前提

東海エリアの塗装・防水会社が「自社が頭で受ける体制」をつくろうとしていた

岐阜県を中心に東海エリアで動く、15名規模の塗装・防水会社の話です。大規模修繕や公共工事も視野に入れながら、既存の取引先だけに頼らず、会社としてもう一段強い体制をつくろうとしていました。

その中で出てきたのが、「自社が頭になって案件を受け、職人さんや協力会社さんが自社の名前で動ける体制をつくりたい」という考え方です。

現場は月末まで工事が詰まっており、仕事がないから困っているというより、今後の受注余力や施工体制を見据えた相談でした。新しい客先への興味もあります。実際に「新規のお客さんとの付き合いに興味がない経営者は、あまりいないと思います」といった言葉もありました。

ただ、ここで整理が必要なのは、「新しいお客さんを増やすこと」と「現場を任せられる協力会社を増やすこと」は、似ているようでまったく別の活動だという点です。

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  • 7月2日防水工事会社茨城県
  • 6月30日ビルメンテナンス北海道
  • 6月30日ビルメンテナンス福岡県
  • 6月29日総合建築千葉県
  • 6月29日総合建築東京都
  • 6月28日配管工事会社富山県
  • 6月27日リフォーム会社山口県
  • 6月27日内装工事会社大阪府
  • 6月26日塗装工事会社秋田県
  • 6月26日配管工事会社三重県
  • 6月26日工務店宮崎県
  • 6月25日内装工事会社長野県
  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

「協力会社を増やす」が顧客開拓のリストに置き換わると話が噛み合わない

協力会社を増やしたいという話に対して、建築管理会社、元請候補、大規模修繕会社、数十億円規模の同業会社のリストが出てくると、現場側の感覚では少しズレが生まれます。

相談者も、そこを端的に言っていました。

「協力業者っていうと、やっぱり職人会社さんになっちゃうので、今出てきたような会社さんではないですけどね」

この一言に、建設業の開拓でよく起きる論点が詰まっています。

顧客開拓で探す相手は、仕事を発注してくれる会社です。協力会社開拓で探す相手は、自社の現場を一緒に納めてくれる会社です。

同じ「新しい会社を開拓する」でも、見るべき条件が違います。

顧客開拓であれば、管理会社、デベロッパー、元請会社、改修専門会社などが対象になります。評価軸は、取引可能性、案件の種類、既存取引との競合、紹介ルート、決裁者との接点などです。

一方で協力会社開拓であれば、対象は職人会社・専門工事会社です。評価軸は、工種、施工品質、職長力、対応エリア、安全管理、繁忙期の応援可否、自社名義で動けるかどうかになります。

ここを混ぜてしまうと、「受注したい会社のリスト」を見ながら、「任せたい会社を探す話」をしてしまうことになります。すると、話している側も聞いている側も、悪気はないのに噛み合わなくなります。

背景

建設業の協力会社開拓は、会社名より「誰に任せても信用を落とさないか」で決まる

協力会社開拓が難しいのは、単に施工できる会社を探せばよいわけではないからです。特に、自社が頭になって受ける案件では、協力会社の動きがそのまま自社の信用になります。

相談者は、紹介や取引についても次のような感覚を持っていました。

「僕らの業界は、人の付き合いで商売をやっているところが大きいです」

「紹介できる人って、信頼できる方にしか紹介できないんですよね」

これは顧客紹介の話として出ていた言葉ですが、協力会社開拓にもそのまま当てはまります。職人会社を増やすというのは、外注先の数を増やすだけではありません。自社の看板で現場に入ってもらえる相手を増やすことです。

だからこそ、候補先を増やす前に、次のような前提をそろえる必要があります。

  • どの工種を任せたいのか
  • どのエリアまで対応してほしいのか
  • どの規模の現場を任せたいのか
  • 職長として現場を見られる人がいるのか
  • 安全書類や現場ルールに対応できるのか
  • 既存の取引先や元請との関係でバッティングしないか
  • 自社名義で動くことに抵抗がないか

特に「バッティング」は、建設業では軽く見られません。相談者も「誰かが嫌な思いをするのは基本的に難しい」と話していました。

新しい客先を開拓する場合も、協力会社を増やす場合も、既存の人間関係を壊さないことが前提になります。開拓は攻めの活動ですが、建設業では同時に信用を守る活動でもあります。

解決

職人会社と営業先を分け、先に「自社名義で任せられる条件」を決めてから開拓する

協力会社を増やすときは、最初にリストを広げるよりも、まず「何を増やしたいのか」を分けて考えるのが有効です。

最初に整理したいのは、顧客開拓と協力会社開拓を別のプロジェクトとして扱うことです。

たとえば、塗装・防水会社が大規模修繕を広げたい場合、顧客開拓では管理会社や元請会社への接点づくりが必要になります。一方、協力会社開拓では、足場、下地補修、シーリング、塗装、防水など、現場を納めるための施工体制づくりが中心になります。

進め方としては、次の順番が現実的です。

1つ目は、任せたい範囲を決めることです。応援人工がほしいのか、班で任せたいのか、職長付きで任せたいのかで、探す相手は変わります。「人が足りない」のか「現場を任せられる会社が足りない」のかを分けるだけで、候補先の見方が変わります。

2つ目は、最低条件を決めることです。施工品質、対応エリア、工期対応、安全管理、報告の仕方、既存取引との競合有無などを、最初に言語化しておきます。ここが曖昧なまま候補会社と会うと、「良さそうな会社だった」で終わりやすくなります。

3つ目は、候補リストを職人会社・専門工事会社に絞ることです。大きな管理会社や元請候補を並べても、協力会社開拓のリストにはなりません。もちろん将来の顧客候補としては重要ですが、目的が違います。協力会社リストには、実際に現場で手を動かし、職長や班を出せる会社を入れる必要があります。

4つ目は、面談で「受けられるか」だけでなく「一緒に現場を納められるか」を見ることです。過去実績、得意な工事、繁忙期の動き方、安全意識、現場での報連相、元請や既存取引との関係を確認します。建設業では、条件が合っても人として合わないと続きません。

5つ目は、いきなり大きく任せず、小さな現場や一部工種から試すことです。試験発注では、仕上がりだけでなく、段取り、時間、書類、現場での受け答え、トラブル時の対応まで見ます。協力会社の定着は、名刺交換ではなく、実際の現場を一緒に越えたあとに始まります。

そして最後に、継続判断の基準を持つことです。1回の現場で終わらせず、良かった点、次回直す点、任せられる範囲を整理しておくと、次の発注がしやすくなります。

協力会社開拓は、営業代行のように件数だけを追う活動とは少し違います。自社の施工体制を拡張するための、外部チームづくりとして進めるほうが実態に合います。

まとめ

協力会社を増やしたいときに話が噛み合わなくなる原因は、能力不足ではなく、言葉の定義がズレていることが多いです。

顧客開拓は「仕事をくれる会社」を探す活動です。協力会社開拓は「自社の名前で現場を任せられる会社」を探す活動です。

この2つを分けるだけで、ターゲット、リスト、面談内容、判断基準が変わります。

特に塗装・防水、大規模修繕、専門工事の領域では、職人会社との関係づくりが受注力そのものに直結します。新しい客先を増やす前に、受けた仕事をきちんと納められる体制を整えることも、会社を強くする大事な一手です。

「誰に営業するか」と同じくらい、「誰と現場を納めるか」を整理することが、次の成長の土台になります。

協力会社開拓をどこから整理するか迷ったときは

協力会社を増やしたいと思っても、必要な工種、候補先の探し方、既存取引とのバッティング、自社名義で任せる条件まで一度に整理するのは簡単ではありません。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、販路拡大、人材確保、組織づくり、原価管理、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。協力会社開拓についても、まずは「顧客開拓と混ざっていないか」「どの工種を補うべきか」「どんな会社なら任せられるか」といった整理から一緒に考えることができます。

うちの場合は何から考えるべきか、まだ言語化できていない段階でも問題ありません。無理な営業はいたしませんので、状況の整理先として必要なときにご相談ください。

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