前提

北関東の15名規模の専門工事会社でも、職人不足は「忙しいのに人がいない」段階に入っている

北関東で防水・塗装を主力に、内装工事も手がけるある専門工事会社では、現場の需要はある一方で、職人の確保が大きな悩みになっていました。

会社としては、社員職人を増やしたい。特に内装の軽量・ボード・クロスのように、技術差が出やすく、外注や一人親方に依存しやすい領域では、将来を考えるほど「社員で抱えたい」という思いが強くなります。

一方で、現場の実感はかなり厳しいものです。

「職人は欲しいよ。やっぱり職人ありきなんだよね」

「50代、60代、70代の人たちはいる。でも20代から育てて定着させることができていない」

この感覚は、同じ規模の専門工事会社ならかなり近いのではないでしょうか。今いる職人で何とか回っている。協力会社もいる。けれど、5年後・10年後を考えると、若手を採って育てる導線がないことが一番の不安になる。そういう局面です。

建設業の求人倍率は全産業と比べても高く、技能工や施工管理はさらに取り合いになっています。首都圏で建設関連の求人を検索すると、同じ画面上に膨大な求人が並びます。求職者から見れば、選択肢が多すぎて「どこを選べばいいのか分からない」状態です。

つまり、求人を出せば見つけてもらえる時代ではありません。求人は出すものではなく、選ばれる理由を届けるものに変わっています。

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  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

求人媒体に載せても応募が来ない原因は、媒体選びより先に採用導線が決まっていないこと

採用がうまくいかないとき、最初に考えがちなのは「どの媒体に出すか」です。Indeedなのか、求人サイトなのか、SNSなのか、採用ページなのか。もちろん媒体選びは大事です。

ただ、今の採用市場では、媒体だけを変えても成果が出にくくなっています。理由はシンプルで、求職者が複数の求人を簡単に比較できるようになったからです。

以前は、リクナビやマイナビのような大きな媒体に求人を出し、広告費をかければ一定の接点を作れました。いわば、求職者が集まる池が限られていました。

今は違います。求人サイト、Indeed、Google検索、SNS、会社ホームページ、紹介、動画、ショート動画など、求職者が情報に触れる場所が分散しています。しかもIndeedのような検索型の媒体には、さまざまな求人情報が集約されます。

その結果、求職者は会社を横並びで見ます。

  • 給与はいくらか
  • 休みはどれくらいあるか
  • 未経験でも育つのか
  • 社員として安心して働けるのか
  • どんな人が働いているのか
  • 何年後にどんな技術が身につくのか
  • 会社の雰囲気は自分に合いそうか

ここで伝える内容が薄いと、求人は埋もれます。条件だけで勝負すると、大手や高待遇の会社に見劣りしやすくなります。

相談の中でも、「求人はすごいよね。探すのも大変なら、選ぶ方も大変だよね」という言葉がありました。まさにその通りです。求職者は不足しているのではなく、迷っている。だから会社側は、迷っている人に届く言葉を持つ必要があります。

ここで重要なのは、「うちは何を出せる会社なのか」を整理することです。

たとえば、同じ職人採用でも、来てほしい人によって訴求は変わります。

  • とにかく稼ぎたい若手
  • 土日休みや家族時間を重視したい若手
  • 手に職をつけたい未経験者
  • 一人親方から社員に戻りたい経験者
  • 現場だけでなく、将来は施工管理も覚えたい人
  • 地元で安定して働きたい人

これらを全部同じ求人票で集めようとすると、誰にも刺さりにくくなります。採用したい人を分けずに求人を出すことが、応募不足やミスマッチの出発点になりやすいのです。

背景

若手は減っているだけでなく、会社の働き方や育ち方を比較して選ぶようになっている

建設業の人手不足は、単に「若い人が少ない」という話だけではありません。若手が仕事を選ぶ基準そのものが変わっています。

相談企業でも、昔の職人像との違いが何度も話題になっていました。

「昔は土曜も一日中現場だった。でも今は違う」

「暑い、重い、きついだけでは選ばれにくい」

「建設でも、給料がそれなりに良くないと比べられる」

これは現場の実感として、とても大事です。若手は決して楽な仕事だけを探しているわけではありません。ただ、きつさに見合う意味、成長、安心、生活の見通しがあるかを見ています。

特に専門工事会社の場合、会社の魅力は外から見えにくいものです。

たとえば、防水工事なら「雨漏りを止める」「建物を長持ちさせる」という社会的な価値があります。塗装なら仕上がりの見栄えだけでなく、保護機能や改修需要の安定性があります。内装なら、空間を仕上げる技術の面白さがあります。

しかし求人票では、こうした魅力が「未経験歓迎」「経験者優遇」「社会保険完備」「昇給あり」だけで終わっていることが少なくありません。

これでは、若手から見ると他社との違いが分かりません。

一方で、採用が進んでいる会社は、必ずしも条件だけで勝っているわけではありません。東海地方のある専門工事会社では、働き方を一つに絞らず、「しっかり働いて稼ぎたい人向け」と「休みを重視したい人向け」で求人の入口を分けていました。

入社後も、年に一度の面談で働き方を見直せるようにしていました。最初は休み重視で入った人が、周囲を見て「もっと稼ぎたい」と変わることもある。反対に、ある程度稼げるようになった後で、休日を大事にしたくなる人もいる。

ここから分かるのは、採用は入口だけでなく、入社後の選択肢まで含めて設計するものだということです。

また、別の専門工事会社では、社長自身が「うちの仕事に強みなんてない」と感じていたものの、社員に話を聞くと、長く続いている理由が見えてきました。仕事そのものだけでなく、休日の過ごし方、仲間との関係、地元で働ける安心感などが、定着理由になっていたのです。

社長が思っている強みと、社員が感じている強みはズレることがあります。だからこそ、社員インタビューで自社の魅力を言語化することが、採用広報の第一歩になります。

解決

若手採用は「誰に、何を、どこで伝えるか」を決めてから求人票と媒体を作る

職人採用で最初に整理したいのは、求人票の文章ではなく、採用導線そのものです。採用導線とは、求職者が会社を知り、興味を持ち、応募し、面接を受け、入社後に定着するまでの流れです。

ここがつながっていないと、媒体に費用をかけても成果が出にくくなります。

まずは、次の順番で整理すると進めやすくなります。

1. 採りたい人を一人に絞る

最初から全員に刺さる求人を作ろうとしないことです。100人中100人に好かれる求人より、100人中1人が振り向く求人の方が中小建設会社には向いています。

たとえば、内装の軽量職人を社員で採りたいなら、対象を分けます。

  • 未経験から技術を覚えたい20代
  • 一人親方ではなく社員として安定したい経験者
  • 現場経験を活かして将来は管理側もやりたい人
  • 地元で長く働きたい人

このうち、今いちばん欲しいのは誰なのか。ここを決めると、求人の言葉が変わります。

未経験者向けなら「何年で何ができるようになるか」が重要です。経験者向けなら「単価感」「現場の安定性」「社員になるメリット」が重要です。若手向けなら「教えてもらえる環境」「休み」「先輩の雰囲気」「手に職がつく実感」が重要になります。

2. 社員インタビューで、自社の強みを外から見える言葉にする

社長が考える魅力だけで求人を作ると、どうしても条件や仕事内容の説明に寄りがちです。そこで有効なのが、社員への聞き取りです。

聞く内容は難しくありません。

  • なぜ入社したのか
  • なぜ今も続けているのか
  • 入社前に不安だったことは何か
  • 入ってみて良かったことは何か
  • どんな人ならこの会社に合うと思うか
  • 仕事を覚えるまで、何が大変だったか
  • どんな瞬間に成長を感じたか

ここから、求人に使える言葉が出てきます。

たとえば「社会保険完備」と書くだけでなく、「一人親方ではなく社員として、現場に出ながら安定して技術を磨ける」と表現できます。

「未経験歓迎」と書くだけでなく、「最初の3か月は道具の名前、材料の扱い、現場での動き方から覚える」と書けます。

求職者が知りたいのは、会社が言いたいことではなく、自分が入った後の姿です。

3. 媒体ごとの役割を分ける

Indeed、求人サイト、採用ページ、SNSは、それぞれ役割が違います。全部に同じ内容を載せるより、役割を分けた方が伝わりやすくなります。

Indeedや求人検索媒体は、求職者が最初に見つける入口です。ここでは、職種名、勤務地、給与、休日、未経験可否、仕事内容を分かりやすく出す必要があります。

採用ページは、比較検討の受け皿です。Indeedで気になった人が会社名を検索したときに、働く人、現場、教育、キャリア、社長の考えが見える場所にします。

SNSは、日常の空気や会社の考え方を伝える場所です。ただし、無理に動画を毎日出す必要はありません。社員が映りたがらない会社もあります。その場合は、道具紹介、施工前後、教育風景、よくある質問、現場で大事にしていることなど、顔出しに頼らない発信でも十分です。

媒体は「どれが正解か」ではなく、「どの段階の求職者に何を伝えるか」で選ぶものです。

4. 求人票は一度で当てようとせず、改善前提で運用する

採用がうまくいっている会社でも、最初の求人票で当たっているわけではありません。キャッチコピーや訴求を何度も変えながら、反応を見ることが大切です。

ある工事会社では、Indeedの無料掲載でキャッチコピーを何度も変え、ようやく応募につながる表現にたどり着きました。広くきれいな言葉より、その会社らしい少し尖った表現の方が、求職者の目に止まることがあります。

中小建設会社の採用では、きれいな求人票より、会社の実態が伝わる求人票の方が強いです。

「うちは楽です」と見せる必要はありません。むしろ、暑い日もある、重い材料もある、覚えることも多い。ただ、その先に技術が身につき、地元で安定して働ける。先輩が教える。社員として安心して働ける。そうした現実と魅力をセットで伝える方が、入社後のミスマッチも減ります。

5. 採用後の定着まで求人で見せる

人を採ってもすぐ辞めてしまうと、採用活動は続きません。特に若手採用では、入社後の育ち方を求人段階から見せることが大切です。

相談企業でも、「背中を見て覚えろ」が難しくなっているという話がありました。これは多くの会社に共通します。

だからこそ、求人の中で次のような情報を見せておくと、安心材料になります。

  • 入社後最初に覚える仕事
  • 先輩がどう教えるか
  • どの現場から入るか
  • 何か月で一人でできる作業が増えるか
  • 資格取得や施工管理への道があるか
  • 稼ぎたい人、休みを重視したい人の働き方

採用広報は、会社をよく見せるためだけのものではありません。入社前の期待値をそろえ、入社後に辞めにくくするためのものでもあります。

まとめ

職人採用が難しいのは、求人媒体が悪いからだけではありません。求職者が会社を比較しやすくなり、求人情報が大量に並ぶようになったことで、会社ごとの違いが見えにくくなっています。

だからこそ、これからの採用では、次の順番が大切です。

  • 誰を採りたいのかを分ける
  • 社員インタビューで自社の強みを言語化する
  • 働き方別に求人の入口を作る
  • Indeed、採用ページ、SNSの役割を分ける
  • 求人票を改善しながら運用する
  • 入社後の育成と定着まで見せる

若手は建設業をまったく見ていないわけではありません。手に職をつけたい、地元で働きたい、体を動かす仕事がしたい、将来に残る技術を持ちたい。そう考える人はいます。

ただ、その人たちに会社の魅力が届いていないだけ、というケースも多いです。

求人を出す前に、若手が自分の未来を想像できる採用導線を作ること。 そこから始めると、媒体選びも求人票づくりも、かなり具体的になります。

自社の採用導線を一度整理してみたいときは

職人採用は、求人票だけを直しても成果が出にくいことがあります。採りたい人、伝える魅力、媒体、面接、育成、定着がつながってはじめて、応募の質も入社後の残り方も変わっていきます。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用についても、「求人を出しているが応募がない」「若手に何を打ち出せばよいか分からない」「社員インタビューから採用広報を作りたい」といった段階から一緒に整理できます。

うちの場合は誰を狙うべきか、今の求人票のどこを変えるべきか、SNSやIndeedをどう使い分けるべきか。まだ方針が固まっていない段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の場としてご活用ください。

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