新築戸建ての仕事はあるが、7名規模では月3,000万円前後が見えても目が届く範囲を崩せない会社の現在地
北関東で木造住宅まわりの専門工事を手がける、創業20年弱の工事会社の話です。社員は7名規模で、全員が現場職人。主な仕事は大手住宅会社や地域の有力工務店からの新築戸建て工事で、リフォームはほとんどありません。
直近の売上は2億円台後半から3億円前後。仕事がまったくないわけではなく、むしろ取引先の伸びに合わせて、もう少し受けられる可能性も見えています。社長自身も「最低でも3億から3億5千万円くらいはやっていきたい」という感覚を持っています。
ただ、そこでブレーキになるのが施工体制です。
社長はこう話していました。
「広げすぎて目が行き届かなくなるのが一番怖いんです。お客様にとっては一生に一度建てるかどうかの大事な家なので、こなせばいいという話ではないんですよね」
この感覚は、多くの専門工事会社に共通します。仕事はある。売上も伸ばしたい。でも、人を増やした結果、品質が落ちて元請けや施主の信頼を裏切るくらいなら、むやみに拡大したくない。
この会社では、社長の親族にあたる次世代の職人が二番手として現場を見ており、職人兼指導役の役割も担っています。従業員はあと2〜3名なら増やせるかもしれない。一方で、外注先も含めて増えすぎるとローテーションや品質管理が難しくなる。
つまり、単なる「人手不足」ではありません。品質を守れる範囲で、どこまで自社職人と協力会社を増やすかという、工事会社らしい悩みです。
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- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
- 6月16日電気設備工事会社東京都
- 6月15日総合土木千葉県
- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
- 6月14日内装工事会社栃木県
- 6月14日塗装工事会社神奈川県
- 6月13日解体工事会社神奈川県
- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
職人や外注先を増やすほど、クレームのない仕事を守る難しさが増える
この会社の課題は、採用人数そのものよりも、任せられる人をどう増やすかにあります。
職人を増やす方法は、大きく分けると二つあります。
- 自社職人を採用して育てる
- 協力会社や一人親方に外注する
どちらも必要です。ただし、どちらにも難しさがあります。
自社職人を採用する場合、未経験者を入れてもすぐには戦力になりません。住宅の現場では、納まり、段取り、元請けごとのルール、近隣対応、現場での判断など、図面やマニュアルだけでは覚えきれないことが多くあります。
「入って1か月で品質が担保できるか」と言えば、現実には難しい。2年、3年と現場で覚えて、ようやく任せられる仕事が増えていく会社も多いはずです。
一方、協力会社を増やす場合は、即戦力として期待できる反面、品質のばらつきが出やすくなります。この会社でもホームページ経由などで協力会社の応募はあり、実際に付き合いを始めることもあるそうです。
ただ、社長はこう言います。
「一度は見てみないとわからないんです。でも、仕事の正確性が足りない人もいる。猫も杓子も誰でもいい、というわけにはいかないんですよ」
ここが本質です。協力会社を増やすこと自体は悪くありません。問題は、増やした後に自社の品質基準で見極め、残す・任せる・止めるを判断できる運用があるかどうかです。
実際、この会社では改善が見込めない外注先とは継続取引をしていません。これは冷たい判断ではなく、元請けとの信頼関係を守るために必要な線引きです。
工事会社にとって、クレームのない仕事は「当たり前」に見られがちです。しかし、その当たり前を守るためには、職人の腕だけでなく、誰にどこまで任せるかの判断が欠かせません。
自社職人・外国籍の即戦力・協力会社が混ざるほど、品質基準の見える化が必要になる
この会社では、社員のうち半数以上が外国籍の職人です。最近入った2名は、別の地域の会社で5〜6年ほど経験を積んだ特定技能の人材で、入社後すぐに現場で力を発揮していました。
社長はその2名について、かなり前向きに話していました。
「何も教えなくても、仕事の内容がきちんとしているんです。ちゃんと真面目に教わってきたんだなと。こういう即戦力が来てくれるなら本当にありがたいですね」
この話から見えるのは、外国籍人材か日本人かという単純な区分ではありません。大事なのは、これまでどんな環境で、どんな基準で仕事を覚えてきたかです。
経験5〜6年と聞いても、実際の施工精度は人によって違います。協力会社も同じです。「職人歴が長い」「一人親方としてやっている」「以前も同じ工種をやっていた」と聞いても、自社の現場で通用するかは別問題です。
だからこそ、人を増やす段階では、次のようなズレが起きやすくなります。
- 元請けごとの施工基準を理解しているか
- 仕上がりの許容ラインが自社と合っているか
- 報告・連絡・相談のタイミングが合っているか
- 手直しへの姿勢が合っているか
- 現場で勝手な判断をしないか
- 社長や二番手が見ていない現場でも同じ品質を出せるか
少人数のうちは、社長が現場を見て、気づいたところをその場で直せます。二番手が近くにいれば、若手や新しい職人にも目が届きます。
しかし、自社職人が2〜3名増え、協力会社も増え、現場数も増えていくと、社長の目だけでは追いきれません。拡大の壁は、職人不足ではなく「社長の目の代わりになる基準が会社にあるか」で決まります。
この基準がないまま人を増やすと、社長が一番避けたい「こなすだけの仕事」に近づいてしまいます。逆に、基準があれば、採用も外注先開拓も進めやすくなります。
採用と協力会社開拓を同時に広げる前に、任せる基準と試し方を決めておく
施工体制を広げるときは、まず「何人増やすか」よりも、どの仕事を、どの基準を満たした人に、どこまで任せるかを決めることが先です。
この会社のように、仕事の品質を大切にしてきた会社ほど、拡大は慎重でいいです。ただし、慎重であることと、何も準備しないことは違います。目の前の仕事をきちんとこなしながら、少しずつ任せる範囲を広げる設計が必要です。
進め方は、次の順番が現実的です。
1. 「任せてよい仕事」と「まだ任せない仕事」を分ける
最初から一棟丸ごと、あるいは重要な工程をすべて任せる必要はありません。自社職人でも協力会社でも、まずは任せる範囲を分けることが大切です。
たとえば、次のように整理します。
- 二番手やベテランが同行すれば任せられる仕事
- 写真報告があれば任せられる仕事
- 元請けの検査前に必ず自社確認を入れる仕事
- まだ社長または二番手が見るべき仕事
「任せるか、任せないか」の二択にしないことがポイントです。 段階を分ければ、採用した職人も協力会社も試しやすくなります。
2. 協力会社は小さく試して、現場後に評価する
協力会社は、紹介や応募の段階では本当の実力がわかりません。社長が言う通り、「一度は見てみないとわからない」のが実際です。
だからこそ、最初の発注は小さく始めるのが安全です。いきなり重要度の高い現場を任せるのではなく、確認しやすい範囲で依頼し、現場後に評価します。
評価項目は、細かすぎなくて構いません。最初は次の5つで十分です。
- 施工精度は自社基準に合っているか
- 手直しが少ないか
- 現場の納まりで勝手な判断をしないか
- 報告が必要な場面で連絡があるか
- 元請けや現場監督とのやり取りに不安がないか
この評価を、社長の頭の中だけに置かないことが大切です。二番手や番頭役も同じ目線で判断できるように、簡単なチェック表にしておくと運用しやすくなります。
協力会社開拓は、数を集める活動ではなく、自社基準に合う先を残していく活動です。
3. 基準に合わない外注先とは、早めに線を引く
一度付き合い始めた外注先を止めるのは、気が重いものです。人手が足りないときほど、「多少気になるけれど、頼める人がいないから」と続けてしまいがちです。
しかし、品質を守る会社ほど、ここは曖昧にしない方がいいです。
もちろん、一度のミスですぐに取引停止という話ではありません。改善の余地があるなら、基準を伝えて再度見ればよいです。ただし、次のような場合は継続しない判断も必要です。
- 同じ指摘が何度も繰り返される
- 手直しへの姿勢が合わない
- 報告なしで現場判断をしてしまう
- 元請けや施主対応に不安が残る
- 自社の職人が後始末に追われる
この会社でも、改善が難しい取引先とは継続していませんでした。これは、協力会社に厳しくするためではなく、自社の看板で出す仕事の責任範囲を守るためです。
4. 即戦力人材は「経験年数」よりも「前職での育ち方」を見る
外国籍の特定技能人材でも、日本人経験者でも、即戦力採用では経験年数だけを見ない方がよいです。
この会社でうまくいっている2名は、5〜6年の経験があるだけでなく、前の会社できちんと教わってきたことが仕事ぶりに出ていました。社長も「ちゃんと覚えてきたんだな」と感じています。
採用時には、次のような確認が有効です。
- 前職でどの工程を担当していたか
- どの程度まで一人で任されていたか
- 手直しや検査で何を注意されてきたか
- 日本の住宅現場のルールにどこまで慣れているか
- 写真や実績で施工内容を確認できるか
即戦力とは、教えなくていい人ではなく、自社の基準に早く合わせられる人です。 ここを見誤らないことが、品質を落とさず人を増やすうえで重要です。
5. 二番手に「教える役」と「判断する役」を少しずつ渡す
社長がすべてを見続ける体制では、人数を増やすほど負担が増えます。次世代の二番手がいる会社では、早い段階から教育と判断を渡していくことが大切です。
ただし、いきなり全部を任せる必要はありません。
まずは、新しく入った職人や協力会社について、二番手が次のような役割を持つところから始めます。
- 初回現場の同行
- 施工後の確認
- 指摘事項の共有
- 次に任せる範囲の提案
- 継続可否の一次判断
社長は最終判断を持ちながら、二番手が現場基準を言語化する機会を増やしていく。これにより、品質が「社長の感覚」だけでなく「会社の基準」になっていきます。
人を増やす準備とは、求人を出すことだけではありません。教える人、見る人、判断する人を社内につくることです。
まとめ
仕事があるのに増やせない工事会社では、売上意欲がないわけではありません。むしろ、元請けや施主との信頼を大切にしているからこそ、簡単に拡大できないのです。
「クレームのない仕事を出したい」「一生に一度の家だからミスはできない」「こなせばいいという仕事にはしたくない」。こうした感覚は、会社の強みです。
一方で、その強みを社長の目だけで守り続けると、施工体制の限界が早く来ます。だからこそ、次の整理が必要です。
- 自社職人を何人まで増やせるか
- 協力会社にどこまで任せるか
- 初回発注で何を見るか
- 継続する外注先と止める外注先の基準は何か
- 二番手にどの判断を渡すか
品質を落とさず拡大する会社は、人を一気に増やしているわけではありません。任せる基準を決め、小さく試し、合う人を残し、社内で見られる人を育てています。
その積み重ねが、月の売上を少しずつ引き上げながら、クレームのない仕事を守る土台になります。
自社に合う施工体制の広げ方を整理したいときは
職人を採用すべきか、協力会社を増やすべきか。即戦力を探すべきか、未経験を育てる体制を先につくるべきか。会社の規模や現場の任せ方によって、答えは変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。施工品質を守りながら人と協力会社を増やしたい、今の体制でどこから手を付けるべきか考えたい、という段階でも大丈夫です。
無理な営業はいたしませんので、「うちの場合はどう考えるべきか」を整理する場としてご活用ください。































