前提

東北南部で20名弱の体制ながら、鉄道・高速道路・住宅解体まで幅広く対応している会社の現在地

東北南部に拠点を置く、20名弱の専門工事会社の話です。

主な仕事は、鉄道関連の駅構内テナント解体や改修、高速道路関連のトンネル内設備の入れ替えに伴うはつり・解体、住宅解体、土木工事など。かなり幅広く対応してきた会社です。

一方で、年間を通じて仕事量には波があります。

「どうしても年間を通して繁閑差があるんです」

この言葉は、多くの中小建設会社にとって他人事ではないと思います。

仕事がないわけではありません。むしろ、昔からの付き合い先から継続的に声はかかります。高速道路関連、鉄道関連、不動産会社、ハウスメーカー、内装会社、改修会社など、入口はいくつかあります。

ただし、常に安定して案件が来るわけではありません。

「常時いただいているわけではなくて、たまに受注できるぐらいです」

ここに、この会社の悩みがあります。

仕事の入口はある。技術もある。現場も動ける。けれど、案件供給元が限られているため、年間の受注が安定しにくい。

しかも、専任の営業担当はいません。

「うちは基本的に営業はいないです。営業は一切かけていません。昔からお付き合いしているところから、継続的に仕事をいただいているのが現状です」

この状態から、いきなり営業部隊を作るべきなのか。

それとも、まずは案件を継続的に出してくれる会社を1〜2社増やすべきなのか。

ここが大きな分岐点になります。

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  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

営業担当を置かない会社ほど、受注先の少なさが繁閑差に直結しやすい

営業担当がいないこと自体が問題とは限りません。

建設業では、紹介、過去の実績、現場での信頼、昔からの付き合いで仕事が回ることが多いです。むしろ中小企業では、社長や番頭格が営業も兼ねる形のほうが自然な場合もあります。

ただし、受注先が少ないまま営業活動をしない状態が続くと、繁閑差を自社で調整しにくくなります。

今回の会社も、既存の付き合い先から仕事は来ています。

たとえば、駅構内のテナント入れ替えに伴う解体。高速道路のトンネル内で、消火設備を入れ替えるためのコンクリートはつり。住宅解体。内装会社や改修会社からの応援的な仕事。

一つひとつは、会社の経験値に合っています。

しかし、案件の出方は相手都合です。

相手先に工事がなければ、こちらにも仕事は来ません。逆に重なると、人員が足りずに受けにくくなります。

ここで悩ましいのが、会社規模とのバランスです。

「うちの会社の規模的に、なかなか大きい案件はできないと思っています」

「突然ボンと大きい案件を預けられても、対応は難しいです」

この感覚はとても大事です。

受注を増やしたいからといって、大型案件を取りに行けばよいわけではありません。会社の人数、現場管理、安全体制、移動距離、協力業者の確保まで含めて、受けられる仕事には現実的な上限があります。

必要なのは、売上を急に大きくすることではなく、自社が無理なく受けられる仕事を継続的に出してくれる先を増やすことです。

背景

大手元請けとの接点よりも、実際に小規模工事を流してくれる協力会社との接点が効きやすい

受注先を増やすとき、多くの会社がまず考えるのは大手元請けとの接点です。

もちろん、大手ゼネコンや大手グループ会社との関係は大きな意味があります。支店の建築部長、土木部長、工事部長のような現場に近い役職者とつながることで、「こういう会社がある」と知ってもらえます。

ただ、今回のような20名弱の会社にとっては、いきなり大手元請けから大きな工事を直接受けるよりも、もう少し現実的な入口があります。

それが、大手元請けの下で動いている協力会社や、リニューアル・改修系の会社との接点を増やすことです。

今回の会社には、駅テナントの解体、内装改修前の解体、トンネル設備更新に伴うはつりなどの経験があります。つまり、建物を丸ごと建てる仕事ではなく、既存施設の一部を直す・入れ替える・撤去するような工事に強みがあります。

この領域では、大手元請けが頭を取っていても、実際の細かな工事は協力会社に流れることがあります。

たとえば、ホテル、マンション、病院、駅施設、商業施設などでは、新築後の修繕や改修、テナント入れ替え、リニューアルが継続的に発生します。大きな本体工事ではなくても、部分解体、内装撤去、設備入れ替え前のはつり、外構まわりの小工事など、手間のかかる仕事は少なくありません。

こうした仕事は、規模が小さいから簡単というわけではありません。

むしろ、短工期、安全管理、夜間対応、既存施設への配慮、他業者との取り合いなどが求められます。

だからこそ、「小さい工事を安全に、段取りよく、きちんと納められる会社」は重宝されます。

一方で、発注側から見ると、初めての会社にいきなり大きな仕事を任せるのは慎重になります。

「本当に信頼できるか」

「安全面は大丈夫か」

「現場で問題なく動けるか」

「見積もりや対応のスピードはどうか」

こうした点を見ています。

そのため、最初の入口は小さくてよいのです。

「ちっちゃい現場から入れればいいかなと思っています」

この考え方は、かなり実務的です。

大手元請けやその協力会社との関係づくりでは、最初の1件で大きな売上を狙うより、小規模案件で信頼を積み、次の見積もり依頼につなげるほうが現実的です。

また、エリアの整理も重要です。

今回の会社は、東北南部に拠点を置き、近県であれば動ける体制です。ただし、遠方になると移動、宿泊、突発対応の負担が大きくなります。

「近県は全然行きます。福島、山形、岩手あたりは行けます。ただ、遠いと何か問題が起きたときに対応しにくいです」

この感覚も大切です。

営業先を広げるときは、広げすぎないことも判断です。

まずは自社の拠点から無理なく動けるエリアで、案件頻度のある会社との接点を作る。

これが、営業担当がいない会社にとっての現実的な受注拡大になります。

解決

営業部隊を作る前に、受けられる工事と増やしたい案件供給元を絞り込む

営業担当がいない会社が安定受注を増やすなら、最初にやるべきことは営業採用ではありません。

まずは、自社が受けられる工事を言語化し、どの会社に何を伝えるかを整理することです。

今回の会社であれば、整理すべき軸は大きく4つあります。

  • 対応できる工種
  • 対応しやすいエリア
  • 無理なく動かせる人員規模
  • 取りたい案件の大きさ

たとえば、工種でいえば「解体工事」と一言で言っても幅があります。

住宅解体なのか。駅テナントの内装解体なのか。改修前の部分解体なのか。トンネル内設備更新に伴うはつりなのか。外構や土木寄りの工事も対応できるのか。

発注側が知りたいのは、「何でもできます」ではありません。

「この会社は、この規模の、この種類の工事なら安心して声をかけられる」と思える情報です。

そのためには、会社案内だけでなく、施工実績の一覧が効きます。

「どこの場所で、どんな仕事をやっていたのか。そこから話がつながることがあります」

実績一覧には、少なくとも次のような項目を入れておくと使いやすくなります。

  • 工事種別
  • 施設の種類
  • エリア
  • 工期の目安
  • 自社の担当範囲
  • 人員規模
  • 夜間・閉鎖空間・営業中施設などの対応有無

固有名詞を出せない案件もあります。その場合は、「駅構内テナント改修に伴う内装解体」「高速道路トンネル内設備更新に伴うはつり」「商業施設の一部撤去工事」のように、ぼかしても構いません。

重要なのは、相手が自社の使いどころを想像できることです。

次に、営業先の考え方です。

いきなり何十社も回る必要はありません。

まずは、継続的に案件を出してくれる可能性がある会社を1〜2社増やすことを目標にしたほうが進めやすいです。

候補になるのは、次のような会社です。

  • 大手元請けの支店で、改修・リニューアル案件を持つ部署
  • 大手グループ内のリニューアル会社
  • 建築改修や内装工事を継続的に受けている協力会社
  • 高速道路・鉄道・公共施設まわりで小規模工事を抱える会社
  • 自社の近県で案件を持つ現場寄りの会社

ここで大事なのは、営業先の役職です。

支店長に会うことが必ずしも最短とは限りません。実際の案件や協力会社の情報を持っているのは、建築部長、土木部長、工事部長、営業所長、現場所長に近い立場の人であることも多いです。

「誰に会うか」よりも、「案件と協力会社の流れを知っている人に会うか」が大事です。

そして、会った後の動きも欠かせません。

紹介や初回訪問だけで、すぐ仕事が決まるとは限りません。むしろ、タイミングの問題が大きいです。

発注側にちょうど関連工事があれば、見積もり依頼につながることもあります。なければ、しばらく何も起きないこともあります。

だからこそ、初回訪問後に定期的な接点を持つことが必要です。

「直近どうですか」

「小さな工事でも対応できます」

「このエリアなら急ぎでも相談してください」

このくらいの温度感で、しつこくならずに思い出してもらう状態を作ります。

また、採用を先にするか、案件供給元を先に作るかも重要な判断です。

事業を大きくするには、いずれ人は必要になります。ただ、案件の見通しがないまま採用すると、人件費だけが先に増えます。逆に、案件が増えてから採用しようとすると、受けきれずに機会を逃すこともあります。

今回のような会社では、まず案件供給元を1〜2社増やし、その会社の仕事に継続的に対応できる人を採る、という順番が合いやすいです。

実質的に専属に近い形で動ける現場人材を育てる。特定の協力会社や元請け候補の仕事の進め方に慣れる。安全書類、段取り、見積もり、現場対応の型を作る。

この流れであれば、採用も「何の仕事を任せるための採用か」が明確になります。

営業担当を先に置くのではなく、社長と現場リーダーが動ける範囲で、受注の入口を増やす。

そのうえで、案件が見え始めたら人を増やす。

営業体制づくりは、営業担当を採ることからではなく、受けたい仕事と会うべき相手を決めることから始まります。

まとめ

営業担当がいない建設会社でも、安定受注を増やす道はあります。

大切なのは、いきなり営業部隊を作ることではありません。

まず、自社が無理なく受けられる工事を整理することです。

今回の会社でいえば、駅構内のテナント解体、改修前の部分解体、高速道路トンネル内の設備更新に伴うはつり、住宅解体、近県での小規模工事などが強みになります。

そのうえで、受注先を一気に広げるのではなく、継続的に案件を出してくれる協力会社や元請け候補を1〜2社増やすことを目標にする。

最初から大きな工事を狙わなくてよいです。

むしろ、小さな現場で安全に、段取りよく、きちんと納める。その積み重ねが次の見積もり依頼につながります。

採用も同じです。

人を先に増やすのか、案件供給元を先に作るのかは会社ごとに違います。ただ、既存人員でまだ小規模案件を受けられる余地があるなら、まずは案件の入口を作り、その後に人を増やす順番も十分に現実的です。

営業担当がいない会社ほど、「誰に、何の工事で、どの規模まで対応できる会社として覚えてもらうか」を決めることが、安定受注への第一歩になります。

うちの受注先をどう増やすべきかを整理したいときは

繁閑差をならしたい。既存客頼みから少し抜け出したい。けれど、営業担当を採るべきか、協力会社や元請け候補との接点を増やすべきか、判断に迷うこともあると思います。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、案件獲得、人材確保、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで、現場の状況に合わせて整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合は、どの工種を前面に出すべきか」

「どのエリアまで広げるのが現実的か」

「採用が先か、案件供給元づくりが先か」

こうした段階からでも大丈夫です。

無理な営業はいたしません。まずは、ものづくりに集中できる体制をどう作るか、一緒に整理する場としてご活用ください。

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