前提

九州北部の15名規模の専門工事会社で、問い合わせは来ても人が残りきらない状況

九州北部で土木系の専門工事を行う、15名ほどの会社の話です。現場は日本人社員が6名ほど、外国籍の技能人材が9名ほど。次に採りたいのは、職人というより現場を見られる番頭・現場管理クラスでした。

採用活動自体を何もしていないわけではありません。採用支援会社を使い、Indeedや求人ボックスに連動する求人も出している。現場系の求人媒体にも掲載している。高校新卒向けの動きも始めている。

それでも、社長の実感は軽くありません。

「問い合わせは3件あって、1人採用したけど、2週間で辞めてしまった」

さらに、協力業者や一人親方からの反応もありました。ただ、こちらも長続きしにくい。

「最初の頃は問い合わせも来たけど、協力業者として来ても長続きせんわな」

ここで見えてくるのは、応募がゼロという悩みではありません。応募や問い合わせが採用につながっても、その後に定着しないことが経営課題になっているという点です。

1週間で 8件ダウンロード されました

  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

採用数だけを追うと、2週間退職や協力業者の離脱を繰り返しやすい

人が足りないときほど、まず応募数を増やしたくなります。媒体を増やす。有料掲載を厚くする。採用サイトを整える。SNSも考える。どれも必要な場面はあります。

ただ、今回のように「問い合わせは来る」「採用にも至る」「でも2週間で辞める」という状態では、見るべき数字が少し変わります。

採用活動の成果は、応募数や採用数だけではなく、入社後に何か月残り、どの仕事を任せられるようになったかまで見ないと判断しづらいです。

特に中小の建設会社では、1人採用するだけでも現場の期待は大きくなります。現場管理クラスを期待して採った人がすぐ辞めると、社長や既存社員の時間も削られます。協力業者や一人親方が定着しない場合も同じです。毎回、段取り説明や現場の空気合わせからやり直しになります。

つまり、問題は「採用媒体が悪いかどうか」だけではありません。入社前の見極め、入社時の期待値調整、入社後の教え方、評価の伝え方、現場でのフォローが一本につながっているかが問われています。

背景

建設求人が多すぎる中で、求職者も会社もお互いを見極めにくくなっている

建設業の採用市場では、求人が非常に多く出ています。地方でも、検索すると同じような求人が大量に並びます。社長が言っていたように、採用サービスの営業はどこも似た話になりがちです。

「みんな同じようなサイトを使うわけよ。じゃあ、同じサイトでいろんな業者が被ってもいいの、って話だもんね」

この感覚は、多くの会社に当てはまります。求人媒体を変えても、求職者から見ると「建設作業員募集」「未経験歓迎」「資格取得支援」「アットホーム」など、似た言葉が並びます。

その結果、会社側も求職者側も、入る前に判断しきれないまま話が進みます。

会社側は「人が足りないから、半年くらい持ってくれたら」と考える。求職者側は「思っていた仕事と違った」と感じる。現場では「この子は続くかな」という違和感があっても、採用難だから受け入れる。

このズレが、早期退職につながります。

採用難の時代ほど、入口を広げるだけでなく、入口で何を伝え、何を確認するかが重要になります。

たとえば、現場管理クラスを採りたいなら、単に「現場管理募集」と出すだけでは足りません。実際には、どこまで段取りを任せるのか。職人との関係づくりも必要なのか。元請けとの打ち合わせに出るのか。書類や写真管理も見るのか。朝の動き方、移動範囲、責任範囲まで含めて伝える必要があります。

ここが曖昧なまま採ると、入社後に「聞いていた話と違う」が起きます。

解決

応募を増やす前に、見極め・期待値調整・教育・評価・定着フォローを一本化する

中小建設会社が限られた人員で取り組むなら、最初から大きな制度を作る必要はありません。まずは、採用後に人が抜けにくくなる最低限の受け入れ設計を整えることが先です。

見るべき順番は、次の5つです。

1つ目は、入社前の見極めです。

「この人は続くかもしれない」「少し危ないかもしれない」という社長や現場の感覚は、かなり大事です。ただし、感覚だけにすると毎回判断がブレます。面接では、次のような確認項目を決めておくとよいです。

  • これまで辞めた理由を、本人がどう説明するか
  • 朝の時間、移動、屋外作業、汚れや暑さ寒さをどこまで理解しているか
  • 現場管理志望なら、職人との調整や書類仕事をどう捉えているか
  • すぐ稼ぎたいのか、技術を身につけたいのか、管理側に進みたいのか

採用するかどうかだけでなく、どの条件なら続きそうかを確認する面接に変えることがポイントです。

2つ目は、期待値調整です。

入社前に、良いことだけを伝えすぎないことです。建設業の仕事には、暑さ寒さ、移動、汚れ、朝の早さ、現場ごとの人間関係があります。ここを隠すと、入社後のギャップになります。

ただし、厳しさを強調しすぎる必要もありません。大事なのは、仕事のリアルと、その先に何が身につくかをセットで伝えることです。

「大変だけど、何年で何ができるようになるか」まで伝えると、求職者は入社後の自分を想像しやすくなります。

3つ目は、最初の2週間の受け入れです。

2週間で辞める場合、本人の問題だけとは限りません。初日から誰について回るのか。何を見ていればよいのか。道具や安全ルールを誰が教えるのか。昼休みに放っておかれていないか。ここが決まっていないと、新人は居場所をつかめません。

まずは簡単でかまいません。

  • 初日の担当者を決める
  • 1週間目に覚えることを3つに絞る
  • 3日目、7日目、14日目に短い声かけをする
  • 「困ったら誰に言うか」を明確にする

早期退職を防ぐ入口は、立派な研修よりも、最初の2週間で孤立させないことです。

4つ目は、教育の見える化です。

現場では「見て覚えろ」になりがちです。ただ、今の採用環境では、それだけでは人が残りにくくなっています。特に未経験者や若手、高校新卒を採るなら、何を覚えれば次に進めるのかを見えるようにしておく必要があります。

たとえば、入社1か月、3か月、6か月で以下を整理します。

  • 安全面でできるようになること
  • 道具や材料の名前
  • 現場で任せる作業
  • 報告・連絡の基準
  • 次に目指す資格や役割

教育項目を細かく作り込むより、社長と現場が同じ基準で新人を見られる状態を作ることが大切です。

5つ目は、評価とキャリアアップです。

現場管理クラスを採りたい会社ほど、入社後の道筋を示す必要があります。ずっと作業員なのか。班長になるのか。番頭になるのか。施工管理寄りに進むのか。資格を取れば何が変わるのか。

ここが曖昧だと、本人も頑張りどころがわかりません。

大がかりな評価制度でなくても、最初は十分です。

  • できる作業が増えたら日当・手当・役割をどう見直すか
  • 現場を任せる基準は何か
  • 日本人社員、外国籍人材、協力業者で期待する役割をどう分けるか
  • 正社員化や長期取引に進む条件は何か

人が残る会社は、入社後に何を頑張れば認められるかが現場レベルで伝わっています。

まとめ

問い合わせが来ない会社と、問い合わせは来るのに残らない会社では、打ち手が変わります。

今回のように、採用媒体を使い、問い合わせもあり、採用にも至っているなら、次に見るべきは応募数だけではありません。

採用前に見極める。入社前にリアルを伝える。最初の2週間で孤立させない。教育項目を見える化する。評価とキャリアの道筋を示す。

この5つがつながると、採用活動の意味が変わります。単に人を入れる活動ではなく、入った人が戦力になるまでの流れを作る活動になります。

中小建設会社では、採用に大きな費用をかけ続けるのが難しい場面も多いです。だからこそ、媒体を増やす前に、いま来てくれた人をどう迎えるかを整える価値があります。

応募数を増やす施策と、辞めにくい受け入れ体制はセットで考える。

ここを押さえるだけでも、採用にかけた時間とお金の回収の仕方は変わっていきます。

採用後に人が抜けにくい体制を一緒に整理するために

「うちの場合、何から直せばいいのか」「媒体を変える前に、受け入れ側を見たほうがいいのか」と感じる場合は、一度、採用から定着までの流れを棚卸ししてみるのがおすすめです。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用でいえば、応募数だけでなく、入社前の見極め、教育、評価、現場での定着フォローまで含めて、会社に合う進め方を一緒に考えます。

まだ方針が固まっていない段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、「まず何を整理すべきか」を確認する場としてご活用ください。

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