5〜10年先の仕事は見えている一方で、15名強の土木・道路系専門工事会社では職長不足が成長の詰まりになっている状態
関東近郊で土木・道路工事、工場まわりの外構工事などを手がける、15名強の専門工事会社の話です。既存取引先からの案件は堅調で、社長の感覚としても「5年から10年ぐらいの仕事はあるんです」という見通しがありました。
売上も数年前から右肩上がりで、今後も一定の規模までは伸ばせる感触があります。ただし、外注に頼りすぎると利益が残りにくいことも経験済みです。そのため、自社の職人を軸にしながら、無理なく売上を伸ばしたいという考え方が土台にあります。
一方で、社内の人員構成を見ると、職人は増えつつあるものの、現場を任せられる職長が足りません。現在の職長層は、専属外注を含めて3〜4名程度。社長自身も「私は別で、自分で動いてます」と話しており、会社としては伸びているのに、社長が現場側から完全には抜けきれていない状態です。
このような会社では、単に「人を増やす」だけでは解決しません。仕事量、職長人数、年齢構成、社長の現場稼働を同じ表に置いて見直す必要があります。
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- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
職人は増えているのに、現場を預けられる職長が増えず売上拡大の上限が見え始めていること
この会社では、前年にホームページを複数作り直し、採用に相当な投資もしています。その結果、数名の入社はありました。年末には外国籍社員も加わる予定で、人数だけを見ると少しずつ増えています。
それでも社長の感覚は、「もう一つ足らない」というものでした。足りないのは、未経験者や若手職人の人数そのものではありません。社長がはっきり言っていたのは、「職長をもう少し増やしたい」ということです。
ここが大事です。採用課題に見えていても、実際には「職人不足」ではなく「職長不足」であるケースがあります。
職長が不足すると、次のようなことが起きます。
- 受けられる現場数が増えない
- 社長や限られたベテランに確認が集中する
- 若手や外国籍社員が育っていても、任せきる判断ができない
- 経験者を採りたいが、誰を採るべきかが曖昧になる
- 売上を伸ばせても、管理負荷が先に限界を迎える
この会社も、現場で頑張る人はいます。外国籍社員の中にも「かなりできる子」がいて、現場を任せてもよい水準に近づいています。ただ本人からは「ちょっと心配だから、一人つけてください」という声もありました。
つまり、職長候補はいるが、一人で任せ切るにはまだ不安が残る段階です。この状態で採用だけを強めても、職長不足の根本解決にはつながりにくいです。
60代の職長・職人が数年内に抜ける前提で、次の職長を誰が担うかを決めきれていないこと
職長不足が難しいのは、今日明日の人数だけでなく、5年後・10年後の人員構成に直結するからです。
この会社では、20代・30代の若手も一定数います。外国籍社員も定着しており、「嫌で辞めてる人はまだいないですね」という言葉からも、社内環境は悪くありません。若手が辞めて高齢層だけが残る会社も多い中で、これは大きな強みです。
一方で、60代の社員が複数名います。そのうち、職人が数名、職長が1名程度。定年まではまだ数年ありますが、10年単位で見ると抜ける前提で考える必要があります。
ここで整理したいのは、「いま職長が足りない」だけでなく、「数年後には職長候補を育てておかないと、さらに足りなくなる」という構造です。
また、社長が欲しい人材像もかなり具体的でした。
「3、40代でしょうね。仕事はできるんだけど、上が空かなくて、頭が出なくて、くすぶってるような人が欲しい」
これは、多くの専門工事会社にとって現実的な採用ターゲットです。完全な未経験者を育てる余裕がない時期には、経験者採用を考えたくなります。特に、他社で一定の経験がありながら、ポジションの空きがなく、職長や番頭に上がりきれていない中間層は魅力的です。
ただし、ここで注意したいのは、経験者採用だけに期待しすぎると、社内の職長育成が後回しになることです。外から3〜40代の経験者を採ることは有効ですが、採れたとしても会社のやり方に馴染むまで時間がかかります。逆に、社内には定着している若手や、任せられる可能性のある外国籍社員もいます。
採用と育成を分けて考えるのではなく、同じ職長計画の中で見ることが必要です。
経験者採用・内部登用・育成計画を、必要な職長数から逆算して優先順位づけすること
職長不足を解く順番は、求人媒体やホームページを増やすことからではありません。まず、今後の仕事量に対して、何人の職長が必要なのかを数字で置くことです。
たとえば、次の4つを一度整理します。
- 3年後・5年後に維持したい売上規模
- その売上を回すために必要な現場数
- 現場数に対して必要な職長人数
- 60代の職長・職人が抜けた後の不足人数
この会社の場合、安定的には3億円規模、案件次第ではさらに上を狙える見通しがあります。ただ、社長自身が現場で動き続ける前提にすると、職長不足は見えにくくなります。社長を職長人数に含めずに計算することが、次の組織づくりの出発点です。
そのうえで、採用と育成の優先順位を決めます。
まず、短期で効くのは経験者採用です。社長が言うように、3〜40代で経験があり、今の会社では上が詰まっている人は、職長候補として狙う価値があります。ただし、採用時には「経験年数」だけで見ないほうがよいです。
見るべきなのは、次のような点です。
- 小さな現場でも段取りを組んだ経験があるか
- 元請けや他業者とのやり取りを任されたことがあるか
- 若手や外国籍社員に仕事を教えた経験があるか
- 自分で手を動かすだけでなく、人を動かす意識があるか
- 社長の現場判断を一部でも代替できるか
「できる職人」と「任せられる職長」は違います。 採用時には、この違いを面接や現場見学で確認する必要があります。
次に、社内の職長候補を決めることです。外国籍社員であっても、現場を任せられる可能性があるなら、候補から外す必要はありません。ただし、本人が不安を感じているなら、いきなり一人で任せるのではなく、補佐をつけた段階的な登用が現実的です。
たとえば、次のような段階を作ります。
- まずは職長の横で、段取りと指示出しを一部任せる
- 小規模現場で、朝礼・材料確認・作業割りを任せる
- ベテランが巡回確認する形で、半日単位で任せる
- 元請けとのやり取りの一部を同席から始める
- 最後に、1現場を任せる基準を明文化する
このとき大事なのは、社長やベテランの頭の中にある「任せられる」の基準を言葉にすることです。安全、品質、段取り、報連相、原価感覚、人への指示。このあたりを曖昧にしたままでは、候補者本人も何を超えれば職長なのか分かりません。
そして、中長期では未経験者採用も必要になります。今は余裕がなくても、5年後・10年後に60代が抜ける前提なら、若手を職長候補に育てる道筋を作らなければなりません。
採用広報も、ここにつなげて見直すべきです。ホームページや動画、SNSを作ること自体は悪くありません。ただ、「誰に向けて、何を伝え、入社後どんな道があるのか」まで整理されていないと、採用効果は出にくいです。
この会社には、すでに伝えるべき強みがあります。仕事があること。自社職人を軸にしていること。若手や外国籍社員が定着していること。現場を任せるチャンスがあること。こうした強みを、社長の言葉だけでなく、社員がなぜ辞めずに続けているのかまで掘り下げて発信すると、採用の打ち出し方は変わります。
職長不足の解決は、求人を増やすことではなく、「必要職長数の逆算」「社内候補の見極め」「経験者採用の要件定義」「育成ステップの明文化」を同時に進めることです。
まとめ
仕事がある会社ほど、人の課題は後回しにしづらくなります。案件の見通しがあり、売上も伸びているなら、次に見るべきは「何人採るか」ではなく、「誰が現場を任され、誰が次の職長になるのか」です。
15名強から20名規模に向かう専門工事会社では、社長が現場で動けることが強みである一方、そのままでは組織の上限にもなります。60代の職長・職人が数年後に抜けることを前提に、いまの若手・中堅・外国籍社員の中から誰を育てるのか。外から採るなら、どんな経験者を採るのか。ここを整理するだけでも、採用の打ち手はかなり変わります。
職長不足は、採用だけの問題ではなく、会社の次の形を決める経営課題です。 だからこそ、求人票やホームページを見直す前に、仕事量・年齢構成・職長候補・社長の稼働を一枚に並べてみることをおすすめします。
職長不足を自社の数字で整理したいときは
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
「うちの場合、経験者採用を優先すべきか」「社内の誰を職長候補にすべきか」「ホームページやSNSの前に何を整えるべきか」といった段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況の整理先としてお使いください。
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