前提

3年後に売上を大きく伸ばしたい外装工事会社では、職人の増員が成長の前提になっている

首都圏で外壁工事、塗装工事、シーリング工事を中心に手がける、従業員40名弱の専門工事会社の話です。戸建ての外装まわりを主軸にしながら、近年はマンションやアパートの修繕系の仕事も伸ばしており、営業部隊も社内にあります。

会社としては、3年後に売上30億円規模を目指したいという明確な展望がありました。仕事は増えてきている。一方で、その仕事を受け切るためには、人の体制を変えていく必要があります。

現在は管理側の比率が高く、職人は全体の3分の1ほど。今後は、管理だけでなく現場で手を動かせる職人の割合を高めていきたいという考えです。

印象的だったのは、職人を増やす話が単なる「社員採用」の話に留まっていなかったことです。

「従業員も増やしたいし、協力会社も増やしたい。両方ですよね」

この言葉の通り、売上拡大に必要なのは、社員数を増やすことだけではありません。自社の職人を育て、その先で独立する人も出てくる。独立後も協力会社として関係が続けば、会社全体の施工力はむしろ厚くなります。

成長する専門工事会社にとって大事なのは、採用人数ではなく「職人が供給され続ける仕組み」です。

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  • 6月23日プラント工事会社神奈川県
  • 6月23日外構工事会社岐阜県
  • 6月19日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月19日総合建築鳥取県
  • 6月19日配管工事会社東京都
  • 6月18日総合土木東京都
  • 6月18日空調設備工事会社兵庫県
  • 6月18日防水工事会社岡山県
  • 6月16日配管工事会社青森県
  • 6月16日総合建築神奈川県
  • 6月16日電気設備工事会社東京都
  • 6月15日総合土木千葉県
  • 6月15日内装工事会社島根県
  • 6月15日設備保全会社群馬県
  • 6月14日内装工事会社栃木県
  • 6月14日塗装工事会社神奈川県
  • 6月13日解体工事会社神奈川県
  • 6月11日総合建築和歌山県
  • 6月11日総合土木静岡県
  • 6月11日プラント工事会社京都府
  • 6月11日空調設備工事会社神奈川県
  • 6月11日空調設備工事会社茨城県
  • 6月11日総合土木長野県
  • 6月10日総合建築広島県
  • 6月10日総合土木奈良県
  • 6月10日総合建築東京都
  • 6月10日内装工事会社愛知県
  • 6月9日設備保全会社京都府
  • 6月9日総合土木北海道
  • 6月9日設備保全会社山口県
中小建設業のための新規採用成功ガイド 資料ダウンロード
課題

社員採用だけを増やしても、売上拡大に必要な現場対応力は足りなくなる

売上を伸ばす局面では、「まず人を採ろう」と考えがちです。もちろん採用は必要です。ただ、建設業、とくに専門工事会社では、社員を採るだけでは現場対応力が増え切らない場面があります。

理由はシンプルです。職人は、採用した瞬間から一人前に動けるわけではありません。現場で経験を積み、段取りを覚え、品質の感覚を身につけていく必要があります。

この会社でも、高卒採用や外国人材の受け入れを続けています。高校にも社長自ら足を運び、多い年で2〜3名ほど入ることもある一方、入らない年もあります。技能実習生も数名ずつ受け入れています。

一方で、大学新卒採用については以前取り組んだものの、今は重視していません。その理由も現場感があります。

「高校生でも大学生でも、職人としては結局、経験を積まないと無理なんです。大学を出たことが、すぐ職人仕事に活きるかというと、そこまでではない」

加えて、大学新卒は初任給水準が高くなりやすい。未経験から現場で覚えるという意味では、高卒で早く現場に入り、会社のやり方に染まっていくほうが合うという判断です。

ここで重要なのは、採用ルートの良し悪しではありません。自社の工種、自社の教育体制、自社の賃金設計に合う人材供給ルートを選ぶことです。

また、社員だけで現場をすべて回そうとすると、別の問題も出てきます。社員には休日があります。この会社では職人も年間120日程度の休みを確保しています。完全週休2日ではなくても、社員を守るための休みは必要です。

しかし現場は、必ずしも社員の休日に合わせて止まってくれません。

「現場作業になると、休みばっかり言っていられない。そのときに社員を守るためにも、協力会社さんが必要ですよね」

この感覚は、多くの建設会社に共通します。社員を増やすことと、協力会社を増やすことは対立する話ではなく、社員を守りながら現場を回すために両方必要な話です。

背景

未経験を育てて独立を後押しする会社ほど、協力会社づくりも同時に進んでいる

この会社の考え方で特徴的なのは、若い職人に対して「ずっと社員でいてほしい」だけではなく、「独立する道」も前向きに見ている点です。

職人として入社した後のキャリアは、大きく分けると三つあります。

  • 社員の職人として現場で腕を磨き続ける
  • 成績や適性を見て管理側へ移る
  • 一定年数後に独立し、協力会社として関係を続ける

実際、若い職人は体が動くうちに独立を考えることも多いそうです。会社としても、独立を無理に止めるのではなく、むしろ一度は独立を経験することを後押しする考えがあります。

「うちは独立を押しています。管理になりたいなら、また社員として雇用する形もあります」

ここには、職人不足への現実的な向き合い方があります。

職人を社員として抱え続けるだけでは、会社の人件費や組織の柔軟性に限界が出ます。一方で、外から協力会社を探すだけでは、品質や仕事の進め方が合うかどうかは、実際に付き合ってみないとわかりません。

その点、自社で未経験から育てた職人が独立する場合、会社の現場ルール、品質基準、元請けや施主への対応感覚をすでに知っています。独立後も関係を続けられれば、「知らない協力会社を探す」のではなく、「自社の仕事を理解した協力会社を増やす」ことになります。

もちろん、独立した瞬間にすべて任せられるわけではありません。個人事業主や小規模な協力会社として仕事をしていくには、技術だけでなく、段取り、原価感覚、書類対応、約束を守る力も必要です。

だからこそ、職人育成は「技術を教える」だけで終わらせないほうがよいです。将来独立する可能性がある人には、現場作業だけでなく、仕事を請ける側として必要な考え方も少しずつ渡していく必要があります。

解決

採用、教育、独立、協力会社化を一本の流れとして設計する

職人を増やしたい会社は、採用施策を増やす前に、まず「採った後の流れ」を一本で整理すると動きやすくなります。

この会社のように、未経験を採用して育てる土台があり、独立も前向きに捉えている場合は、次の4つをつなげて考えることが重要です。

1つ目は、毎年どれだけ未経験を採る必要があるかを逆算することです。

3年後に売上を伸ばしたいなら、その時点で必要な職人数から逆算します。独立する人、管理側に移る人、退職する人も一定数出ます。そこまで見込むと、「今年何人採ればいいか」は、単年度の欠員補充ではなくなります。

たとえば、高卒採用が多い年で2〜3名、入らない年もあるなら、高校訪問だけに頼るのではなく、20代前半の未経験者、外国人材、紹介、求人媒体などを組み合わせる必要があります。今求人が1本だけであれば、売上目標に対して採用接点が足りているかを確認したいところです。

2つ目は、教育体制を「何年目で何ができるか」まで言語化することです。

教育体制がある会社でも、現場任せになっている部分は少なくありません。未経験者を育てるなら、年次ごとの到達点を決めておくと、本人も教える側も迷いにくくなります。

たとえば、次のような整理です。

  • 1年目:安全、道具、現場の流れ、基本作業を覚える
  • 2年目:一定範囲を任され、品質とスピードを上げる
  • 3年目:小さな現場や後輩指導を経験する
  • 独立前:見積り感覚、段取り、協力会社としての約束事を学ぶ

細かいマニュアルを作ることが目的ではありません。「一人前」の定義を会社側が持つことで、採用した人を育て切る確率が上がります。

3つ目は、独立後の関係を先に設計しておくことです。

独立を後押しするなら、独立後にどのような形で一緒に仕事をするのかを曖昧にしないほうがよいです。仕事量、対応エリア、品質基準、休日や繁忙期の考え方、支払い条件、現場での連絡ルールなどを、独立前から共有しておく必要があります。

ここが曖昧だと、せっかく育てた人が独立しても、ただ外に出ていくだけになります。逆に、関係設計ができていれば、独立は離脱ではなく、施工力の拡張になります。

独立支援は、退職を防ぐ施策ではなく、将来の協力会社ネットワークをつくる施策として捉えると意味が変わります。

4つ目は、管理職への道も同時に残しておくことです。

全員が独立したいわけではありません。現場で腕を磨きたい人もいれば、管理側に向く人もいます。この会社でも、成績や適性が良ければ管理に移る道があります。

売上が伸びるほど、現場を管理する人、協力会社を束ねる人、品質を見られる人が必要になります。職人を増やす設計と、管理者を育てる設計はセットです。

大切なのは、社員として残る道、独立する道、管理に移る道を、会社都合だけでなく本人の適性と意欲に合わせて用意することです。職人のキャリアを複線化できる会社ほど、人が育ち、協力会社も育ちます。

まとめ

売上を伸ばしたい専門工事会社にとって、職人不足は避けて通れないテーマです。ただし、採用数を増やすだけでは十分ではありません。

未経験を採る。社内で育てる。一定年数後に独立を後押しする。独立後も協力会社として関係を続ける。適性がある人は管理側へ登用する。

この流れをつくれると、職人採用は単なる人員補充ではなくなります。採用・育成・独立・協力会社化までを一体で設計することで、現場対応力そのものを増やす仕組みになります。

特に、社員の休みを守りながら現場を止めないためには、社員職人と協力会社の両方が必要です。どちらか一方ではなく、両方を育てていく発想が、これからの成長企業には欠かせません。

今すでに仕事が増えている会社ほど、目の前の採用だけでなく、3年後にどんな職人構成になっていたいかを一度整理してみる価値があります。

職人を増やすとは、人を採ることではなく、自社の仕事を担える人と会社を増やすことです。

職人の採用・育成・独立後の関係を整理したいときに

職人を増やしたい、未経験を育てたい、独立後も協力会社としてつながる形をつくりたい。そう考えていても、採用人数、教育の進め方、管理職への登用、協力会社との関係設計をどこから整理すればよいか迷うことはあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。職人供給の仕組みづくりについても、「うちの場合はどう考えるべきか」という段階から一緒に整理できます。

無理な営業はいたしませんので、まずは状況の整理先としてご活用ください。

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