前提

4名体制で内装工事一式を請け負い、仕事を断っても売上が伸びている会社の現在地

首都圏でマンションの買取再販物件を中心に手がける、4名規模の内装工事会社があります。解体から仕上げまで内装工事一式を請け負い、売上は約3億円。既存取引先との関係も長く、受注に困っているわけではありません。

むしろ、「仕事はあるんです。正直、いつも断っています」という状態です。協力会社へ発注してもなお、施工能力が追いついていません。

一方、経営者が重視しているのは売上規模より利益率です。以前は社員を10名ほどに増やし、売上5億円を目指していましたが、材料費や職人の手間、現場周辺の駐車料金などが上がり、売上の伸びほど利益が残りにくくなっています。

そのため、単純に人数を増やせばよいとは考えにくくなっています。以前在籍していた職人が独立し、現在は協力会社として仕事を依頼する関係になった経験もあります。

受注不足ではなく施工能力が不足している会社ほど、採用人数ではなく「どの業務を社内に残すか」から考える必要があります。

1週間で 14件の相談 がありました

  • 7月27日総合土木千葉県利益率向上の相談
  • 7月26日塗装工事会社神奈川県案件獲得の相談
  • 7月26日工務店兵庫県案件獲得の相談
  • 7月25日解体工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月25日総合建築茨城県高卒採用の相談
  • 7月25日内装工事会社東京都利益率向上の相談
  • 7月24日造園会社岐阜県案件獲得の相談
  • 7月24日空調設備工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月24日防水工事会社兵庫県高卒採用の相談
  • 7月24日塗装工事会社愛知県案件獲得の相談
  • 7月23日電気設備工事会社愛知県高卒採用の相談
  • 7月23日工務店埼玉県人材育成の相談
  • 7月23日防水工事会社和歌山県人材育成の相談
  • 7月23日配管工事会社愛知県業務効率化システムの相談
  • 7月20日外構工事会社山口県協力会社探しの相談
  • 7月20日電気設備工事会社群馬県高卒採用の相談
  • 7月20日総合建築千葉県利益率向上の相談
  • 7月19日解体工事会社栃木県案件獲得の相談
  • 7月18日空調設備工事会社福井県高卒採用の相談
  • 7月18日リフォーム会社大阪府業務効率化システムの相談
  • 7月18日内装工事会社東京都案件獲得の相談
  • 7月18日リフォーム会社千葉県人材育成の相談
  • 7月17日塗装工事会社栃木県協力会社探しの相談
  • 7月17日リフォーム会社岩手県人材確保の相談
  • 7月17日総合土木山形県案件獲得の相談
  • 7月17日電気設備工事会社愛知県利益率向上の相談
  • 7月16日外構工事会社東京都業務効率化システムの相談
  • 7月16日塗装工事会社大阪府人材育成の相談
  • 7月16日内装工事会社群馬県案件獲得の相談
  • 7月16日総合建築岐阜県原価管理の相談
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課題

人件費と定着リスクを負って採用するか、協力会社を増やして少数体制を続けるかという迷い

判断が難しいのは、社員採用にも協力会社の活用にも、それぞれ利点と負担があるからです。

社員を採用すれば、自社のやり方を共有しやすく、継続的な施工体制をつくれます。しかし、人件費は固定費になります。採用費や社会保険料だけでなく、現場へ出られるようになるまでの教育負担も見ておかなければなりません。採用できても、長く定着するとは限りません。

相談企業も求人掲載を検討していましたが、「入れるか入れないか、本当に迷っています」という段階でした。仕事があるから採用する、という一直線の判断にはなっていません。

一方、協力会社であれば、案件量に合わせて外注費を変動させやすくなります。自社に不足している職種を補うこともできます。ただし、必要なときに必ず動いてもらえるとは限らず、仕上がりや工程対応にも差が出ます。

同社の場合、特に補いたいのは電気工事、内装仕上げ、大工工事です。現在の電気工事会社には施工能力の不足を感じており、得意とする仕上げ工事でも、受注量に対応するための協力先を必要としていました。

社員か協力会社かを会社全体で二者択一にすると決めにくくなります。職種と業務ごとに、内製と外注を分けることが現実的です。

背景

売上拡大より利益率を重視する段階へ移り、固定費を増やす意味が変わったこと

この迷いの背景には、会社が目指す姿の変化があります。

受注が増えている時期には、社員を増やして売上を伸ばす方針が自然に見えます。しかし、材料費や現場経費が上がり、売上が増えても利益率が下がる状況では、社員数や売上高だけを成長の基準にはできません。

「半分の売上になっても利益が上がるなら、それでも構わない」「率が悪いのは嫌だ」という考えからも、規模の拡大より収益性を優先したい意向が見えます。

さらに、同社の強みは内装工事一式を受けられることに加え、もともとの専門である仕上げの品質です。仕上がりがきれいでクレームも少ないことが、既存取引先から継続して仕事が入る理由になっています。

この強みを守るには、受注量だけを基準に外注を増やすわけにもいきません。協力会社の品質が不安定であれば、最終的には自社の評価に影響します。反対に、すべてを社員で抱えれば、繁閑差がある時期にも固定費が発生します。

また、マンションの買取再販工事は、同じ工種でも現場の場所や条件によって採算が変わります。長期間拘束される案件を受ければ、付き合いの長い取引先の仕事に対応できなくなる可能性もあります。

判断すべきなのは「仕事があるか」だけではなく、その仕事が年間を通して続くか、利益を残せるか、自社の品質を守れるかです。

解決

受注量・職種・固定費・教育・品質・繁閑差の6軸で内製と外注を切り分ける進め方

社員採用と協力会社の活用は、どちらか一方に決める必要はありません。少数体制で内装工事一式を請け負う会社では、品質と取引先対応の中核を自社で持ち、不足する専門工種や繁忙期の施工力を協力会社で補う形が検討しやすくなります。

まず、現在受けている仕事を職種ごとに分け、次の6つの軸で確認します。

1.受注量の安定性

社員採用に向くのは、特定の月だけではなく、年間を通して一定量が見込める仕事です。毎月のように同じ職種の不足で受注を断っているなら、固定費を負っても稼働を確保できる可能性があります。

反対に、案件ごとの差が大きく、忙しい時期だけ必要になる職種は協力会社のほうが合わせやすくなります。

見るべきなのは、全体の受注額ではありません。職種別に、どの仕事をどの程度断っているかです。

2.必要な職種と自社の強み

同社でいえば、仕上げ品質とクレームの少なさは、取引先から選ばれる中核です。このように自社の評価へ直結する仕事は、社員として技術や基準を蓄積する意味があります。

一方、電気工事や大工工事など、内装工事一式を完成させるために必要でも、自社の中核技術とは異なる職種があります。これらは、実績のある協力会社と組むほうが、採用や教育に時間をかけず施工能力を補える場合があります。

「受注に必要な仕事」と「自社で技術を蓄積すべき仕事」を分けることが、職種選定の基本です。

3.固定費と外注費の比較

社員は月給だけで判断できません。社会保険料、採用費、道具や車両、教育中の生産性まで含め、年間の固定費として見ます。

協力会社についても、請負金額だけではなく、手直し、工程調整、現場管理にかかる負担を含めて比べる必要があります。

比較するときは、売上ではなく粗利益を基準にします。採用によって受けられる仕事が増えても、その追加粗利益で年間固定費を安定して賄えなければ、売上だけが増えて利益率が下がることもあります。

4.教育に割ける時間

採用後すぐに、既存社員と同じ品質や速度で施工できるとは限りません。経営者や先輩職人が現場対応で埋まっている場合、教育する人と時間を確保できるかが採用の前提になります。

すぐに施工能力が必要なら、同種のマンション改修や買取再販工事の経験がある協力会社を探すほうが早い場合があります。将来の中核人材を育てたいなら、短期の施工力不足とは分けて、採用と教育を設計したほうが進めやすくなります。

5.品質管理のしやすさ

協力会社を増やすときは、会社数より品質の再現性が重要です。同社の場合は、仕上がりのきれいさとクレームの少なさが強みであるため、同じ基準で施工できることが欠かせません。

候補先を選ぶ際は、施工可能な工種だけでなく、次の点を確認します。

  • マンション改修や買取再販物件の施工実績
  • 仕上がりの基準と手直しへの対応
  • 工程変更や短納期への対応力
  • 連絡や報告の方法
  • 繁忙期に確保できる施工人数

最初から大きな案件を任せるのではなく、既存の品質基準と合わせられるかを確認してから、依頼範囲を広げる進め方が安全です。

6.繁閑差と欠員への対応

社員だけで施工力を組むと、閑散期にも人件費が発生します。協力会社だけに寄せると、繁忙期に人を確保できない可能性があります。

そこで、通常時に必要な施工力は社員で持ち、受注の山や不足職種は協力会社で補う考え方が使えます。社員採用を進める場合でも、協力会社との関係を減らすのではなく、欠員や急な工程変更に対応できる体制として残しておくことが重要です。

実際の進め方は、次の順番で整理すると判断しやすくなります。

  1. 過去の案件を職種別に分ける
  2. 受注を断った理由と不足職種を記録する
  3. 自社の強みへ直結する仕事を決める
  4. 年間を通じて必要な職種を採用候補にする
  5. 繁閑差が大きい仕事と専門工種は協力会社候補にする
  6. 採用後と外注時の粗利益を比較する

先に求人を出すのではなく、「この職種は年間を通して採算が合う」と確認できてから採用へ進むことが、固定費の増加を抑えるポイントです。

まとめ

仕事を断るほど案件があると、採用して施工力を増やす判断が正しく見えます。ただし、人件費が上がり、採用後の定着も読みにくい環境では、受注量だけで社員を増やすのは難しくなっています。

一方、協力会社だけで回せばよいわけでもありません。品質、工程、連絡体制を自社で管理できなければ、既存取引先から評価されてきた強みが薄れる可能性があります。

整理したいポイントは明確です。

  • 年間を通じて仕事がある職種か
  • 自社の品質や評価に直結する業務か
  • 固定費を追加粗利益で賄えるか
  • 採用後の教育時間を確保できるか
  • 協力会社でも品質を再現できるか
  • 繁閑差や欠員へ対応できるか

自社の強みをつくる仕事は社員で持ち、専門性の異なる工種や仕事量の波は協力会社で補う。この切り分けが、売上ではなく利益を残す施工体制につながります。

自社に合う施工体制を整理するために

社員を採用すべきか、協力会社を増やすべきかは、会社の規模だけでは決まりません。受注の内訳、必要職種、利益率、教育余力、守りたい品質によって答えが変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用の必要性を検討したい場合も、不足する電気工事会社や内装仕上げ会社、大工会社などの協力先を開拓したい場合も、現在の施工体制から一緒に整理できます。

「うちの場合はどの職種を抱えるべきか」「何から数字を確認すればよいかわからない」という段階でも差し支えありません。無理にサービスを勧めることはありませんので、次の判断材料を整理する場としてご活用ください。

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