前提

東海地方の内装会社が、専属職人頼みから社員職人体制へ踏み出そうとしている現在地

東海地方で内装系の専門工事を営む、創業40期目前の会社の話です。長く付き合っている職人さんが多く、現場はほぼ専属に近い職人に支えられてきました。

社長は、景気が悪いときに職人を切り、忙しいときだけ呼ぶような付き合い方を好んできませんでした。リーマンショックの頃には「1週間前まで1,000万円で取れた工事が、翌週には500万円でも取れた」というような厳しい局面もありました。それでも、できるだけ安定して仕事を出し、職人さんが安心して腕を発揮できる関係を大切にしてきた会社です。

一方で、建設業全体の職人不足は避けて通れません。社長の言葉にも、危機感と前向きさが混じっていました。

「本当は15、16年前から、若い職人を育てないといけないとは分かっていました。でも技術を身につけるには、5年から10年はかかるんです」

ここで考えたいのは、単に「職人を社員化するかどうか」ではありません。協力職人・専属職人に支えられてきた会社が、社員職人を育てる会社へ移るなら、採用人数・育成期間・売上・キャッシュフローを5年単位でそろえて考える必要があります。

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  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

社員職人を採りたい気持ちはあるが、固定費と仕事量の見通しが経営判断を難しくしている

社員職人体制への移行で最初にぶつかるのは、固定費の重さです。外注や専属職人であれば、仕事量に応じて発注量を調整できます。しかし社員として抱えると、仕事が薄い月でも給与・社会保険・道具・教育時間は発生します。

この会社でも、社長はかなり具体的に悩んでいました。

「社員にすると固定費がかかります。じゃあ、どうやって仕事量を出していくのか。キャッシュフローはどうなるのか。そこを見ないといけないんです」

すでに5年計画のたたき台もありました。毎年1名ずつ採るのか、隔年で2名ずつ採るのか。最終的に社員職人を6名増やし、既存の社員職人と合わせて7名体制を目指すような案です。

ここで論点になるのは、採用人数だけではありません。

  • 1名採用だと、若手が孤立しないか
  • 2名採用だと、教育負荷と固定費が一気に増えないか
  • 採用した若手に、現場で任せられる仕事をどの段階で渡すか
  • 既存の専属職人との仕事配分をどうするか
  • 社員職人が稼働するだけの受注量を確保できるか
  • 社員化によって、給与・福利厚生・評価制度をどこまで整えるか

社員職人の採用は、人事の話である前に、5年後の施工体制と売上構造をどう作るかという経営判断です。

背景

専属職人との信頼関係を守ってきた会社ほど、次世代への技術継承で悩みが深くなる

この会社の悩みが生々しいのは、今の職人さんとの関係を大切にしてきたからです。外注を単なる変動費として見てきた会社であれば、「足りない分を採る」「外注費を社員給与に置き換える」と考えやすいかもしれません。

しかし、長く支えてくれた専属職人がいる会社では、社員職人を増やすことが既存職人との関係にも影響します。若手社員に現場経験を積ませるには、当然、仕事を渡す必要があります。すると、これまで専属職人に出していた仕事の一部を社内に寄せる場面も出てきます。

だからこそ、社員職人体制への移行は「外注から内製へ」という単純な置き換えではありません。既存職人との信頼を維持しながら、若手に技術と仕事量を段階的に渡していく設計が必要です。

また、若い人を採る前提も変わっています。昔のように「見て覚えろ」「現場で揉まれろ」だけでは、入り口でつまずきます。社長も、ものづくりに興味がある若い人へ、会社の魅力をどう伝えるかを考えていました。

「安定して、自分の技術を磨いて、それが形になって、世の中の役に立っていると実感できる。そういう組織でありたいんです」

この言葉は、社員職人体制を考えるうえで大事です。若手は「稼げるか」だけでなく、どんな技術が身につくか、どんな人と働くか、どんな成長の道筋があるかを見ています。

一方で、会社側には受け入れ体制が必要です。倉庫の一部を使って練習場を作り、余った材料で施工練習をする。現場に出る前に、安全面や基本動作を体験できるようにする。こうした構想も出ていました。

採用だけを先に走らせると、入社後が手探りになります。社員職人化は、採用・育成・現場配属・評価を同時に考えるテーマです。

解決

5年計画は「何人採るか」ではなく「何年目に何を任せ、いくら稼働させるか」から逆算する

社員職人体制へ移るなら、最初に作るべきは採用計画表ではなく、5年の事業シミュレーションです。人数だけを決めても、現場で任せる仕事、教育する人、売上に変わる時期が見えなければ、固定費の不安は消えません。

考え方は、次の順番が現実的です。

1つ目は、5年後の施工体制を決めることです。 5年後に社員職人を何名体制にしたいのか。その人たちは、どの工種・どの工程・どの現場規模を担うのか。既存の専属職人には、引き続きどの領域をお願いするのか。ここを先に置きます。

2つ目は、年次ごとの戦力化ラインを置くことです。 たとえば1年目は基礎作業と安全、2年目は部分工程、3年目は小規模現場の主担当補佐、4〜5年目で後輩指導も含める、といった形です。細かい制度でなくても構いません。大事なのは、「何年目で、どの程度の売上貢献を期待するか」を置くことです。

3つ目は、採用人数を1名ずつにするか、2名ずつにするかを決めることです。 1名採用は固定費を抑えやすい一方、若手が相談相手を持ちにくく、孤立しやすい面があります。2名採用は教育負荷と給与負担が増えますが、同期・バディの関係を作りやすくなります。

この会社でも「1名だと相談相手がいない。2名ずつのほうがいいのかもしれない」という話が出ていました。これは多くの専門工事会社に共通する悩みです。

判断軸はシンプルです。

  • 教える側に、2名を同時に見る余力があるか
  • 2名分の固定費を、最低何年耐えられるか
  • 2名に経験させるだけの現場量を確保できるか
  • 同期採用によって定着率が上がる見込みがあるか
  • 既存職人との仕事配分に無理が出ないか

「採れる人数」ではなく、「育て切れる人数」で刻むことが、社員職人化の失敗を減らします。

4つ目は、キャッシュフローを年単位で見ることです。 社員職人は、採用直後から外注費削減や売上増に直結するわけではありません。むしろ最初は、給与を払いながら教育時間を投資する期間になります。だから、5年計画には少なくとも次の数字を入れておきたいところです。

  • 採用人数ごとの年間人件費
  • 社会保険・道具・車両・研修などの付随費用
  • 1年目〜5年目の想定稼働率
  • 外注費から社員施工へ移せる金額
  • 追加で必要になる受注額
  • 資金繰り上、赤字投資として耐える期間

ここまで置くと、「毎年1名」「隔年2名」「初年度だけ1名で試す」などの選択が感覚論ではなくなります。

5つ目は、社員職人が安心して技術を発揮できる仕組みを整えることです。 給与・休日・福利厚生・評価制度は、若手にとって入社判断の材料になります。加えて、現場に出る前の練習環境、先輩との関わり方、どの資格や技能をいつ身につけるかも見えるようにしたいところです。

完璧な制度を最初から作る必要はありません。むしろ、最初は粗くてよいです。大事なのは、「この会社に入れば、何を覚え、何年後にどうなれるのか」が若手にも既存社員にも見える状態を作ることです。

まとめ

協力職人・専属職人に支えられてきた会社が、社員職人体制へ移るのは大きな転換です。ただ、いきなり大きく変える必要はありません。

まずは5年後の施工体制を置き、そこから採用人数、育成年数、売上貢献、キャッシュフローを逆算する。1名採用か2名採用かは、固定費だけでなく、若手の孤立防止や教育体制まで含めて考える。既存職人との関係も、仕事を奪う・奪われるではなく、次世代へ技術と現場をつなぐ設計として扱う。

この順番で整理すると、社員職人化は重たい賭けではなく、段階的に進められる経営計画になります。

社員職人を抱えるかどうかの判断は、「今すぐ内製化するか」ではなく、「5年後も施工力を持ち続ける会社にするか」という問いから考えると、次の一手が見えやすくなります。

うちの社員職人計画をどう組むか整理したいときは

社員職人体制への移行は、採用だけでも、育成だけでも、原価だけでも整理しきれません。採用人数、育成期間、既存職人との関係、現場の仕事量、キャッシュフローを横につないで考える必要があります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。「社員職人を採るべきか迷っている」「5年計画を数字に落としたい」「採用後の育成体制まで見直したい」という段階でも大丈夫です。

無理な営業はいたしませんので、まずは自社の場合に何から整理すべきかを話す場としてご活用ください。

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