20代が数人、50代以上が中心の専門工事会社でも、仕事がある今こそ採用の土台を整える段階
近畿圏で専門工事を手がける、20名弱規模の会社の話です。20代が2名、30代が1名。あとは50代、60代が中心で、70代の職人も一部いる。社長自身も60歳前後になり、現場を支えてきた職人の年齢構成が少しずつ気になり始めている状況でした。
一方で、今すぐ仕事がなくて困っているわけではありません。大きな案件は多くないものの、小さな案件は複数あり、これまでのつながりや現場で築いた関係から仕事は回っています。
だからこそ、採用の話は後回しになりやすいです。社長からも「仕事をちゃんと取っておけば、ほっといても来るんちゃうか」という感覚がありました。これは建設業では珍しくありません。仕事があり、職人がいて、現場が回っているうちは、採用を急ぎの経営課題として見づらいものです。
ただ、年齢構成を見ると、考えるべきことははっきりしています。若手採用は、人が足りなくなってから始めるものではなく、まだ現場が回っているうちに“会社の見せ方”と“受け入れ方”を整えておくものです。
採用媒体に出す、人材紹介を使う、SNSを始める。そうした手段の前に、自社が若い人からどう見えているかを整理する必要があります。
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- 6月10日総合建築広島県
- 6月10日総合土木奈良県
- 6月10日総合建築東京都
- 6月10日内装工事会社愛知県
- 6月9日設備保全会社京都府
- 6月9日総合土木北海道
- 6月9日設備保全会社山口県
- 6月8日防水工事会社兵庫県
- 6月8日電気設備工事会社神奈川県
- 6月8日内装工事会社大阪府
- 6月5日リフォーム会社愛知県
- 6月5日プラント工事会社香川県
- 6月5日ビルメンテナンス兵庫県
- 6月5日内装工事会社長崎県
- 6月4日防水工事会社東京都
- 6月4日内装工事会社東京都
- 6月3日総合建築埼玉県
- 6月3日空調設備工事会社香川県
採用に困ってから発信を始めても、若手に会社の魅力が届きにくい
一番の課題は、会社の中にある強みが、外から見える形になっていないことです。
専門工事会社には、外から見ると分かりにくい魅力がたくさんあります。安定して仕事があること。長く現場を任されてきた職人がいること。難しい納まりや段取りを覚えられること。社長や先輩との距離が近く、現場で技術を吸収しやすいこと。
しかし、若手や未経験者から見ると、それらは自然には伝わりません。
会社名を聞いたことがない。ホームページを見ても何をしている会社か分かりにくい。採用ページがない。写真はあっても、どんな人が働いていて、入った後に何を覚えていくのかが分からない。そうなると、候補者は応募前に止まってしまいます。
実際、相談の中でもホームページの話が出ました。過去に高額な契約で作ったものの、採用のために作り込まれている感じは薄い。会社としての実態はあるのに、若い人に向けた情報としては十分に伝わっていない状態です。
採用で最初に整えるべきなのは、求人票の条件よりも先に「この会社で働くイメージが持てる情報」です。
特に20代・30代を採りたい場合、給与や休日だけではなく、次のような不安に答える必要があります。
- 未経験でも入れるのか
- 入社後、誰が教えてくれるのか
- どんな現場に行くのか
- 何年くらいで何ができるようになるのか
- 怖い職人ばかりではないか
- 会社として続いていく見込みがあるのか
これらに答えられていないと、会社の良し悪し以前に、候補者の比較対象に入りません。
職人上がりの会社ほど、腕の良さや仕事量が外から見えにくい
この課題の背景には、建設業らしい会社の成り立ちがあります。
社長自身が職人として現場に入り、知り合いの紹介や現場での関係から仕事を広げ、人を雇い、会社らしくしてきた。こうした会社では、仕事の取り方も、人の育て方も、社長や職人の経験に強く依存します。
それ自体は悪いことではありません。むしろ、現場で信頼されてきたからこそ会社が続いています。ただ、採用の場面では、その強みが言語化されていないことが多いです。
相談の中でも、「職人上がりだと、経営というより、人を雇って組織を作っている感じになっている会社が多い」という話がありました。これは多くの専門工事会社に当てはまります。
現場では通じる。取引先には分かる。昔からの仲間には伝わる。けれど、これから入ってくる若手には伝わらない。
ここにギャップがあります。
さらに、今の若手は、会社を知る入口が以前と違います。紹介で入る人もいますが、会社名を検索する、ホームページを見る、SNSを見る、求人ページを見るという流れが自然です。そこで情報が少ないと、候補者は「よく分からない会社」と感じてしまいます。
職人の世界では“見れば分かる”ことでも、採用では“見る前に分かる”状態を作る必要があります。
もう一つ大きいのは、受け入れ体制です。
若手が入ったとしても、現場の忙しさに任せて「とりあえず先輩について覚えて」となると、定着は職人個人の相性に左右されます。教える人が決まっていない。最初に何を覚えるかが曖昧。できるようになったことをどう評価するかが見えない。これでは、本人も会社も手応えを持ちにくくなります。
人材紹介に高い費用を払えば、人を入れられる可能性はあります。しかし、会社の見せ方と受け入れ体制が整っていなければ、採用単価だけが上がり、定着にはつながりにくくなります。
ホームページ・採用ページ・SNSの前に、若手へ伝える会社の中身を言葉にする
若手採用に向けて最初にやるべきことは、媒体選びではありません。自社の中にある働く理由を、若手に伝わる言葉へ変えることです。
順番としては、次の流れが現実的です。
まず、いまの会社の状態を棚卸しします。社員数、年齢構成、職人の経験年数、仕事の種類、主な取引先の傾向、今後も残したい技術。ここを整理すると、採用で伝えるべき軸が見えてきます。
今回のように、20代・30代が少なく、50代以上が中心の会社であれば、単に「若手募集」と出すだけでは弱いです。若手に対して、なぜ今採用したいのか、入った人に何を任せていきたいのか、どんな技術を引き継いでほしいのかを示す必要があります。
次に、採りたい人を絞ります。
経験者が欲しいのか、未経験でも育てたいのか。すぐ現場で動ける人を求めるのか、数年かけて覚えてもらう前提なのか。ここが曖昧なまま発信すると、求人票も採用ページもぼやけます。
未経験者や若手を受け入れるなら、会社側も「育てる前提」を持つ必要があります。現場で自然に覚える部分は残しつつも、最初に何を教えるか、誰が見るか、どこまでできたら次に進むかを決めておく。これだけでも、入社後の不安はかなり減ります。
そのうえで、外部への見せ方を整えます。
ホームページや採用ページでは、きれいなデザイン以上に、次の情報が大切です。
- 何の工事をしている会社なのか
- どんな現場・仕事が多いのか
- どんな人が働いているのか
- 未経験者に何を教えるのか
- 若手にどんな役割を期待しているのか
- 会社としてこれからどう続けていきたいのか
SNSを使う場合も、無理に派手な投稿をする必要はありません。大事なのは、会社の存在を知ってもらうことです。現場の安全に配慮しながら、仕事の内容、職人の雰囲気、社内で大切にしている考え方が少しずつ伝わるだけでも、若手にとっては判断材料になります。
ここで注意したいのは、良く見せすぎないことです。
採用発信は、会社を大きく見せるためのものではありません。実態と違う発信をすると、入社後のギャップが大きくなります。むしろ、中小の専門工事会社らしい距離の近さ、技術を覚えられる環境、社長や職人の顔が見える安心感を、等身大で伝えるほうが強いです。
採用ブランディングとは、会社を飾ることではなく、働く前に知っておいてほしいことを整理して伝えることです。
最後に、職人任せにしない組織づくりです。
若手が入ると、現場の職人には教える負担が増えます。そのため、会社として「育てること」を職人個人の善意だけに任せないことが大切です。誰が面倒を見るのか、社長はどのタイミングで声をかけるのか、本人の困りごとをどこで拾うのか。こうした小さな仕組みを作るだけでも、定着の確率は変わります。
人を採る前に、会社の中を完璧に整える必要はありません。ただ、最低限の受け入れ方が決まっている会社と、入ってから考える会社では、若手から見た安心感が違います。
まとめ
20代・30代が少なく、50代以上の職人が中心になっている会社では、採用を急に始めても成果が出にくいことがあります。理由は、人がいないからではなく、会社の魅力や受け入れ方が外から見えにくいからです。
仕事がある会社ほど、採用発信は後回しになります。しかし、現場が回っている今だからこそ、落ち着いて整えられることがあります。
若手採用に向けて最初に見るべきなのは、求人媒体ではなく、自社の見え方です。
整理するポイントは、次の3つです。
- 自社の強みや働く環境を、若手に伝わる言葉にする
- ホームページ・採用ページ・SNSで、会社を知る入口を作る
- 未経験者や若手を職人任せにせず、受け入れ方を決める
高額な人材紹介を使うかどうかは、その後の判断で十分です。先に会社の見せ方と受け入れ体制を整えておけば、採用手段を選ぶときの判断もしやすくなります。
採用は「人を集める活動」である前に、「この会社で働く理由を伝える活動」です。
若手が少ない会社ほど、そこを早めに言葉にしておくことが、将来の技能承継や組織づくりにつながります。
若手採用に向けて、自社の見せ方と受け入れ体制を整理したい方へ
「うちの会社の良さをどう伝えればいいか分からない」「採用ページやSNSを作る前に、何を整理すべきか見たい」という段階でも、十分に相談の価値があります。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。若手採用についても、会社の強みの言語化、採用ページの方向性、受け入れ体制づくりまで、現場に合う形で一緒に考えることができます。
ものづくりに集中できる建設業界へ。まずは「うちの場合は何から整えるべきか」を話すところからで大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要なタイミングでご相談ください。






























