前提

関東圏の30名弱の専門工事会社でも、実行予算と材料ロスの見え方に悩みが残っている状況

関東圏で専門工事を手がける30名弱の会社で、仕事そのものは一定量あります。目の前の案件も回っています。

ただ、経営者の関心は「もっと売上を増やす」よりも、足元の管理に向いていました。

「実行予算って、相変わらず言い方は悪いけど、どんぶりの会社ってまだありますよね」

この言葉には、かなり現場感があります。実行予算を作っていないわけではない。原価をまったく見ていないわけでもない。けれど、工事ごとに本当に利益が残っているかを、途中で判断できる状態にはなっていない

中小建設会社では、この状態が珍しくありません。現場は動いている。請求もできている。決算上も大きな問題には見えない。けれど、ふたを開けると「あの現場、ほとんど利益がなかった」「材料を捨てすぎていた」「手戻り分を誰も数字にしていなかった」ということが起きます。

原価管理の難しさは、表計算ソフトや管理ツールの有無だけではありません。現場の判断、材料の扱い、責任者の教育、社長への報告の仕方までつながっているところにあります。

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  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

「やっている感じ」の実行予算では、赤字現場と材料ロスが後からしか見えない

一番の課題は、実行予算が「管理するための数字」ではなく、「作ったことにする数字」になってしまうことです。

相談の中でも、こんな表現がありました。

「やってる感じだけならいいんだよ。でも任せたら大赤字だよ」

これは厳しい言葉ですが、現場を責めている話ではありません。むしろ、仕組みの問題です。

実行予算が曖昧なままだと、次のようなことが起きやすくなります。

  • 材料費が予定より増えても、途中で気づけない
  • 追加作業や手戻りが、現場の努力で吸収されてしまう
  • 人工の増減が、工事別の利益に反映されない
  • 余った材料や廃棄した材料が、原価として見えにくい
  • 現場責任者ごとに、判断基準が変わる

特に印象的だったのは、材料ロスへの問題意識です。

「現場で材料を捨てちゃっている。あれって会社じゃないよって考えることがあります」

建設現場では、余材や端材が出ます。すべてをゼロにはできません。ただ、どの現場で、何が、どれだけ余り、なぜ捨てたのかが分からない状態は、利益管理としては危うくなります。

材料ロスは、単なる「もったいない」ではありません。積算、発注、施工手順、保管、現場責任者の意識がつながった結果です。だからこそ、実行予算と原価管理の中で見えるようにする必要があります。

背景

叩き上げの現場力に頼るほど、予算管理と教育のばらつきが見えにくくなる

背景には、中小建設会社ならではの強さと難しさがあります。

多くの会社は、社長や幹部が叩き上げです。現場を知っています。経験で危ない現場も分かります。だからこそ、細かい管理表がなくても何とか回ってきた会社は多いです。

一方で、会社が少しずつ大きくなると、社長の目だけでは追いきれなくなります。現場責任者が増えます。協力会社も増えます。案件の種類も増えます。

そのときに、こんな悩みが出てきます。

「従業員の教育だって、社長ごと、上司ごとに違うだろうし、考えちゃいますよね」

原価管理も同じです。社長の頭の中には基準がある。でも、現場責任者に同じ基準が伝わっていない。上司によって教え方が違う。材料を大事にする人もいれば、早く終わらせることを優先する人もいる。

どちらが悪いという話ではありません。会社としての判断基準が言語化されていないと、現場ごとの利益は人の感覚に左右されやすくなるということです。

また、社内だけでは気づきにくい点もあります。

「自分ではできると思っていても、抜けてる部分はありますよね」

この感覚は大事です。原価管理は、経理だけの仕事ではありません。現場だけの仕事でもありません。見積、実行予算、発注、施工、変更対応、日報、請求、振り返りまでをつなげて初めて機能します。

どこか一つが抜けると、数字は合っているように見えても、利益の実態が見えなくなります。

解決

工事ごとの予算・実績・材料ロスを小さく見える化し、現場責任者と同じ基準で振り返る

原価管理を整えるときは、最初から大きな仕組みを入れようとしない方が進みやすいです。まずは、赤字になりやすい工事を後から知る状態から、途中で気づける状態に変えることを目標にします。

進め方は、大きく4つです。

1. 実行予算を「工事別の約束事」にする

実行予算は、作成して終わりではありません。現場責任者と会社が共有する「この範囲で利益を残す」という約束事にします。

最低限、次の項目は工事ごとに分けて見ます。

  • 材料費
  • 外注費
  • 労務費、人工
  • 重機、車両、運搬費
  • 現場経費
  • 想定される追加、手戻りリスク

細かすぎる表は続きません。最初は粗くて構いません。大事なのは、どの費目が増えたら利益が削られるのかを現場責任者が分かる形にすることです。

2. 予算と実績を「月末」ではなく「現場の節目」で見る

赤字現場は、終わってから分かっても打ち手が限られます。

そのため、確認のタイミングを月末だけにしないことが大切です。着工前、材料発注後、中間、完工前など、現場の節目で見ます。

たとえば、材料の発注が終わった時点で予算を超えているなら、施工方法や追加請求の確認が必要です。中間時点で人工が予定を超えているなら、残り工程の組み方を見直せます。

原価管理は、過去を集計するためだけでなく、残りの現場をどう守るかを判断するために使うものです。

3. 材料の廃棄と手戻りを、責めるためではなく学ぶために記録する

材料ロスは、現場で起きます。だから、現場を責める形にすると続きません。

見たいのは、誰が悪いかではなく、どこでロスが生まれたかです。

  • 積算数量が甘かったのか
  • 発注単位が合っていなかったのか
  • 施工手順で余りが出やすかったのか
  • 保管や運搬で傷みが出たのか
  • 変更指示や手戻りがあったのか

ここを記録すると、次の実行予算の精度が上がります。現場責任者の教育にも使えます。

材料を捨てた事実を数字で残すことは、現場を縛るためではなく、次の現場で利益を残すための材料になります。

4. 現場責任者に「数字の見方」を教える

原価管理は、社長と経理だけで抱えると限界があります。現場責任者が、最低限の数字を見られる状態にする必要があります。

教える内容は難しい会計ではありません。

  • この現場はいくら利益を残す計画なのか
  • 材料費がいくら増えると危ないのか
  • 人工が何日増えると利益が消えるのか
  • 追加作業はどの時点で相談するのか
  • 廃棄や手戻りはどう報告するのか

この基準がそろうと、現場からの報告が変わります。「何となく大丈夫です」ではなく、「材料費が予定より何万円増えています」「残り工程で人工が何日増えそうです」という会話になります。

ここまで来ると、原価管理は書類仕事ではなくなります。現場と会社が同じ数字を見て、早めに手を打つための共通言語になります。

社内だけで整理しにくい場合は、外部の視点で業務を棚卸しするのも有効です。見積から完工までの流れを第三者と一緒に見直すと、「ここで数字が止まっている」「ここで現場任せになっている」「ここで材料ロスが見えなくなっている」といった抜けが見つかりやすくなります。

まとめ

実行予算や原価管理は、完璧な表を作ることが目的ではありません。

大切なのは、工事ごとに利益が残っているかを途中で見えるようにすることです。

どんぶり勘定になりやすい会社ほど、現場力で何とかしてきた強さがあります。ただ、その強さに頼り続けると、材料ロスや手戻り、人工超過が数字に残らず、赤字現場に気づくのが遅れます。

まずは、工事別に予算と実績を分ける。材料廃棄と手戻りを記録する。現場責任者と数字の見方をそろえる。必要に応じて、外部視点で業務の流れを棚卸しする。

この順番なら、大きなシステムを入れなくても始められます。

「やっている感じ」の管理から、「途中で気づける」管理へ変えることが、中小建設会社の利益を守る第一歩になります。

自社の原価管理をどこから整えるか迷ったときは

実行予算、材料ロス、現場責任者への数字教育は、会社ごとに詰まりどころが違います。表の作り方より先に、見積、発注、日報、請求、振り返りのどこで数字が切れているかを見ることが大切です。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合は、まず何を見ればいいのか」「今の管理表で足りているのか分からない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はせず、状況の整理から一緒に進めます。

原価管理や実行予算の見直しについて考えたい方は、お問い合わせはこちらからご連絡ください。