社員8名規模の防水工事会社が、来年初めて技能実習生2名を迎える局面
神奈川県を拠点に、首都圏のマンションや学校まわりの防水工事を手がける、社員8名ほどの専門工事会社の話です。外注先は20名弱あり、仕事量としては自社施工と外注活用が半々に近い形で回っています。
受注は長年付き合いのある取引先からの紹介・依頼が中心で、売上は手間受けで1億円台前半。今後も急拡大というより、毎年少しずつ伸ばしながら、3〜5年で社員10名ほど、売上2億円前後をひとつの目安にしています。
採用については、高校新卒を中心に毎年1名ずつ入れて育てたいという考え方です。経験者は無理に社員採用せず、必要に応じて外注で組めばよい。そんな判断軸がはっきりしています。
その中で、来年から技能実習生を2名受け入れる予定があります。初めての受け入れであり、教育は社長がすべて抱えるのではなく、基本的には既存社員が担う想定です。
ここで大事なのは、技能実習生の受け入れは「人が増える話」であると同時に、「既存社員が教える側に回る話」でもあるという点です。単純に人数が2名増えるだけではなく、現場の段取り、教育担当、施工品質、既存社員の負荷が同時に動きます。
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- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
新しい人材が入るタイミングで、取引先開拓まで一気に広げると現場教育が薄くなりやすい
この会社には、売上を増やす余地があります。既存取引先以外から2割程度の仕事を取ることも、社長の感覚としては「動こうと思えば取れる」という状態です。防水工事だけを扱う会社や、相性のよい元請け・管理会社との接点をつくれば、新しい受注ルートを広げられる見込みもあります。
一方で、社長はすぐに動くことを選んでいません。
「やろうと思えば外注を増やせばいいだけです。ただ、下を育てたいんです」
この言葉に、専門工事会社らしい判断が出ています。売上だけを増やすなら、外注を増やす方法があります。協力会社を増やし、受けられる現場を増やせば、短期的な売上は伸ばせます。
ただし、技能実習生や高卒新卒のような未経験に近い人材を入れるなら、現場には教育の時間が必要です。既存社員が教えながら施工することになります。そこに新規取引先の開拓、協力会社の拡大、現場数の増加が同時に重なると、育成の優先順位が下がりやすくなります。
専門工事会社にとって、これは珍しい悩みではありません。人を増やすタイミングと、仕事を増やすタイミングを同時にすると、現場の処理能力ではなく「教える力」が先に詰まりやすいのです。
技能実習生の受け入れ前に考えるべき課題は、採用人数そのものではありません。むしろ、次のような点です。
- 誰が教育担当になるのか
- どの現場に配置するのか
- どの作業から覚えてもらうのか
- 既存社員の手がどれくらい取られるのか
- 外注で補う仕事と、自社で育てる仕事をどう分けるのか
- どの段階になったら新しい取引先開拓に動くのか
受け入れ前に整えるべきなのは、採用の入口だけでなく、入社後3か月〜1年をどう使うかという育成設計です。
高卒新卒を育てる文化がある会社ほど、技能実習生も既存社員の育成力に左右される
この会社は、もともと経験者採用を重視していません。経験者は外注でよい。社員として迎えるなら、高校新卒のような若い人材を一から育てたい。そうした考え方です。
これは、専門工事会社として非常に筋の通った方針です。防水工事のように、品質へのこだわりや現場ごとの判断が大事な仕事では、技術だけでなく会社のやり方も含めて覚えてもらう必要があります。
実際、この会社では「予算が低い割に、手を抜く工程が多い仕事は避けたい」「しっかりやりたい」という考えがあります。つまり、単に人を増やして現場に入れればよい会社ではありません。施工品質や仕事の進め方を守りながら、人を育てたい会社です。
そのため、技能実習生を受け入れるときも、制度上の手続きだけでは足りません。会社が大切にしている施工品質を、既存社員が日々の現場でどう伝えられるかが受け入れ成否を分けます。
ここで見落としやすいのが、教育担当になる社員の負荷です。
社長が「基本的には社員が教える」と考えている場合、教育は現場の中で行われます。すると、教える社員は自分の作業を進めながら、技能実習生の安全、段取り、作業理解、道具の扱い、現場での動き方を見なければなりません。
この負荷を軽く見積もると、現場では次のようなことが起きやすくなります。
- 教える人が日によって変わり、覚える順番がばらつく
- 忙しい現場では見て覚えてもらう形になり、習得が遅れる
- 既存社員が教えることに疲れ、教育が後回しになる
- 簡単な作業だけ任せる期間が長くなり、戦力化が遅れる
- 施工品質を守るために、結局ベテランが手直しする
もちろん、最初から完璧な教育体制をつくる必要はありません。ただ、技能実習生を迎える前に「誰が・どの現場で・何を・どの順番で教えるか」だけは決めておく必要があります。
この会社が取引先開拓を急がなかったのも、そこに理由があります。
「技能実習生が入るので、下の子が多少育てば広げてもいいかなという感じです」
この判断は、とても現実的です。受注余地があっても、まず育成の土台をつくる。下の世代が一定程度育ってから、取引先や協力会社の拡大を考える。この順番を守ることで、売上拡大が現場の負担になりにくくなります。
3か月〜1年の育成期間を前提に、教育担当・現場配置・外注活用を先に決める
技能実習生を初めて受け入れる会社は、売上計画より先に、3か月〜1年の育成計画を置くのが現実的です。
ここでいう育成計画は、立派なマニュアルをつくることではありません。現場で使える判断を、事前にそろえることです。
まず確認したいのは、教育担当です。教育担当は「技術がある人」ではなく、「教える時間を確保できる人」を軸に決めることが大切です。
ベテランが揃っていても、常に難しい現場や急ぎの現場に入っている場合、教育に時間を割けません。逆に、現場の流れを見ながら声をかけられる社員がいれば、技能実習生は日々の作業を覚えやすくなります。
次に、現場配置です。最初から負荷の高い現場に入れるより、会社の基本動作を覚えやすい現場に配置するほうがよいです。防水工事であれば、材料や工法の違い、下地の見方、養生、清掃、段取り、安全面など、現場で覚えることが多くあります。
最初の期間は、戦力として数えるより、覚える順番を優先します。
目安としては、次のような段階で見ると整理しやすくなります。
- 入社〜1か月:現場ルール、安全、道具、片付け、基本動作を覚える
- 1〜3か月:補助作業を通じて、作業の流れと段取りを覚える
- 3〜6か月:担当できる作業を少しずつ増やし、教育担当の手離れを確認する
- 6か月〜1年:現場ごとの違いに対応できる範囲を広げる
もちろん、実際の成長速度は人によって違います。重要なのは、「いつ売上に貢献するか」ではなく、「いつから既存社員の負荷を少し減らせるか」で見ることです。
この見方にすると、拡大判断もしやすくなります。
たとえば、新しい取引先を開拓するかどうかは、次の条件がそろってからでも遅くありません。
- 技能実習生が基本的な現場ルールを理解している
- 教育担当の社員が常時つきっきりでなくても回る場面が増えている
- 既存社員が教育と施工を両立できている
- 外注で補う現場と、自社で育てる現場の切り分けができている
- 新しい現場を受けても、品質を落とさない見通しがある
特に外注活用とのバランスは重要です。この会社のように、経験者は外注でよいという考え方がある場合、短期的な仕事量は外注で吸収できます。一方で、技能実習生や高卒新卒は、自社の将来の施工力をつくる存在です。
つまり、外注は売上と現場量を支える手段、自社採用は将来の施工品質と組織を支える手段として分けて考えると、判断がぶれにくくなります。
取引先開拓も同じです。今すぐ大きく広げるのではなく、まずは既存取引先の仕事を安定して回しながら、技能実習生の育成状況を見ます。3か月後、半年後、長くても1年ほどの節目で、次のように確認します。
- どの作業まで任せられるようになったか
- 教育担当の負荷は下がっているか
- 既存社員の残業や段取り負担は増えていないか
- 外注に頼るべき現場と、自社で経験させる現場が分けられているか
- 追加で仕事を受けても、教育が止まらないか
ここまで見えてから、2割程度の新規受注ルートをつくる。あるいは、協力会社を少し増やす。そうした順番のほうが、会社に無理が出にくくなります。
技能実習生の受け入れは、採用施策ではなく、事業拡大の順番を見直すきっかけです。
まとめ
技能実習生を受け入れる前に考えるべきことは、「人が増えるから売上も増やせる」という単純な話ではありません。
特に社員数が一桁から10名規模へ向かう専門工事会社では、既存社員が教える側に回ります。教育担当、現場配置、技能習得までの期間、外注活用とのバランスを決めないまま受注を広げると、現場教育が後回しになりやすくなります。
今回の会社のように、売上拡大の余地があっても「技能実習生が入り、下の子が多少育ってから広げる」と考えるのは、堅実な判断です。
まずは3か月〜1年の育成期間を見据え、既存社員が教えられる体制を整える。そのうえで、取引先開拓や協力会社拡大に進む。
この順番を守ることで、新しい人材を受け入れながら、施工品質も会社のペースも守りやすくなります。
技能実習生の受け入れ前に、自社の教育体制を一度整理する
技能実習生や高卒新卒を迎えるときは、採用の入口だけでなく、入社後に誰がどう育てるかまで見ておく必要があります。
「うちの場合、どの社員に教育を任せるべきか」「新しい人材が育つまで、外注と自社施工をどう分けるべきか」「取引先開拓はいつ動くのがよいか」といった整理は、会社ごとの現場体制によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。技能実習生の受け入れや若手育成をきっかけに、教育体制や事業拡大の順番を見直したい場合は、次の整理先としてご活用ください。
無理な営業はいたしませんので、「まだ何から考えるべきかわからない」という段階でも大丈夫です。






























