東北で情報設備工事を広げたい会社が、大手元請けの担当者接点で止まっている状態
東北エリアで電気通信・情報設備まわりの工事を手がける、ある専門工事会社の話です。
もともとは地元県内の案件が中心でした。そこから宮城、青森、岩手など、東北の広いエリアへ仕事を広げたい。特に、通信設備や情報設備を扱う大手元請けとの接点を増やしたい。そう考えて動いていました。
一方で、動き方には手応えの差が出ていました。
IT系の販売会社や地域の情報機器会社とは、「仙台で動いてくれる工事業者がいない」「簡単な工事を一度お願いできそう」といった話が出始めていました。4社ほど接点を持った中で、2社は具体的な反応がある。小さくても、次につながる感触がありました。
ところが、大手通信設備会社への営業は少し違いました。
担当者とはつながった。名刺交換もできた。話もできた。けれど、そこから案件が広がる感じがまだ見えない。
相談者の言葉にも、その迷いが出ていました。
「何回か顔を出さないとダメなのかなと思うんです」
「取引がないから、うちに投げるのが面倒なんだろうとは思うんですけど、どのタイミングで何と言って行けばいいのか悩みどころです」
この悩みは、かなり多くの専門工事会社に共通します。
大手元請けへの営業は、担当者に会えたかどうかよりも、その担当者がどの範囲の工事と協力会社選定を握っているかを見極めることが先です。
ここを見ないまま訪問回数だけ増やしても、案件化しないことがあります。
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- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
- 6月8日内装工事会社大阪府
- 6月5日リフォーム会社愛知県
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- 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
- 6月5日内装工事会社長崎県
- 6月4日防水工事会社東京都
- 6月4日内装工事会社東京都
- 6月3日総合建築埼玉県
- 6月3日空調設備工事会社香川県
大手元請けは担当者と話せても、協力会社選定の権限まで届かないことがある
大手元請けへの営業で起きやすいのは、「会えているのに進まない」状態です。
担当者が冷たいわけではありません。自社に興味がないとも限りません。ただ、その人の立場上、すぐに新しい協力会社へ発注する判断ができないことがあります。
特に通信・情報設備系の大手では、工事部門の管理単位が外から見えにくいです。
たとえば、次のような違いがあります。
- 東北全体を1つの工事部門で見ている
- 宮城、青森、岩手など県別にチームが分かれている
- 通信、電源、LAN、無線、保守など工種別に担当が分かれている
- 現場担当者と協力会社選定者が別にいる
- 既存協力会社の手配は担当者、追加業者の登録は上長判断になっている
この構造が分からないまま、「またご挨拶に来ました」と訪問を重ねても、相手も動かしようがありません。
相談の中でも、こうした見立てが出ていました。
「うまくいっても、チームの頭くらいなんでしょうね」
「東北で1チームなのか、県ごとに1チームなのかで変わってくると思います」
まさにここが肝です。
大手元請け営業の最初の山は、案件をくださいと頼むことではなく、相手の工事組織と決裁の流れを知ることです。
担当者と仲良くなることは大切です。ただ、それだけでは足りない場面があります。
「この人にお願いすれば案件が来るのか」
「この人は、上に話を上げられる立場なのか」
「この人のチーム外の案件には関われないのか」
この見極めが必要です。
近しいIT会社では案件化しやすく、大手では社内構造が見えにくい
今回の会社では、IT系の販売会社や情報機器会社との接点では、比較的スムーズに話が進み始めていました。
理由はシンプルです。
相手側に、工事会社を必要とする場面が見えていたからです。
たとえば、情報機器の設置、無線機器、ネットワーク機器、電源まわり。販売会社は機器を納めますが、現場で工事が必要になることがあります。
「仙台に動いてくれる工事業者がいない」
「納品した先で電源が足りない、配線が必要になる」
こうした困りごとがあると、専門工事会社の出番は分かりやすくなります。
一方で、大手通信設備会社は違います。
すでに協力会社網を持っています。社内の手配ルールもあります。安全書類、登録、実績、単価、対応エリア、資格、緊急時対応など、判断材料も多いです。
そのため、担当者が「いい会社ですね」と感じても、すぐ発注にはなりにくいことがあります。
大手側から見ると、新しい協力会社を使うには手間があります。
既存業者で足りているなら、あえて新規を入れる理由が弱い。逆に、既存業者で手が足りない地域や工種があれば、話は一気に現実味を帯びます。
つまり、入口はここです。
大手元請けに刺さるのは「何でもできます」よりも、「どの地域・どの工種・どのタイミングの不足を埋められるか」です。
相談企業の場合も、東北全域を狙う中で、仙台、八戸、山形などの地域名が具体的に出ていました。これは大事な材料です。
大手側が困るのは、たとえば次のような場面です。
- 既存協力会社の予定が埋まっている
- 地方部で動ける施工班が足りない
- 小規模工事を頼める先が少ない
- 電源、配線、ネットワーク周辺をまとめて見られる会社が欲しい
- 急ぎの現調や軽微な修繕に対応できる会社が足りない
「大手とつながりたい」だけでは広がりません。相手の不足地点に、自社の対応力を合わせにいく必要があります。
初回接点の次は、訪問回数ではなく相手の組織図と不足工種を聞きに行く
大手元請けに一度会えた後は、すぐに案件を取りに行くより、次の訪問の目的を変えると進めやすくなります。
目的は、売り込みではありません。
相手の工事管理の単位、協力会社選定の権限、今足りていない地域・工種を確認することです。
次の訪問で聞きたいこと
担当者に対しては、いきなり「上の方を紹介してください」と言うよりも、相手が答えやすい質問から入るほうが自然です。
たとえば、次のような聞き方です。
「東北エリアの工事は、全体で一つのチームで見ていらっしゃるんですか。それとも県ごとに分かれているんですか」
「協力会社さんは、地域ごとに使い分けされている感じですか」
「新しく工事会社を検討される場合は、現場担当の方から上長に相談される流れなんでしょうか」
「今、宮城や北東北で手配が詰まりやすい工事はありますか」
「小規模な現調や、急ぎの電源・配線まわりでも相談先を増やしたい場面はありますか」
こう聞くと、相手の内部事情が少しずつ見えてきます。
ここで知りたいのは、担当者の個人情報ではありません。社内の力学を探るというより、自社がどこで役に立てるかを把握するための業務上の確認です。
担当者止まりを抜けるつなげ方
上位者につないでもらうときは、「偉い人に会いたい」という言い方ではなく、相手がつなぐ理由を作ることが大切です。
たとえば、次のような流れです。
「もし東北全体や県別の協力会社選定を見ている方が別にいらっしゃるようでしたら、一度、弊社の対応エリアと施工内容だけ共有させていただけないでしょうか」
「既存の協力会社さんで足りている部分に入りたいというより、手配が詰まる地域や小規模工事の受け皿として使えるかを見ていただければと思っています」
この言い方なら、担当者も上に話を上げやすくなります。
上位者へつなぐ理由は、「取引したいから」ではなく、「相手の手配リスクを下げる選択肢になるから」です。
何度訪問すべきかの判断軸
「何回顔を出せばいいのか」は、多くの会社が悩むところです。
回数だけで考えると疲れます。判断軸を持つほうがよいです。
目安としては、初回接点後の2〜3回で、次のどれかが見えているかを確認します。
- 相手の工事管理単位が分かった
- 担当者の権限範囲が分かった
- 協力会社選定者、またはその近くの人が分かった
- 足りていない地域や工種が分かった
- 小さく試せる案件や現調の可能性が出た
このどれも見えないまま訪問だけが続くなら、少し攻め方を変えたほうがよいです。
反対に、1つでも見えてきたら継続する価値があります。
たとえば、「宮城は既存業者で足りているが、北東北の小工事は手配が弱い」と分かれば、提案の切り口を変えられます。
「通信工事本体は難しいが、電源・配線・現調なら相談余地がある」と分かれば、最初の案件を小さく作れます。
訪問の目的は、顔を覚えてもらうことだけではありません。次の一手を決める情報を1つずつ増やすことです。
大手だけに絞らず、周辺の情報設備会社も並行して動かす
大手元請けは、つながればボリュームがあります。そこを狙う価値はあります。
ただ、時間がかかることもあります。
今回の会社でも、地域のIT系企業や情報機器会社からは、小さな工事につながりそうな反応が出ていました。この動きは止めないほうがよいです。
大手元請けへの営業は、組織構造を探りながら中長期で進める。
一方で、近しい業種の会社とは、困りごとが見えたところから小さく実績を作る。
この両輪が現実的です。
大手開拓は「量の柱」、周辺企業は「実績づくりの柱」として分けて考えると、営業活動の手応えが見えやすくなります。
まとめ
大手通信・情報設備系の元請けに営業しても案件が広がらないとき、原因は営業力だけではないことが多いです。
担当者には会えている。けれど、その担当者が協力会社選定の権限を持っていない。あるいは、担当チームの範囲外には話を広げられない。こうしたことはよくあります。
まず整理したいのは、次の3つです。
- 相手の工事部門は、東北全体管理なのか、県別・チーム別なのか
- 目の前の担当者は、どこまで工事と協力会社選定に関われるのか
- 今、どの地域・どの工種で協力会社の不足が起きているのか
この情報が取れると、「何回行くべきか」も見えやすくなります。
ただ顔を出すのではなく、毎回ひとつ情報を取りに行く。相手が上に話を上げやすい材料を渡す。小規模工事や手配が詰まりやすい地域から入り口を作る。
その積み重ねが、担当者止まりを抜けるきっかけになります。
大手元請け営業は、最初から大きな案件を狙うより、相手の不足地点を見つけて、小さく使ってもらう道を作るほうが進みやすいです。
大手元請けへの営業ルートを、自社の状況に合わせて整理したいときは
大手元請けに行くべきか。地域の情報設備会社を先に増やすべきか。担当者接点から上位者につなげるには、何を聞けばよいか。
このあたりは、会社の施工領域、対応エリア、資格者、既存実績によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで横断して、建設企業の持続的成長を支援しています。
「うちの場合は、大手にどう入ればいいのか」「今の接点を続けるべきか、別ルートを探すべきか」という段階でも大丈夫です。状況を伺いながら、次に整理すべき営業先や聞くべき情報を一緒に考えます。
無理な営業はいたしませんので、まずは自社の営業ルートを見直す場としてご活用ください。































