首都圏の内装系積算支援会社で、30分動画と20本ほどの操作動画はあるが教育設計を作り直したい状況
ある首都圏の内装系専門工事に関わる会社では、積算ソフトの操作研修動画をすでに持っていました。30分ほどにまとめた動画があり、さらに細かく分割した20本前後の動画もあります。
ただ、次に求められていたのは、単なる操作説明の動画ではありませんでした。社内外の積算人材を育てるために、「図面の見方」と「積算ソフトの使い方」をつなげた動画コンテンツを、できるだけ早く整備したいという話です。
現場で出ていた言葉を借りると、「図面の見方の動画はあるけれど、基本の木に近い。見たからといって、すぐ拾えるわけではない」という状態でした。
ここが、多くの建設会社にとっても共通するポイントです。積算の教育は、図面を読むだけでも足りず、ソフトのボタン操作を覚えるだけでも足りません。図面から何を読み取り、どの数量をどう拾い、ソフト上でどの操作に落とすのかまでつながって、初めて実務の教育になります。
1週間で 6件ダウンロード されました
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
長い動画や口頭指導のままでは、図面を読む力とソフト操作がつながらない
積算人材の育成で起きやすい問題は、教育コンテンツがあっても、実務の流れに沿っていないことです。
今回の会社にも、既存の研修資産はありました。図面の見方に関する外部講師の動画が数本あり、積算ソフトの操作動画もありました。画面操作のスクリーンショットを使い、原稿を作ってAI音声で読ませ、アニメーション形式にした動画も制作済みでした。
それでも課題が残っていたのは、「図面を見る」研修と「ソフトを操作する」研修の間に、拾い方の考え方が抜けやすいからです。
たとえば、新人や経験の浅い担当者にとっては、次のような段階がすべて別物に見えます。
- 図面の種類や記号を理解する
- 平面図、天井伏図、断面図などから必要情報を探す
- どの部位を拾うべきか判断する
- 数量の拾い方を理解する
- 積算ソフトのどの画面で入力・計測するか覚える
- 入力結果が見積や材料数量にどうつながるか確認する
熟練者は、この流れを頭の中で自然に処理しています。しかし教える側が慣れているほど、途中の判断を言語化しないまま「ここを拾って」「この画面で入力して」と進めがちです。
その結果、教わる側は操作手順は真似できても、少し図面が変わると応用できません。積算教育で本当に動画化すべきなのは、操作そのものだけでなく、熟練者が無意識に行っている判断の順番です。
原稿を書ける人が限られ、熟練者の知見が動画になる前に止まりやすい
動画研修を作るとき、撮影や編集よりも先に詰まりやすいのは原稿です。
今回の会社でも、既存の操作動画は外部に制作を依頼していました。とはいえ、シナリオや原稿は社内で作っています。理由は明確で、積算ソフトの説明原稿は、ソフトと積算実務を分かっている人でないと書けないからです。
実際に、原稿を作れる人は社内でもかなり限られていました。経験者であっても、いきなり任せればよいわけではなく、出来上がった原稿の確認や修正は必要になります。
また、図面の見方についても、既存の講習動画をそのまま渡せば済む話ではありませんでした。契約や視聴権限の問題もあり、URLを社外に展開することはできません。さらに、講習動画は「事前に見る基礎研修」としては使えても、積算ソフトの実務操作まで自然につながる構成ではありませんでした。
ここから見えるのは、建設会社の教育コンテンツづくりでよくある構造です。
動画制作のボトルネックは、カメラや編集ソフトではなく、社内の熟練者の知見を研修用の原稿に変換する工程にあります。
今回も、積算能力の高い外部協力者が、ソフトの細かい機能を書き出す作業を進めていました。計測画面の機能だけでも相当な行数になるほど、実務には細かい判断や操作が積み上がっています。
このような人材は、動画研修づくりでも力を発揮する可能性があります。ただし、積算ができることと、研修原稿を分かりやすく書けることは別です。任せきりにするのではなく、テーマ、粒度、確認方法を決めて進める必要があります。
5分単位のテーマ動画に分け、図面の基本から拾い方、ソフト操作まで段階的につなぐ設計
積算研修の動画化は、長い講義を短く切るだけではうまくいきません。先に決めるべきなのは、受講者がどの順番で理解すれば、実務の積算に近づけるかです。
今回のように「図面の見方」と「積算ソフトの使い方」を動画化するなら、1本30分の総合動画よりも、5分程度のテーマ別動画に分ける方が実務に向いています。見返しやすく、必要な部分だけ確認できるからです。
進め方は、次の4段階で整理すると作りやすくなります。
1. 既存動画を棚卸しして「そのまま使うもの」と「作り直すもの」を分ける
まず、すでにある動画をすべて確認します。
- 図面の見方の基礎動画
- 積算ソフトの30分操作動画
- 20本前後に分かれた短尺の操作動画
- 画面操作のスクリーンショットや原稿
- 社内で作った仕様書、機能一覧、操作説明資料
ここで大切なのは、動画の有無ではなく、役割を分けることです。
既存動画は、完成品として使うだけでなく、新しい研修動画の原稿素材として使えます。 たとえば外部講師の基礎動画は、音声を文字起こしして要点を整理すれば、「図面を見る前提知識」の原稿づくりに活かせます。
ただし、契約上そのまま配布できないものは、権利関係を確認したうえで、社内原稿として再構成する必要があります。
2. 「図面の基本」と「拾い方の考え方」を分けて作る
図面の見方の動画は、基礎編だけでは実務に届きません。
「平面図とは何か」「記号はどう読むか」といった基本は必要ですが、それだけでは数量を拾えるようにはなりません。そこで、次のように分けます。
- 図面の基本を理解する動画
- 積算で見るべき図面を判断する動画
- 部位ごとに拾う情報を確認する動画
- 拾い漏れしやすい箇所を確認する動画
- ソフトに入力する前に整理する情報を確認する動画
ポイントは、図面を読む研修を、積算するための読み方に寄せることです。
建設業の教育では、「図面を読める」と「積算できる」の間に大きな段差があります。この段差を埋める動画を作らないと、受講者はソフト操作に入った瞬間に手が止まります。
3. ソフト操作動画は、機能別ではなく実務シーン別に並べ替える
積算ソフトの動画は、機能説明になりがちです。
もちろん機能ごとの説明も必要です。ただ、実務者が知りたいのは「このボタンは何か」だけではなく、この図面を見たときに、どの画面を開き、どの順番で入力すればよいかです。
そのため、動画の並びは機能別だけでなく、実務シーン別にも設計します。
たとえば、次のような単位です。
- 新しい案件を登録する
- 図面を取り込む
- 計測画面を開く
- 壁・天井・床など部位ごとに拾う
- 拾った数量を確認する
- 修正ややり直しをする
- 見積や材料数量に反映する
既存の20本前後の操作動画がある場合は、ゼロから作り直す必要はありません。まずは既存動画を5分前後の実務テーマに再編集・再配置するだけでも、研修としての使いやすさは大きく変わります。
4. 熟練者の知見は、いきなり動画にせず原稿化してから制作する
動画制作を急ぐほど、すぐ撮影したくなります。しかし、積算研修では先に原稿を作る方が安定します。
今回の会社でも、既存動画は「原稿を作り、画面素材を用意し、AI音声で読ませ、外部制作会社が整える」という形で作られていました。この方法は、属人性を下げるうえで有効です。
特に積算教育では、次の順番が現実的です。
- 熟練者に作業手順を話してもらう、または箇条書きにしてもらう
- その内容を研修用の原稿に整える
- 画面キャプチャや操作動画を用意する
- 5分単位の動画台本に分ける
- 熟練者が内容を確認する
- 音声・アニメーション・画面収録を制作する
- 受講者に見せて、分かりにくい箇所を修正する
ここで重要なのは、熟練者に動画制作まで背負わせないことです。熟練者の役割は、判断基準と実務の流れを出すこと。制作側の役割は、それを学習しやすい形に変えることです。
この分担ができると、社長や一部のベテランだけに教育が集中する状態を少しずつ変えられます。
まとめ
積算人材を育てる動画研修は、長い講義動画や操作説明を並べるだけでは十分に機能しません。
大切なのは、図面の基本、拾い方の考え方、積算ソフトの操作を、受講者の理解順に並べることです。
今回の事例でも、既存の30分動画や20本前後の操作動画、外部講師の基礎動画、社内の熟練者の知見など、素材はすでにありました。課題は、それらを研修コンテンツとして再設計することでした。
積算教育を動画化するなら、まずは次の3つを整理すると進めやすくなります。
- 既存動画や資料のうち、再利用できるものは何か
- 図面の見方とソフト操作の間に、どんな判断が挟まっているか
- 原稿を書ける人、内容を確認できる人、制作できる人をどう分担するか
積算の教育は、属人化しやすい業務だからこそ、いきなり完璧な教材を目指すより、5分単位で使える動画を積み上げる方が現実的です。 まずは「新人が何度も聞き返している説明」から動画にしていくと、現場の負担も下がりやすくなります。
自社の積算教育を動画化する前に、業務の流れから整理する
図面の見方や積算ソフトの使い方を動画にしたいと思っても、どこから切り出せばよいか迷う会社は少なくありません。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。積算人材の育成や教育コンテンツづくりについても、「うちの場合は何から動画にすべきか」「社内の熟練者の知見をどう原稿化すべきか」といった段階から一緒に整理できます。
ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、無理に大きな仕組みを入れるのではなく、今ある資料や人材を活かす進め方を考えていきます。無理な営業はいたしませんので、まずは状況の整理先としてご相談ください。
































