前提

商業施設の内装に強い15名前後の会社が、次の受注の柱を探していた

関西圏のある内装工事会社は、年商6億〜9億円ほど、社員は15名前後の規模でした。

これまでの主戦場は商業施設まわりの内装工事です。一定の実績もあります。現場対応力もあります。ただ、社長の頭の中には、少し先の景色がありました。

「商業施設の需要がこの先どう動くか、やっぱり読みにくいですよね」

「特定の市場に依存しない形にしておきたいんです」

この会社が考えていたのは、単なる売上拡大ではありません。商業施設だけに寄りすぎた売上構造を見直し、需要変動に強い受注ポートフォリオを作ることでした。

その一歩として、再販事業に関わるマンション・戸建ての工事、ハウスビルダーやデベロッパーとの接点づくりが検討されました。結果として、大手ハウスビルダーの見積もり案件につながり、1,000万円規模の新規工事受注にも至っています。

ここで大事なのは、「新しい仕事を取りに行った」という話だけではない点です。

どの市場に依存しているのか。どの市場なら既存体制で受けられるのか。どの順番で実績を作るのか。

この整理があって、はじめて販路開拓が経営上のリスクヘッジになります。

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  • 7月10日電気設備工事会社京都府
  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

新規営業を増やすだけでは、安定受注のポートフォリオにはならない

受注を増やしたいとき、まず考えるのは営業先の拡大です。

ただ、建設業の販路開拓は簡単ではありません。

「仕事が先なんだよね。仕事がないと、人を増やすか外注でいくかの選択すらできない」

この言葉は、多くの中小建設会社にとってかなり実感があるはずです。

仕事があれば、外注を組むこともできます。人を採る判断もできます。協力会社との関係も作れます。けれど、仕事がなければ、その前提に立てません。

一方で、営業をかければすぐに受注できるわけでもありません。

内装工事や専門工事の世界では、既に取引先が決まっていることが多いです。現場では「名義が決まっている」「住み分けがある」という感覚もあります。既存の協力会社がいて、急に別会社が入り込む余地が少ないケースもあります。

銀行や保険会社などのビジネスマッチングに出ても、うまく噛み合わないことがあります。

「仕事が欲しい会社同士が集まっても、なかなか仕事にはならないんだよね」

これも現場感のある話です。

つまり、課題は「営業数が足りない」だけではありません。

安定受注を作るには、営業活動の前に、狙う市場・相手・工事規模・実績作りの順番を決める必要があります。

ここを飛ばすと、動いているのに成果が見えにくくなります。

背景

商業施設一本足では、需要変動と既存取引の壁を同時に受けやすい

商業施設の内装工事は、会社の強みになりやすい領域です。

短工期への対応。夜間や休日の段取り。仕上げ品質。関係者との調整。こうした経験は、簡単には真似できません。

ただし、商業施設の需要は、社会情勢や出店計画、投資判断の影響を受けます。景気感、消費動向、テナントの入れ替わり、施設側の改修予算。こうした要素で案件量が変わります。

だからこそ、社長が「商業施設需要の変動を見越しておきたい」と考えるのは自然です。

一方で、内装工事会社の技術は、商業施設だけに限られません。

たとえば、次のような市場にも広げられる可能性があります。

  • 再販事業におけるマンション内装
  • 中古戸建ての改修
  • ハウスビルダーのリフォーム・改修案件
  • デベロッパー系の小〜中規模工事
  • 住宅系の継続的な見積もり案件

ただし、ここで注意したいのは、「できる工事」と「継続的に受けて利益が残る工事」は別物だということです。

商業施設で培った施工力があっても、住宅系の再販案件では求められるものが少し変わります。

見積もりのスピード。細かな仕様調整。複数現場の並行管理。施主や管理会社とのやり取り。引き渡し後の対応。案件単価も、商業施設とは違う動き方になります。

また、狙う相手によって営業方法も変わります。

大手ハウスビルダーやデベロッパーのように、決裁ルートや協力会社網がある相手なら、むやみに数を打つだけでは進みにくいです。誰に話を通すか。どの実績を見せるか。どの工事なら試しやすいか。入口の設計が大事になります。

一方で、地場の建設会社や不動産会社、再販事業者など母数が多い相手を開拓するなら、リスト化して地道に接点を作るほうが合う場合もあります。

販路開拓は、紹介がよいか、地道な営業がよいかではなく、狙う市場の構造に合わせて選ぶものです。

ここを見誤ると、せっかく動いても「会えたけれど仕事にならない」「見積もりは出したけれど次につながらない」という状態になりやすくなります。

解決

まず受けられる工事規模と狙う相手を絞り、小さな実績から横展開する

安定受注のポートフォリオを作るときは、いきなり大きく市場を広げないほうが進めやすいです。

おすすめしたい考え方は、今の会社で無理なく受けられる工事から、新しい市場の実績を作ることです。

順番は大きく5つです。

1. いまの売上がどこに偏っているかを見る

最初に見るべきは、売上の内訳です。

商業施設が何割を占めているのか。特定の元請けにどれだけ依存しているのか。粗利が残っている工事はどれか。現場が詰まりやすい時期はいつか。

売上高だけではなく、粗利と人の動きも一緒に見ます。

たとえば、商業施設の売上が大きくても、短納期対応が続いて現場管理に負荷がかかっているなら、別の柱を作る意味は大きくなります。

逆に、商業施設の利益率が高く、既存顧客との関係も強いなら、急に大きく舵を切る必要はありません。まずは補助線として別市場を持つ形でも十分です。

ポートフォリオ作りは、既存事業を否定する話ではなく、売上の偏りを見える化するところから始まります。

2. 新しく狙う市場を「近さ」で選ぶ

次に、どの市場へ広げるかを決めます。

内装工事会社の場合、候補になりやすいのは再販マンション、戸建て改修、ハウスビルダー、デベロッパー、不動産会社系の改修案件などです。

このとき、魅力的な市場かどうかだけで選ばないほうがよいです。

見るべき軸は、次の4つです。

  • 既存の施工力を活かせるか
  • いまの管理体制で回せる工事規模か
  • 継続案件につながる相手か
  • 最初の実績を作る入口があるか

特に中小規模の会社では、工事規模の見極めが大事です。

いきなり大きな案件を狙うと、受注できても現場が崩れることがあります。逆に小さすぎる案件ばかりだと、手間の割に利益が残らないこともあります。

先ほどの会社では、1,000万円規模の工事がひとつの現実的な入口になりました。既存体制で対応でき、かつ新しい市場で実績として見せやすい規模だったからです。

最初の狙い目は、会社の背丈に合っていて、次の紹介や見積もりにつながる工事です。

3. 営業先を「会社名」ではなく「受注チャネル」で考える

新しい市場を狙うときは、「どの会社に営業するか」だけでなく、「どの受注チャネルを作るか」で考えると整理しやすくなります。

たとえば、再販事業を狙うなら、再販会社そのものだけでなく、そこに関わる不動産会社、管理会社、設計会社、ハウスビルダー、デベロッパーなどが入口になります。

ハウスビルダーを狙うなら、いきなり本部に話すのがよい場合もあれば、エリア担当や工事部門に入るほうが早い場合もあります。

デベロッパーを狙うなら、改修・リニューアル系の部署なのか、アフター対応なのか、協力会社登録なのかで入口が変わります。

ここを曖昧にしたまま営業すると、会話はできても受注に近づきません。

販路開拓では、「付き合いたい会社」より先に、「その会社のどこから仕事が出るのか」を見ることが大切です。

4. 最初は見積もり案件でもよいので、動ける証拠を作る

新しい市場では、最初から大きな受注を狙いすぎないほうがよいです。

まずは見積もり依頼をもらう。小さめの工事を受ける。対応スピードを見てもらう。現場での納まりや段取りを評価してもらう。

この積み重ねが次につながります。

「大手ハウスビルダーの見積もり案件を獲得できた」という状態は、受注前でも大きな前進です。相手の土俵に乗ったということだからです。

そこから1件の受注が生まれると、次は「同じような案件を任せられるか」という話になります。

そのためには、工事後に実績を残しておくことも大事です。

  • 工事内容
  • 金額帯
  • 工期
  • 対応範囲
  • 施工写真
  • 相手から評価された点
  • 次回改善すべき点

こうした情報を整理しておくと、次の営業で使えます。

新市場の開拓では、1件目の受注そのものより、2件目につながる実績の残し方が重要です。

5. 紹介で行くか、地道に当たるかを市場ごとに分ける

販路開拓には、正解がひとつではありません。

大手企業や決裁ルートが複雑な相手なら、業界経験者や既存のつながりを活かして、適切な部署・担当者に話を通すほうが進みやすい場合があります。

一方で、地場の建設会社、不動産会社、再販事業者など、候補先が多い市場では、リストを作って一社ずつ接点を取るほうが合うこともあります。

どちらが優れているという話ではありません。

狙う相手が少数で深い関係型なら紹介や人脈、母数が多く分散している市場ならリスト営業が向いています。

ここを分けて考えるだけで、営業活動の無駄打ちは減ります。

そして、営業の入口では「何でもできます」と言いすぎないことも大切です。

むしろ、最初は絞ったほうが伝わります。

「再販マンションの内装で、1,000万円前後までの改修なら対応できます」

「戸建て改修の仕上げ工事で、短工期の案件に対応できます」

「商業施設で培った内装対応を、住宅系の改修にも展開できます」

このように、相手が発注しやすい言葉に置き換えます。

新しい市場に入るときは、自社の強みを相手の発注単位に翻訳することが必要です。

まとめ

商業施設に強い内装工事会社が、商業施設以外の受注チャネルを作ることは、十分に現実的です。

ただし、単に新規営業を増やすだけでは安定しません。

大事なのは、次の順番です。

  • いまの売上と粗利の偏りを見る
  • 商業施設以外で近い市場を選ぶ
  • 既存体制で受けられる工事規模を決める
  • ハウスビルダー、デベロッパー、再販事業者などの入口を設計する
  • 見積もり案件や小さな受注から実績を作る
  • 2件目、3件目につながる形で記録を残す

安定受注のポートフォリオは、いきなり大きな柱を作るというより、小さな柱を意図的に増やしていく感覚に近いです。

商業施設の仕事を大切にしながら、住宅系・再販系・ハウスビルダー系の案件を少しずつ持つ。

その状態が作れると、社会情勢や市場の変動があっても、経営判断に少し余裕が生まれます。

「仕事が先」という感覚は、とても自然です。

だからこそ、仕事を取りに行く前に、どの仕事を取りに行くのかを決めておくことが大切です。

自社に合う受注ポートフォリオを整理したいときは

商業施設、住宅、再販、元請け、ハウスビルダー、デベロッパー。

どの市場を狙うべきかは、会社の施工体制、既存顧客、利益率、現場管理の余力によって変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、販路拡大、採用、組織、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合は、どの市場から広げるのが現実的か」

「既存体制で受けられる工事規模をどう考えればよいか」

「紹介と営業活動をどう使い分けるべきか」

こうした段階からでも、整理のお手伝いができます。無理な営業はいたしませんので、まずは状況の整理先としてご活用ください。

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