近畿地方の内装系専門工事会社が「採用より先に仕事」と考えている状況
近畿地方で内装系の専門工事を手がける、20名弱・年商数億円規模の会社で出てきたのは、かなり率直な言葉でした。
「うちにとっては逆なんです。ニワトリとタマゴの話でいうと、先に仕事なんですよね」
採用や組織づくりの話は大事です。もちろん、人がいなければ施工はできません。けれど、この会社の感覚は少し違いました。
まず仕事を取る。そこから必要な人材をつくる。最悪、外注でもいい。仕事がなければ、その選択すらできない。
この順番は、建設業ではかなり現実的です。
特に専門工事会社の場合、先に人を抱えると固定費が増えます。育成にも時間がかかります。ところが、肝心の仕事量が読めなければ、採用も外注手配も内製化も判断しにくくなります。
相談企業も、原価管理や予算管理は比較的得意な会社でした。弱いと感じていたのは、販路でした。
「欲しいのは販路かな。販路、採用。集客が特にいいかな」
ここで大事なのは、採用を軽く見ることではありません。この会社にとっては、採用や育成の前に、受注チャネルを増やすことが経営判断の起点になっていたということです。
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- 7月10日電気設備工事会社京都府
- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
名義や住み分けが決まっている中で、新しい元請け・一次請けに入り込む難しさ
販路開拓が難しい理由は、単に営業していないからではありません。
建設業の取引は、すでに関係性ができあがっていることが多いです。元請け、一次請け、協力会社。そこに長年の実績や紹介、担当者同士の信頼があります。
相談の中でも、こんな話が出ていました。
「一次請けという言い方もあるけど、名義って言い方もするから。もうその名義が決まっちゃってると、なかなか入り込めないですよね」
これは、多くの専門工事会社が感じていることだと思います。
たとえば、あるゼネコンには、すでに決まった内装会社がいる。あるハウスビルダーには、いつもの協力会社がいる。地場の建設会社同士でも、「ここはこの会社」「あそこはあの会社」という住み分けがあります。
そこへ無理に入ると、既存の関係を荒らすように見えることもあります。
「住み分けしてる中で攻めるわけでしょ。行儀悪いって言われることもある」
この感覚は大事です。
販路開拓は、ただ新規先に電話すればよいものではなく、相手先の取引構造と既存の住み分けを見ながら進める必要があります。
一方で、入り込める余地がまったくないわけでもありません。
既存業者が手いっぱいになっている。対応品質に不満がある。特定エリアだけ協力会社が足りない。小規模改修やスポット案件だけ別ルートで探している。新規事業や再販領域で、従来の協力会社だけでは足りない。
こうした隙間はあります。
問題は、その隙間をどう見つけるかです。
ビジネスマッチングだけでは「仕事が欲しい同士」で終わりやすい現実
販路開拓でよく使われる手段に、銀行や保険会社などが主催するビジネスマッチングがあります。
もちろん、うまくいくこともあります。ただ、相談の中ではかなり現場感のある指摘がありました。
「向こうも仕事をもらうために来てるから、マッチングしないんだよね。仕事欲しい、仕事欲しい同士だから」
この言葉は、販路開拓の本質を突いています。
建設会社が本当に会いたいのは、「仕事を出す側」です。元請け、発注者、管理会社、デベロッパー、ハウスビルダー、地場ゼネコンなどです。
しかし、交流会やマッチングの場には、同じように仕事を探している会社も多く集まります。結果として、名刺交換は増えても、具体的な見積もりや案件にはつながりにくいことがあります。
販路開拓では、「誰と会うか」より先に、「誰が発注権限や協力会社選定に近いのか」を見極める必要があります。
もう一つの背景として、市場の変動もあります。
ある内装工事会社では、商業施設需要の変動を見越して、特定市場に依存しない収益構造をつくりたいという課題がありました。そこで、再販事業に関わるマンション・戸建ての工事など、安定的に案件が出るチャネルを探していました。
その会社は、大手ハウスビルダーやデベロッパー側の事情を知る人脈を使い、見積もり案件の獲得と、1,000万円規模の新規工事受注につなげています。
ここで重要なのは、「紹介があったから受注できた」という単純な話ではありません。
既存の仕事だけに依存せず、どの市場の案件を取りにいくのかを先に決めたことが、販路開拓の精度を上げています。
商業施設なのか。戸建てなのか。マンション再販なのか。地場ゼネコンの改修なのか。大手ゼネコンの一部工種なのか。
狙う市場が曖昧なままだと、紹介もテレアポもぼやけます。
大手は一本釣り、地場は母数攻めで、受注後に外注・採用・内製化を決める進め方
販路開拓は、相手先によって攻め方を変えたほうが進めやすくなります。
同じ「新規開拓」でも、大手ゼネコンと地場建設会社では、効く打ち手が違います。ハウスビルダーやデベロッパーもまた別です。
最初に整理したいのは、「狙う相手先」と「こちらが提供できる工事の幅」です。
大きく分けると、次のように考えられます。
- 大手ゼネコンや大手ハウスビルダーを狙う場合
- 地場ゼネコンや地域の建設会社を広く狙う場合
- デベロッパー、再販会社、管理会社など特定領域を狙う場合
大手を狙う場合は、やみくもな電話より、発注や協力会社選定に近い部署・担当者へつなぐ動きが有効です。
大手は組織が大きいです。窓口を間違えると、話が進みません。購買なのか。工事部なのか。支店なのか。現場所長なのか。リニューアル部門なのか。
この場合は、元役員や業界人脈を通じて、誰に話を持っていくべきかを見極める「一本釣り型」の開拓が向いています。
一方で、地場ゼネコンや地域の建設会社を狙う場合は、対象が分散します。紹介だけでは数が足りません。
この場合は、調査して、リストをつくり、電話をかけ、反応を見て、商談化する。かなり地道です。
相談の中でも、地場の建設会社を開拓するケースでは、1日80〜100件ほど電話をかけて、商談まで一緒に進めるような話が出ていました。
「100のうちに当たる作戦ですね」
その通りです。
母数が多い市場では、紹介の一発勝負より、調べ切って当たりを見つける営業設計のほうが合うことがあります。
ただし、数を打つ前に決めておきたいことがあります。
1つ目は、取りたい工事の種類です。
新築なのか。改修なのか。内装仕上げなのか。部分工事なのか。緊急対応なのか。小口案件でもよいのか。ここが曖昧だと、相手に伝わりません。
2つ目は、受注後の施工体制です。
相談企業が言っていたように、最初は外注でもよい場面があります。むしろ、いきなり全てを内製化しようとすると重くなります。
大事なのは、受注後に慌てないことです。
- 既存社員で対応できる工事
- 協力会社を使えば対応できる工事
- 受注が継続すれば採用したい工事
- 将来的に内製化したい工事
この4つに分けておくと、営業先の選び方も変わります。
たとえば、協力会社を使ってでも対応できるなら、最初は案件化しやすい小〜中規模工事を狙えます。逆に、自社施工の強みを出したいなら、職人を抱えていることが評価される相手先を選ぶ必要があります。
最近は、職人を抱えていない一次請けが見直される場面も増えています。元請け側から見ても、実際に施工できる会社と直接つながるほうが、価格面でも品質面でも話が早いことがあります。
これは、専門工事会社にとって追い風になる可能性があります。
「仕事を取ってから人を考える」会社ほど、受注後に外注でつなぐ案件と、採用して内製化する案件を分けておくことが大切です。
販路開拓の順番は、次のように置くと整理しやすくなります。
- 既存売上の依存先を確認する
- 増やしたい案件領域を決める
- 狙う相手先を大手・地場・特定領域に分ける
- 一本釣りか母数攻めかを選ぶ
- 初回受注後の施工体制を外注・採用・内製化で分ける
- 継続案件化できる相手先に営業資源を寄せる
ここまで決めると、「とにかく新規開拓」ではなくなります。
営業の動きに芯が出ます。
まとめ
仕事が先か、人が先か。これは会社の状態によって答えが変わります。
ただ、今回のように、原価や予算の管理はある程度できていて、次の成長に向けて弱い部分が販路だと見えている会社では、先に受注チャネルをつくる考え方は自然です。
仕事がなければ、採用するか、外注するか、内製化するかの判断もできません。
一方で、販路開拓は気合いだけでは進みにくいです。
名義や住み分けがあります。既存業者もいます。紹介が効く相手もいれば、電話と調査で母数を攻めたほうがよい相手もいます。
だからこそ、最初に整理したいのはこの3点です。
- どの市場の案件を増やしたいのか
- 誰が発注や協力会社選定に近いのか
- 受注後に外注・採用・内製化をどう使い分けるのか
販路開拓は、案件を取る活動であると同時に、次の組織づくりの順番を決める活動でもあります。
焦って人を増やす前に、まず仕事の入口をつくる。そこから必要な体制を組む。
そう考えると、次の一手はかなり見えやすくなります。
自社に合う受注チャネルの整理から始めたい方へ
「うちは大手を狙うべきなのか、地場を広く回るべきなのか」「紹介で動くべきか、リストを作って営業すべきか」「受注後の外注・採用・内製化をどう考えるべきか」。
このあたりは、会社の工種、商圏、既存取引、施工体制によって変わります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の販路拡大、人材確保、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
まだ方針が固まっていない段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、「うちの場合は何から整理すべきか」を考える場としてお使いください。





























