前提

紹介で仕事は回っている千葉県の内装系専門工事会社が3期目で感じた信用の穴

千葉県北西部で、内装・仕上げ・金属まわりの工事を法人向けに請けている小規模な専門工事会社の話です。創業から数年が経ち、仕事は既存取引や紹介で回っています。代表自身も現場と管理を兼ねており、協力会社の力を借りながら案件をこなしている状態です。

この会社では、すでに仕事量が足りないわけではありません。むしろ「今は受けたところで手一杯になってしまう」という感覚があります。個人住宅のリフォームを取りにいきたいわけでもありません。

それでも、3期目を迎えるタイミングでホームページを作るべきか悩んでいました。理由は、営業のためではなく、取引先や求職者が会社を確認する場所がないことに、少しずつ不便と不安が出てきたからです。

相談の中で印象的だったのは、次の言葉です。

「仕事が欲しいわけじゃないんです。でも、紹介した先から『その会社、ホームページありますか?』って聞かれたんですよ」

建設業では、紹介や人づての信用が今も強く働きます。ただ、その紹介を受けた側が最初に確認する場所は、以前よりも明らかに変わっています。会社名を検索して、事業内容、施工領域、所在地、実績、採用情報を見にいく。そこに何も出てこないと、紹介者の信用とは別に、確認できない不安が残ります。

ホームページは、必ずしも集客装置である必要はありません。BtoBの専門工事会社にとっては、まず「信用の名刺」として機能させることが大切です。

1週間で 12件ダウンロード されました

  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

ホームページがないだけで取引先と求職者の確認先がなくなる

ホームページがないことの一番の問題は、会社の実力が伝わらないことではなく、相手が確認したいときに確認できないことです。

この会社の場合、取引はゼネコンや元請け、法人顧客が中心です。代表も「個人向けはやっていない」「リフォームの問い合わせが来ても困る」と話していました。つまり、ホームページを作ったからといって、幅広く問い合わせを増やしたいわけではありません。

一方で、取引先候補から見ると、ホームページがない会社には次のような確認のしづらさがあります。

  • どの工種に対応している会社なのか分からない
  • どのエリアで動いているのか分からない
  • 法人向けなのか個人向けなのか分からない
  • 施工実績や経験領域が見えない
  • 代表者や会社の姿勢が分からない
  • 採用している会社なのか分からない

建設業では、実際の腕や現場対応力が一番大事です。ただ、初めて接点を持つ相手にとっては、その前段階で「この会社は実在していて、どんな仕事をしていて、どんな姿勢で取引しているのか」を知りたい場面があります。

特に採用では、この傾向が強くなっています。求職者本人だけでなく、家族が検索するケースも増えています。

「自分の子どもがその会社に行くとなったら、絶対ホームページを見ますよね。載ってないところには行くなって思うかもしれない」

この感覚は、多くの中小建設会社に共通するはずです。現場を知っている側からすると「ちゃんと仕事をしている会社なのに」と思う会社でも、外からは見えません。会社の中身が悪いのではなく、外から確認できる情報が少ないことが信用面の損になっているのです。

背景

仕事を増やしたいわけではなく信用の名刺が必要になっている

この悩みの背景には、建設業らしい事情があります。紹介で仕事が回る会社ほど、ホームページの優先順位は下がりがちです。日々の現場、見積もり、段取り、協力会社との調整で手一杯になり、「いずれ作ろう」と思いながら後回しになります。

今回の会社も、創業当初から家族に「作った方がいい」と言われていました。ただ、代表自身はパソコンやシステムまわりに強いわけではなく、制作会社の選び方にも不安がありました。過去にIT機器やシステム関連の契約で苦い経験があり、「どこに頼めばいいのか分からない」という感覚もありました。

さらに、ホームページを作ることへの抵抗感もあります。

BtoB工事会社にとって、ホームページを作る不安は「問い合わせが増えないこと」ではなく、むしろ「不要な問い合わせが増えること」になりやすいです。

たとえば、次のような心配です。

  • 個人住宅のリフォーム相談が来てしまう
  • 対応していない小口工事の問い合わせが来る
  • 営業電話や売り込みが増える
  • 見積もりだけの問い合わせに時間を取られる
  • 現場対応中に電話が増えて業務が止まる

この不安は自然です。人員が限られている会社では、問い合わせ対応も立派な業務負担になります。受けられない仕事の連絡が増えれば、現場や管理の時間が削られます。

だからこそ、ホームページを「集客目的」で作るのではなく、最初から役割を絞る必要があります。

この会社に必要だったのは、広く仕事を集めるサイトではありません。紹介された取引先が確認でき、求職者とその家族が安心して見られ、なおかつ不要な問い合わせを抑えられるサイトです。

解決

問い合わせを増やすサイトではなくBtoB向けの確認用ページとして設計する

ホームページは、作る目的を間違えなければ、小規模な専門工事会社でも十分に意味があります。大事なのは、最初に「何を増やしたいのか」ではなく、誰に何を確認してもらうためのホームページなのかを決めることです。

今回のようなBtoB工事会社であれば、まずは次の5つを押さえるだけでも「信用の名刺」として機能します。

1. 会社概要は、最低限ではなく取引先が確認したい粒度で載せる

会社概要は、単なる住所や電話番号の一覧ではありません。取引先が見たいのは、「この会社と取引して大丈夫か」を判断するための基本情報です。

掲載する内容は、次のようなものです。

  • 会社名
  • 所在地
  • 対応エリア
  • 代表者名
  • 設立年
  • 事業内容
  • 建設業許可の有無
  • 対応工種
  • 主な取引先区分
  • インボイス登録番号など必要な取引情報

ここで重要なのは、個人向けではなく法人向けの工事会社であることを明確に書くことです。

たとえば、「ゼネコン・元請会社・管理会社・法人のお客様を中心に、内装仕上げ、金属工事、各種改修工事に対応しています」と書くだけでも、個人リフォーム目的の問い合わせはある程度減らせます。

2. 施工実績は、守秘に配慮しながら工種と規模感を伝える

BtoB工事では、現場名や元請名をそのまま出せないことも多いです。その場合でも、施工実績をまったく出せないわけではありません。

たとえば、次のような表現ができます。

  • 首都圏マンション共用部改修工事
  • 商業施設内装仕上げ工事
  • オフィスビル金属工事
  • 学校施設改修工事
  • 店舗内装工事

実名を出さなくても、対応できる建物用途、工種、工事規模、施工エリアが分かれば十分に判断材料になります。

施工実績の役割は、自慢ではなく「この種類の工事に慣れている会社です」と伝えることです。写真を載せられる場合は載せ、難しければ文章だけでも構いません。

3. 対応工種は、広げすぎず「受けたい仕事」に合わせて書く

問い合わせを増やしたくない会社ほど、対応工種の書き方が大切です。何でもできます、何でも相談してください、という表現にすると、意図しない問い合わせが増えます。

今回の会社であれば、内装、仕上げ、金属工事など、実際に請けている領域を中心に整理します。さらに、対応できない仕事もやわらかく明記します。

たとえば、次のような書き方です。

  • 法人・事業者向けの工事を中心に対応しています
  • 個人住宅の小規模リフォームは原則対応しておりません
  • 工事内容により、協力会社と連携して対応します
  • 対応可否は案件概要を確認のうえご回答します

これは冷たい印象を与えるためではありません。最初から対応範囲を明確にすることで、相手にも自社にも無駄なやり取りを減らすためです。

4. 取引姿勢を載せると、紹介先が安心してつなぎやすくなる

建設業の紹介では、紹介者も責任を感じます。紹介した会社が現場でトラブルを起こさないか、連絡が取れるか、書類対応ができるか、安全面の意識があるか。紹介する側も、実は不安を持っています。

そのため、ホームページには技術だけでなく、取引姿勢も載せておくと効果があります。

たとえば、次のような内容です。

  • 現場ごとの工程・品質・安全を重視していること
  • 元請会社との報連相を大切にしていること
  • 協力会社と連携して対応していること
  • 必要書類や現場ルールに沿って対応すること
  • 無理な受注より、対応品質を優先すること

小さな会社ほど、代表や管理者の考え方がそのまま会社の信用になります。「どんな姿勢で仕事をする会社か」を言葉にしておくことは、紹介営業を支える見えない土台になります。

5. 採用情報は、今すぐ募集していなくても確認用に置いておく

採用ページは、求人を出すときだけ必要なものではありません。求職者が会社を調べたとき、採用情報がまったくないと「人を募集していない会社なのか」「入っても大丈夫なのか」が分かりません。

特に建設業では、本人だけでなく家族が見ることもあります。家族が知りたいのは、派手な言葉よりも、会社の基本的な安心材料です。

最低限、次の情報があると確認しやすくなります。

  • どんな仕事をしている会社か
  • 未経験者を受け入れるのか、経験者中心なのか
  • どんな人と働きたいか
  • 勤務地や現場エリア
  • 休日や働き方の考え方
  • 代表メッセージ
  • 連絡方法

今回の会社では、すぐに未経験者を育てる余力が十分にあるわけではありませんでした。その場合は、無理に「未経験歓迎」と打ち出す必要はありません。

採用情報は背伸びして書くより、今の受け入れ体制に合わせて正直に書いた方が、入社後のミスマッチを減らせます。

問い合わせ導線は、あえて絞ってよい

ホームページを作ると、問い合わせボタンを大きく置きたくなります。ただ、紹介中心で仕事が回っているBtoB工事会社では、問い合わせ導線は絞って構いません。

たとえば、次のような設計が考えられます。

  • 問い合わせフォームは「法人・事業者様向け」と明記する
  • 個人住宅リフォームは対応外と書く
  • 問い合わせ項目に「会社名」「工事種別」「現場エリア」を入れる
  • 電話番号を大きく出しすぎず、フォーム中心にする
  • 営業目的の連絡は控えてほしい旨を記載する
  • 採用応募と工事相談の窓口を分ける

これにより、ホームページを持ちながらも、不要な連絡をある程度抑えられます。

ホームページは、問い合わせを最大化するためだけのものではありません。必要な相手に、必要な情報だけを届ける設計もできます。

制作会社を選ぶ前に、ページ構成を自社で決めておく

ホームページ制作で失敗しやすいのは、制作会社に丸投げしてしまうことです。見た目はきれいでも、建設業の取引構造や採用事情に合っていないサイトになることがあります。

制作会社を探す前に、まずは自社で次の点を整理しておくと進めやすくなります。

  • 誰に見てもらうホームページか
  • 仕事を増やしたいのか、信用確認用なのか
  • 個人向け問い合わせを受けるのか受けないのか
  • 採用情報をどこまで載せるのか
  • 施工実績を実名で出せるのか、匿名で出すのか
  • 更新は誰が担当するのか
  • 月額契約や長期契約の条件はどうなっているのか

特に、契約期間や保守費用、更新費用、解約条件は事前に確認した方がよいです。建設業ではITまわりに詳しい人が社内にいないことも多く、契約してから「思っていたものと違った」となりやすい領域です。

制作会社選びより先に、自社にとってのホームページの役割を決めることが、失敗を避ける一番の近道です。

まとめ

紹介で仕事が回っている建設会社にとって、ホームページは必ずしも営業のための道具ではありません。むしろ、取引先、紹介先、求職者、求職者の家族が会社を確認するための「信用の名刺」として考える方が合っています。

今回のように、仕事は足りている、個人リフォームは受けていない、むやみに問い合わせを増やしたくない、という会社でも、ホームページを持つ意味はあります。

大切なのは、次の考え方です。

  • ホームページの目的を「集客」ではなく「信用確認」に置く
  • 法人向けの工事会社であることを明確にする
  • 会社概要、施工実績、対応工種、取引姿勢、採用情報を過不足なく載せる
  • 個人向けや不要な問い合わせが来にくい導線にする
  • 制作会社に頼む前に、自社で載せる内容と役割を整理する

ホームページがないから会社の信用がない、という話ではありません。ただ、外から確認できないことで、せっかくの紹介や採用機会が少し遠回りになることはあります。

小さくても、自社らしい情報が整理されたホームページがあるだけで、紹介された相手は確認しやすくなり、求職者の家族にも伝わりやすくなります。

信用の名刺としてのホームページを整えるために

ホームページを作るかどうかで迷うときは、いきなり制作会社を探すよりも、まず「誰に何を見せるためのものか」を整理するところから始めると進めやすくなります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。ホームページについても、単なる制作物としてではなく、取引先からの信用、採用時の見え方、不要な問い合わせを抑える導線設計まで含めて考えることができます。

「うちの場合は営業用に作るべきなのか、信用確認用で十分なのか」「個人向け問い合わせを増やさずに会社情報だけ出したい」といった段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、方向性の整理先としてご相談ください。

お問い合わせはこちら