人口10万人弱の地方都市で若手採用を考える内装系専門工事会社の現在地
宮崎県南部の地方都市で、20名弱の内装系専門工事会社が若手採用について考えていました。
地域は決して大都市ではありません。若い人は高校卒業後に福岡や大阪へ出る。大学や専門学校で一度県外に出る。就職もそのまま県外で決める。そんな流れが自然にあります。
相談の中でも、こんな言葉がありました。
「この町は、これから10年で1万人くらい人口が減ると思うんです」
「一度は県外に出たい、という感覚はやっぱりありますよね」
この感覚は、地方の建設会社ならかなり近いものがあるはずです。
採用に困っている。けれど、仕事がないわけではない。むしろ地域密着で一定の仕事はある。ただ、これから先を考えると、若手が入らないまま平均年齢が上がっていくことへの不安がある。
ここで大事なのは、採用難を「人がいないから仕方ない」で終わらせないことです。
もちろん人口減少はあります。若者の県外流出もあります。休日や給与の問題もあります。
ただ、それだけではありません。
地方の建設会社の採用は、求人票を出す前から始まっています。学校、親、同業者、近所の飲食店、現場で一緒になる他社職人。そうした人たちから、日頃どんな会社に見られているか。
そこが応募や紹介に直結します。
求人票の条件より先に、地域の中で「ここなら働かせてもいい」と思われる状態をつくることが、採用の土台になります。
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- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
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- 6月26日配管工事会社三重県
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- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
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- 6月11日総合建築和歌山県
- 6月11日総合土木静岡県
- 6月11日プラント工事会社京都府
- 6月11日空調設備工事会社神奈川県
「人がいない」で止まると求人票の前に整えるべき会社の評判が見えなくなる
採用が難しいとき、多くの会社で最初に出る言葉があります。
「高校生なんかいない」
「こんな田舎に来るわけがない」
「休みが少ないから選ばれない」
どれも現実の一部です。無視できる話ではありません。
ただ、そこで止まると次の手が見えにくくなります。
相談の中でも、製造業が高校生に人気だという話が出ていました。理由は分かりやすいです。休みがある。給与も一定ある。親から見ても安心感がある。
一方で、建設業は「給与は悪くないけれど、休みが少ない」「きつそう」「怖そう」という見られ方をされやすい。これは会社単体の問題というより、業界全体のイメージもあります。
だからこそ、採用で最初に整えるべきは、求人票の文言ではなく、会社の見られ方です。
たとえば、同じ地域で同じような専門工事をしていても、選ばれる会社と選ばれにくい会社があります。
違いは、給与だけではありません。
- 現場や外での社員の振る舞い
- 地域の中での評判
- 学校や親御さんからの安心感
- 社員が自分の会社の良さを話せるか
- 若い人が将来を想像できる働き方があるか
こうしたものが積み重なって、「あの会社ならいいかも」という印象になります。
特に地方では、評判の伝わり方が早いです。
良い評判も広がります。悪い評判も広がります。
「地域が閉鎖的だから難しい」という話もありました。たしかに、狭い地域ほど新しい動きには目が向きます。何かを変えようとすると、周りからいろいろ言われることもあります。
でも、逆に言えば、地域内で信頼を積み上げれば、紹介や口コミが採用の大きな力になります。
求人広告にお金をかける前に、まず社内と地域での見られ方を整える。
ここを飛ばすと、求人票だけが立派でも応募につながりにくくなります。
若者が県外へ出る地域ほど親や学校や同業者からの信頼が採用を左右する
地方の採用では、本人だけを見ていても足りません。
高校生を採るなら、学校の先生が見ています。親御さんも見ています。中途採用なら、前職の同業者や現場仲間が見ています。
相談の中で印象的だったのは、「若者が定住したいと思える環境が少ない」という話でした。
「若者が集う場所が少ない」
「働いても賃金が都市部より少し安い」
「帰ってくる理由がないと難しい」
こうした地域では、会社単体でできることに限界があります。街全体の魅力を一社で変えることはできません。
それでも、会社としてできることはあります。
それは、地元に残る理由、戻ってくる理由、親が安心できる理由を会社の中に用意することです。
たとえば、近隣の高校に向けて発信するなら、単に「職人募集」と言うだけでは弱いです。
「どんな先輩がいるのか」
「未経験で入った後、何年で何ができるようになるのか」
「怒鳴られっぱなしの職場ではないのか」
「休みや給与はどう考えられているのか」
「親から見て安心できる会社なのか」
ここまで見られます。
東海地方のあるとび系工事会社では、かつて地元での評判がかなり悪かったそうです。社員数も10名弱。周囲から「あの会社とは付き合いたくない」と言われるような状態でした。
そこから、会社のルールづくりに踏み込みました。
現場以外の場所での振る舞いも整えました。作業着のまま店に行くときも、汚れたままでは行かない。会社名が見える状態で柄が悪く見られないようにする。
理由は明確です。
飲食店や地域の店で働いている人が、高校生の親御さんかもしれないからです。
この視点は、とても建設業らしい現実感があります。
採用は、面接室だけで決まりません。
現場での立ち居振る舞い。コンビニでの態度。近所での見え方。協力会社との関係。社員が外で会社の話をどうするか。
全部つながります。
その会社では、会社のルールを整え、外部への発信も変え、遠方から来る人向けの住まいも用意しながら採用を進めていきました。結果として、数年で100名を超える規模まで成長しました。
もちろん、どの会社も同じ結果になるわけではありません。
ただ、参考になるポイントははっきりしています。
人が来る会社は、求人を出す前に「この会社で働く意味」を社内外に伝わる形にしています。
社員の本音を集めて会社の良さを言語化し地域で信頼される行動に落とし込むこと
採用を変える最初の一手は、社内の声を聞くことです。
社長が思っている会社の良さと、社員が感じている会社の良さは、だいたい違います。
「うちの良さは技術力だ」と社長が思っていても、社員は「困ったときに先輩が助けてくれるところ」と感じているかもしれません。
「休みが少ないのが弱みだ」と思っていても、社員から見ると「稼ぎたい人には合っている」「家族の事情で働き方を変えられたら続けやすい」という話が出るかもしれません。
相談の最後にも、こんなやり取りがありました。
「社長が思う会社の良さと、社員が思う会社の良さって絶対違いますよね」
「早速聞いてみよう」
ここが出発点です。
採用ブランディングは、かっこいい言葉を外に出すことではありません。社員が実際に感じている会社の良さを見つけることです。
進め方は、難しくしすぎなくて大丈夫です。
まずは社員に、良いところと悪いところを聞きます。
ただし、聞き方が大事です。
評価面談のように聞くと、本音は出にくくなります。社長が直接聞くと、社員はどうしても遠慮します。
だから、最初は次のような問いにすると話しやすくなります。
- 入社してよかったと思うところは何か
- 入る前と入った後で印象が違ったところは何か
- 家族や友人に会社を説明するとしたら、何と言うか
- 新しく入る人が不安に思いそうなことは何か
- 今の働き方で続けやすいところ、続けにくいところは何か
- 現場や外で「これは会社の評判に関わる」と思う行動は何か
悪いところも必ず出ます。
でも、悪いところは採用の敵ではありません。
社員の不満は、会社を整えるための材料です。
たとえば「休みが少ない」という声が出たとします。
すぐに年間休日120日にできない会社も多いです。現場の都合もあります。売上とのバランスもあります。
その場合は、いきなり全員一律で変えるのではなく、働き方の選択肢を考える方法もあります。
実際に、ある会社では年間休日を2つのコースに分けていました。しっかり稼ぎたい人向けのコース。家族や生活の時間を大事にしたい人向けのコース。給与も変わりますが、自分で選べるようにする。
子どもが小さい時期は休みの多い働き方にする。落ち着いたら稼ぐ働き方に戻す。
こうした設計があると、社員は自分の人生と仕事を結びつけて考えやすくなります。
大事なのは、休日数そのものよりも「会社が働き方を考えてくれている」と伝わることです。
次に、社員の声をもとに会社のルールを整えます。
たとえば、地域での評判に関わる行動です。
作業着のまま外に出るときの身だしなみ。車両の運転。現場近隣への挨拶。コンビニや飲食店での態度。学校訪問時の話し方。協力会社への言葉遣い。
細かいようですが、地方では効きます。
地域の人は、求人票より先に社員の日常を見ています。
そして、会社の良さを言語化します。
理念というと大げさに聞こえるかもしれません。立派な文章でなくても構いません。
「なぜこの地域で仕事を続けるのか」
「若い人にどんな職人になってほしいのか」
「社員と家族にどんな状態でいてほしいのか」
「現場で何を大事にする会社なのか」
これを短く、社員が自分の言葉で話せる形にします。
ここまで整ってから、求人票やホームページ、学校訪問、SNS、紹介依頼に反映します。
順番は逆ではありません。
社内の本音を集める。会社の強みを言語化する。地域での振る舞いを整える。その後に求人票へ落とす。
この順番のほうが、無理のない採用につながります。
まとめ
地方の建設会社の採用は、簡単ではありません。
人口は減ります。若い人は県外へ出ます。製造業や他業種との比較もあります。休日や給与の条件も見られます。
それでも、打てる手はあります。
採用難を「人がいない」で止めず、まず自社が地域でどう見られているかを点検することです。
求人票を直す前に、社員に本音を聞く。会社の良さを言葉にする。悪い評判につながる行動を減らす。親や学校、同業者が安心できる状態をつくる。
これだけで、採用が急に楽になるわけではありません。
ただ、紹介されやすくなります。学校に話を聞いてもらいやすくなります。現場で一緒になった人から「ここで働かせてほしい」と言われる可能性も出てきます。
採用ブランディングは、広告ではなく日々の会社づくりです。
そして、その会社づくりは大きな投資から始めなくても構いません。
まずは社員に聞く。
「うちの良いところ、悪いところを教えてほしい」
ここからで十分です。
自社の採用の見られ方を一度整理したいときは
若手採用や職人採用で悩むとき、求人票や媒体選びの前に、社内の声や地域での見られ方を整理すると次の一手が見えやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合は、まず社員面談からなのか」「学校や親にどう見られているのか分からない」「求人を出す前に何を整えるべきか知りたい」という段階でも大丈夫です。
無理に契約をすすめる場ではなく、状況を整理するところから一緒に考えます。
採用や社内体制の見直しを考え始めた方は、必要に応じてこちらからご相談ください。






























