前提

関東近郊の専門工事会社で、仕事はあるが数年後の職人構成を見据えて若手育成に力を入れている状態

関東近郊で公共工事を中心に手がける、20名弱の専門工事会社の話です。小さな現場から大きな施設工事まで積み上げてきて、今は仕事を取りに行くというより、「いただいた仕事を丁寧にやり切る体制をどうつくるか」が大きなテーマになっていました。

売上は順調に伸び、案件も十分にあります。一方で、社長自身も現場に出ながら、若手の育成、資格取得、道具の支給、今後の人員構成まで考えています。

印象的だったのは、職人の年齢構成に対する見立てです。

「今の職人さんを見ていると、60代、70代の方が現場を支えているのがはっきり分かるんです。そこがいなくなった時に、うちの若い子たちが前に出られれば、会社は伸びると思っています」

この言葉には、仕事がある会社ほど避けて通れない論点が詰まっています。案件の量よりも、数年後に誰が現場を任されるのかが、会社の将来を決めるということです。

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  • 7月8日総合土木愛知県
  • 7月8日工務店山形県
  • 7月8日外構工事会社群馬県
  • 7月6日工務店兵庫県
  • 7月6日電気設備工事会社神奈川県
  • 7月6日防水工事会社東京都
  • 7月5日塗装工事会社神奈川県
  • 7月5日プラント工事会社福島県
  • 7月5日リフォーム会社東京都
  • 7月5日総合土木福井県
  • 7月4日外構工事会社千葉県
  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

60代・70代の職人に頼る現場で、中間層が薄く若手が前に出るまでの時間が足りない

この会社が見ている課題は、単に「若手が足りない」ではありません。より正確には、高齢の熟練職人が現場を支え、中間層が薄く、若手が一人前になるまでの橋渡し役が少ないという構造です。

現場では、60代以上の“レジェンド”と呼べる職人がまだ活躍しています。ただ、40代・50代の層が十分にいないため、若手が技術を吸収し、段階的に任されていく流れを意識してつくらなければ、数年後に現場力が落ちる可能性があります。

社長は若手に対して、かなり率直に将来を伝えていました。

「5年先はかなり見えている。お前らの時代が来る、仕事は選び放題になるし、給料も上がっていくぞ、と話しています」

この伝え方は大事です。若手にとって、今のきつさや覚えることの多さは、将来とつながっていないと我慢だけになってしまいます。“今覚える技術が、5年後の自分の価値になる”と見える状態をつくることが、技能継承の入り口になります。

背景

外注で埋めるだけでは品質も若手の成長機会も残りにくい

建設業では、人が足りない時に協力会社や外注で現場を回すことは当然あります。すべてを自社で抱える必要はありません。ただ、この会社は「できるだけ自社でやる」ことに強い意思を持っていました。

「足りなければ外注さんを使うんですけど、できるだけ自社でやる。スキルアップもさせてあげたいし、やった分の給料も見てあげたいんです」

この考え方は、これからの中小建設会社にとって重要です。外注は現場を成立させるうえで必要ですが、頼り切ると、若手が難しい仕事を覚える機会が少なくなります。結果として、会社の中に技術が残りにくくなります。

一方で、若手をいきなり前に出せば品質リスクがあります。社長も「下の子たちがいればいるだけ、品質を落とすこともある」と現実を見ていました。だからこそ、内製化は“外注を減らす”ことではなく、“自社で任せられる範囲を少しずつ増やす”取り組みとして考える必要があります。

この会社では、腰道具や手袋などを会社で支給し、仕事が薄いタイミングには免許や資格を取りに行かせていました。忙しい時期だけを見ると、資格取得に人を出すのは負担です。それでも、数年後に若手が現場の中心になることを考えれば、道具・資格・教育時間はコストではなく、将来の施工能力への投資です。

解決

若手に任せる範囲を決め、上の世代が教える時間を現場計画に組み込む

技能継承を進めるうえで大切なのは、精神論ではなく設計です。若手に「見て覚えろ」と言うだけでは、今の現場スピードにも、若手の感覚にも合いにくくなっています。

まず整理したいのは、今いる高齢職人が抜ける前に、誰に何を渡すのかを決めることです。たとえば、次のように分けると考えやすくなります。

  • すぐに若手へ任せられる作業
  • ベテランの横で覚えさせる作業
  • 資格取得後に任せる作業
  • 当面はベテランまたは協力会社に任せる作業
  • 品質確認だけは上の世代が見る作業

この分類をしておくと、「若手を育てたい」という思いが、現場ごとの具体的な判断に変わります。若手に任せる範囲と、ベテランが見る範囲を分けることで、品質を守りながら成長機会を増やせます。

次に、教育のタイミングを現場計画に入れることです。仕事が薄い時期に資格を取らせる、免許を取らせる、道具をそろえる。これは非常に実務的な打ち手です。忙しい時期に教育しようとしても、現場は待ってくれません。だからこそ、少し余裕がある時期に、次の繁忙期で使える力を仕込む発想が必要です。

また、若手に将来性を伝えることも欠かせません。今の若手は、単に「稼げるぞ」だけでは動きにくい面があります。自分が何年後にどんな仕事を任され、どんな立場になり、どのくらい評価されるのかを見ています。

この会社のように、

「今は我慢して覚えろ。30歳、35歳になった時に、お前たちの時代が来る」

と伝えることは、若手にとって大きな意味があります。ここに、資格取得、道具支給、任せる現場、昇給や手当の考え方がつながると、さらに納得感が出ます。若手育成は、言葉だけでなく“会社が本気で賭けている”と伝わる投資とセットで進みます。

内製と協力会社活用の判断軸も、あらかじめ持っておきたいところです。すべてを内製するのではなく、次のように考えると無理がありません。

  • 自社の強みにしたい施工は、若手に覚えさせて内製化する
  • 繁忙期の山を越えるための仕事は、協力会社と組む
  • 品質の基準が明確でない仕事は、ベテラン確認を必ず入れる
  • 若手の成長につながる現場は、多少時間がかかっても経験させる

大事なのは、外注を使うかどうかではなく、その仕事が自社に技術として残るべきものかどうかです。残したい技術なら、時間をかけても若手に渡す。波動対応や専門性の違う仕事なら、協力会社の力を借りる。この線引きができると、内製化は無理のない成長戦略になります。

まとめ

高齢職人が現場を支えている会社にとって、技能継承はいつかの課題ではなく、今の現場運営の中で少しずつ進めるテーマです。

今回の会社は、仕事がないから若手を育てているのではありません。むしろ仕事があり、将来も明るいと見ているからこそ、若手に道具を持たせ、資格を取らせ、上の世代が教え、数年後に前に出られるよう準備していました。

中小建設会社の技能継承は、「採用できるか」だけでなく、「入った若手を何年後にどこまで任せるか」で決まります。

そのためには、任せる作業の段階分け、資格取得の計画、ベテランの教える役割、協力会社との使い分けを、現場感覚に合わせて整理することが大切です。

そして何より、若手に「この会社で続ければ、自分の時代が来る」と見せることです。将来の役割が見える会社には、若手が踏ん張る理由が生まれます。

若手育成と内製化の進め方を、自社の現場に合わせて整理する

若手を育てたいと思っていても、「どの作業から任せるべきか」「資格取得にどこまで投資するか」「協力会社との使い分けをどう考えるか」は、会社ごとの現場や人員構成によって変わります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。技能継承や内製化についても、今いる職人の年齢構成、若手の育成状況、案件の種類を踏まえて、無理のない進め方を一緒に考えることができます。

「うちの場合は、何から整理すればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況の整理先としてご活用ください。

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