前提

5名体制で年商4,000万円前後、3年後に7名・6,000万円を目指す専門工事会社の現在地

九州南部で塗装・防水を中心に手がける、5名ほどの専門工事会社の話です。創業から10年ほどが経ち、現在は代表を含めて5名体制。年商は4,000万円前後で、アパートや戸建ての修繕工事を、付き合いのある数社から受ける形が中心です。

施工内容は塗装と防水が主軸で、外構工事も一定割合あります。協力会社も2〜3社あり、現場が増えた場合には、自社職人だけでなく外部の力も借りながら回せる状態です。

一方で、資材や流通の影響を受けて仕事量が読みにくくなり、会社としては「まず現場を増やしたい」という状況にあります。3年後の目安としては、売上を4,000万円前後から6,000万円程度へ伸ばし、人数も5名から7名ほどにしたいというイメージです。

ただ、採用については慎重です。代表の言葉としては、「忙しかったら採りたいけど、入れても現場がないのは怖い」という感覚です。

この感覚は、かなり現実的です。建設業、とくに少人数の専門工事会社では、人を増やすことは売上拡大の手段である一方、固定費を増やす意思決定でもあるからです。

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  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

人を採りたい気持ちと、採った後に現場が足りない不安が同時にある

採用の悩みは、単に「応募が来ない」という話だけではありません。今回のような会社では、むしろその前段階に大きな論点があります。

それは、採用しても継続的に任せる現場があるのかという問題です。

現状5名で年商4,000万円前後ということは、単純に見ると1人あたり800万円前後の売上をつくっている計算になります。3年後に7名で6,000万円を目指すなら、人数は2名増え、売上は2,000万円ほど増やす必要があります。

この数字だけを見ると、自然な成長目標に見えます。ただし実務では、次のようなズレが起きやすくなります。

  • 採用はできたが、現場が安定せず手待ちが出る
  • 現場はあるが、未経験者を育てる余裕がない
  • 代表や既存社員が教える時間を取られ、かえって現場の進みが悪くなる
  • 協力会社で回せる現場まで、先に社員化してしまう

つまり、採用の判断は「人が欲しいかどうか」だけでは決めにくいものです。売上計画、現場量、既存社員の稼働、協力会社の活用、教育体制をセットで見てから決める必要があります。

特に、今回の会社では経験者採用を理想としながらも、「経験者はたぶん来ないと思う」という見立てがありました。現実的には、20〜30代の未経験者を受け入れ、育てていく採用になりそうです。

そうなると、採用前に見るべきポイントはさらに増えます。人を採るかどうかだけでなく、誰が、どの現場で、どの順番で育てるのかまで決めておかないと、採用後に現場へ負担が寄りやすくなります。

背景

現場数が読みにくい中で、既存社員と協力会社でどこまで回せるかが曖昧になっている

この会社の背景には、現場数の波があります。梅雨時期は防水工事が止まりやすく、夏場は忙しくなりやすい。さらに資材の入り方や取引先の動きによって、受注量が左右されます。

もともとは付き合いのある会社からの仕事が中心で、戸建て・アパートともに安定した関係があります。ただし、元請け側の仕事量に左右されるため、自社で現場数を完全にコントロールできるわけではありません。

そのため、代表は新しい動きとしてチラシ配布や動画広告も検討しています。戸建ての直接受注を増やし、定期的に入ってくる小〜中規模の工事を増やしたいという狙いです。

採用に関しては、ホームページや求人媒体には掲載しているものの、まだ応募は目立っていません。欲しい人材像は、20〜30代。経験者が理想ではあるものの、現実的には未経験者も対象に入ります。

ここで大事なのは、採用活動だけを先に強めても、受け入れ側の準備が整っていなければ定着につながりにくいという点です。

特に少人数の会社では、代表が営業、現場、段取り、採用、教育まで見ていることが多くなります。今回も、未経験者が入った場合の教育については「従業員も含めて教える」という方向でした。

これは良い考え方です。ただし、現場任せにすると、教え方が人によって変わりやすくなります。結果として、新人が「何を覚えれば一人前に近づくのか」をつかみにくくなることがあります。

未経験者採用では、求人を出す前に“受け入れ後の最初の3か月”を具体化しておくことが重要です。

解決

採用前に売上目標から必要人数を逆算し、未経験者を育てる現場設計まで決めておく

採用を考える順番は、まず売上から逆算するのが現実的です。

今回のように、現在4,000万円前後、3年後に6,000万円を目指すなら、まずは「追加で必要な2,000万円を、どの種類の現場でつくるのか」を分けて考えます。

たとえば、次のように整理します。

  • 防水工事で増やしたい売上はいくらか
  • 塗装工事で増やしたい売上はいくらか
  • 戸建て直受注でどの程度を見込むか
  • アパート・小規模集合住宅の取引先をどれだけ増やすか
  • 既存取引先からの増加分をどこまで見込むか

ここが曖昧なまま採用すると、「人は増えたが、どの現場で稼働してもらうのか」がぼやけます。逆に、増やしたい売上の内訳が見えてくると、採用タイミングも判断しやすくなります。

次に、既存社員と協力会社で回せる範囲を先に見極めることです。

今回の会社には、自社5名に加えて協力会社2〜3社があります。つまり、すぐに社員を増やさなくても、現場量が一時的に増えた場合は協力会社で対応できる余地があります。

この場合、採用の判断軸は次のようになります。

  • 一時的な繁忙なら、協力会社で対応する
  • 毎月一定量の現場が見込めるなら、採用を検討する
  • 代表や既存社員の負担が限界に近いなら、採用だけでなく役割分担も見直す
  • 未経験者を入れるなら、教育担当と育成現場を先に決める

特に未経験者採用では、入社直後から売上貢献を期待しすぎないことが大切です。最初は材料運び、養生、清掃、道具の準備、現場での安全確認など、基本動作を覚える期間が必要になります。

そのため、採用前に次の3つを決めておくと、受け入れが安定します。

1つ目は、教育担当です。代表がすべて教えるのではなく、既存社員の中で「最初に見る人」を決めます。複数人で教える場合でも、主担当を決めておくと新人が迷いにくくなります。

2つ目は、育成に向いた現場です。工期が厳しすぎる現場や、危険度の高い作業が多い現場では、新人教育が後回しになりがちです。最初は、比較的段取りを組みやすい現場に同行させるほうがよいです。

3つ目は、覚える順番です。防水・塗装は技術職なので、いきなり全体を覚えさせるのは難しいです。「最初の1か月で何を覚えるか」「3か月後に何ができればよいか」を決めておくと、教える側も教わる側も楽になります。

求人媒体やホームページで伝える内容も、ここにつながります。

未経験の20〜30代に来てほしいなら、単に「未経験歓迎」と書くだけでは弱くなります。求職者が知りたいのは、歓迎されているかどうかよりも、入社後にやっていけそうかどうかです。

ホームページや求人ページでは、次のような内容を具体的に出すと伝わりやすくなります。

  • どんな工事をしている会社か
  • 戸建て・アパートなど、どんな現場が多いか
  • 未経験者は最初に何から覚えるのか
  • 誰が教えるのか
  • どのくらいで一通りの作業に関われるのか
  • 会社として3年後にどんな体制を目指しているのか

特に、「3年後に7名体制を目指している」「防水・塗装を中心に安定した現場を増やしたい」という会社の方向性は、採用広報でも大事な情報です。

求職者は、会社の将来像が見えると、自分が入る意味を考えやすくなります。逆に、現場写真や仕事内容だけでは、どのように育ててもらえるのかが伝わりにくいことがあります。

採用は、求人を出すことから始まるように見えます。ただ実際には、売上計画と教育体制を先に整えるほど、採用後のミスマッチは減らしやすくなります。

まとめ

人を増やす判断は、勢いだけでは難しいものです。特に5名前後の専門工事会社では、1人採るだけでも会社の固定費や現場の段取りに大きく影響します。

今回のように「現場が増えたら2人採りたい」「でも現場がなかったら怖い」という悩みは、自然なものです。だからこそ、まずは採用そのものではなく、次の順番で整理するのがよいです。

  • 3年後の売上目標を決める
  • 追加で必要な売上を、工種・取引先・現場規模ごとに分ける
  • 既存社員と協力会社で回せる範囲を確認する
  • 毎月一定量の現場が見込める段階で採用を判断する
  • 未経験者を受け入れるなら、教育担当・育成現場・覚える順番を決める
  • 求人媒体やホームページには、仕事内容だけでなく育ち方を載せる

採用は、売上計画の後ろにある実行手段です。

先に人を増やすのではなく、どの現場を増やし、どの仕事を任せ、どの順番で育てるのかを決めてから採用に進む。これだけで、採用後の不安はかなり整理しやすくなります。

うちの採用タイミングを考えるための整理先

「今すぐ採るべきか」「まず現場を増やすべきか」「未経験者を受け入れる体制があるのか」は、会社ごとに判断が変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の売上計画、採用、人材育成、組織づくり、協力会社活用までを横断して整理し、実行まで支援しています。

採用だけを切り出すのではなく、現場量や売上目標、教育体制と合わせて考えることで、無理のない人員計画をつくりやすくなります。「うちの場合は何人まで増やせるのか」「採用前に何を整えるべきか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の場としてご相談ください。

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