山陰エリアで45年以上続く8名弱の専門工事会社が、今の体制を守るために若手採用を考え始めている状況
山陰エリアで塗装・防水系の工事を手がける、ある専門工事会社の話です。
創業から45年以上。現在は2代目が会社を見ています。売上は年間1億円台前半から半ばほど。社員は社長を含めて8名弱です。
地域密着で長く続いてきた会社です。現場も、昔から付き合いのある元請けや協力会社との関係で回っています。
一方で、社員構成にははっきりした特徴がありました。
「もう全員40代以上ですから」
若手採用は考えていないわけではありません。求人も出しています。ただし、中心はハローワークです。有料媒体は使っていません。
「ハローワークに載せてるぐらいですよ」 「営業の電話はありますけど、顔も見えない人と話してもしょうがない。怪しくて使いません」
この感覚は、かなり自然です。地方の専門工事会社では、求人広告や採用サービスの営業電話が多く、どれを信じてよいか分かりにくいものです。
しかも、今の仕事がすぐ止まっているわけではありません。多いときは大変。少ないときもある。それでも、現場は何とか回っている。
だからこそ、採用の話は後回しになりやすいです。
ただ、社員が全員40代以上になっている会社では、「今すぐ困っていない」と「この先も同じように回る」は別の話です。
会社を大きくするためではなく、今の仕事量と地域での信用を守るために、採用と定着を少しずつ整える必要があります。
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- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
求人を出しても応募が少なく、入社しても辞めた理由が分からないまま次の採用に進んでいる状態
この会社の採用課題は、単に「求人媒体が弱い」という話ではありません。
もちろん、ハローワークだけでは若手に届きにくい場面があります。若い人が仕事を探す導線は、昔よりかなり変わっています。スマホで会社を調べます。仕事内容だけでなく、雰囲気や働く人、未経験でも入れるかを見ます。
ただ、それ以前に大きいのは、採用しても定着しなかった理由が会社側に残っていないことです。
若手が入社したことはあります。しかし、続かなかった。
「ゼロではないですけどね」 「入っては来ているけど、辞められたという感じです」
では、なぜ辞めたのか。
「それは聞いてないんで分からないです。身上の都合としか聞いてないんで」
ここが採用改善の出発点になります。
退職理由を責める必要はありません。引き止める必要もありません。ただ、理由が分からないままだと、次の求人票も、次の面接も、次の受け入れ方も変えられません。
たとえば、辞めた理由が次のどれだったのかで、打ち手は変わります。
- 仕事内容が想像と違った
- 体力的にきつかった
- 朝が早い、移動が多いなど生活リズムが合わなかった
- 職人との距離感に馴染めなかった
- 教わり方が分からず、不安が残った
- 給与や休みの条件が合わなかった
- 将来像が見えなかった
どれも、建設業では起こり得ることです。
そして、どれも会社だけが悪い話ではありません。入社前の期待値がずれている場合もあります。本人の適性もあります。家庭事情もあります。
それでも、「なぜ辞めたか」が見えない採用は、毎回くじ引きになりやすいです。
媒体を変える前に、まずは採用と退職の記録を会社に残す。ここから始めるほうが、少人数の会社には向いています。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」で現場を回してきた会社ほど、採用の型が会社に残りにくい
この会社には、長く地域で仕事を続けてきた会社らしい強さがあります。
派手な営業をしなくても、付き合いの長い先があります。協力会社も、ほとんど個人事業主に近い形で関係があります。繁忙期は大変でも、何とか現場を納めてきた積み重ねがあります。
一方で、採用についてはかなり自然体でした。
「来るものを拒まず、去るものを追わずですわね」 「ダメならダメで畳むかなぐらいの話ですよ」 「なるようにしかならないんですよ」
この言葉には、投げやりというより、長く自分で責任を背負ってきた経営者の感覚があります。
誰かに相談して失敗したら、その人のせいにしてしまいそうで嫌だ。自分で判断して、自分で責任を取る。そのほうが気持ちが楽。そういう考え方です。
これは、少人数の専門工事会社では珍しくありません。
ただ、採用だけは「なるようにしかならない」で進めると、年齢構成の偏りが静かに進みます。
今の社員が元気なうちは、問題が見えにくいです。40代、50代のベテランが現場を読める。段取りも分かる。元請けとの会話も早い。多少の無理も、経験で吸収できる。
しかし、5年後、10年後には状況が変わります。
若手採用は、欠員が出てから始めると間に合いにくい仕事です。
理由はシンプルです。未経験者は、入社した日から一人前には動けません。現場の安全、道具、材料、段取り、職人との会話、天候の読み方。覚えることが多いです。
塗装や防水のような専門工事では、作業そのものだけでなく、現場ごとの納まりや元請けとの調整もあります。経験者採用ができれば早いですが、地方では経験者の数も限られます。
だから、若手を採るなら、未経験者を育てる前提が必要になります。
求人を出すことより前に、「誰を採るか」「入社後にどう育てるか」「どこで辞めやすいか」を会社側が言葉にしておくことが大切です。
求人媒体を増やす前に、必要人数・採用要件・退職理由・教育体制・求人情報を順番に整えること
若手採用を進めるときは、いきなり有料媒体に出すかどうかを決めなくて大丈夫です。
まず整理したいのは、会社を維持するための採用の土台です。
採用は「どこに載せるか」より先に、「何人必要で、どんな人なら育てられるか」を決める仕事です。
1. まず「今の会社を守るために必要な人数」を置いてみる
売上を大きく伸ばすつもりがなくても、人数の見立ては必要です。
たとえば、現在8名弱で回している会社なら、次のようにざっくり置いてみます。
- 今の仕事量を維持するには、最低何名必要か
- 5年以内に体力面や年齢面で現場を離れる可能性がある人はいるか
- 社長自身が現場・営業・事務をどこまで持ち続けるのか
- 協力会社に任せられる仕事と、自社で持つべき仕事はどこか
- 未経験者を1人育てる余力が、どの時期ならあるか
精密な計画でなくて構いません。
「今すぐ10名にしたい」ではなく、「最低でもこの人数を切ると現場が苦しくなる」という線を持つことが大事です。
この線がないと、採用はどうしても「いい人が来たら採る」になります。それも悪くありません。ただ、全員40代以上になっている会社では、少し早めに補充の目安を持っておくほうが安心です。
2. 採用要件を「絶対に必要」と「入社後に教えられる」に分ける
若手採用でよく起きるのは、求人票の条件が曖昧なまま出てしまうことです。
「やる気のある人」 「体力のある人」 「未経験歓迎」
こうした言葉は便利ですが、若い人から見ると少し分かりにくいです。
会社側で、条件を分けておくと求人が作りやすくなります。
たとえば、絶対に必要なもの。
- 朝の集合時間を守れる
- 現場での安全ルールを守れる
- 分からないことをそのままにしない
- 外仕事や移動があることを理解している
- 普通免許が必要な場合は、その有無
一方で、入社後に教えられるもの。
- 道具や材料の名前
- 作業手順
- 現場での動き方
- 元請けや他職種との会話
- 施工写真や簡単な報告の仕方
未経験者を採るなら、「できる人を探す」より「教えれば伸びる人を見分ける」ほうが現実的です。
そのためには、面接でも「経験がありますか」だけでなく、「朝早い現場は大丈夫か」「外仕事の経験はあるか」「分からないことを聞けるか」など、入社後のつまずきに近い質問をするほうが合います。
3. 退職理由を責めずに、次の採用に使える形で残す
辞める人を追いかける必要はありません。
ただ、退職時に一言だけでも聞いておくと、会社の財産になります。
聞き方は重くしなくて大丈夫です。
「次に入る人のために知っておきたいんだけど、何が一番しんどかった?」 「仕事内容、職場の雰囲気、条件面で、入る前と違ったところはあった?」 「もし求人票に書いておいたほうがいいことがあるとしたら、何だと思う?」
このくらいで十分です。
ポイントは、引き止めるためではなく、次に活かすために聞くことです。
退職理由は、会社を責める材料ではなく、求人票と教育体制を直す材料です。
もし本人から聞きにくければ、退職後に短いメッセージで聞く方法もあります。返ってこないこともあります。それでも、何人かに一人でも本音が拾えれば十分です。
4. 未経験者を受け入れるなら、最初の1か月の教え方だけでも決める
少人数の会社では、教育制度を立派に作る必要はありません。
ただ、最初の1か月に何を教えるかは決めておきたいところです。
特に未経験者は、何が分からないかも分かりません。現場で立っているだけでも緊張します。職人の会話も早く聞こえます。道具の名前も分からない。自分が邪魔になっている気がして、続ける自信をなくすこともあります。
だから、最初は小さく区切ります。
- 初日:会社の仕事、現場での安全、1日の流れを説明する
- 1週目:道具・材料・車両・現場での立ち位置を覚える
- 2週目:先輩の補助作業を決めて任せる
- 3〜4週目:できる作業と不安な作業を確認する
- 1か月後:本人と10分だけ振り返る
これだけでも、若手側の安心感は変わります。
若手が辞める理由の一部は、「仕事がきつい」ではなく「自分がこの会社でやっていけるか分からない」ことです。
その不安を減らすには、先輩の背中を見て覚えるだけでなく、最初だけでも道筋を見せることが効きます。
5. 求人票は「条件」だけでなく「入社後の現実」を書く
ハローワークが悪いわけではありません。地域によっては、今でも大事な採用窓口です。
ただ、若手に届かせるには、求人票と会社の見せ方を少し変える必要があります。
特に書きたいのは、きれいな言葉よりも現実です。
- どんな建物の工事が多いのか
- 朝は何時ごろに集まることが多いのか
- 最初は何を任せるのか
- 未経験者に誰が教えるのか
- 雨の日や繁忙期はどうなるのか
- どんな人が向いているのか
- 逆に、どんな人には合いにくいのか
「若い人に良く見せる」より、入社前後のギャップを減らす求人情報にすることが定着につながります。
たとえば、塗装・防水の仕事なら、暑さ寒さ、現場移動、材料の扱い、仕上がりの面白さ、手に職がつく感覚などを、正直に書くほうが伝わります。
また、会社のホームページがあるなら、求人票と同じ内容を載せておくとよいです。若い人は応募前に検索します。そこに社長の考えや、仕事の流れ、未経験者への教え方があるだけで、応募のハードルは下がります。
まとめ
社員が40代以上ばかりになっている会社でも、すぐに大きな採用投資をする必要はありません。
まずは、今の会社を守るために必要な人数を置くことです。次に、どんな人なら受け入れられるかを整理することです。そして、辞めた理由を少しでも残し、未経験者が最初につまずく場所を減らすことです。
若手採用は、求人媒体を増やす前に、会社側の受け入れ方を整えるだけでも変わります。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」という感覚は、長く現場を回してきた会社らしい自然な姿勢です。
ただ、会社を続ける選択肢を残したいなら、少しだけ採用を「流れ任せ」から「見える形」にしておく。それだけで、次の一手が打ちやすくなります。
採用は、会社を大きくするためだけのものではありません。
今いる社員、長年の取引先、地域で積み上げてきた信用を守るための準備でもあります。
若手採用と定着を、自社の規模に合わせて整理したいときは
若手を採りたい気持ちはある。でも、何人必要なのか、どんな人を採るべきなのか、入社後にどう育てるべきなのかがまだ整理できていない。
そういう段階でも、採用の見直しは始められます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合は、まず何から考えるべきか」 「求人を出す前に、採用要件や教育体制を整理したい」 「若手が辞めた理由をどう次に活かせばよいか分からない」
このような段階でも大丈夫です。無理にサービスを勧めるのではなく、会社の状況を伺いながら、次に整理すべきことを一緒に考えます。
ものづくりに集中できる建設業界へ。採用や定着の入口を整えたい方は、必要なタイミングでご相談ください。































