関東圏の専門工事会社で、採用施策より先に社長・会長・担当者の意思決定が詰まっていた状況
関東圏で専門工事を手がける、30名弱規模の建設会社の例です。若手採用を進めるために、ホームページ改修、学校訪問、求人票の整備、Indeedのような求人媒体への掲載などを検討していました。
ただ、採用施策そのものの良し悪し以前に、社内の意思決定がうまく噛み合っていませんでした。
たとえば、ホームページ改修の提案をした際、社長からは「100万円はうちには厳しい」という反応がありました。一方で、会長は採用に対する意識が高く、会社として前に進めたい気持ちを持っているように見える。さらに、学校訪問についても、別の担当者がすでに組合経由で動いていたことが後から分かり、予定していた訪問の意味合いが変わる場面がありました。
採用プロジェクトが止まる原因は、求人票やホームページの完成度だけではなく、「誰が何を決めるのか」が曖昧なまま進んでいることにあります。
建設業の中小企業では、社長、会長、後継者、現場責任者、総務担当者がそれぞれ採用に関わります。ところが、関係者が多いほど、採用活動は「良い施策を出せば進む」ものではなくなります。
誰が本当に採用を成功させたいと思っているのか。誰が予算や方向性を止められるのか。誰が実務を動かすのか。ここが見えないまま外部支援や制作会社を入れても、施策は途中で止まりやすくなります。
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- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
ホームページ改修、学校訪問、求人掲載がそれぞれ止まり、採用の前に社内調整が必要になっていたこと
この会社で起きていた課題は、採用活動が複数の場所で少しずつ止まっていたことです。
ホームページ改修では、採用力を高めるために必要な投資として提案が進んでいました。しかし、社長の費用感に対する抵抗が出たことで、判断が止まりました。もちろん、100万円前後の投資を慎重に見るのは自然なことです。ただし、問題は金額そのものよりも、その投資を誰が採用上必要と判断するのかが定まっていなかったことです。
学校訪問でも、似たことが起きていました。ある日程で高校訪問を組もうとしたところ、実は別の担当者がすでに組合の行事として指定校を回っていたことが後から分かりました。社内では「会長に任せたので、よく分からなかった」というような状態になっており、外から見ると、誰が採用活動の全体像を握っているのかが見えにくくなっていました。
求人掲載についても同じです。中途・第二新卒の採用を並行して進めるなら、求人媒体の登録や原稿承認を早めに進める必要があります。しかし、ここも担当者の確認待ちや社内の判断待ちで止まりやすい状態でした。
採用活動としては、次のような施策が並んでいました。
- 採用向けホームページの改修
- 高校訪問の総括と次年度に向けた学校対応
- 専門学校への訪問
- 会社案内や写真素材の整備
- Indeedなどへの求人掲載
- 第二新卒・中途採用の検討
どれも採用に必要な打ち手です。しかし、施策が多い会社ほど、「施策の優先順位」より先に「意思決定の流れ」を整えないと進まなくなります。
外部の支援者が動いても、社内でメールが見られていない、会長と社長の意向が共有されていない、現場責任者が何を担うのか決まっていない、という状態では、毎回確認からやり直しになります。
その結果、採用のスピードが落ちるだけでなく、社内にも「結局、何をやることになっているのか」という迷いが残ります。
採用に前向きな会長と慎重な社長の間で、実務担当者が全体像を持ちにくくなっていたこと
背景にあったのは、社長・会長・実務担当者の温度差です。
会長は、採用を会社の重要課題として捉えているように見えました。採用を成功させたい、若手を入れたい、会社の将来に向けて動きたいという意向が強い。一方で、社長は日々の経営や費用面を見ながら、すぐに決めきれない場面がある。さらに、実務担当者は現場や事務の動きも抱えながら、採用活動の一部を担っている。
この構造自体は、建設業では珍しくありません。
先代である会長が会社の将来を強く案じ、後継側の社長が足元の資金繰りや現場運営を見て慎重に判断する。現場責任者や総務担当者は「社長の指示なのか、会長の意向なのか」が見えないまま、学校対応や求人票対応を進める。こうなると、誰も悪気はなくても、採用プロジェクトは前に進みにくくなります。
特に難しいのは、会議の場では大きな反対が出ていないように見えることです。
会長が「それはそれでいいと思いますよ」と受け止める。社長が「一度考えます」と持ち帰る。担当者が「確認しておきます」と言う。表面上は穏やかに進んでいるように見えます。
しかし、次の会議までに何も決まっていない。メールが確認されていない。日程が返ってこない。別の担当者が別ルートで動いていたことが後から分かる。
採用が止まっているように見える会社では、実際には採用ではなく、社内の情報共有と意思決定の設計が止まっていることがあります。
この状態で外部パートナーがやってはいけないのは、担当者だけを責めることです。「なぜ返事がないのか」「なぜ決めないのか」と詰めても、構造は変わりません。
見るべきは、次の3点です。
- 採用を本気で成功させたい人は誰か
- 予算や方針を実質的に止められる人は誰か
- 実務を動かす人が、誰の意向に基づいて動けばよいのか
この3つが揃わないまま、ホームページ、学校訪問、求人媒体を並行して進めると、施策ごとに判断者が変わり、毎回ブレーキがかかります。
真のキーパーソンを押さえたうえで、会議前の意向確認と会議中の決定事項を分けて進めること
採用プロジェクトを前に進めるには、施策の提案より先に、意思決定の進め方を設計することが大切です。
この会社のように、会長の採用意欲が高く、社長が慎重で、担当者が実務を担う構造では、まず真のキーパーソンを見極めることが出発点になります。
ここでいうキーパーソンは、役職が一番上の人とは限りません。次のように分けて考えると整理しやすくなります。
- 採用を成功させたい意思が一番強い人
- 予算や投資判断に影響を持つ人
- 現場や事務を実際に動かす人
- 学校や応募者との窓口になる人
- 外部パートナーと日々やり取りする人
今回のようなケースでは、会長が採用成功への意欲を強く持ち、社長が費用や実行判断を握り、実務担当者が学校訪問や求人掲載を動かす構造でした。であれば、会議の場でいきなり全員に判断を求めるのではなく、事前に会長の意向を確認しておくことが有効です。
たとえば、会議前に次のような確認をしておきます。
「採用を成功させるうえで、ホームページ改修や写真素材の整備は必要だと見ています。会長としては、どこまで進めたいお考えですか」
「学校訪問は高校だけでなく、専門学校も含めて動く流れになっています。会社として、今年はどこまで採用活動を広げたいですか」
「社長が費用面を慎重に見ているようですが、採用投資としてどこまで許容するイメージでしょうか」
ここで大事なのは、会長を社長の反対側に置かないことです。社内を分断するためではなく、会社としての意向を事前に言語化し、会議で迷子にならないようにするための確認です。
そのうえで、会議では「持ち帰り」を減らします。
持ち帰りが必要な場合もあります。ただ、何でも持ち帰りにすると、次の会議でまた同じ話になります。会議で決めるべきこと、持ち帰るなら期限を切ることを分ける必要があります。
たとえば、次回会議のアジェンダは次のように具体化します。
- 高校訪問の結果を整理し、来年も継続する学校を決める
- 専門学校訪問を進めるかどうかを決める
- ホームページ改修の予算上限と依頼先の方向性を決める
- 求人媒体に掲載する職種と原稿の承認者を決める
- 第二新卒・中途採用を並行するかどうかを決める
- 決まらない項目は、誰がいつまでに判断するかを決める
会議のゴールは「話し合うこと」ではなく、「次に誰が何をいつまでに動かすか」を決めることです。
特に採用活動では、時期を逃すと学校訪問や求人掲載の効果が落ちます。だからこそ、会議の場で結論が出ない場合でも、期限を必ず置きます。
たとえば、ホームページ改修であれば「今月中に依頼先を決める」「費用上限を社長と会長で3日以内に確認する」。求人掲載であれば「原稿案を会議当日に確認し、修正がなければ翌営業日に掲載する」。学校訪問であれば「高校訪問は総括、次は専門学校訪問に切り替える」といった形です。
外部パートナーとの連携も、ここで役割を明確にしておくと動きやすくなります。
外部側が担うことは、採用市場の見立て、求人原稿の作成、ホームページや会社案内の方向性整理、学校訪問の進め方の提案です。一方で、社内側が決めるべきことは、採用したい人物像、予算、最終承認者、応募者対応の窓口です。
ここを混同すると、外部側がいくら動いても「社内確認待ち」で止まります。
外部パートナーを活かすには、社内の意思決定者と実務担当者をつなぐ役割を、あらかじめ決めておくことが欠かせません。
採用プロジェクトが止まっているときは、施策を増やすよりも、まず次の順番で整理すると進めやすくなります。
- 採用の最終目的を確認する
- キーパーソンを役割別に整理する
- 会議前に重要人物の意向を確認する
- 会議では決定事項と保留事項を分ける
- 保留事項には期限と確認者を置く
- 外部パートナーの役割と社内承認者を明確にする
この流れを作るだけで、ホームページ改修、学校訪問、求人掲載のような複数施策が同時に動いても、判断が散らばりにくくなります。
まとめ
採用プロジェクトが進まないとき、原因は求人媒体やホームページだけにあるとは限りません。
社長、会長、後継者、現場責任者、総務担当者の間で、誰が何を決めるのかが曖昧なまま進んでいると、どれだけ良い施策を用意しても途中で止まります。
特に建設業の中小企業では、採用は単なる人事業務ではなく、会社の将来、現場体制、資金感覚、後継体制が重なるテーマです。だからこそ、採用施策を始める前に、意思決定の流れを整えることが成果への近道になります。
押さえるべきポイントはシンプルです。
- 採用を本気で進めたい人を見極める
- 予算や方針を止められる人を確認する
- 実務担当者に何を任せるかを決める
- 会議前に重要人物の意向を確認する
- 会議では持ち帰りを減らし、期限を切る
- 外部パートナーと社内承認者の役割を分ける
採用活動は、求人を出せばすぐに結果が出るものではありません。ただ、社内の認識が揃うと、ホームページ、学校訪問、求人掲載、応募者対応が一つの流れになります。
採用で最初に整えるべきものは、求人票ではなく「会社としてどう決めるか」かもしれません。
採用が止まっている理由を、施策ではなく意思決定から整理する
若手採用を進めたいのに、ホームページ、学校訪問、求人掲載のどこかで止まっている。社長、会長、現場責任者の意向が少しずつ違い、何から決めればよいか分からない。
そのような段階では、採用施策を増やす前に、社内の意思決定と役割分担を整理するだけで進み方が変わることがあります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用、人材定着、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで、現場の実態に合わせて経営課題を整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合は、誰を巻き込んで進めるべきか」「採用が止まっている本当の理由を整理したい」という段階でも構いません。無理な営業はいたしませんので、状況の整理先としてお声がけください。
































