10万人弱の地方都市で、地域密着の内装・改修工事を続けてきた会社の現在地
九州南部の人口10万人弱の地方都市で、内装・改修まわりの専門工事を担ってきた会社の話です。
地域の取引関係は強く、良くも悪くも閉じています。新規開拓で一気に外から仕事を取りにいくというより、昔からの横のつながり、同業者との応援、地元の評判で仕事が動くエリアです。
担当者は、地域の空気をこう表現していました。
「この地域は、どうしても閉鎖的です。地域密着でやってきた分、新規開拓に大きく振る感じではないんです」
一方で、町の人口はこの先10年で約1万人減る見込みがあります。もともと大きな商圏ではありません。新築、内装、改修、店舗まわりの投資も、人口の動きと無関係ではいられません。
「人口が減っていく町に、投資するかどうかですよね」
この一言に、かなり本質が詰まっています。
地域密着で仕事を積み上げてきた会社ほど、人口減少によって“今の仕事の延長だけでどこまで伸びるか”を早めに見ておく必要があります。
ただし、これは本業を捨てる話ではありません。むしろ逆です。
本業の技術、協力会社との関係、地域での信用を使って、どこまで受けられる範囲を広げられるか。 そこが次の論点になります。
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- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
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- 6月23日プラント工事会社神奈川県
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- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
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- 6月15日内装工事会社島根県
- 6月15日設備保全会社群馬県
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- 6月14日塗装工事会社神奈川県
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- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
既存需要の上限が見え始めると、本業を深めるだけでは成長余地を描きにくくなる
地域の人口が減ると、建設会社の仕事が急になくなるわけではありません。
雨漏りは起きます。修繕もあります。内装の入れ替えもあります。空き家も増えます。公共工事や民間改修も、ゼロにはなりません。
ただ、問題はそこではありません。
“仕事があるかないか”ではなく、“会社として伸びるだけの需要が地域内に残るか”が課題です。
実際、担当者からもこんな言葉が出ていました。
「内装も、なくなる仕事ではないと思います。でも、人口に比例する部分はある。これだけじゃダメだなと」
地域密着の会社では、既存の取引先を大事にしながら、同業者との関係も崩せません。価格だけで仕事を取りにいくと、地域内の関係が悪くなることもあります。
だからこそ、単純な営業強化だけでは打ち手が限られます。
たとえば、次のような状態になりやすいです。
- 地域内の新規開拓余地が大きくない
- 既存顧客との関係はあるが、案件数そのものが増えにくい
- 価格競争に入ると利益も関係性も傷みやすい
- 人口減少で、店舗・住宅・施設への投資判断が慎重になる
- 市外に応援へ出れば売上は作れるが、地元の会社としての将来像は描きにくい
担当者も、「仕事が少なくなったら市外に出稼ぎに行く、応援に行くという選択もある」と話していました。
それも現実的な選択肢です。
ただ、地元に根を張って会社を続けるなら、もう一段考える必要があります。
市外に出て売上を補うだけでなく、地元に残る課題を仕事に変えられないか。そこに隣接領域を考える意味があります。
閉じた地域だからこそ、協力会社や個人事業主との横のつながりが次の成長資産になる
人口が減る地域では、外から大きな需要が急に入ってくることは多くありません。
その代わり、地域内には見落とされがちな資産があります。
それが、横のつながりです。
担当者は、地方での人材確保や仕事の進め方について、こう話していました。
「この田舎の中でのやり方は、結局、横のつながりなんです。現場があったら同業者にお願いしながら進めていくような形になる」
これは採用だけの話ではありません。事業を広げる時にも同じです。
たとえば、内装会社が単体で受けられる範囲には限界があります。
しかし、設備屋、電気屋、塗装屋、大工、解体、クロス、床、建具など、地域の職人や個人事業主と組めば、受けられる範囲は変わります。
「設備屋さんの個人事業主を取り込むとか、そういう広げ方はありますよね」
この発言は、かなり実務的です。
完全な異業種へ飛び込むより、まず考えたいのは “今の仕事の前後左右” です。
内装工事をしている会社なら、次のような広げ方が考えられます。
- 内装単体ではなく、設備・電気・仕上げまで含めて一式で受ける
- 協力会社を都度手配ではなく、半専属のチームとして組む
- 個人事業主の職人を社員化、または継続取引化する
- 空き家や古民家の改修を、自社施工で商品化する
- 余った建材や資材を地域内で融通する仕組みを作る
実際、別の地域では、建設会社が余剰建材をやり取りする仕組みを作ろうとしている例もありました。現場で余った材料を、捨てるのではなく、必要な会社に回す。建材価格が上がる中では、地域の工事会社同士の助け合いにもなります。
また、空き家が増える地域では、古民家を借りて自社で内装を整え、カフェや宿泊施設として活用する会社もあります。
ここで大事なのは、流行りの新規事業に乗ることではありません。
人口減少で増える地域課題と、自社がすでに持っている施工力・人脈・信用が重なる場所を探すことです。
本業を捨てずに、受けられる範囲を一式化するところから隣接領域を試す
隣接領域に広げる時は、いきなり大きく投資しない方が現実的です。
特に、地域が狭く、評判が広がりやすいエリアではなおさらです。急に派手なことを始めると、周囲からいろいろ言われることもあります。
「狭い地域だからこそ、変わったことをやり出したら最初は後ろ指を差されることもある」
そんな空気もあります。
だからこそ、最初に整理したいのは、次の5つです。
1つ目は、今の本業とどれだけ近いか。
既存の技術で対応できるのか。少し学べばできるのか。資格者や協力会社が必要なのか。
内装会社が、設備・電気・塗装・造作まで一式で受けるのは、本業との距離が近いです。反対に、飲食店運営や宿泊施設運営は、施工は近くても運営は別物です。
近いものから試す方が、失敗しても学びが残りやすいです。
2つ目は、地域課題とつながっているか。
人口減少地域では、空き家、老朽店舗、相続後の未活用物件、廃業後の建物、使われていない倉庫などが増えます。
それらは、見方を変えると建設会社が関われる余地でもあります。
空き家を直す。貸せる状態にする。小さな店舗にする。地域の事業者が使える場所にする。宿泊や交流拠点にする。
地域に残る困りごとが、自社の施工力で解けるなら、隣接領域として検討する価値があります。
3つ目は、協力会社との関係を壊さずに広げられるか。
狭い町では、仕事の取り方が大切です。
一式受注を始める時も、「全部うちで囲い込む」という見え方になると、周囲との関係が悪くなることがあります。
むしろ、地域の職人や個人事業主とチームを組み、仕事を安定して回す形にした方が進めやすいです。
たとえば、設備屋の個人事業主と継続的に組む。電気工事は特定の会社とパッケージにする。自社が窓口になり、協力会社には適正な仕事量を渡す。
一式化は、下請けを抱え込む話ではなく、地域内の施工チームを作る話として設計すると進めやすくなります。
4つ目は、投資の回収が読める小さな実験になっているか。
新規事業は、最初から大きく構えすぎると重くなります。
たとえば、空き家活用なら、いきなり複数棟を借りるのではなく、1棟だけで試す。宿泊施設にする前に、改修費、運営者、清掃、集客、許認可、維持費を整理する。
内装一式受注なら、いきなり営業品目を増やすのではなく、既存顧客の小さな改修案件で「設備も含めて窓口になります」と試す。
資材の融通なら、アプリ開発の前に、協力会社数社で余剰材リストを共有してみる。
最初の一歩は、“事業化”ではなく“検証”で十分です。
5つ目は、社長だけでなく社員が目的を理解できるか。
隣接領域に広げる時、社内には必ず不安が出ます。
「今の仕事で手一杯なのに、なぜ別のことをするのか」
「本業がぶれるのではないか」
「協力会社との関係は大丈夫なのか」
こうした声は自然です。
だからこそ、目的を短く言える状態にしておく必要があります。
たとえば、こうです。
「人口が減る町でも、うちが地元で仕事を作り続けるために、内装だけでなく改修全体を受けられる会社にしていく」
「空き家が増えるなら、壊すだけでなく、使える形に戻す仕事を作る」
「個人事業主の職人が孤立しないように、地域の施工チームとして一緒に受ける」
隣接領域への拡大は、社長の思いつきではなく、地域と会社を続けるための方針として共有することが大切です。
まとめ
人口が減る町で建設会社を続けることは、決して後ろ向きな話ではありません。
ただ、既存需要の上限は見ておく必要があります。
内装工事、改修工事、修繕工事はなくなりません。けれど、人口が減れば、投資の総量は変わります。地域内の新規開拓にも限界があります。
だからこそ、本業を捨てるのではなく、本業の周辺を広げる視点が大事です。
まず見るべきは、完全な異業種ではなく、今の施工力で受けられる前後左右の仕事です。
設備、電気、塗装、造作、解体、空き家改修、古民家活用、余剰資材の融通。こうした領域は、既存の技術や人脈とつながりやすいです。
地域密着の会社にとって、横のつながりは単なる付き合いではなく、次の事業を作る資産になります。
いきなり大きな投資をする必要はありません。
小さく試す。協力会社と組む。個人事業主を巻き込む。一式で受けられる範囲を少しずつ広げる。空き家や地域課題を施工力で解けないか考える。
その積み重ねが、人口減少地域での建設会社の次の形につながります。
自社の技術と地域課題をどうつなげるかを整理したい方へ
「うちの場合、どこまで本業の延長で広げられるのか」
「設備や内装を一式で受ける体制を作れるのか」
「空き家活用や協力会社との連携を考えたいが、何から整理すべきかわからない」
こうした段階でも、考えを言語化するだけで次の一手が見えやすくなります。
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