことです。

多くの内装会社は、自社で20人も職人を抱えているわけではありません。外注を組み合わせて現場を回しています。だからこそ、社内にすべてを抱える必要はありません。

ただし、外注だけで非住宅に入るには、社内に現場を束ねる人が必要になります。

「現場の管理者みたいなのが一人おれば、また展開は変わってくると思うんですけどね」

非住宅シフトの入口は、ここにあります。

大きな組織を一気に作ることではありません。まずは、非住宅案件を理解し、外注を組み、書類を見て、元請けと会話できる中核人材を置けるかどうかです。

解決

非住宅へ一気に振り切らず、需要・商流・体制・余力を分けて小さく試す進め方

住宅リフォーム会社が非住宅へ広げるなら、いきなり大きく舵を切らないほうが進めやすいです。

判断軸は、需要、単価、商流、施工体制、今の稼働余力の5つに分けると整理しやすくなります。

まず見るべきは、需要です。

地域に店舗改装、商業施設、介護施設、教育施設、クリニック、事務所改修などの動きがあるか。新築だけでなく、改修や原状回復、部分改装も含めて見ます。

次に、単価です。

住宅小口工事より単価が高くても、管理工数が増えすぎると利益は残りません。非住宅は金額が大きく見えますが、書類、打ち合わせ、工程調整、夜間対応、短工期対応などが増えることもあります。

見るべきは売上ではなく、社長や番頭がどれだけ動いて、いくら粗利が残るかです。

3つ目は、商流です。

非住宅案件をどこから取るのかを決めます。

たとえば、次のような入口があります。

  • 地域の設計事務所
  • 店舗内装会社
  • 不動産管理会社
  • 施設運営会社
  • 元請け建設会社
  • 既存取引先からの紹介

すでに住宅会社や地場建築会社との接点があるなら、そこから非住宅の小さな改修案件を聞くのも現実的です。

4つ目は、施工体制です。

ここが一番の詰まりどころです。

非住宅に対応するには、自社職人を大量に抱えるよりも、まずは次の体制を考えるほうが現実的です。

  • 非住宅経験のある現場管理者を1人置けるか
  • グリーンサイトや建設キャリアアップシステムに対応できる外注先を何社持てるか
  • 安全書類、入場書類、工程表、写真管理を誰が見るか
  • 社長が現場に張り付かなくても回る範囲はどこまでか

相談者も、「即戦力が1人だけでも関われれば、あとは外注で全然終わらせられると思う」と話していました。

この感覚はかなり現実的です。

非住宅シフトは、社員を一気に増やす話ではありません。“社内に1人、非住宅を回せる芯を作る”ことから始める選択肢があります。

5つ目は、今の稼働余力です。

ここを見ずに案件を取りに行くと、トラブルになります。

「余力がないと結局トラブルになるんで」

この言葉どおりです。

今の住宅小口工事で社長がいっぱいなら、非住宅案件を取っても、最初は社長の負担が増えます。すると既存顧客対応が遅れたり、現場確認が甘くなったり、見積もりが止まったりします。

そのため、進め方としては次の順番が合います。

  1. 住宅小口工事のうち、社長でなくても回せる業務を分ける
  2. 非住宅で狙う案件を、小規模改修・部分工事から決める
  3. 必要な書類対応と現場管理の条件を洗い出す
  4. 対応できる協力会社をリスト化する
  5. 現場管理者を置くべきか、既存人員で試せるかを判断する
  6. 最初の数件は利益率よりも、再現できる型を作ることを重視する

大事なのは、住宅を捨てることではありません。

既存の住宅リフォームを続けながら、非住宅の小さな勝ち筋を別ラインで作ることです。

そのためには、社長の頭の中にある「何となくまずい」「何か違うことをしないといけない」という感覚を、数字と体制に分けて見える化することが最初の一手になります。

まとめ

住宅リフォーム中心の会社が非住宅へ進むべきかは、単純な市場比較では決められません。

住宅需要は、金利上昇や人口動態の影響を受けます。戸建てリフォームだけで伸び続けることに不安を持つのは自然です。

一方で、店舗・商業施設・介護施設などの非住宅は、商流も施工体制も変わります。書類対応、入場管理、現場管理、外注先の質も問われます。

だからこそ、見るべきはこの5つです。

  • 地域に非住宅の需要があるか
  • 住宅小口工事より利益が残る単価設計になるか
  • 案件を取れる商流を作れるか
  • 非住宅を回せる現場管理者や協力会社がいるか
  • 今の住宅リフォームを回しながら試す余力があるか

「仕事が先か、人が先か」は、どの会社でも悩みます。

ただ、非住宅に関しては、誰でもよいわけではありません。現場を束ねられる人、書類対応ができる人、外注を動かせる人が必要になります。

今が忙しい会社ほど、暇になってから考えるのではなく、忙しい今のうちに“次の柱を小さく試す余白”を作ることが大切です。

うちの会社なら非住宅へどう広げるべきかを整理したい方へ

住宅リフォームを続けるべきか、非住宅へ広げるべきか。

これは、会社ごとに答えが変わります。

既存顧客の量、社長の現場関与、協力会社の顔ぶれ、地域の商業施設需要、現場管理者の有無によって、進め方は変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合は、住宅を残しながら非住宅へ行けるのか」「先に案件を作るべきか、人を整えるべきか」「何から整理すればよいか分からない」という段階でも大丈夫です。

無理に何かを売り込むのではなく、まずは会社の現在地と選択肢を一緒に整理します。

必要であれば、販路拡大、人材確保、組織づくり、原価管理まで含めて、ものづくりに集中できる状態を作るための進め方を考えます。

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