滋賀県南部で10名弱、産業用蓄電池まわりの特殊工事を担う会社の採用課題
滋賀県南部で、産業用蓄電池や非常用電源まわりの工事を手がける、10名弱の専門工事会社の話です。大手メーカー系や電力系のエンジニアリング会社から継続的に仕事が入り、近畿一円を中心に、中部・中国・四国方面まで現場が広がることもあります。
需要は強く、社長の言葉を借りると「増えたら増えただけ仕事はある」状態です。一方で、外注に電気の仕事を任せることはほとんどなく、売上を伸ばすには自社で人を採り、自社で育てる必要があります。
ただ、この会社の工事は一般的に知られている電気工事とは少し違います。社長も「うちの仕事の経験者は、おそらくいないです」と話していました。ここに、ニッチ工事会社ならではの採用の難しさがあります。
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- 7月6日工務店兵庫県
- 7月6日電気設備工事会社神奈川県
- 7月6日防水工事会社東京都
- 7月5日塗装工事会社神奈川県
- 7月5日プラント工事会社福島県
- 7月5日リフォーム会社東京都
- 7月5日総合土木福井県
- 7月4日外構工事会社千葉県
- 7月2日防水工事会社茨城県
- 6月30日ビルメンテナンス北海道
- 6月30日ビルメンテナンス福岡県
- 6月29日総合建築千葉県
- 6月29日総合建築東京都
- 6月28日配管工事会社富山県
- 6月27日リフォーム会社山口県
- 6月27日内装工事会社大阪府
- 6月26日塗装工事会社秋田県
- 6月26日配管工事会社三重県
- 6月26日工務店宮崎県
- 6月25日内装工事会社長野県
- 6月23日プラント工事会社神奈川県
- 6月23日外構工事会社岐阜県
- 6月19日空調設備工事会社兵庫県
- 6月19日総合建築鳥取県
- 6月19日配管工事会社東京都
- 6月18日総合土木東京都
- 6月18日空調設備工事会社兵庫県
- 6月18日防水工事会社岡山県
- 6月16日配管工事会社青森県
- 6月16日総合建築神奈川県
経験者を探しても市場におらず、町の電気工事経験者でも即戦力になりにくい
この会社の採用課題は、求人を出していないことではありません。ホームページで募集を出し、求人媒体にも掲載し、高校生向けの就職関連媒体に費用をかけた時期もありました。人材紹介も試しています。
それでも、成果報酬型の人材紹介では「履歴書は来るが面接まで至らない」状況があり、高校採用も「1〜2年費用はかけたが、結果につながらなかった」といいます。直近で入った若手は、求人媒体ではなく、会社に出入りしている知人経由の紹介でした。
ここで見えてくるのは、採用手法そのものの良し悪しではなく、『誰を採るのか』と『どこで出会うのか』が合っていない問題です。
同業経験者はほぼいません。一般的な電気工事経験者を採っても、すぐに任せられるわけではありません。そうなると、採用の前提は「経験者を探す」ではなく、若くて、現場で覚える力があり、続けられる未経験者をどう見つけるかに変わります。
仕事の将来性は強いのに、求職者には仕事内容のイメージが伝わりにくい
産業用蓄電池やエネルギー関連の工事は、社会的な追い風があります。上流側の会社が年度末までの案件受付を早い段階で止めるほど、受注が詰まることもあるようです。人がいれば受けられる仕事がある。これは中小の専門工事会社にとって大きな強みです。
ただし、その強みは求職者には伝わりにくいものです。
「蓄電池」「非常用電源」「メーカー系の現場」「近畿一円の工事」と聞いても、未経験の若手には仕事内容が想像しづらい。町の電気工事、住宅の配線、エアコン工事のように、日常で見える仕事でもありません。
その結果、入社後に「思っていた仕事と違った」と感じて早期離職につながることもあります。実際に、数日で退職代行を使って辞めた人もいたそうです。
この背景を踏まえると、求人原稿で伝えるべきことは給与や休日だけではありません。仕事内容の特殊性を隠さず、同時にその仕事が社会のどこにつながっているのかを言語化することが重要です。
たとえば、次のような要素は未経験者にも伝える価値があります。
- AI・データセンター・再エネ・BCPなど、電力インフラ需要とつながる仕事であること
- 大手メーカー系や電力系の現場で、専門性の高い工事を担うこと
- 一般的な電気工事とは違うため、未経験から学ぶ前提であること
- 現場で先輩の動きを見ながら覚える仕事であり、継続力が評価されること
ニッチな仕事ほど、経験者には刺さりにくい一方で、未経験者には「他では身につかない専門性」として伝えられます。ここを採用の軸にできるかどうかが分かれ目です。
採用経路を増やす前に、若手未経験者向けにターゲットと訴求を組み直す
まず整理したいのは、採用ターゲットです。この会社の場合、採るべき人材は「産業用蓄電池工事の経験者」ではありません。市場にほぼいないからです。
採用ターゲットは、より現実的に次のように置くほうが合っています。
若く、身体を動かす現場仕事に抵抗がなく、知らない分野を現場で覚える継続力がある未経験者。
このターゲットに対して、採用経路は一つに絞らず、向き不向きを見ながら検証するのが現実的です。
知人紹介は、すでに成果が出ているなら仕組みにする
直近の若手採用が知人紹介だったなら、ここは軽視できません。中小の専門工事会社では、知人紹介は最も信頼度の高い採用経路になりやすいです。
ただし、自然発生に任せるだけでは再現性がありません。取引先、出入り業者、保険担当、社員の知人などに、どんな人を探しているかを具体的に伝える必要があります。
「誰か若い子いませんか」ではなく、たとえば次のように伝えるほうが紹介されやすくなります。
“電気の経験はなくてもよい。現場で体を動かす仕事が合っていて、コツコツ続けられる20代前後の人がいれば会いたい”
紹介者に対して、仕事内容を説明できる簡単な資料や求人ページを用意しておくことも有効です。紹介は人の信頼で動くため、紹介者が説明しやすい状態をつくることが大切です。
高校採用は、掲載だけではなく学校との接点づくりが必要になる
高校採用は、若手を採るうえで魅力的に見えます。ただ、就職関連の冊子やテキストに掲載するだけでは、結果につながりにくいことがあります。
高校生は自分で企業研究を深くするというより、先生や保護者、学校の進路指導の影響を受けます。そのため、高校採用は求人掲載ではなく、学校との関係づくりとして考える必要があります。
工業高校や就職希望者の多い高校に対して、どんな仕事か、どんな先輩がいるか、未経験でもどう育つかを伝える。可能であれば職場見学や説明資料も整える。ここまでやって初めて、候補者の選択肢に入りやすくなります。
一方で、高校採用は手間も時間もかかります。受け入れ側に教育余力がない時期に無理に広げると、採用後の負担が大きくなります。高校採用を再開するかどうかは、先輩社員が新人を見る余力とセットで判断するのが現実的です。
求人媒体は、経験者募集ではなく未経験者向けの原稿に変える
求人媒体を使う場合、重要なのは掲載先よりも原稿の設計です。
「電気工事士経験者歓迎」「電気工事スタッフ募集」だけでは、一般的な電気工事会社と比較されます。しかも、実際には町の電気工事経験者でも即戦力になりにくい。そうであれば、経験者向けの見せ方に寄せすぎる必要はありません。
むしろ、未経験者に向けて次の点を明確にするほうが合っています。
- 未経験から始める前提であること
- 扱う工事がニッチで、将来性のある領域であること
- 最初から一人で任せるのではなく、先輩と現場に入りながら覚えること
- 近畿圏を中心に、インフラ系・メーカー系の現場に関わること
- 向いている人、向いていない人を正直に書くこと
特に「思っていた仕事と違う」を減らすには、仕事内容をきれいに見せすぎないことも大切です。現場仕事であること、移動があること、覚えるまで時間がかかることも含めて伝える。採用数を増やすだけでなく、入社後のズレを減らす原稿にするという考え方です。
人材紹介は、経験者探しではなく候補者層の確認に使う
人材紹介は、ニッチな経験者を探す目的では相性が悪い場合があります。市場にいない人を探しても、紹介会社側も動きにくいからです。
ただし、完全に不要とは限りません。第二新卒、製造業出身、設備保全経験者、現場系の仕事経験者など、未経験に近いが現場適性のある人材層を探る目的なら使い道があります。
その場合も、紹介会社に「電気工事経験者が欲しい」と伝えるだけでは不十分です。自社の仕事の特殊性、即戦力がほぼいないこと、重視するのは継続力や現場適性であることを具体的に共有する必要があります。
まとめ
ニッチな工事会社の採用では、経験者採用を前提にしすぎると行き詰まりやすくなります。
今回のような産業用蓄電池まわりの工事では、同業経験者はほぼ市場におらず、一般的な電気工事経験者でもすぐに戦力化できるとは限りません。だからこそ、採用の主戦場は“経験者を探す”ことではなく、“未経験者に選ばれ、育つ前提をつくる”ことになります。
整理すべき順番は、次の通りです。
- どんな未経験者なら育つ可能性が高いかを決める
- 仕事内容の特殊性と将来性を、求職者に伝わる言葉にする
- 知人紹介・高校採用・求人媒体・人材紹介を、目的別に使い分ける
- 採用人数は、現場で教えられる先輩の余力から逆算する
人が増えれば仕事が増える会社ほど、採用は売上に直結します。ただし、焦って採用経路だけ増やすより、まずは「誰に、何を、どこで伝えるか」をそろえることが近道です。
うちの仕事に合う若手をどう集めるかを整理したい方へ
ニッチな工事ほど、自社の魅力を言葉にするのが難しいものです。経験者が市場にいない、求人媒体で反応がない、高校採用を試したが続かなかった、紹介に頼っているが再現性がない。そうした悩みは、採用ターゲットと採用経路を分けて整理すると、次の一手が見えやすくなります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。採用についても、求人原稿の見直し、採用ターゲットの設計、紹介経路や媒体の検証、若手が定着するための体制づくりまで、会社の状況に合わせて一緒に考えます。
「うちの場合はどんな人を狙うべきか」「求人に何を書けば伝わるのか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは整理の場としてご活用ください。































