創業間もない防水系専門工事会社で、社長が現場を抜けながら営業・経理・教育まで見ている状態
関東近郊のある防水系専門工事会社では、社員5名ほどと外注数名で、マンションなどの枠埋め工事を中心に受注しています。1現場に入ると200戸超の規模で、完了まで1年ほどかかる案件もあります。主要取引先も複数あり、売上は5,000万円弱まで伸び、利益も自然に上がっている状況です。
社長はまだ30代半ばですが、15歳ごろからこの仕事に入り、業界歴は約20年近くあります。技術も営業も自分で積み上げ、前職のつながりに頼らず、自分で仕事を取ってきました。
一方で、日々の動きはかなり社長に寄っています。現場の合間に連絡対応をし、社員や外国人材の教育も見て、営業先との関係も持ち、経理も自分で進めています。本人の言葉を借りれば、「営業も経理も全部自分でやっています。もう慣れました」という状態です。
ここで大事なのは、今すぐ何かが詰まっている会社ではないという点です。受注も利益も人の採用見込みもある程度見えているからこそ、次に考えるべきテーマは「社長が頑張れば回る会社」から「次の人に残せる会社」へ移ることです。
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- 7月10日電気設備工事会社京都府
- 7月8日総合土木愛知県
- 7月8日工務店山形県
- 7月8日外構工事会社群馬県
- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
目先の受注が安定していても、会社の基盤が社長の頭と手の中に残っていること
この会社の課題は、仕事がないことではありません。むしろ、今の時点では案件の流れもあり、主要取引先との関係もできています。人についても、高校新卒の採用や外国人材の育成を進めており、増員の道筋も考えています。
ただし、会社の成り立ちを整理すると、重要な機能の多くが社長本人に集まっています。
- どの取引先から、どの案件を受けるか
- 空き日をどう埋めるか
- 枠埋め工事の品質をどう判断するか
- 若手や外国人材に何をどう教えるか
- 経理、請求、入金、支払いをどう回すか
- 外注や協力先をどこまで信用するか
これらが回っているのは、社長の経験値と判断力があるからです。創業直後の小規模会社では自然な形ですし、むしろ最初は社長が全部見るほうが品質もスピードも安定します。
しかし、次世代に会社を残すとなると話は変わります。社長自身も「65歳で仕事を辞めたい。次の候補が2人いるので、その子たちに残せる会社にできればいい」と話していました。
引き継ぎで本当に残すべきものは、売上だけではなく、売上を再現するための業務の型です。 今の受注が安定していても、営業判断、現場判断、教育方法、経理の流れが社長の中だけにあると、後継者候補は会社を引き継いだ瞬間に、見えない仕事を大量に背負うことになります。
外注で信用を落とした経験があるからこそ、自分で育てた人に任せたいという構造
社長依存が強くなる背景には、単に任せるのが苦手という話ではなく、建設業らしい現実があります。
この会社では、過去に外注先の施工品質で信用を落とされた経験がありました。施工がうまくいかなければ、最終的に謝りに行くのは自社です。相手先との関係を戻すために時間も気も使います。社長としては、「自分が育てた子以外は、あまり任せたくない」という感覚になります。
この判断はよく分かります。特に枠埋めのように、品質のばらつきが信用に直結する専門工事では、安易に外注を増やすより、内製で育てるほうが長い目では安定します。
一方で、内製で育てる方針を取るなら、教育の負荷は必ず社長や先輩社員に乗ります。社員の平均年齢は20代後半、業界歴は平均5年ほど。ちょうど一人前になる手前から、次の若手を教え始める時期です。さらに外国人材や高校新卒が入ってくると、現場での指示、作業基準、安全面、生活面の確認まで、教える側の役割が増えます。
外注に頼りすぎない会社をつくるなら、教育を社長の感覚から現場リーダーの仕事に変えていく必要があります。 ここを飛ばして人数だけ増やすと、社長の負担は軽くならず、むしろ確認と手戻りが増えます。
もう一つの背景は、取引先との関係です。主要取引先が複数あり、大型案件を中心に受けながら、空いた日には別ルートの細かい工事も入れる。この動きは、社長の営業感覚があるから成り立っています。
どの会社の案件は単価が合うのか。どの現場は人を育てやすいのか。どの担当者とは早めに段取りを詰めるべきか。こうした判断が社長の頭の中にある限り、営業を誰かに任せることは難しくなります。
社長の仕事を一気に手放すのではなく、業務の棚卸しと任せる順番を決めること
次世代に残せる会社の基盤づくりは、社長の仕事を急に減らすことではありません。最初にやるべきことは、社長が担っている仕事を見える形に分けることです。
小規模な専門工事会社の場合、まず次の5つに分けると整理しやすくなります。
- 現場の仕事:施工、段取り、安全確認、品質確認
- 教育の仕事:新人への教え方、外国人材への指示、先輩社員の関わり方
- 営業の仕事:主要取引先との関係維持、案件選定、空き日の調整
- 事務・経理の仕事:請求、支払い、入金確認、給与、外注費の管理
- 経営判断の仕事:人を増やすか、案件を受けるか、利益をどう残すか
この中で、社長が最後まで持つべきものと、早めに渡せるものを分けます。おすすめは、いきなり営業や経理を丸ごと渡すのではなく、現場の再現性が高い仕事から任せることです。
たとえば、後継者候補や中堅社員に対して、まずは次のような役割を持たせます。
- 1現場の朝礼前確認を任せる
- その日の作業範囲と人員配置を考えさせる
- 新人に教える作業を1つ決めて任せる
- 作業後の確認ポイントをチェック表に沿って見てもらう
- 社長への報告内容を固定する
ポイントは、任せる範囲を小さくし、社長の確認ポイントを決めておくことです。任せるたびに社長が最初から全部見直していると、社員は育ちません。逆に、完全に放任すると品質が不安定になります。「任せる範囲」と「社長が見る基準」をセットにすることで、教育と品質管理が両立します。
次に、教育の型をつくります。枠埋め工事であれば、作業名だけでなく、どこで差が出るのか、どの状態ならやり直しなのか、どのタイミングで先輩に確認するのかを言葉にします。完璧なマニュアルでなくても構いません。最初は、社長や先輩が普段言っている注意点を箇条書きにするだけで十分です。
事務・経理は、作業そのものをすぐ外に出すより、まず月次の流れを固定します。
- 毎月何日に請求を締めるか
- 入金確認は誰が、いつ見るか
- 外注費や材料費をどの現場に紐づけるか
- 社長が確認する数字は何か
- 税理士や外部担当者に渡す資料は何か
経理は「社長が全部やる」か「誰かに丸投げする」かではなく、締め日と確認項目を決めるだけでも属人性が下がります。 特に売上が伸びている会社ほど、資金繰りや利益の見え方を月ごとにそろえておくと、後継者候補も会社の状態を理解しやすくなります。
営業については、すぐに取引先対応を渡す必要はありません。まずは主要取引先の一覧をつくることから始めます。取引先ごとに、案件の規模、工期、単価感、担当者、注意点、空き日を埋めやすいかどうかを簡単に記録します。
この会社のように、複数の取引先から大型案件と細かい案件を組み合わせている場合、営業の強さは人脈だけではありません。どの取引先と、どのタイミングで、どの規模の仕事を組むと会社が安定するかという判断が資産です。 その判断を記録しておくことが、次の世代への引き継ぎになります。
最後に、後継者候補2名には、早い段階から会社の全体像を少しずつ見せることが大切です。現場ができる人と、会社を見られる人は違います。いきなり経営を教える必要はありませんが、月に一度でも、売上、現場数、人員、教育状況、取引先の動きを一緒に確認する場をつくると、会社を見る目が育ちます。
まとめ
創業間もない小規模な専門工事会社では、社長が営業、現場、経理、教育まで担うのは自然なことです。特に、仕事を自分で取ってきて、品質で信用を積み上げてきた会社ほど、社長依存は強くなります。
ただ、受注が安定し、人も増え始め、後継者候補が見えているなら、次に必要なのは拡大だけではありません。社長の経験と判断を、会社の仕組みとして残すことです。
最初の一歩は大きな改革ではなく、社長の仕事を棚卸しすることです。そのうえで、現場の段取り、教育、経理の流れ、取引先管理の順に、少しずつ見える化していきます。
次世代に残せる会社は、社長がいなくても何も困らない会社ではなく、社長が積み上げてきた信用と判断を、次の人が再現できる会社です。 その基盤づくりは、今の仕事が回っているうちに始めるほど、無理なく進めやすくなります。
社長依存を減らす順番を、今の会社の状態から整理する
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「今は大きく困っていないが、将来引き継げる会社にしておきたい」「営業や経理や教育を、どこから任せればよいか分からない」という段階でも、会社の現在地を一緒に整理できます。
ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、無理に何かを売り込むのではなく、必要な論点から順番に確認します。無理な営業はいたしませんので、うちの場合はどう考えるべきかという整理先としてご活用ください。






























