30名弱の専門工事会社が、縁故採用だけでは先の人員計画を読み切れなくなっている状態
神奈川県を中心に、首都圏の改修・仕上げ系工事を手がける30名弱の専門工事会社の話です。拠点の一つには10名弱の社員がいて、会社全体では50代以上のベテランが多く、若手は20代後半から30代半ばが中心です。
ここ数年で人は増えています。ただし、その多くは知り合いや縁からの入社でした。社内の定着は悪くありません。むしろ、一度入った人は長く続きやすい会社です。
一方で、これから先の施工体制を考えると、縁だけに頼り切るのは少し心もとない。経営側からは、こんな言葉が出ていました。
「ここ2、3年で増えた人は、結局、縁とか知り合いなんです。それはそれで続けるけど、それだけで先の人数を読めるかというと、そろそろ手立てを作らないといけないなと思っていて」
この会社が欲しいのは、必ずしも即戦力だけではありません。資格や経験がある人が来ればありがたい。けれど、現実には経験者の採用競争は厳しく、給与条件も上がっています。そこで、未経験者も含めて考えています。
「未経験でもいい。根性がある人が来てくれれば」
この言葉に、建設業の中小企業らしい採用の本音が出ています。今の採用課題は、求人媒体を増やすことではなく、“うちに合う未経験者や若手に、どう見つけてもらい、どう選んでもらうか”に変わっています。
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- 7月16日外構工事会社東京都
- 7月16日塗装工事会社大阪府
- 7月16日内装工事会社群馬県
- 7月16日総合建築岐阜県
- 7月15日工務店東京都
- 7月15日内装工事会社神奈川県
- 7月15日塗装工事会社奈良県
- 7月15日内装工事会社鳥取県
- 7月14日配管工事会社高知県
- 7月14日配管工事会社広島県
- 7月14日防水工事会社神奈川県
- 7月12日配管工事会社京都府
- 7月12日ビルメンテナンス佐賀県
- 7月12日リフォーム会社茨城県
- 7月11日総合建築福島県
- 7月11日総合土木大阪府
- 7月11日造園会社愛知県
- 7月11日外構工事会社茨城県
- 7月10日電気設備工事会社京都府
- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
ハローワークや求人媒体に出しても、同業他社と同じ見え方になって応募者に選ばれにくい
採用活動としては、ハローワークへの掲載が中心でした。以前は地域系の求人媒体にも出していましたが、反応が薄く、今はやめています。
印象的だったのは、求人一覧を見たときの経営側の言葉です。
「出すじゃないですか。一番上に出るじゃないですか。見ても、全部知ってる会社ばっかりなんですよ。みんな出してる。内容も一緒じゃん、みたいな」
これは多くの建設会社に共通する悩みです。ハローワークや求人媒体に出していること自体が悪いわけではありません。ただ、同じ地域で、同じ職種名で、同じような給与・休日・仕事内容が並ぶと、応募者から見ると違いが分かりません。
特に未経験者は、そもそも工事の種類を細かく理解していません。防水、内装、電気、足場、大規模修繕、リニューアル。業界にいる側からすればまったく違う仕事でも、外から見ると「建設の現場仕事」とひとくくりに見えやすいものです。
その状態で、求人票に「未経験歓迎」「資格取得支援」「アットホームな職場」と並べても、他社との違いは伝わりにくいです。
応募が来ない理由は、会社に魅力がないからではなく、魅力が求人上で“応募者に伝わる形”になっていないことが多いです。
この会社にも、外に出せる魅力はありました。
たとえば、未経験者を受け入れる土壌があります。経営者自身も異業種から建設業に入り、現場や会社のことを学んできた背景があります。社内には、教えることを楽しめるベテランや先輩もいます。
「本社にいた若い女性が、こっちに来たらイキイキしていて。先輩たちが楽しんで教えているんですよ」
「30代、40手前くらいなら、未経験でもやる気があれば、結構なじんでくれると思うんです」
これは求人上ではかなり強い材料です。ただし、求人票にそのまま載せなければ、応募者には存在しないのと同じです。
求人を出せば人が来る時代から、会社の中身を伝えないと選ばれない時代に変わっている
建設業の採用が難しくなっている背景には、単純な人手不足だけではない変化があります。
一つは、求人情報の量が増えすぎていることです。ハローワーク、求人広告、求人検索サイト、企業ホームページ、SNS、学校経由の情報など、応募者が触れる入口は増えています。企業側から見ると「掲載先が増えた」状態ですが、応募者側から見ると「似た求人が大量に並んでいる」状態です。
もう一つは、若い人や未経験者が仕事を選ぶ基準の変化です。
昔のように「とにかく稼ぎたい」「独立したい」という動機だけで建設業を選ぶ人は減っています。もちろん今もいますが、全体としては、働く環境、教えてもらえる安心感、人間関係、自分に合いそうかを見ています。
話の中でも、若い人への見方についてこんなやり取りがありました。
「若い子だって、ちゃんと話せばすごく分かっている。大人なんですよ」
「君はどういうのをやりたいのかって話して、ご飯でも行こうかって言えば、たぶん来るんです」
この会社には、人との関係を大事にする文化があります。経営側も「最後は人」と繰り返していました。社員が長く残っている理由も、給与や仕事内容だけではなく、「ここにいる人がいい」「話せる人がいる」「教えてくれる人がいる」という空気に支えられているはずです。
ただ、その良さは社内にいる人には当たり前になりがちです。外に向けては、言葉にしないと伝わりません。
また、学校訪問にも同じ課題がありました。過去に地域の学校や教育機関と接点を持ち、先生との面談も行っています。しかし、継続的に通う体制がありませんでした。
「一回、先生方と面談したんです。でも、その後ずっと自分が行けるかというと行けない。専門でやってくれる人がいないと、結局無理だなと思って」
ここも中小建設会社ではよく起きます。社長や部長が採用を背負うと、最初は動けても続きません。現場、見積、取引先対応、工事の段取りが優先されます。採用は大事だと分かっていても、日常業務の中で後回しになります。
採用が止まる原因は、意思が弱いからではありません。採用活動を会社の業務として回す“型”と“担当”が決まっていないからです。
媒体選びの前に、人材像・魅力・原稿・写真・応募対応・社内担当を一つの流れにする
建設会社が応募を増やすために、最初に考えるべきことは「どの媒体に出すか」だけではありません。媒体は大事です。ただ、その前に土台がないと、どこに出しても同じような求人になってしまいます。
この会社のように、ハローワークや求人媒体で埋もれている感覚がある場合は、まず次の順番で整理すると進めやすくなります。
- 欲しい人材像を絞る
- 自社の魅力を言語化する
- 求人原稿を応募者目線で作り直す
- 写真やパンフレットで空気感を見せる
- 応募後の対応を決める
- 社内で運用を引き継げる担当を置く
採用の土台とは、“応募を集める仕組み”ではなく、“うちに合う人が迷わず応募できる状態”を作ることです。
欲しい人材像は「未経験歓迎」で止めない
まず、欲しい人材像を具体化します。
この会社の場合、最初は「未経験でもいい」「根性がある人」という表現でした。これは本音として大事です。ただ、求人に落とすにはもう一段具体化が必要です。
たとえば、次のように分けて考えます。
- 年齢層はどのあたりがなじみやすいか
- 完全未経験でもよいのか、現場経験だけは欲しいのか
- 体力仕事への抵抗がない人か
- 人に教わる姿勢を重視するのか
- 将来、施工管理や職長側に育ってほしいのか
- まずは現場補助から入ってほしいのか
この会社では、50代・60代の完全未経験者よりも、30代から40歳手前くらいの未経験者、あるいは20代の若手の方がなじみやすいという感覚がありました。また、35歳前後の社員に下をつけて、教える側も育てたいという狙いもありました。
「経験者の50代バリバリより、何も知らない別業界から来た35歳くらいの方がいいかもしれない」
ここまで見えてくると、求人原稿の書き方は変わります。
「未経験歓迎」だけではなく、たとえば「異業種から現場管理を覚えたい方」「30代から手に職をつけたい方」「先輩の横について覚えるところから始めたい方」といった表現にできます。
自社の魅力は、社員が残っている理由から探す
次に、自社の魅力を洗い出します。
中小建設会社の魅力は、立派な制度だけではありません。むしろ、応募者に刺さるのは日常の空気です。
この会社で言えば、次のような材料がありました。
- 未経験者を受け入れてきた実績がある
- 経営側にも異業種出身者がいる
- ベテランが教えることを楽しめる雰囲気がある
- 若手や女性社員が配属先によってイキイキ働いている
- 社員の定着がよい
- 拠点や現場に、若い協力会社メンバーもいて孤立しにくい
- 会社として「最後は人」という価値観を大事にしている
これは十分な魅力です。
ただし、求人票に「定着率が高いです」とだけ書いても伝わりません。なぜ続いているのか。誰が教えるのか。どんな人が未経験から育ったのか。どんな会話があるのか。そこまで落とす必要があります。
求人原稿は、会社概要を書く場所ではなく、応募者が“ここなら自分でも入れそうだ”と思える材料を並べる場所です。
写真は「きれいな現場写真」より「人が分かる写真」を優先する
建設業の求人では、写真も大きな差になります。
もちろん施工写真や現場写真も必要です。ただ、未経験者にとっては、施工の迫力よりも「どんな人と働くのか」の方が気になります。
この会社の場合であれば、次のような写真が向いています。
- 先輩が後輩に教えている場面
- 20代後半から30代の社員が現場で働く様子
- ベテランと若手が一緒にいる雰囲気
- 事務所や拠点の普段の様子
- 女性社員や異業種出身者が自然に働いている様子
写真は、応募者にとっての事前見学です。文章で「雰囲気が良い」と書くより、自然な写真が一枚ある方が伝わることもあります。
応募対応は、最初の返信スピードと温度感を決めておく
応募が来た後の対応も、採用の土台です。
建設会社では、応募が来ても現場対応で返信が遅れることがあります。電話をかける時間が合わず、そのまま流れてしまうこともあります。特に未経験者は、複数社に同時応募していることが多いため、初動の差がそのまま面接設定率に出ます。
この会社には、本社に経理や安全書類を担う事務スタッフが2名いて、基本的な事務対応はできる状態でした。であれば、社長や部長がすべて抱える必要はありません。
決めておくべきことは、難しいものではありません。
- 応募通知を誰が確認するか
- 何時間以内に返信するか
- メール文面のテンプレート
- 電話で話す内容
- 面接日程の候補の出し方
- 面接前に送る会社案内や持ち物
- 面接後の連絡方法
応募対応は、採用担当者のセンスに頼るより、テンプレート化して誰でも同じ温度で返せる状態にした方が安定します。
社内で引き継げる形にしないと、採用活動は続かない
最後に大事なのが、社内運用です。
採用活動は、一度求人を出して終わりではありません。原稿を見直す。写真を差し替える。応募者対応を振り返る。学校訪問の時期を確認する。面接で聞く内容をそろえる。入社後に現場へつなぐ。
これを社長や部長だけで回すのは、かなり大変です。
この会社でも、「本当は専属でやる人間が必要」「大きい会社でいう人事部のような機能が必要」という話が出ていました。ただ、中小建設会社でいきなり人事部を作るのは現実的ではありません。
だからこそ、最初から完璧な部署を作るのではなく、既存の事務スタッフや若手社員を巻き込みながら、採用業務の一部を少しずつ渡していくのが現実的です。
たとえば、学校訪問なら社長が毎年行くのではなく、現場の若手が同行する形にする。若手が話せるように、話す内容や資料を用意する。応募対応は事務スタッフが一次対応し、面接だけ経営側が行う。こうした分担です。
採用のゴールは、外部の力を借り続けることではなく、会社の中に“採用を回せる型”を残すことです。
まとめ
ハローワークや求人媒体に出しても応募が来ないとき、すぐに別の媒体を探したくなります。もちろん、掲載先の見直しは必要です。ただ、その前に見るべきなのは、採用の土台です。
今回のような専門工事会社には、すでに魅力がありました。未経験者を受け入れられる。教える文化がある。定着がよい。人との関係を大事にしている。若手を育てたい意思もある。
課題は、その魅力が外から見えにくいことでした。
採用でまず整えるべきことは、媒体ではなく、人材像・魅力・求人原稿・写真・応募対応・社内運用を一本の流れにすることです。
縁故採用は、これからも大事です。紹介で来る人は、会社になじみやすいことも多いです。ただ、先の施工体制を考えるなら、縁だけに頼らず、外からも応募が来る状態を作っておくことが必要になります。
1人だけを急いで採るより、半年から1年かけて「応募が来る状態」「対応できる状態」「社内で引き継げる状態」を作る。その方が、中小建設会社にとっては資産になります。
採用は、求人票を出す作業ではありません。会社の未来の仲間に、自社の中身を伝える仕事です。
自社の採用の土台をどこから整えるか考えたいときは
「うちの場合、誰を採るべきかがまだ曖昧」「求人には出しているが、何を変えればよいか分からない」「社長や部長が採用を抱えていて続かない」という段階でも、整理できることはあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用についても、欲しい人材像の整理、自社の魅力の言語化、求人原稿や写真の見直し、応募対応、社内で運用を引き継ぐ体制づくりまで、会社の状況に合わせて一緒に組み立てます。
「何から整理すべきか分からない」という段階でも大丈夫です。無理に進める前提ではなく、今の採用活動のどこに詰まりがあるかを確認するところから始められます。
必要に応じて、お問い合わせはこちらからご相談ください。無理な営業はいたしませんので、まずは自社の採用の土台をどう考えるべきか、一緒に整理できればと思います。































